ミュージカル『パジャマゲーム』 2017年大阪公演

ミュージカルコメディ『パジャマゲーム』を観に大阪まで遠征してきました。前回の東京から約1か月近く経った頃の観劇となりました。

本来はこの大阪公演がお目当てでチケット購入したんですよね。最速抽選に申込みして外れてしまい東京と保険かけて2つどちらかと二次にチャレンジしたら両方取れてしまった😅。
でも、結果的に2回、しかも違う土地で観れたのは比較できたという意味でもとても幸運だったなぁと思います。作品全体のレベルアップはもちろん、客席の反応なども楽しめたし。何より2回トークショー見れたのもラッキーでした😆。

※トークショーレポはこちらです↓

ミュージカル『パジャマゲーム』アフタートークショー in大阪
ミュージカル・コメディ『パジャマゲーム』大阪公演10月24日公演マチネ後にアフタートークショーが行われました。 予定だと15分だったらしいのですが、たぶん、30分近くやってたと思う(笑)。そのくらい大盛り上がりのトークショーとなりました😁。...

 

以下ある程度ネタバレを含んだ感想になります。

 

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2017.10.24マチネ公演 in シアタードラマシティ(大阪)

主なキャスト

  • ベイブ・ウィリアムス:北翔海莉
  • シド・ソローキン:新納慎也
  • グラディス:大塚千弘
  • プレッツ:上口耕平
  • チャーリー:広瀬友祐
  • メイベル:阿知波悟美
  • ハスラー:佐山陽規
  • ハインズ:栗原英雄

ダンスメインのアンサンブルチーム、大阪でもかなり弾けてました!特に青山航士さんの評価は高くて「あの人、めっちゃキレてるダンスやったね!」といった声が耳に入ってきて嬉しかったです😊。個人的には加藤良輔くんもヤンチャっぽくて好きでした😁。あと、音花ゆりさんの可愛らしさも際立ってたな。

 

全体感想

※東京公演の感想はこちら↓

ミュージカル『パジャマゲーム』 2017年東京公演
ミュージカルコメディ『パジャマゲーム』を観に東京まで遠征してきました。 実はこの公演は大阪もあるのですが…第一次抽選でアフタートークの回を申し込んだところ落選してしまって(苦笑)。これはかなり競争率激しいのかもと第二次抽選の時に「どちらかが...

大阪公演を久し振りに観て率直に思ったのが、「この作品ってこんなにワクワクする楽しい作品だったんだ!」ということでした。そのくらい東京で見た時と印象が違ったのでちょっとビックリしてしまった(笑)。
あの時は、古き良き時代のミュージカルでたまにはこういうのも上演してもいいよね、くらいにしか思えなかったのが😅、今回は「めっちゃ楽しかったし面白かった!」と素直に感じたんですよね。

その要因となったのが、一つ一つの台詞や歌がはっきりと聞こえてきたこと。これはかなり大きいです。というのも、実は東京公演の日本青年館で観た時…座席の場所の問題もあったかもしれないのですが、音が響いて聞こえてしまうことが多くて半分くらいしか聴き取れなかったんですよ😓。なのでほぼ感覚で見て楽しんでたw。
それが、今回は端っこの席だったにもかかわらず歌もセリフもはっきりと聞こえてきて「あ、そういう意味だったのか」とか「あぁ、そう言ってたのね」とか理解できる部分がすごく多かったんです。やはりシアター・ドラマシティは演劇メインで考えて作られている劇場だなぁと思いました。

そしてもう一つの要因が、大阪のお客さんのノリの良さです。関西公演はいつも上演期間が短いにもかかわらず熱く盛り上がることが多いんですが、今回はそれをものすごく顕著に感じました
東京公演を観たときはまだ初期のころだったというのもあったかもしれませんが、曲の間の拍手や笑い声はあまり起こらなかった印象が強いんですよね。カテコは盛り上がったけど、全体的に作品を見守ってるといった雰囲気がありました(後半は劇中も盛り上がったとは思いますが)。ここは笑いどころかな?ってとこもスルーしちゃったりなんていうのもあったし😅。
ところが、今回の大阪公演…冒頭部分から客席が舞台の方にグッと前のめりになるような空気があったんですよね。楽しいナンバーが始まると手拍子がどこからともなく自然発生。芝居に入るとちゃんとその世界観に浸り、東京では笑い声が聞こえなかった場面もちょいちょいけっこう大きな笑い声が湧き起ったりしていて😁。客席全体が『パジャマゲーム』という作品に積極的に参加していると感じることがすごく多かったです。

