ミュージカル『レディ・ベス』 2017年大阪公演

3年ぶりの再演となったミュージカル『レディ・ベス』を観に大阪まで行ってきました。

前回観劇した時はダブルキャストの一方だけしか観れなかったので、今回は両方網羅しようと検討した結果…上手い具合にそれができる日が連続していたので助かりました(笑)。遠征生活になってからマチソワすることも多くなってきたので😅、そういう観劇方法にもちょっと慣れてきたかもw。
ちなみに今回はソワレ→マチネ。これが一番理想系かな。

ここ最近劇団四季の観劇が続いていたので、久し振りの東宝系大型ミュージカルは実に新鮮でした。梅芸もちょっとお久しぶり。
先行でチケット確保していましたが、どうも最近良席が回ってこず(苦笑)。梅芸は広いので後方だとオペラグラスが欠かせません。超お目当てな役者さんは出ていないのでそれに対するストレスはあまりなかったのですが、出来ればもう少し前方で観てみたかったなというのはあるかも😅。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

 

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2017.11.29ソワレ~11.30マチネ公演 in 梅田芸術劇場(大阪)

主なキャスト

  • レディ・ベス:平野綾(29日)/花總まり(30日)
  • ロビン・ブレイク:山崎育三郎(29日)/加藤和樹(30日)
  • メアリー・チューダー:未来優希(29日)/吉沢梨絵(30日)
  • フェリペ:平方元基(29日)/古川雄大(30日)
  • アン・ブーリン:和音美桜
  • シモン・ルナール:吉野圭吾
  • ガーディナー:石川禅
  • キャット・アシュリー:涼風真世
  • ロジャー・アスカム:山口祐一郎
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全体感想

まず最初に個人的に驚いたのが…3年前の記憶がほとんど抜けていたことです(汗)。1回目を観終わった後の感想は、”こんなストーリーだったのか!”ってことww。
覚えていたのが、1幕にロジャー・アスカムが星読みの歌を歌うところと、ベスとロビンが初めて出会うシーンと、クライマックスのロビンの切ない背中・・・これくらい💦。ベスの過酷な運命そのもののドラマがほぼ抜け落ちていたのでww、全く初めて見るのと同じ感覚で観劇できてしまいました(笑)。これは良い事なのか、悪いことなのか・・・。

前回観劇の時1度しか観れなかったものの、個人的にダメだと思った印象もないしそこそこ気に入ってCDも購入していたはずなのですが…しばらく聴いていなかったこともあってか、ナンバーも1曲くらいしか覚えていない有様😓。ちなみに覚えてたのが2幕頭でベスを心配して歌われる「神よ祝福を与えん」でした。

♪どうなるの、レディ・ベス (レディ・ベス)♪

っていうフレーズだけはなぜかめちゃめちゃ記憶に残っていましたが、どういう場面で歌われていたのかについては全く覚えていなかったのでw、あぁ、そういうことかと妙に納得してしまった😓。

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タイトルの「レディ・ベス」とはイギリス王女・エリザベス1世のこと。このミュージカルは、エリザベス1世がヘンリー8世の2番目の妻であるアン・ブーリンの娘として誕生してから女王になるまでの数奇な運命を中心に描かれています。

ヘンリー8世は生涯で6人の妻を持ち、そのうち2人は処刑台に送ったとされていますがアン・ブーリンはそのうちの1人です。このアン・ブーリンの娘であるが故に不遇の時代を過ごす羽目になってしまったのがベス・・・後のエリザベス1世。彼女はヘンリー8世の最初の妻だったキャサリンの娘で姉であるメアリー王女からとことん恨まれた結果、母と同じように処刑される寸前までいく運命を辿ってしまいます。

