『銀河英雄伝説 初陣』13.08.06千穐楽

8/1から始まった『銀河英雄伝説 初陣-もうひとつの敵-』が6日に千穐楽を迎えました。6日間という短い公演期間ではありましたが、非常に濃密な芝居を堪能することができて思い出深い公演となりました。

我が家からは日本青年館はけっこう遠くて、しかも、ソワレ公演しか観に行ってないので帰りがけっこう終電間近とかになったりもしたんですけど(汗)、そこまでしても見に行った価値は十分すぎるほどにあったと思ってます。千穐楽の日はゲリラ雨とかあってちょっと大変な気候ではありましたが、素晴らしいという言葉を越えるほどの舞台でした。

全8公演中3公演通いましたが、非常にバランスのいい観劇スタイルが取れました。というのも、1回目は中央(キャストが通る通路のすぐそばだった)、2回目は1階席後方(後ろではありましたがオペラグラスを使わなくても表情が見えることが多くてストレスを感じなかった)、そして千穐楽は前方席(予想外にいい席が当たった)と・・・すごい良い環境を用意されていたように思えてしまうくらい色んな角度から銀英伝の舞台を楽しむことができたんですよね。

楽はサイドではあったものの本当に役者さんとの距離が近くて色々ガン見(笑)。特に大プッシュしてる間宮くんのラインハルトは目を皿のようにして見ましたからwww・・・っていうか、自然に惹きつけられて・・・、本当にビックリするくらいの繊細な芝居に衝撃の連続で。その日の夜はあまりの興奮状態にほぼ一睡もできなかったくらいでした(爆)。舞台観たあと眠れなくなったのは『タイタニック』『ファントム』以来だったかも。

 

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千穐楽のカーテンコールはとても和やかな雰囲気でしたね。田中圭くんは2日目夜に行われたトークショーの時に「僕もファイエルって言いたいんですけど」とか「どこかでファイエルってやるかもしれません」とか言って笑いを誘ってましたがww、1回目のカテコ挨拶で手振りだけではありましたがファイエルポーズを実践(笑)。圭くん、良かったねぇ・・・と微笑ましく思いました。次に登場してくるキルヒアイス役の橋本くんが圭くんのリアクションに笑いが込み上げたまま出てきたのも可愛かった(笑)。

いつものように1回目が終わると、客席が自然にオールスタンディング状態。割れんばかりの拍手が沸き起こる中、最初に袖から出てきた間宮くんがあまりの盛況ぶりにビックリして満面の笑みを見せていたのが非常に印象的でした。2回目は皆素の表情に戻ってのカテコで。

3回目に間宮くんと橋本くんが二人で出てきて…「僕たち二人だけだと何なんで…みなさんを呼ぼうと思います」と間宮くんが一言。そのあと「おねがいしまーす」と呼びかけていた姿はラインハルトではなく、20歳の若者の爽やかな姿でした。間宮くん、ほんとに役と素とでは全然違うんだなぁと改めて驚愕(笑)。演じてる時にはとても最年少クラスに見えないのに、こうして素に戻ると、あぁ、まだ若いんだなぁって思ってしまった。

で、全員揃ったところで挨拶が始まるんですけど、まず最初にアンサンブルの塙くんがこの日に誕生日を迎えたということでお祝い。突然指名された塙君はもうビビりまくって舞台の中央に来てもソワソワ状態(笑)。「千穐楽に誕生日を迎えるなんて幸せだね」と演出家さんもおっしゃっていたということで盛大な拍手でみんなでお祝いしました。それが終わるともう、恥ずかしかったのか塙君すぐに後ろに引っ込んじゃいましたけどねw。

でも、こうしてアンサンブルの役者さんのことも一人一人大切に接してきたんだなぁと思うとちょっと胸熱でしたよ。「塙君はムードメーカーでいつも僕らを盛り立ててくれました」って間宮くん言ってたな。自分のことよりもこうしてチームの人のことを一番に考えるってとても素敵な事。

その後の挨拶も、この前のトークのときに語っていたようにスタッフを気遣うことを言っていて。そして今日のお客さんだけじゃなく、これまで来てくれたお客さんすべてに拍手をって。この発言に最初は皆「えっ、どうやんの?」みたいな空気になって先輩の田中圭くんとかはオロッてましたが(笑)、間宮くんが一生懸命拍手してる姿を見て、みんな、あぁ、ぼくたちもするんだよねみたいな空気になりwwとても和やかな雰囲気となりました。

