劇団四季『ソング&ダンス65』東京公演 2017.11.09

浜松町の自由劇場で絶賛上演中の劇団四季『ソング&ダンス65』を観に遠征してきました。

この公演は劇団創立45周年の頃から続く四季で上演された演目を中心に歌とダンスで構成されたショー舞台で、今回はその第9弾となるそうです。劇団創立65周年記念公演ということなのでタイトルに「65」が入っています。

私はその第1弾から見てきていますが(一番最初はたしか長野オリンピックの前夜祭みたいな形で行われてて、長野まで見に行った記憶がありますw)色々な役者さんの楽しい一面が見れたり、好きなナンバーがアレンジされて生まれ変わっているのを楽しめたりするので毎回とても楽しみにしています。特に印象に残っているのは2008年の「55ステップス」2013年の「感謝の花束」ですね。この2本はホント何度通ったか分からないほどww大好きでした。

その当時を含めた過去のソンダン感想はこちらです↓

ソング&ダンス(以下ソンダン)シリーズは毎回とても人気がある公演なので、本当はもっと大きな劇場で上演してほしかったのですが…浜松町の主戦力にもなっていた秋劇場と春劇場はクローズしてしまっていて現在解体工事中で。

この光景を見たときはちょっと、言葉を失いました…。何度も通った劇場が崩されていく現場を目の当たりにしてしまうとやはり切ない気持ちが湧いてしまいますね。

唯一生き残った自由劇場は小劇場なので2階席からも見やすく客席との距離が近い。しかし、いかんせん客席数が圧倒的に少ないので…チケット取るの、本当に苦労いたしました。ほぼ即日完売状態だったのでは?全く電話もネットも繋がらない状況で…どうやったら何回も通える分のチケットが確保できるのか謎で仕方ない(苦笑)。まぁ、私はどちらにしても遠征なので2回が精いっぱいなのですが。

ということで、やっとの思いで取れた1回目に行ってきました。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2017.11.09マチネ公演 in 自由劇場(東京・浜松町)

出演キャスト

瀧山久志・島村幸大・芝清道・斎藤洋一郎・笠松哲朗・西尾健治・永野亮比己・櫻木数馬・鈴木伶央・高橋伊久磨・河津修一

平田愛咲・木村智秋・久保佳那子・多田毬奈・相原萌・金友美・坂本すみれ・伊藤瑛里子・原田麦子・佐田遙香・相馬杏奈

前回までの公演は「シンガー」「ダンサー」と枠を設けてキャスト紹介をしていましたが、今回はそれが取っ払われて無くなっていました。つまりは、専門分野以外でも高いレベルを求められる舞台なんだなと。
ただ、地方住まいの身となり最近四季の舞台へ通う率が減ってしまったこともあって、役者さんの名前と顔が一致しない人が多数の私。名前は聞いたことあるのに顔が分からないって人が特に多くて(苦笑)誰が何を歌ったのか半分以上分からないという異常事態に陥りました。なので、本音を言えば…「シンガー」と「ダンサー」分けて表記してほしかったかも。

全体感想の前に

今回はナンバーごとに感想を書いていこうと思うのでキャスト別は省きますが・・・まず最初にお断りを。

私は『ソング&ダンス』の大きな楽しみの一つにキャストの存在があります。誰が出演するのかは開幕してみないと分からない状況ではあるのですが(お稽古写真などでだいたい予測がつけやすくはなりましたが)、その中にお目当ての役者さんがいるといないとでは、見るテンションがかなり変わってきてしまいます(すみません)。
今回観劇したキャストは週頭に発表されたわけですが…一番楽しみにしていた役者さんの名前がなくて…。先月まではずっと出演していたのですが、ダブルキャスト扱いだったようで観劇週の2週くらい前に代わってしまい…正直、テンションがかなり凹んだ状態での遠征となりました(苦笑)。そのガッカリ感を最後まで引きずってしまった状況となり…加えて歌ってるキャストが誰だか分からないストレスも重なり…あんなに苦労して確保したチケットだったにもかかわらず途中疲労感から意識が…