そういった空気は役者さんにも伝わっていたようで、皆さんすごく溌剌として大阪のお客さんのノリに合わせたように躍動していました。
東京と大阪の観劇の空気感の違いというのはこれまでもありましたが、この『パジャマゲーム』は特に感じましたね。たぶん、こういうコメディタイプの作品が関西の人の好みにすごく合っていたのかもしれません。同じ作品でも客席の反応でこうも印象が変わるもんなんだなぁと、今回改めて舞台の面白さを実感しました。

あと、2回目にして思ったのはナンバーの面白さと楽しさ。前回あまり歌詞を聞き取れなかったことのストレスがあったんですが、今回はよく聴き取れたのでそれを再確認することができました。
繰り返しフレーズを使うものが多いこともあって記憶に残るものも多いです。ピクニックの時に歌われる「年に一度」や賃上げ交渉の時に歌われる「7セント半」は特に印象に残ったかも。こういう印象に残るナンバーがあるミュージカルってやっぱりいいよなぁと、終わった後に幸せな気持ちになりました。

 

主なキャスト別感想

北翔海莉さん(ベイブ)

前回観たときは「カッコいいんだけど可愛いというのとは少し違うかも」って思ってしまった北翔さんのベイブ。ところが、今回観たら…すごく全体的にソフトなイメージになっていて、ちゃんと「可愛い女性」に見えました😃。苦情処理委員としてシャキシャキ動いている姿一つとっても、どことなく女性ならではの弱さみたいなものをフワっと感じさせるお芝居に変わっててとても良かったです😊。これならシドに一目惚れされて「愛してるよ」って言われるのも納得できるなぁと思いましたw。
特に可愛かったベイブはシドと両想いになって「愛してるってもっと言って」とせがむ場面。前回観たときはグイグイと押していくような男っぽさみたいなものも感じてしまったんですが(笑)今回観たらちゃんと女の子でキュートさが前面に出ていました。リードするような雰囲気からシドに身を任せるような雰囲気になっていたのがとにかくとても良かったです。

北翔さんは歌も上手いしダンスもとてもキレがあってカッコいいですね!どちらかというと長髪よりも短髪のほうがお似合いだと思うのでw、次回はちょっとボーイッシュ系の役柄で見てみたいなと思いました。

 

新納慎也くん(シド)

前回にも増してシドの男っぷりを上げたね~新納くん😃。笑い封印して頑張っている成果は十分すぎるほど出てましたよ、今回も!彼の2枚目役は間違いなくカッコいいです、ハイ😁。それに前回以上に「アメリカ人男性」っぽい雰囲気があって、時折ホントのアメリカ人!?って錯覚しそうになるくらいだった。見た目もそうだけど、立ち姿や話す雰囲気などがすごくそれっぽく見えてよりリアルなシド像になっていたと思います。

一番好きなシーンは留守番電話に自分の声を吹き込んで一人デュエットするナンバー。なかなかイエスと言ってくれる雰囲気にならないベイブを想って複雑な胸の内を歌うんですけど…ここは本当に見ていてキュンキュンきましたよっw!!特に自分の吹き込んだ歌にツッコミ入れてる場面、あの時の新納くんのちょっと苦く切ない表情が絶品でウルっときました😢。
恋に悩むシーンでもう一つ上げるとすれば1幕ラストの、ベイブにクビを言い渡した後の場面。経営者という立場から作業を妨げるような行動を取った彼女にクビ宣告してしまうんですが、そのあとミシン修理しようとしてヤケドしてしまうほど気持ちの動揺を隠せないシド。留守電吹き込んでた時に歌った「ねぇ、きみ」のリプライズを歌った後(ここの旋律の入れ方も実に巧いなぁと改めて)、苦しげな表情浮かべて後ろに去っていくラストシーン。めっちゃ切なかった😭。特にあの走っていった後ろ姿に年甲斐もなくwものすごくキューーーンとしてしまいました😳。