メアリーは自分の母親・キャサリンがアン・ブーリンの出現によって父に捨てられ非業の最期を迎えた過去をずっと背負って生きている女性。敬虔なカトリック信者だったキャサリンでしたが、父がアン・ブーリンと再婚するためにプロテスタントに改宗したことを激しく恨んでいました。アン・ブーリンさえいなければ、母は悲劇の運命を辿らなくて済んだはずという想いはそのまま娘であるベスにも向けられていたわけです。その当てつけのように、自分が王女になってからは国教を「カトリック」として「プロテスタント」信者を異端者扱いとして処刑していたため、”ブラッディー・メアリー(血塗られたメアリー王女)”と恐れられていました。

ベスはメアリー王女の妹として従順に振舞っていましたが、父からもらった形見の「プロテスタント」読本を大切に持っていたため、メアリーから目を付けられてロンドン塔に幽閉され母と同じように処刑される寸前というところまで追い込まれてしまう。
その危機を救う形となったのが、メアリーの結婚相手となったスペインのフェリペ2世でした。

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ミュージカルではベスが不遇の時代を過ごした出来事を中心に描かれていますが、その中でロビンという貧しいけれども心のままに自由に生きる歌手と出会って恋に落ちたりするラブストーリーも織り交ぜられています。周囲に見つからないように徐々に想いを深めていく二人の物語は見ていてキュンとくるものがありましたね。たしか前回観た時も二人の関係にはかなり萌えたんだよなぁ。それは覚えてるww。

二人の場面で一番面白いのが、ベスが男性の格好をしてロビンと共に町の酒場に顔を出すシーン。正体を知られないように最初にロビンが「男性講座」を開くんですが、この時の二人のやり取りがとても可愛くて萌えます😊。それを実践するときのベスの「男前」っぷりにロビンがハラハラしまくってるのとか、めっちゃ好きでしたw。

ロビンとの恋愛ドラマが深まっていくと、切なさも増していくのがクライマックスですね。ベスは病死したメアリーの跡を継いでエリザベス1世として即位するという苦渋の選択をします。女王になるという事はロビンとの別れを意味してますから…ベスがいつもつけていたイモーテルの花を渡す場面は切なくて思わず涙してしまいました😭。

たしか、前回観たときはラストシーンでのロビンの去っていく背中にグッと来てしまった思い出があるんですが、今回は立ち去るという事はなくて最後まで見守るっていう形だったのでそこはちょっと残念。あの切ない背中をもう一度見たかった…!だけど、イモーテルの花を彼女に誇らしげに掲げる姿はやっぱりグッとくるものがあったなぁ😢。

初演とはかなり演出を変えたとのことですが、私は前述のとおり前回の記憶がほとんど抜け落ちているので(汗)どこがどう変わったのかが殆ど分からなかったんですけど(ラストシーンはたしか変わってると思うんだけど)、アスカム先生が歌う序章場面は分かりやすくなったなという印象がありました。
たしか初演ではアスカムが一人で歌い上げるだけだったはずなのですが、再演ではメアリーとベスの子役やヘンリー8世、キャサリン王妃、アン・ブーリンが登場してそれまでの経過を視覚的に見せるという演出になっていてより分かりやすくなったように思いました。
ちなみに私はこの序章が始まった瞬間に円形の舞台上にパーーッと星が広がる光景がすごく綺麗で好きでしたね。遠い席から見るとあれは本当に美しいです。

この舞台は全体的に「円形」となっていて、物語は斜めに傾いてぐるぐる回る円台で展開されることも多かったので視覚的にも面白いです。が、これ、演じる方はものすごく大変だろうなと思いました。衣装も豪華絢爛で重そうなのに、さらに舞台がめっちゃ傾いてたりすることもあるので…💦役者さんたちは相当な体力を必要とされていたと思われます。

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主なキャスト感想

11月29日ソワレ

平野綾さん(ベス)

