『銀河英雄伝説 初陣』 13.08.02ソワレ

日本青年館大ホールで上演されている『銀河英雄伝説 初陣-もうひとつの敵-』を観に行ってきました。このホールで舞台を観るのは初めてだったんですけど、駅からちょっと歩く。劇場すぐそばにはラグビー場や神宮球場があるので、そこで試合やイベントがあったらかなりすごいことになるんだろうなと。ちなみにこの日は神宮球場で野球があったらしく、行くときにはかなりの観戦客と重なって歩きづらかったです(汗)。

この日はちょっと早くに着いてしまったんですけど、劇場入り口までは長い階段を昇ることになっていて…なぜかそこに2種類の列ができていた。係の人は下にはいなかったので、いったい何の列だか分からず…(苦笑)。後で知ったところによると、当日券列とネットでの申込み列に分かれていたらしい。劇場到着してから列ができてれば、そりゃどちらに並ぶか迷うよなぁ。

結局、チケット持ってる人は開場間際に係りの人が呼びかけて急ごしらえの列を作って入ることになりましたが・・・このあたりの段取りが異様に悪いなと思ってしまった

ロビーに入ってみると楽屋花がたくさん!!

銀英伝はいつも花が多いんですが、今回も例に漏れずお花畑状態。まだ初日空けて2日目だったのでいい香りがロビーに漂ってました。嬉しかったのは間宮くん宛てのお花がたくさんあったこと。過去2回のラインハルト役がみんなに受け入れられたってことだよね。ファンの人からもたくさん来てた。「内乱」の時はほとんど見かけなかっただけになんか我がことのようにう嬉しかった。

 


ポプランとオーベルシュタイン、あと写真には写ってませんが元祖・ヤンからも大きなお花が届いてました。


それから、ベーネミュンデ役の広田レオナさんには宅間孝行さんからのお花が。これもちょっと嬉しかったので写真撮ってしまったw。

青年館大ホールの劇場はちょっと横長っぽい感じだったかな。帝劇とか見ているので一階席後方でもあまり遠いという感じはしませんでした。銀英伝は映像を多く使う舞台でもあるので、物語を見るならば後方あたりがちょうどいいかもしれないと思ったり。座席はちょっと固めですが(汗)約2時間半強座りっぱなしでもあまり腰に影響しなかったです。まぁこれは、私が集中して観ていたからかもしれませんがw。
ちなみに、今回の舞台は客席もちょこっと使ってます。H列はそういった意味でかなりの特等席だと思い羨ましかったです(笑)。

 

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この日は終演後にトークショーがありました。

司会は銀英伝最多出演者の高山猛久さん。高山さんは銀英伝のトークショーではこれまで何回も司会担当してますが(笑)少し慣れてきたのかも!?進行が以前よりもちょっとスムーズになった気がしましたw。

トークゲストは、ラインハルト役の間宮祥太朗くん、ヤン役の田中圭くん、そして銀英伝の生みの親である田中芳樹さん。かなり豪華な組み合わせ。田中芳樹先生は、私今回が初生です!!あぁ、この方が田中先生…!なんか外歩いてたら普通に可愛いおじさんって感じの方で。少し丸顔、小柄かな。あんな激しい物語を書いた人とは思えないくらい雰囲気はホワっとした方でした。

田中先生は長野から今回駆けつけられたそうで、「電車が間に合わなかったら家に引き返したかも」なんていうジョークも飛び出してて笑ったww。「銀英伝の舞台があるたびにこうしてトークに引っ張り出されるんですけど…」なんて語ってましたが、仕事場から飛び出してこういう場に来るのは実は嬉しかったりもするそうで。

間宮くんと田中くんの役の入りっぷりに関してもかなり褒めていらっしゃいました。間宮くんは恐縮したように何度もペコペコ頭下げてましたが、田中くんはちょっと照れくさそうにしてましたねw。で、間宮くんは先生に何か質問は?と振られたとき