座長の意識はあまりしないようにしてるってどこかで語ってたけど、こうして自分のことよりもたくさんの周りの人たちのことを考える発言や行動をする間宮くんは…本当にとても立派な座長さんだよって感動した。こういう人だから、周りの人たちも盛り立てようと思ってついてきただろうし、最高のチームだったんじゃないかと思いました。

あと間宮くんのあいさつで印象的だったのは、この公演期間中嬉しかったこととして、当日券やリピーターチケットが売れたというのを挙げてました。今回、招待客という形もけっこうあったんですが(ネームバリュー的なこともあったと思うけど)、当日券やリピーター券は評判を聞いた人や1度見た人がもう一度と思って利用するもの。

それが日を追うごとに伸びたというのは、今回の銀英伝が多くの人に受け入れられたってことですよね。パンフレットも前楽の時から品薄となり千穐楽には売り切れてしまっていましたし。そのことに関して、本当に感謝の気持ちしかないと感慨深そうに何度も頭を下げていた間宮くんが非常に印象的でちょっとウルッとした。

で、この3回目の挨拶が終わって幕が下り、客電がついて追い出しのアナウンスが始まったのですが・・・ほとんどの人は帰らないでスタンディングのまま拍手を続けているほど盛り上がってました。まさに、熱冷めやらぬって感じで。そしてアナウンスが終わった後舞台に明かりがついて間宮くんと橋本くんが登場し、二人で熱いハグを交わしてて・・・それ見てまたちょっと胸熱になる私。若いお客さんなんかは黄色い歓声あげてました(笑)。

で、二人とも「もう何を話したらいいのか」と言っててw、3回目のカテコが終わった時点で「お疲れ様でした~」と衣裳を脱ぎかけてたところだったらしい(笑)。橋本くんなんかはスマホ持ったまま舞台に来ちゃってたよww。一息つこうとしたところ、この大きな拍手の音が聞こえてきてもう一度登場という運びになったということで。

「本当に皆さんには感謝という言葉しか見つかりません」と何度も何度も頭を下げる間宮くんと橋本くん。「またいつかどこかでお会いしましょう」って間宮くんが言うと、橋本くんが横から「11月の舞台あるんじゃないの?」みたいにツッこんでてw、その宣伝も間宮くんしたわけですが…その時に橋本くんにボソッと「もうすぐドラマもあるから」みたいに言ってたなw。そう、今週末から始まるフジ系ドラマに間宮くんレギュラー出演するんですよね。舞台中も撮影したりイベント出たり忙しそうだった。そういう意味も込めての「いつかどこかで」だったのかもねw。

最後は「みなさん気を付けてお帰りください」と笑顔で挨拶。こうして素になると、間宮くんが弟で橋本くんがお兄ちゃんっていう雰囲気だった(実際に橋本くんのほうが年上)な。本編中はその逆に見えてしまうくらいだったから・・・あらためて役者の集中力ってすごいなと思いました。

千穐楽のカテコはこれにて終了。ツイッター情報によれば、田中圭くんは打ち上げの時に今度は声に出して「ファイエル」と言えたそうです(笑)。その現場見てみたかったよww。

以下、本編についての感想です。これまで軽めにしてきましたが、楽を迎えたのでかなりディープに長めでw。興味がありましたらお付き合いのほどを…(←たとえ誰も読まなくても自己満足で書きますwww)

 

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観劇日:2013年08月06日 千穐楽

主な出演者
ラインハルト/間宮祥太朗、キルヒアイス/橋本淳、ヤン/田中圭、アンネローゼ/白羽ゆり、ミッターマイヤー/根本正勝、ロイエンタール/藤原祐規、シトレ/三上市朗、クルムバッハ/岸祐二、ラップ/三上俊、グレーザー/鈴木健介、ベーネミュンデ/広田レオナ

 

今回の銀英伝は「初陣」とありますが、これはラインハルトとキルヒアイスの初陣エピソードを中心とした物語になっていました。アニメ銀英伝シリーズで言うところの・・・「黄金の翼」「白銀の谷」(外伝)、「女優退場」(本編)のエピソードを繋ぎ合わせ、合間にオリジナルのシーンを挟み込んでくるような感じだったかな。

スタートが「星を見ておいでですか、閣下」「ああ、星は良い」っていう二人の会話から始まりまして。これ、本編最初のアスターテ会戦エピソードなんですよね。正直、本当にここはこれまでの舞台で何度となく見てきたので"またアスターテからか"と最初思わなくはなかった(苦笑)。もう第1章からここまでの間でキルヒアイスの死までの物語をずっと繰り返してますから…。銀英伝ってキルヒアイスが死んでしまった後もかなーり長いんですよ(汗)。早くこのエピソードから脱却しないといつ終わるか本当に分からない。