チケット取った時点では誰が出演するのかは知らされていない状態だったのですが、そのあとに一番贔屓にしてる役者さんが出ることを知ってしまったが為にものすごい期待を膨らませていました。それ故に、いないと分かった時のショックは想像以上に大きくて…。せっかく苦労して取ったのでそのことは忘れて楽しもうと思いましたが、やはりどうしても「このシーンでは歌うはずだったのか」とか過ってしまって集中しきれず。
劇団四季ってキャストは作品の二の次以下くらいの考え方なので仕方ないとあきらめる部分はあるんですが、私個人としてはやっぱり作品と同じくらいキャストの存在は重要なんです。お目当てが出てると出ていないとではどうしたってテンションが違ってくるんですよね(苦笑)。

そんなこんなで、1回目の観劇はあやふやなまま終わってしまった感が否めませんが(苦笑)、四季をよく見ている友人が色々と観劇後に情報提供してくれまして。それを参考に思い出せるところの感想を書いていこうと思います。※ご協力感謝です!

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ナンバー感想

まず全体を見て思ったのが、今までとは印象が変わってよりプロフェッショナルでスタイリッシュな内容になったなという事でした。これまで数多くのソンダンシリーズを見てきましたが、「これ、以前のシリーズでも見たことあるな」みたいな既視感のある演出やナンバーがけっこう多くて真新しさを感じないこともあったんですよ。ですが、今回のはこれまでソンダンで登場しなかった作品や歌が多く、ダンスの動きもバリエーションに富んでいてとても挑戦的な内容だったと思います。今までが「ミュージカル初心者向け」って感じだったのに対し、今回のは「ミュージカル初級~中級向け」といったイメージかな。
シンガーとダンサーの枠を取っ払っているような印象があったので、ソンダン65のお稽古は今まで以上に大変だったんじゃないかなと思いました。

サムホエア(ウェストサイド物語) 久保佳那子

綺麗な声で歌う女優さんだなぁと思いつつも名前が全く分からず(苦笑)。久保さんという方、これまでメインで見たことがなかったので今後もっと上の役で見てみたいなと思いました。

挨拶

オープニングが終わった後に主にシンガー担当の役者さんたちがお客様にごあいさつ。これは毎公演のことですね。今回中心になっていたのが芝さん。この時点で女性キャストは平田さんしか分からず(苦笑)。男性キャストも島村くんか笠松くんかの区別がつかない状況でした(←後から島村くんだと知ったw)
一番しんみりしたのが、今年亡くなった日下武史さんの紹介があった時。大きく映し出された日下さんの写真…特にマシュウの日下さんを見た時、ちょっとウルっときました。

彼はお前のなかに生きている(ライオンキング) 木村智秋・笠松哲朗

私は作品としての『ライオンキング』はあまり好きではないのですが、ナンバーは印象深いのが多くて。このナンバーも気に入っている曲の一つなので今回出てきて嬉しかったです。歌とダンスのキャストは観劇時点では分からず、後から木村さんと笠松さんと知りました。迫力ある歌声と、キレのあるダンスに魅了されました。

アメリカ(ウェストサイド物語) 相原萌・平田愛咲

ウェストサイド物語のなかでも好きな曲の一つ。ここのメインボーカルがすごくしっかりした歌声で存在感もあってすごいなぁ~と思っていて。誰だか分らなかったんですが、後から聞いたら相原萌さんだったことが判明してビックリ!こんなにしっかりした歌も歌えるようになったとは。演出もなかなか面白かったです。

口笛バレエ・イザベルのソロ・恋するデュティユル(壁抜け男) 久保佳那子・芝清道

「壁抜け男」から3曲もセレクトしてくれたことがまず嬉しかったです!!もう最初の『口笛バレエ』の音が流れてきた瞬間からウルウル来そうになりました。今回デュティユルを芝さんが担当。とても渋くて大人の雰囲気がありましたが、ちょっと重厚感ありすぎたかもw。
ここは、私の贔屓の彼で見たかったなぁ…と…。それ考えただけでちょっと泣きそうに。

ラブ・チェンジズ・エブリシング(アスペクツ・オブ・ラブ) 男性シンガー

たぶん、瀧山さん・芝さんが中心で歌ってた気がします。『アスペクツ~』は内容はけっこうドロドロ系なんですがw、ナンバーが美しくてドロを払ってくれるに余りあるものばかりなのでwwまたぜひ再演してほしいです。ラブチェンジズ~は毎回ソンダンで歌われることが多いですね。