「ラインハルトは今を見てて、キルヒアイスは未来を見てて、ヤンは過去を見てる。ほんっとにスゲェなぁって思ってて!そういうのの意味ってあるんですか?」

とちょっと素が出たように興奮気味に聞いてたのが印象的。田中先生によれば、

「最初にヤンという人物が浮かんでそのキャラクターを作り、あとからそれと対比になるようなキャラクターを作り上げていった」

みたいなことを語ってました。身を乗り出すように聞き入ってた間宮くんが印象的。ホントに銀英伝…ラインハルトをよく研究してくれてるんだなぁって思えてなんか嬉しかった。

逆に、田中圭くんはといいますと、銀英伝を深く読んでいたという感じでもなかったらしく質問するのにちょっと迷っていた感じww。それを見た高山さんが「ヤンを演じてて田中さんに聞きたいことある?」みたいに誘導質問してくれたところ、

「僕、ファイエルって言っちゃダメなんですかね?」

と面白質問(笑)。なんでも、芝居の中では今回あまり組み上げられたセットの上で芝居をすることがなくて、あるシーンでやっと上に上がった時に「ここからファイエルって叫んだら気持ちよさそう」って思ってるんだとかwwww。これに対しては田中先生も笑うしかありませんでした(笑)。

間宮くんと田中くんについては、二人は同じ事務所(トライストーン)先輩後輩という関係ということで。でも、これまではあまり顔を合わせたことがなかったらしく「最初は仲が良かったわけじゃないんですよ~」という圭くんw。5年経ってやっと「こんなかわいい後輩がいたんだって気づいた」んだそうですww。

互いの印象を聞いてみると、間宮くんは「圭さんはホントに優しいんですよ!」と先輩を立てる発言w。すると圭くんが脇からニヤニヤしながらなにやら間宮くんに耳打ち。すると間宮くんが「えっ?もっと言えって?」と言っちゃってあわてて圭くんが「そういうことは口に出しちゃダメだろう~」とツッコミ(笑)。

なんか仲良し兄弟みたいに見えて和んだよ~。で、間宮くんが言うには、圭くんは舞台に出ずっぱりであまり全体が見れない間宮くんに対して(稽古中)客席から「分からないことあったら何でも聞いて」と親身にアドバイスしてくれていたそうです。

圭くんはと言いますと、「逆の立場だったらやりにくいいだろうなぁと思って。間宮も絶対」ということで。「僕の先輩に小栗旬さんいるんですけど、僕が主役の舞台に小栗さん来たら正直(緊張しちゃって)キツイから」と話していたのが笑えましたww。

あとは、間宮くんはラインハルトとキルヒアイスの関係のことを「親友でもあり、兄弟でもあり、夫婦のようでもあり…」と語ってたのが印象的だったな。舞台での二人の関係はまさにそういう風に見えたので!これぞ本当のラインハルトとキルヒアイスの関係だよっ!って感動した私。間宮くん、ラインハルトを深く理解しようとしてくれてるところがホント嬉しいよ。
圭くんは最後のあいさつでも「ひょっとしたらどこかでファイエルって言うかも」と発言して笑いを取ってましたw。よっぽど言いたいんだねぇwww。

こんな感じでちょっと延長したトークショーは終了。終わった時に圭くんが高山さんに「お疲れ様」みたいな感じで肩叩いてたのが可愛かったですw。間宮くんは今回のトークショー、けっこう緊張したかもしれないねぇ。事務所の先輩と田中先生に囲まれてたからw。次は同世代とのトークなのでもう少しハッチャケるかな?楽しみ。

 

観劇日:2013年08月02日ソワレ

主な出演者

ラインハルト/間宮祥太朗、キルヒアイス/橋本淳、ヤン/田中圭、アンネローゼ/白羽ゆり、ミッターマイヤー/根本正勝、ロイエンタール/藤原祐規、シトレ/三上市朗、クルムバッハ/岸祐二、ラップ/三上俊、グレーザー/鈴木健介、ベーネミュンデ/広田レオナ