しかしながら、2回目以降は、あのアスターテのエピソードを最初に持ってきたのは物語としてこの舞台では必要だったなと思うようになりました。アスターテで初めてヤン・ウェンリーという敵と出会うラインハルトとキルヒアイス。そこに至るまでの物語が今回の核になるわけで、始まりの部分と物語クライマックスの部分にアスターテを挟んできたのはなかなか面白い構成だと思いました。この時のラインハルトは成長の証としてマントをつけて髪の毛も伸びています(内乱の時と同じ扮装かな)

オープニングのタイトルが幕に映し出され、紗幕の向こうに今回の登場人物が一人一人映し出される演出方法はまるでアニメのよう。屋良有作さんがナレーションをしているのでなおさらですw。今回もカッコよかった。

オープニングが明けた後、今回のもう一人の陰の主役でもあるベーネミュンデ侯爵夫人が登場。舞台下手で不気味にアンネローゼを落としいれようと画策してるんですが、照明も暗いので余計不気味に見えます。広田レオナさんの何とも言えないあの妖しいオーラがより一層惹き立っていました。この時のベーネミュンデはまさに憎悪の塊です。陛下の寵愛が自分ではなくアンネローゼに移ってしまったことへの憎悪は果てしない。その牙は弟のラインハルトにも向けられていくっていう、そういう流れがこの舞台の起点になってましたね。

で、今回は帝国側だけではなく同盟側もちょいちょい挟まって出てきます。ということで、3年前のヤンのエピソードも出てくる。親友のラップと語らっているところにシトレがヤンの渡した辞表を戻しにやってくるといった展開。この頃からヤンは軍人をやめたいと思ってるんだなということを植え付ける感じかな。田中圭くんのアンニュイな雰囲気がなかなか新鮮で、自分が軍人になることに流されてる雰囲気がすごくよく出てた。ヤンは辞めるどころか第5次イゼルローン要塞攻略に加えられてしまいます。

帝国ではいよいよベーネミュンデが最初に牙をむくシーンんが登場。パーティーに自分が呼ばれなかったことに腹を立て、自分ではなくアンネローゼがそこに出席していたことで完全にキレて水を吹っかける。アンネローゼがいることを知るまでは「陛下はお病気で誰ともお会いできないということです」という言葉を信じ本気で心配していたために、それが自分を遠ざけるための言葉だったことを知っての行動なだけに、なんだかちょっと切なくもあるんですよね。

このゴタゴタを収めたのが警備にあたっていたミッターマイヤーとロイエンタール。二人は見事な息の合った行動で騒動を収束させる。ちょっとカッとなりやすいミッターをロイが抑えながら相手に釘をさすみたいな連携で。いやぁ、なんか、久々に舞台にミッターマイヤーとロイエンタールが帰ってきたって思いましたよ!!根本君と藤原くんの雰囲気作りがのっけから非常に好印象。

 

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その頃、16歳のラインハルトは船の艦長を任されるまでになり…その傍らにはいつも無二の親友キルヒアイスがいる。若い艦長であることやアンネローゼとのことを馬鹿にしているクルーたちの言葉を聞いてキレかかるラインハルトの不安定さを「私よりも先にラインハルトさまがお怒りになられる」と言ってなだめるキルヒアイス。この二人の最初のやり取りから、ものすごく深い絆が感じられた。

やっっっっと、間宮ラインハルトと相性の合うキルヒアイスが現れたよーーー!!

と心の中で感無量になったことは言うまでもない(笑)。セリフそのものには二人の上下関係があるのですが、間宮くんと橋本くんがこれを言葉にすると固く熱い友情、それ以上のものしか感じられない。いかにお互いが大切な存在であるかっていうのがセリフの端々から痛いほど伝わってくるんですよね。もう、ほんとに、こんな二人が見たかったのよっっっ(感涙)。

そんな時に現れる怪しい男、クルムバッハ。これはアニメで言うところの「黄金の翼」エピソードですかね。アニメでは青白い顔をしてホッソリしたゾンビみたいな男だったんですけどwww、今回は岸さんが演じているのでなんだかアニメとはかなり違って健康そう(笑)。だけど、あの微妙な前髪のたれ具合やねっとりした嫌らしいセリフ回しはなんとも不気味ですごく雰囲気出てました。しかしながら、ラインハルトを「歩くトラブル」とか「走るトラブル」とか呼ぶのは実はちょっと違和感があったりしましたねw。