いやぁ~~、新納慎也の恋に悩む芝居は絶品だなぁと!そういえば、速水真澄役も絶品だったよなと改めて再確認w。

でも、恋が成就してハッピーになるラストの笑顔もとびきりで最高でしたよ😍。新納くんの笑顔はみんなを幸せにする力があるね。この作品にふさわしいキャスティングだったなと思いました。

 

大塚千弘さん(グラディス)

千弘ちゃんのグラディス、今回もコケティッシュでとっても可愛かったです。

彼女の見せ場は何といっても2幕の酔っ払いシーンw。シドはグラディスがいつも持ち歩いている帳簿のカギを何とか手に入れようと彼女とのお酒の席に付き合うわけですが、グデングデンになって正体不明になってしまって大変なことに。
この時のシドを翻弄しまくる酔っぱらいっぷりがとにかくキュートなのです😍。これまでもピクニックでチャラ男な上口くん演じるプレッツを可愛く誘惑して翻弄したりもしてましたが(笑)、まるで漫画に出てくるキャラクターみたいな小悪魔っぷり。シドにはちょっと好意を抱いていたこともあってハメ外して飲みすぎて、ヘラヘラ笑いながら鍵を渡しちゃう😅。でもその自覚症状がなくて「鍵がない~~~」とわめいたりともう大変。

この一連のシーンがドタバタっぽいんですがw、千弘ちゃんの可愛さと面白さで大阪のお客さんかなりドカンドカン笑いが起こってましたよ。ナイフもって追いかけてきたハインジーに対しても緊張感ゼロで酔っぱらったまま「愛してる」って言ったりw。あんな顔して愛を宣言されたらハインジーは骨抜きになっちゃうよね(笑)。
ハインジーが指輪を渡そうとしたら爆睡されたオチもかなりウケてましたww。

 

広瀬友祐くん(チャーリー)

この作品でファンが急増しているらしいチャーリー演じる広瀬くん😁。ここ最近切れ味鋭いキャラを演じてきた姿ばかり見ていただけに、彼がこんなにやわらかく優しい役柄がハマるなんてほんと嬉しい驚きでした

前回観たときはシドの親友としての顔を強く感じたのですが、今回は密かにベイブを想う切ない一面の芝居がとても印象に残りました。チャーリーはシドのことを親友だと思っているし、彼の助けになることは何でもやりたいと思ってるすごく良い奴なんだけど、心の奥底ではベイブのことが気になってるようでちょいちょい切ない表情を覗かせてくるんですよね。
でもその顔は絶対に二人の前では見せない。特にシドにだけは知られたくないって思ってる気持ちが伝わってきて切なかったなぁ。

一番泣けたのが、シドと関係がこじれてしまったベイブの話を聞いた後のシーン。優しいチャーリーの励ます歌声に思わず泣いてしまったベイブ。涙をぬぐいながら帰ろうとする彼女に「送ろうか」と声をかけたチャーリーでしたが、「今回は一人で帰りたい」と言われてしまうのが辛い😢。
ベイブが一人で帰路についた後、彼女が涙をぬぐったハンカチを握りしめながら必死に自分の想いを封印しようとして走り去るチャーリーの姿がものすごっっく切なかったです😭。つい数か月前に妻をないがしろにしてた男を演じていたのが嘘のようだったよ(笑)。

広瀬くんはここ数作品で役者としてとても大きく成長したと思います。今後の活躍に大いに期待!

 

栗原英雄さん(ハインズ)

今回もますますコメディ芝居に磨きがかかった栗原ハインジー。改めて思ったんですが、やはり元四季の役者さんだけあってセリフの滑舌が非常によくとても聞き取りやすいです。早口でまくしたてるところも一言一言丁寧に神経を使っているのがよく分かりました。やっぱ栗さん、器用でいい役者さんだなぁ~と😊。

時計係で融通が利かないお堅さがあるのに、恋人のグラディスに対する執着はハンパない。この落差の面白さがハインズの魅力の一つ。まず最初に出てくる阿知波さん演じるメイベルとの「やきもちは焼かない」のナンバーの面白さがまたパワーアップしてました。この日は阿知波さんのテンションも非常に高くグイグイ押してくる感じでww、次々に提示される「もしもグラディスがこんな行動を取ったら」の例え攻撃が前回以上に激しかったんですよ(笑)。それに負けじと必死に雑念を振り払いまくる栗原ハインジーがとにかく可愛くて笑えました😆。
このナンバー、♪かの~じょがっ♪っていうフレーズも頭に残りますよね。メイベルとの可愛いダンスも印象的でした。