以下、ネタバレを含んだ感想(今回は軽めww)です。

 

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今回の「初陣」はアニメの銀英伝で言うと、「黄金の翼」「白銀の谷シリーズ」「女優退場」がベースになってますね。このすべてに絡んでいるのが皇帝の寵愛を一身に受けているアンネローゼへ猛烈な嫉妬心を燃やしてるベーネミュンデ侯爵夫人。彼女はアンネローゼが現れるまでは皇帝の愛を独り占めしていたために、その憎悪は半端なものじゃありません。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いってことで、アンネローゼとその弟のラインハルトにも猛烈な憎悪を抱いてます。

ということで、サブタイトルの"もうひとつの敵"というのはベーネミュンデのことを指しているのかなと思いました。

舞台にはナレーションも入るんですけど、今回それを担当していたのはアニメシリーズのすべてのナレーションを担当していた声優の屋良有作さん!!この方、ちびまる子ちゃんのお父さんヒロシの声を担当してる声優さんでもありますが、アニメ銀英伝では終始渋い声でそのドラマを引き締めてくれました。

舞台銀英伝は宇宙シーンになると映像が出てくることが多いんですが(その間に舞台転換)、そこで屋良さんの声が入ってくる感じでしたので・・・なんかアニメを見ているような感覚でもありました。ただ、2幕の中盤から後半にかけてはけっこう語りの部分のほうが多くなってきちゃったので…あそこはもう少し見る者の想像に任せる感じでもよかったんじゃないかなと思ったり…。アニメではあまり必要以上に語りが入っていなくてちょうど良い按配だったのですが…、2時間半強の舞台の中で語りの部分が多くなると少し違和感がなくもありません。

でも、アニメ「銀英伝」ファンとしては、屋良さんがナレーションを担当しているのは嬉しいものでありました!

ストーリー全体は色々な人間模様が絡まってドラマとしてはなかなか見応えがあったし面白かったです!そのすべての黒幕にベーネミュンデが絡んでるっていうのがすごいなと(笑)。帝国側と同盟側の割合は7対3くらいで帝国のほうが多め。今回の「初陣」はラインハルトとキルヒアイスのことを指していますからね。

違和感があったのは、ヤンの相棒でもあったアッテンボローが出てこないことかなァ。これまで舞台の銀英伝シリーズは全部見ていますが、ほとんどアッテンボローが出てこない。出てきたとしても脇役扱い。なんでだろう?たしか第5次イゼルローン攻略のときにもヤンとアッテンボローは一緒だったはずなのに今回全く出てこなかったので妙な感じでした。

その代りにラップが友人役として出てくるわけですけど、彼はイゼルローン攻略作戦には参加してないので、結果的にはヤンが一人で奮闘してる感じ。せめて次回シリーズではアッテンボロー出してほしい気がする。アニメでは好きなキャラの一人だったので…(厳密に言うと井上和彦さんのファンだったww)

あと、アンネローゼとミッターマイヤー、ロイエンタールのシーンがちょっと違和感。本編ではアンネローゼと双璧のベーネミュンデ事件に関わる関係は誘拐事件だったような気が…。てっきりそのシーンがあるのかと思ったんですが、なぜかミッターマイヤーがベーネミュンデ側に愛妻のエヴァンゼリンをネタに揺すられて殺害計画に加担しようとする、みたいな展開になってて驚きました(汗)。アンネローゼ誘拐を助ける双璧っていうほうが見たかったよなぁ・・・なんて。