クルムバッハが狙っているのは、一年前に起きた惑星カプチェランカでの上官死亡事件についてラインハルトたちをつつき追い込むことです。二人にはこの件で触れては欲しくない出来事がありました…。

その夜、ラインハルトは転寝の中で夢を見るのですが・・・ここは客席通路にラインハルトがやってくるという演出になってます。1回目に観たとき、かなり近くに間宮ラインハルトがやってきて異様にドキドキした(笑)。ただこれ、前方席からだと後ろ向かなきゃ見えないし、後方席だと表情が分かりづらい(ラインハルトは基本舞台に出ているキルヒアイスとアンネローゼを見ているので)。趣向としては面白い演出だけど、ちょっとお客さんに対して不親切な点もあったかなと思います。客席使う演出って色んな意味で難しいですよね。

で、ラインハルトはアンネローゼとキルヒアイスの夢を見る。アンネローゼとキルヒアイスが出会った当時のセリフを言っているときの間宮ラインハルトのなんとも穏やかそうな顔がとっても印象的だった。二人の前では本当にとても無防備な表情をする。そのあと、アンネローゼがキルヒアイスにラインハルトのことを頼むと語っているときにはちょっと哀しそうな顔になって…そしてベーネミュンデが現れて二人を傷つける夢になると狂ったように泣き叫びながら舞台上に駆け込んでいく。このあたりのお芝居が本当に繊細すぎるほど繊細!思わずもらい泣きしちゃうよ。

そして結局は夢だったことが分かって安堵するんですけど、起きたばかりの時には首を絞められた後の様にぜーぜーしてる。アンネローゼとキルヒアイスを失うことはラインハルト自身を失うことにもつながるんだってあの様子を見て確信できる。そのあと、キルヒアイスと二人で語り合うんですが・・・ラインハルトは16歳の少年らしく屈託なく笑う。本当に楽しそうで冗談を言ってはキルヒアイスを困らせたりしてる。この顔はキルヒアイスにしか絶対見せないもの。まさに全幅の信頼を置いてるんですよね。キルヒアイスもラインハルトに心は許しているけれども常に一歩引いた存在として接している。それは壁があるからじゃなくて、ラインハルトを本当に信頼しているし眩しい存在だからこそ。このあたりの芝居がとても絶妙でした、橋本くん。

「おまえだけは変わらないでくれ」「はい」

・・・この短い会話が温かくもあり切なくもありました。

 

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ここからさかのぼること1年前の惑星カプチェランカ。ここからはアニメで言うところの「白銀の谷」エピソードになっていたと思います。戦略的には何も意味を持たない極寒の地の惑星カプチェランカに自ら志願して配属したラインハルトとキルヒアイス。ラインハルトはここで武勲を一気に立てて上に行こうという野心があった。ところが、ここの上官はベーネミュンデ侯爵夫人の息のかかった人物で出世を餌にラインハルトを陥れ殺害するよう密命を受けている。

カプチェランカでの環境は二人にとってもいいものではなく、同じ軍内でも争うことが多い。ということでここでアクションシーンが出てくるんですけど、2日目に観たときよりも間宮くんと橋本くんの動きが格段に良くなっていて驚きました。動きにキレがある!

アクションシーンで特徴的なのはキルヒアイスが鋭いのに対しラインハルトが余裕を持って華麗に動いていることです。二人の性格を表しているようで面白かった。一番アクションが多かったキルヒアイス役の橋本くんの動きがとにかく迫力あって素晴らしかったですね。素晴らしいといえば、彼らのアクションを受けるアンサンブルさんたちです。トンボ返りとか高所からの飛び降りとか、殴られ方一つ一つが実にダイナミックで上手い!!よくぞこれだけ殺陣の出来る人を集めたなと思い感動いたしました。

この事件がきっかけになり、ラインハルトとキルヒアイスは極寒の中偵察に行くように仕向けられる。与えられた装甲車には細工が施され、そのまま凍死してしまえというのが上官たちの思惑。しかし、ラインハルトたちは敵の装甲車を上手いこと奪って急場をしのぐ。こういった対応力があるのも二人の才能だなと思います。

極寒の中でもラインハルトの表情は明るい。そこには絶対の信頼を置いているキルヒアイスがいるから…。上官の前で鋭い視線を向けていたのと同一人物とは思えないほど無防備な笑い声をあげているラインハルト。その顔は本当に少年そのもので…間宮くん、本当に表情の一つ一つの作り方が繊細だなぁと感心することしきり。