平野さんは女王というには若く見えてしまうかなぁという懸念が最初にあったのですが、可愛らしい表情のなかに凛とした美しさが見えて、実に堂々とした素敵なベスでした。どんな苦境に立ってもくじけないといった女王たる素質みたいなものも感じられたのもよかったです。
ロビンとの恋愛関係はすごく等身大な感じで、その時はレディとしてではなく一人の恋する女性の顔になっていたのも印象的。恋する平野ベスは何だかとてもキュートでしたね。母親のアン・ブーリンに対する複雑な心境を吐露する場面は、憎しみを抱きながらも次第に自分の運命と重ね合わせるうちに理解していく変化が分かりやすくて感情移入しやすかった。
歌声も思っていた以上にしっかりしていて、1幕ラストに歌い上げる「秘めた想い」などは見事でした。ラストシーン、王冠をかぶったときの平野ベスの可愛さは絶品!!思わず「おお!」と心の中で歓声をあげてしまいました(笑)。
全体の印象としては、少女から大人への移り変わりが見えるベスだったなという感じかな。様々な苦難の経験を経て一皮むけたっていう。女王はその大人への第一歩といったイメージが強かったように思いました。

山崎育三郎くん(ロビン)

いっくんのロビンも今回が初見になります。
登場した時の自由気ままに歌う振舞いっぷりが、ロビンというキャラに見事にハマっているなぁというのが第一印象。どんなことがあっても気ままに自由に人生を楽しんでる感というのがものすごく感じられました。天真爛漫さも前面に出ていて、仲間たちとの場面でも実に楽しそうに馴染んでいました。
そんな彼がある日突然高貴な立場である「レディ・ベス」と出会うわけですが、屋敷にこっそり忍びこんで彼女と会話をする場面でもいっくんロビンはあまり恋愛感情みたいなものは見せていなかったように思います。あくまでも、今まで会ったことのないタイプの女性に興味津々っていうくらいの感じ。なので、けっこう軽い(笑)。
酒場から帰るときにロビンは初めてベスを「女性」として見ている自分に気づくわけですが…いっくんロビンはこの時にもあまりベスに恋しちゃった感がなかったように見えてしまったかも。なので、2幕後半でかなりのラブモードに入ったときにはちょっと唐突感を感じてしまうっていうのはあったかな😅。恋愛モードよりも自由人モードが強いイメージだったんで。
だけど、ラストにイモーテルの花をベスに掲げるところはグッときました。

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未来優希さん(メアリー)

未来さんのメアリーも今回が初見。どっしりとした存在感があって、女王としてのオーラがすごかったです!プロテスタント教徒を数多く弾圧してきた「ブラッディ・メアリー」の異名もなんだかものすごく納得できてしまったほどw。
ベスに対する憎しみもガっと常に前面に発信しまくっているので、それはそれは大きな「壁」的存在でしたね。どちらかというと姉よりも怖い継母みたいにも見えちゃったけど😅。これだけ激しくベスに対する威圧感を出していたので、病に倒れてベスに心を許す的なニュアンスの場面はちょっと違和感があったかも。この人なら最後まで憎しみつづけて果てそうな雰囲気があったので😅。
可愛かったのが、結婚相手となるフェリペの肖像を見せられた時の反応。それを見た瞬間に急に乙女になってしまうのが、これまでとのギャップでものすごく萌えてしまいました(笑)。

平方元基くん(フェリペ)

平方くんのフェリペは初演で見たはずなのですが…あまり記憶に残っていなくて(汗)。今回初めて見たような感じだったわけですが、これまで色々彼の役を見てきた中で一番ハマってるな!と思いました。特に登場時の戯れてるシーンでのヤンチャっぷりがめちゃめちゃ良かった😆!!時折見せるヤンチャな中に潜む冷たい視線とか、最高でしたよ。さらに「クール・ヘッド」の時の頭を指差した後ウィンクする仕草、あれはどんな女でも堕ちそう!っておもったからねww。そのくらい魅力的でした。
そしてメアリーと婚礼したあと、ベスの窮地にやってくるシーン。ベスを殺害しようとしていたガーディナー司教を追い込むのですが、この時の笑みをたたえながらも目に宿っていた冷徹さみたいな表情がものすごく印象深くてよかったです。平方くん、あんな魅力的な表情で切る役者になったんだねぇ・・・となんだかちょっと感慨深かった😊。

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11月30日マチネ

花總まりさん(ベス)