自由を求めて(ウィキッド) 木村智秋

あ~~、『ウィキッド』また見たくなっちゃうよなぁ~!と思わせるのがこのビッグナンバー。確かこれまでのソンダンでは出てこなかったような気が…。それが不思議に思えるくらい、これはすごい盛り上がりますよ。この時は私の意識もしっかりw。
木村さんのエルファバは1回観たことがあったはずなのですが…その時は緑色だったので(笑)素が分からなかった。歌っているのが木村さんであると判明したのは観劇後に友人が教えてくれてからでした。

僕はハンスクリスチャンアンデルセン/みにくいアヒルの子(アンデルセン) 斎藤洋一郎

『アンデルセン』は10月に地元で見たばかりのミュージカルだったので、今回ソンダンに出てきてもすぐに分かりました(笑)。一番印象に残ったのが「みにくいアヒル~」のナンバーでの演出。羽根をうまく使ってのダンスが面白かったです。洋一郎君の歌もなかなか良かった!ハンスの役、できそうじゃない?
あと、オーバーチュアではマリンバパフォーマンスもあって面白かったです。毎回ソンダンではキャストが何かしらの楽器を演奏するパターンが多いのですが、今回のは交代しながら叩く感じだったのでかなり難易度高かったと思います。ハンドベルみたいな感じ?

『リトルマーメイド』と『クレイジー・フォー・ユー』のメドレーナンバーは・・・すみません、ほとんど記憶に・・・。

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2幕冒頭は瀧山さんのごあいさつでスタート…っていうか、あれは瀧山ジーニーと言った方がいいですな(笑)。すごい掴みはOK的なトークで。あの四季の役者さんっぽくない雰囲気が稀有で良いなぁと思いました。「ビビデバビデブー」のレクチャーでの乗せ方も絶妙でした。
しかしながら、あの雰囲気を作れるのって…瀧山さん以外無理なのでは?という危惧も。ダブルキャストじゃなかったっけ?まぁ、逆に気になるけどw。

理想の相棒―フレンド ライク ミー(アラジン) 瀧山久志

『アラジン』は個人的にそんなに好みにハマらなかったので1度しか観に行かなかったので久しぶりに聞いたんですけど、やっぱり瀧山さんは芸達者ですねぇ。もうジーニーそのものですよ!客席のノリもかなり熱くて最高潮でした。
あと、バトンパフォーマンスもあって。めちゃめちゃ安定感のあるパフォーマンスにビックリ!!バトンは以前「55ステップス」でも演出に取り入れられていましたが、今回のはさらにレベルアップしていて魅了されました。誰!??って思ったら、河津修一くんという役者さんだったらしい。キャスボを見ると「バトン協力」として名前掲載されてますね。

ちなみにこの後も『アラジン』からのナンバーでしたが、スタンダードな「ホール・ニュー・ワールド」ではなく「行こうよどこまでも」のナンバーにしてきたのが今回のソンダンの特徴を表しているなと思いました。

変わりものベル(美女と野獣) 平田愛咲・芝清道

『美女と野獣』は大好きな作品なので、オープニングでもある「変わりもの~」が登場した時はテンション上がりました!で、何が面白かったかというと・・・芝さんのガストンっぷりw。体格的にガストンっていう雰囲気ではないんですけど、もうノリノリで表情作って平田ベルに迫ってるのが面白くて思わず吹き出してしまった。「フン!!」と言ってポーズ作りまくってるシーンはなんかちょっと可愛く見えちゃったよw。芝ガストンは今後も実現する可能性がかなり薄いので…今回非常に貴重なものを観させていただきました。

陽ざしの中へ(ノートルダムの鐘) 笠松哲郎

『ノートルダムの鐘』のなかでも特に大好きなナンバーです。笠松君のカジモド、綺麗な声だしなかなか可愛くてよかったです。ただ、「陽射しの中へ」の歌詞の部分はもう少し盛り上がりが欲しかったかなぁ。ここ一番重要ポイントなので。達郎くんのカジモドでもう一度聴いてみたかった…。

レクイエム/こいつはサーカス(エビータ) 芝清道・久保佳那子

『エビータ』も大好きな作品の一つだったのでこうしてまた聴けて嬉しかったです。それに、芝さんのチェがすごく懐かしかった~!!やっぱり芝さんはこういった斜めに構えたキャラを歌うとすごくハマりますよね。久保さんのエビータ(観劇した後に判明しましたが)も透明感があってとても良かったです。