この極寒の地で二人は自分の死に方について語り合います。キルヒアイスはラインハルトの死に場所はこの地上ではなく宇宙だと語る。キルヒアイスは、「そばにアンネローゼ様がいらしてラインハルト様がいれば他に何もいりません」とはっきりと伝えます。このセリフは本当に切なかったですねぇ…。キルヒアイスはこの後、ラインハルトの傍らで息を引き取るわけですから…。そんな未来が遠くないことをまだこの時は知らない二人。

そうこうしているうちに二人を完全に始末しようとフーゲンベルヒたちがやってくる。ラインハルトとキルヒアイスは示し合わせたように二手に分かれ、ラインハルトはいかにも自分が現在困り果ててるといった芝居を打つ。それを見て気が大きくなったフーゲンベルヒは暴言連発。

そのなかで首謀者がベーネミュンデ侯爵夫人であることも告白するのですが、流れでアンネローゼのことも侮辱してしまう。これが決定打となり、隠れていたキルヒアイスに合図を送ると二人はフーゲンベルヒたちを追い詰める。

「貧乏貴族での小娘…売女…この男はアンネローゼ様の名誉を汚しました!」

と銃を向けるキルヒアイスの背中の何と哀しかったことか!!アンネローゼにほのかな恋心を抱いていただけに、彼女への侮辱の言葉を聞くとキルヒアイスは冷静さを失って怒りをあらわにするんですよね。その怒りが、なんだか、ほんとに、とっても切ないんですよ…。まるで自分自身が汚されたかのように傷ついているようで…。橋本くんのキルヒアイスの背中を見たらなんだか思わず落涙してしまった。

さらに暴言を重ねたフーゲンベルヒを射殺したのはラインハルト。彼の背中も怒りで震えてました。しかし、人を殺害してしまったことに心の中に動揺が広がっている二人。それでも本星をおいつめなければならないという悲壮な使命感。ヘルダーを追い詰めるのですが、その時に二人に殺害意識はなかった。しかし、ヘルダーが銃を取りラインハルトを撃ち殺そうとした瞬間にキルヒアイスは咄嗟にヘルダーを撃ち殺してしまう。ラインハルトを守るために必死だったキルヒアイス…。

でも、殺してしまったという自戒の念が消えない。そんなキルヒアイスを庇うように「俺たちは戦い続けなければならない、俺たちの死に場所にたどり着くまで」と語るラインハルト。「ラインハルト様の死に場所が私の死に場所です」と気持ちを振り払うように答えるキルヒアイス。なんて悲壮感漂う二人だったんだろう…。彼らの行く道がいかに茨であるかが痛いほど伝わってきて、思わず涙してしまいましたよ(涙)。ここで1幕終るんですけど、泣いてる人多かったですね。

 

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2幕は第5次イゼルローン攻略のエピソードが中心。アニメで言うところの「黄金の翼」ですかね。戦闘に出る前、カプチェランカでヘルダーを殺してしまったことを気に病んでいるキルヒアイスに「ベーネミュンデは蛇のような女だから蛇夫人と呼ぼう」とラインハルトが悪戯っぽく語って慰めているのが印象的だった。

攻略戦の会議の様子は同盟と帝国とで同時進行の様に展開しているのも面白かったですね。帝国では司令官が二人いるので話がまとまらず喧嘩別れみたいになってる(笑)。同盟ではヤンがシトレから作戦案を読み上げるように言われている。この時、ヤンがコーヒーと紅茶を持ってくるんですけど「珈琲を押したら紅茶が出てきて、紅茶を押したらコーヒーが…」といったノホホン発言をしたのが可愛くて笑えました(笑)。田中圭くんのホワッとした雰囲気に合ってますね、ヤン。

そしていよいよ艦隊戦が始まるわけですが、ラインハルトたちの乗る船にクルムバッハも同乗。乗り込む前は「走るトラブルさん」とか言って余裕の表情してるクルムバッハなんですが、千穐楽で演じてる岸さんが軽くアドリブでアンサンブルさんをイジってて笑えましたwww

ラインハルトの指示は的確で効率的に敵を粉砕していく。戦闘経験がないクルムバッハは狼狽えるばかりで出発前の勢いはどこへやらな状態。この情けなさを岸さんが髪を振り乱してて実にうまく演じてました。