初演に続いて2度目となったわけですが…花總さんはもう、存在そのものが「高貴」です。最初に登場した瞬間から、”この人は位の高い家の出に違いない”感がハンパなかったのでw。これだけの気品を最初から感じさせる女優さんは本当に稀有な存在だと思います。大河ドラマ「直虎」で出演されていた時にも抜群の気品を保っていましたから、本当にすごいなぁと。
雰囲気も表情も「レディ」と呼ばれていた時代から見ているこちらが頭を垂れたくなるような、あぁ、この人は生まれながらに女王の素質があるんだなっていうことが一目でわかってしまいます。なので、ロビンと酒場に男装してこっそりもぐりこむ場面も、平野さんと比べると浮世離れ感がかなり高かったので面白かったですね(笑)。
花總さんの凄いところは、気品だけでなく恋愛の表現も実に繊細であるところだと思います。身分違いと分かっていながらも自由人のロビンに惹かれていく過程をとても丁寧に演じられていて、2幕でロビンと再会した時(この場面、ロミオとジュリエットみたいな演出なんですが)の彼を乞い求めるところは完全に「一人の女性」の顔でした。ロビンがいなければ生きていけない的なオーラがすごくて、見ているこちらも上手くいってほしい!って切実に思ってしまう。
でも確実に別れの時はやって来て…メアリーの死を告げられた瞬間に無意識にふっと表情に「女王」の顔を覗かせたのが印象的。あの瞬間に覚悟が決まったのかなって思えたので。そして最後にイモーテルの花をロビンに渡した時に最後の「恋する女性」としての顔を見せていて・・・実に切なかったですね。
王冠をかぶったときの姿は、女王の気品があふれ出ていました。ちょっとはかなげな表情をしている姿も思わず見とれてしまうほど美しい。平野さんが少女から一人の女性へというイメージが強かったのに対し、花總さんは女王としての気品を抱き、最後覚醒するといったイメージが強かったです。

加藤和樹くん(ロビン)

初演で見た時に一番覚えていたのが加藤くんのロビン。ストーリーはほとんど覚えていなかったのに、彼のロビンにはものすごくキュンキュン慕って記憶だけは鮮明に残っていましたww。それほど魅力的だったので、今回の再演で再び会えるのをとても楽しみにしていました。
いっくんのロビンが見た目から自由人そのものだったのに対して、和樹くんのロビンはどこかいいところのお坊ちゃんだったんだけど自由を求めて出奔してきた的な雰囲気をすごく感じました。なのでどことなくちょっと品があるように見えて、ワイワイいつも一緒にいる仲間たちとのシーンではどこか少し浮いた印象を持ちました。そのアンバランスさも逆に面白くて個人的には好きでしたけどねw。

和樹くんのロビンの一番の魅力は何といっても「恋愛」モードのお芝居です。前回もキュンとさせられまくったのですが、今回もそれに負けず劣らずww。ベスと最初に出会った時にはシレっとした感じでしたが、庭に縄で侵入してベスと丁丁発止の台詞を交わしていくうちに彼女への興味が膨らんでいく様が実にリアルに演じられていました。自由になろうよ!って誘ってる時の顔がもう爛々と輝いてて、これはもうベスに恋に落ちちゃうのも時間の問題だなっていうのが分かってしまう😊。
それ故に、酒場から帰るときに彼女への恋心を自覚する場面はとてもリアルでスッと受け入れられました。花總ベスとの最初のキスシーンはもう、美男美女で眼福以外のなにものでもありません(笑)。さらにベスが囚われの身になったときの心配っぷりがすごくて、居ても立っても居られない感がびりびり伝わる。彼女がピンチになればなるほど恋心が加速していく様が本当にリアルで見ていてドキドキしてしまいました。