星降る今宵に(エビータ) 瀧山久志

瀧山さんの太い声が意外とマガルディのキャラにハマっていて聴き心地よかったです。最後のための部分「今宵~~」のところは上手く観客を惹きつけるエンターテイナーっぷりで客席もかなり盛り上がっていました。

キャッツメドレー 

ソンダンには欠かせないナンバーなんですかねぇ「メモリー」。これだけはものすごい既視感ありw。下で踊るダンサーの振り付けも、木村グリザが上で歌って下からシラバブが歌を挟んでくるっていうスタイルまで全く変わっていませんでした。

マンゴとランペの泥棒猫ナンバーは四季の「キャッツ」バージョンではなくWEのバージョンで歌われたのは「お!」と思いました。歌詞は同じでも曲調が違うので全く違うナンバーに聞こえてとても新鮮でした。海外の舞台DVDはこのバージョンなんですよね。

ミストフェリーズのナンバーでのダンスは圧巻でした。永野さんだったそうで。なかなかミストのダンスを素の姿で見る機会はないと思うので非常に貴重なものを観させていただきました。

オペラ座の怪人(オペラ座の怪人) 瀧山久志・芝清道・久保佳那子

久保さんのクリスティーヌ(後から名前把握 汗)、瀧山さんと芝さんによるファントムのリレーと豪華な演出でした。
芝さんファントムは以前色々なうわさを聞いてましてww今回初めてそれを目の当たりにすることが出来まして。歌は張りがあるんですが、ちとネチっこいw。この勢いでのファントムはキャラとしてちょっと求めているものと違うかもなぁと。こういったソンダンで見る分には全然OKですが、物語のファントムとしての芝さんはもしかしたら違和感持つかもしれないというのは感じました。
久保さんの高音は素晴らしかった!!いつか本当のクリスティーヌ役で見てみたいです。

サークル・オブ・ライフ(ライオンキング) 木村智秋 ほか全メンバー

「感謝の花束」では1幕ラストに歌われていましたが、今回は大トリで登場。それくらい盛り上がるし感動的なナンバーです。木村ラフィキが下手通路に現れて第一声を発するという演出も迫力があって印象的でした。ポンチョは前回観たのと同じやつだったかな。

最後はキャッツの音楽に乗せてキャスト紹介。これ、主に芝さんが担当していたんですが、最初は普通に元気よくアナウンスしていたんですけど…洋一郎くらいのところからだんだんリングアナウンス状態になっていってwww。「さいとーーー、よーーーいちろぉーーー!!」みたいなwwww。もう面白くて思わず吹き出しちゃったよ。芝さん、ナイスっすww。

ヴォルツオブヘブン(アンコール)

拍手が鳴りやまない中、一番最後に「ヴォルツ~」これはこれまでのソンダンアンコールでも歌われてきていたので聴き覚えがありました。芝さんが最大限の表情筋を使って歌っているのがなんだか面白くて微笑ましかった。ちなみにメインボーカルは島村くんだったそうです。

最後は劇場総スタンディングの中、キャストたちが下手側と上手側の通路を駆けぬけて退場。私はちょうどこの日通路側の席に座っていたので、運良くキャストの皆さんとハイタッチすることができました。
ちなみに、前回まで行われていた出口でのキャスト見送りは今回から無くなったようです。ちょっと残念だけど、キャストの皆さんの疲労を考えるとこの方がいいなと思いました。なにせ以前までのお見送りの時の出口付近、戦場みたいになってたので。

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後述

ソンダンは高いレベルの歌とダンスを満喫できるので楽しいです。でも、そこにはできるならば大好きな応援してる役者さんもいてほしい。ダブルキャストで出演が間際まで分からないシステムなのが本当に毎度毎度…(苦笑)。

チケットは全日完売しているそうなので、前日予約も難しい状況のようです。東京公演も残りあとわずか。そのあとは全国公演があるのだとか。四国にも来てくれるのだろうか?その時にお目当てキャストくんが来てくれる保証はないんですけどね。

実はあと1回だけチャンスがあります!その時にはこれに萌えが加わる観劇となりますよう…。

※2回目の感想は↓になります

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