と、多少の違和感はありますが、全体的には本当に『銀河英雄伝説』の重厚な物語が帰ってきた!!って感じでかなりの好印象。その一番の理由は、やっぱり、J系がいなくなったことにあるかもしれない(苦笑)。芝居ができる人ならばまだしも、全然それができてないJが入ったのが3作も続きましたから…、それから比べると本当に「役者」が魅せる芝居をやっと観れたっていう感動が大きい

一番大きいのはラインハルトとキルヒアイスの関係がものすごーーーーく濃密で見ごたえあるものになっていたこと

第1章の松坂桃李くんのラインハルトと崎本大海くんのキルヒアイスの関係も個人的に好きだったんだけど、今回の間宮くんのラインハルトと橋本くんのキルヒアイスの関係はそれを越えたかもしれません。やっぱりねぇ、キルヒアイスが「役者」だとこうも違うものかっっ!!って思っちゃいますよ。

間宮くんの神がかり的なラインハルトを橋本くんのキルヒアイスがしっかりと受け止めて互角の芝居をしてる。もうねぇ、この二人で「内乱」のキルヒアイスの最期シーンを再現してほしいですよ。この二人だったら絶対大号泣間違いなし。

ちなみに橋本淳くんは「ちりとてちん」で喜代美の弟の正平を演じてたあの橋本君です。ずいぶん大人っぽくなったなぁと感動。

 

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それから、ミッターマイヤーとロイエンタールの双璧二人。根本君と藤原君がこれまためちゃめちゃハマってる!!過去の舞台シリーズの中で一番双璧らしいキャストだと思いました。特に藤原君のロイエンタール!これまで何人か見てきましたが、一番ロイエンタールっぽい。熱くなりやすい若いミッターマイヤーを演じた根本くんもイメージピッタリです。「内乱」の時のようなただ闇雲に熱くなるようなキャラじゃなくなっていたのが何よりもうれしい。
この二人のコンビが本当に良かったので、次回からも引き続き出演してほしいです。

河村さん以外のヤンは今回の田中くんが初めて。河村さんが富山敬さんのヤンをほぼリスペクトして演じているのに対し、田中くんは自分の個性を生かした素朴な若者像として演じていたのが非常に印象的です。ヤンを一人の歴史家になりたかった青年として、そのやるせなさや戦いに対する気だるい想いなどを自然に表現。ちょっとポヤっとした雰囲気もヤンに合っていて圭くんパーションもいいなと思いました。

ひょっとしたら、芝居としては圭くんのヤンのほうがいいのかもしれませんが、次回は河村さんに戻ってますからこれ限りかな。ちょっと残念。

そしてベーネミュンデ役の広田レオナさん!配役を聞いた時からピッタリだと思っていましたが、本当に最高でした!出番はそんなに多い方ではないのですが、アンネローゼに対する異常な執着心みたいなオーラがものすごく出てたし、最期はとても哀しい女性として熱演。このシリーズ限りで退場になってしまうのが勿体ないくらいです。

最後にもう一度間宮くんに触れようと思いますが…彼のラインハルトを見るのはこれが3回目。本当に見るごとにラインハルトそのものに思えてしまう。ここまでドンピシャだと思えるラインハルトを演じられるのは、たぶん間宮くん以外いないんじゃないかな。良く通る透き通った声、若いながらもプライドが高く他を圧倒するオーラ、どこをとってもラインハルトですよ。まさに、この役を演じるために生まれてきたといっても過言ではないくらいのハマりっぷり。外見だけじゃなくて、ラインハルトの内面もしっかり演じてくれているし、16歳と20歳の演じ分けも繊細で素晴らしい。
「内乱」で完全に間宮くんにハマったのでw、今回は3回観劇予定に入れてますww。あと2回、本当に楽しみです。

他のキャストさんたちもホントに適材適所で違和感ある人がいなかったというのも大きな収穫の今回の銀英伝。トークもまた聞けそうなので色々と期待値が高まります。
ちなみに次回公演の先行も来場者限定で行われてました。間宮くんも続投だし、2回申し込んでしまった(笑)。

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