あとピクニックシーンでの酔っぱらいっぷりも笑えます。前回はラッパ飲みした瓶でよつんば歩き(ライオンキングの動物っぽかったww)してましたが、今回見たらなんと背面歩きみたいなことしてましたよ(笑)。体幹しっかりしてるから酔ってフラフラになってる動きしていてもちゃんと安定しているのがまたすごいんですよね(これはどのキャストにも言えることですが)

あと面白い場面で印象的なのが、不良品のパジャマのズボンを履かされるシーンww。
たまたま「エレベーターが故障した」って入ってきちゃったせいで、不良品のパジャマを証明するためにモデルやらされる羽目になっちゃうんだけどw、その場で着替えることに激しく抵抗するハインジー。でも社長から「早く脱げ!」と言われたら「はい、社長」っておとなしく言うこと聞いてしまうっていう(笑)。あの時のギャーギャー逆らってたのに強い相手には反論できない気の弱さの落差の面白さ表現が、栗さん絶妙でした😃。

今回の作品ではとにかくコメディ芝居が多かった栗原さん。四季時代に「クレイジーフォーユー」に出演していたそうですが、そのほかはあまりコメディのイメージがなかったので今回の役はとても新鮮でした。あのソフトでダンディな声がこうもコメディ芝居に生かされるとは😁。また役の幅が広まってますます素敵な役者さんになられたなぁと嬉しく思いました。

 

後述

カーテンコールでは北翔さんがご挨拶。どうやら毎公演日替わり(?)で色んな話題を話されているようで、今回はまず、ここ最近の天候の話題から入られてました。

ちょうどこの時期、長雨と台風が重なってまして…その時に遠征で観劇に来たお客さんが電車がストップしたりして家に着くのが真夜中になってしまったらしく心配したと。ここまではすごくまじめな感じのお話だったんですけど、そのあとなぜか、「今年は西南戦争から150年目の記念の年に当たります」と熱弁が始まって(笑)。後ろにいた新納くんや栗さん、上口くんや広瀬くんまで「へ!?」って表情になっててwwみんなもうクスクス笑いだしちゃって溜まらず新納くんが「西南戦争…ですか?」と質問する一幕が😅。
それでも「今年はちょうど150年目に当たるんですよっ」って北翔さん力説w。私思わず、「北翔さんって次の大河ドラマ『西郷どん』に出演決まってんのかな?」と思ってしまった(笑)。「なんで西南戦争が??」と笑いながら尋ねた新納くんに「さっき急に思い出して」と北翔さん。「舞台中に思いついたの!?」とビックリされてたのに笑いましたwww。

どうやって収束させるのかと思っていたら、最後に一句。

「にっぽんの、未来を照らす、パジャマゲーム」

世の中色々あるけど、パジャマゲームを見てみんなでハッピーになりましょう!という趣旨のことを伝えたかったとのことでした(笑)。一句読んだ後、客席から「おお!!」という拍手が沸き起こって「今回ちゃんとまとまったでしょ!」って新納くんにドヤ顔していた北翔さんが可愛らしかったです😁。それに対して「ちゃんと話が戻ってきてよかった」とツッコミいれてた新納くんww。二人の生きもピッタリで微笑ましかった😊。
ちなみに、北翔さんがドヤ顔したとき思わず両腕を上に掲げてガッツポーズしたらすごい筋肉が見えちゃってww、後ろにいた男性陣が「うわ~~!」って焦って「早く隠してっ」と大騒ぎに😆。北翔さんも「筋肉見えちゃった、恥ずかしい~~」って後ろに下がって行っちゃってみんな爆笑でした(笑)。

大阪公演観て、この作品のファンになりました!新納くん演じるシドのキャラは実は個人的にかなりストライク(笑)。彼を中心とした人間模様が非常に魅力的でとても楽しかったし、改めて楽曲の素晴らしさにも気づくことができました。

それにしても、トム・サザーランドは舞台の作り方が緻密で巧いなぁと改めて思いましたね。キャラクターの立て方、動かし方、舞台転換の巧みさに無駄がない。また近い将来、彼の演出でぜひ再演してほしいです。

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