それがピークに達したのがウッドストックの庭園でのロミジュリっぽい演出の場面。蔦に乗って必死に彼女に手を伸ばすシーン、いっくんは可愛いなって思えたけど和樹くんはナイトのように見えた(笑)。やっとの思いで二人が一緒になった場面は恋愛ドラマのクライマックスのようで見ていてものすごくキュンキュンきました😍。
これだけベスへの恋心を高めている和樹くんのロビンですから、別れの切なさはハンパなく辛い…。ベスが女王の道に進まなければいけないのは分かっているんだけど、それでも一緒に生きてほしくて必死に説得する和樹ロビンの姿はめっちゃ泣けます😢。でも結局それは叶わなくて…女王の決意を固めた彼女に跪くシーンはかなりグッときました。

そして最大に泣けるのがイモーテルの花を渡されたとき。いっくんはどちらかというとグッと自分の想いを閉じ込める感じでしたが、和樹くんはベスと別れることの辛さをかなり前面に押し出して泣くんですよね…。そしてベスの背中を追った後、アスカムと対面した時に嗚咽にも似た感じで泣き崩れてしまってて…もうあのロビン見ちゃったら切なくて切なくて…私も一緒に落涙してしまいました😭😭。最後、王冠をかぶったベスにイモーテルの花を掲げた時のロビンは寂しさをこらえて笑顔を見せていて。その笑顔に至るまでの彼の心境を想うとそこでもまた更に泣けてしまいました😭。
初演よりもさらに切なさ倍増の和樹くんのロビン、めっちゃ好みでした!!歌声もさらにしっかりして力強く聴き取りやすかったし。もうすっかりミュージカル役者の顔になったねって嬉しくなりました。

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吉沢梨絵さん(メアリー)

吉沢さんのメアリーも初演に続いて2度目です。未来さんがどっしりとした圧迫感を表現したのに対し、吉沢メアリーは突き放すような冷酷さを前面に出している印象がありました。圧倒的な雰囲気というのはないんですけど、常にベスを見下して自分の範囲から締め出す感じ。威嚇されるよりもそちらの方がもしかしたら恐ろしいかもしれません。

吉沢さんは四季時代に赤毛のアンを演じたり、割と優しくて元気のある女の子のイメージをやることが多かったので、こういう冷酷な女性役はとても新鮮に映ります。歌声にもグッと力強さが増して、高音部分も冷酷な響きを残した歌い方になっていたのが非常に印象深かったです。
フェリペの肖像を見せられた場面は未来さんよりも冷静な感じ。イケメン肖像に動揺は見せていましたが、それをあまり表に出さずに持ち帰って自分の部屋の中でニヤニヤしちゃうタイプかなって思えてちょっと可愛くもありました(笑)。

吉沢メアリーはどことなく冷徹さの中に影が見え隠れしていたので、死の影が迫った時にベスに心情を打ち明ける場面はスッと受け入れてみることができました。彼女も本当は寂しくて哀しい人だったんだなっていうのが伝わります。

古川雄大くん(フェリペ)

古川くんのフェリペはたぶんこれが初見のはず。フェリペは出番的には多くはない方ですが、ここ最近大きな役が続いているからか、やっぱり古川くんの存在感はかなりインパクトありましたね。ビリヤード台からの登場シーンですが、平方くんがやんちゃ坊主的な雰囲気を出していたのに対し、古川くんはもうのっけから色気ムンムン度がすごい(笑)。イケない遊びをしまくっているんだけど、彼の周りからは妖しいオーラが出まくっていてどこか違う世界から来た人物のように見えたほど。それと、目力がすごいです。妖しい色気のなかに相手を射抜くような力強さがある。これ、古川くんの魅力だなぁと思います。

メアリーと結婚した時の白い豪華な衣装がこれまた似合うことw!!異次元の王子様みたいだったよ(笑)。メアリーはあんな妖しい魅力の人と結婚してまともな精神で暮らしていけるんだろうかと思ってしまったくらいww。さらに知性も感じさせるんですよねぇ。ベスを助ける場面でのガーディナー司教への迫りっぷりが実に冷淡で知的で見ていてゾクゾクしました。
ただひと月になったのは、歌声がちょっと弱いかなぁってことかな。もう少し力強さが加わればさらに魅力的だったのにと。来年のモーツァルトはそこの部分の改善を期待したいです。

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そのほかメインキャスト

和音美桜さん(アン・ブーリン)

有名なアン・ブーリンの肖像画とそっくりに見えたことにまず驚きました。アン・ブーリンは悪女として描かれることもありますが、この作品ではベスの優しい母親としての顔が大きいです。他の男との不義も濡れ衣を着せられたということで、悲劇の王女的に描かれているので終始儚い。ベスが窮地に陥るたびに亡霊として現れるのですが、慈愛に満ちた雰囲気は劇場を温かく包み込むようで見ていて癒されました。

石川禅さん(ガーディナー)

最近悪役を演じることが増えてきた禅さん。『パレード』の時も憎ったらしい感じでしたがw今回も負けず劣らずめっちゃネチッコイ憎たらしさでwwベスを追いつめていました。心臓が悪いという設定でいつも薬を飲んでいるのですが、ベスのこととなると彼女を廃することに全神経を注ぐ。その執念たるや見ていてゾクゾクさせられっぱなしでした。多少オーバーに表現しているなとは思いましたが、おそらくあれは演出の指示かなと。ガーディナーの最期は自分で塗った毒のグラスをフェリペに勧められてそのプレッシャーに耐えきれず力尽きるという呆気ないもの。この最後の崩れ落ち方もさすが禅さん、リアルでした。
カーテンコールの挨拶の時の仕草はマントをバサーーって感じで膝をついて。実にカッコよかったです。

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吉野圭吾さん(ルナール)

吉野さんを見るのはかなりお久しぶりだったかもしれない。癖のある役を演じることが多かったのですが、ルナールもその一つですよね。禅さん演じるガーディナーとベス排除のために共謀して暗躍するルナール。吉野さんはダンサーでもあるので、長いステッキのようなものを持っての場面もそのさばきっぷりは実に軽快でカッコよかったです。そういう魅せ方のうまさとかはさすがだなぁと思いました。ガーディナーが追い詰められたときに助けの視線を送られたとき、シレっと目をそらす場面はちょっと面白かったw。

涼風真世さん(キャット)

ベスの教育係であるキャット。どちらかというと前面には出ずに常に後ろに控えているような役柄だったので、涼風さんとしては珍しいなとちょっと新鮮に映りました(初演のことをほとんど覚えていないのでなおさらw)。ベスを温かく見守りながら窮地に陥った後もしっかりサポートしているキャット夫人を上手く演じられていたと思います。ソロの歌はさすがの迫力でした。

山口祐一郎さん(アスカム)

初演では石丸さんで観ていたので裕一郎さんは今回が初見です。星読み師でベスを正しい方向へ導く教師役でしたが、これはかなりハマっていたのではないでしょうか。いつも気になる裕一郎さん独特の歌う時の仕草も今回はあまり目立たなかったし、どっしりとした存在感でそこに居ると安心するといった雰囲気を醸し出していたのもよかったです。

Cristopherさん(首切り役人)

アン・ブーリンの首をはねる役人として、ところどころ和音さんとセットで登場していたのですが…それはそれは見事な筋肉で見ていて思わず見惚れてしまいました!しっかりと割れている筋肉が遠目からもしっかり確認。いや~~~ええもの見させてもらいましたわww。
カテコの時にマスクを外すんですが、その時の顔がまた超イケメン!!色々衝撃的でございました😍。

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後述

今回2連ちゃん観劇してようやく『レディ・ベス』の物語を把握できた気がしますw。

ストーリーは面白かったし、ベスとそれを取り巻く人々についてももっと知りたくなりました。ただ、リーヴァイさんの音楽とても好きなんだけど、エリザやMみたいに強烈に印象に残る楽曲がなかったのが少し残念でもありますね。記憶に残らなかったのはたぶんそういうことがあったからかもしれません。
ただ、再演を重ねていけばそれも解消されるのかも。今後に期待したいところです。

この舞台、DVD化も決定しました。

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私は、和樹くんのロビンが好きすぎてそちらのバージョンを予約😁。届くのが楽しみです。

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