第5次イゼルローン要塞攻略戦と同時進行していたのが今回の舞台でのオリジナルだと思われるアンネローゼ邸のエピソード。パーティーでベーネミュンデからアンネローゼを守った功績が認められ、フリードリヒ皇帝直々にアンネローゼ邸に訪れるよう言われたミッターマイヤーとロイエンタール。ここでロイエンタールはミッターマイヤーに意地悪攻撃してくるんですが、これが実に面白かった。

ミッターマイヤーが愛妻家であることを引合いにだし、プロポーズの時に黄色いバラを送ったとアンネローゼに話すと「花言葉は…嫉妬」と教えられ絶句してしまうミッターww。それを見て「まだネタは1ダースくらいある」とニンマリするロイエンタールww。このやり取りが実にかわいらしかった。アンネローゼの前でも物怖じしないロイエンタールに対して、緊張でソワソワしてるミッターマイヤーといった二人の違いもクッキリしていたのも印象的です。

このあと、去り際に日替わりネタがあって。ロイエンタールがミッターマイヤーに「こんな花を持ってきてはどうか」とけしかけてミッターマイヤーが喜ぶとアンネローゼが最後に「花言葉は嫉妬」と落とすっていう展開w。2日目に聞いたときは「マリーゴールド」、前楽に聞いたときは「ヒヤシンス」でしたが、千穐楽は展開が違ってて。「お二人に相応しい花がありますのよ、ゼラニウム。真の友情」とアンネローゼが微笑みながら話し、ミッターマイヤーとロイエンタールが「いい花言葉だな」って言ってそのあとを追うって感じになってました。

この日替わりネタ、アドリブではなくてちゃんと稽古でやってたようですね。だから余裕があったのか。楽で綺麗にまとまっててよかったです。最初このシーン見たときはちょっと違和感あったんですけど、重い話の連続になってくるので、息抜きとしてはありかなって思うようになりました。

 

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一方のラインハルトとキルヒアイスは予定通りの行動で早々にイゼルローンに帰還。その際、クルムバッハに一人呼び出されたラインハルトは要塞の危険区域でクルムバッハから真の目的を告げられ敵に囲まれてしまう。しかし、そんな時でも空気を察して助けに入ってくるのはキルヒアイス。「遅いぞ」「申し訳ございません」というやり取りにも二人の絶対的な信頼関係が見て取れて胸熱でした。

そしてクルムバッハを追い込んでいく二人ですが、クルムバッハは首謀者であるベーネミュンデの名前を挙げると同時にアンネローゼに対する侮辱発言を発してしまう。その瞬間までは殺そうとは思っていなかった二人も、姉への暴言を聞いた瞬間に気持ちが変わる。怒りに狂った二人がクルムバッハに銃口を向けた瞬間、イゼルローンからトールハンマーが撃たれその振動でラインハルトはバランスを崩し深みのある溝に落ちそうになってしまいます。

これ、アニメでは実現できますが、舞台ではどうするんだろうかと思っていたら・・・間宮ラインハルトが命綱がありながらも本当にすごい高さから手すりにぶら下がってる!!最初見たときビックリしました。その状態で芝居しますからねぇ。そしてその落ちそうになってるラインハルトのもう一つの手をキルヒアイスはしっかりと握って引き上げようとしている。

どんなにクルムバッハに蹴っ飛ばされようが殴られようが、死んでもラインハルトの手は離さないと執念を見せているキルヒアイスが泣ける!そして、そんなキルヒアイスを見て声が枯れそうになるまで「やめろ!!!」と叫び続けるラインハルト。

この時の映像は2日目に観たときは収録ものだったんですけど、その後実況生中継で紗幕に表情が大写しになってました。もうねぇ、その時の間宮ラインハルトの目!!!!キルヒアイスを傷つけるものは何人たりとも決して許せないという憎悪と、キルヒアイスが痛めつけられていることをどうにもできない自分に対する怒りのようなものとが入り混じったようなものすごい目をしてた!!いやぁ、特に楽のあの目の力は本当にすごかったよ!!!今でも脳裏を離れませんもん。

そして再び振動が怒ったタイミングでラインハルトは這い上がるのですが、「キルヒアイス、キルヒアイス!!」って何度も叫んでて思わず涙…!トールハンマー攻撃が終わった時、激しい憎悪の眼差しでクルムバッハを追い詰めていく間宮ラインハルトの気迫はものすごいものがあり息を呑みましたね。

でも、バランスを崩したクルムバッハが自滅するとき、ラインハルトは軽く動揺してます。また一人殺してしまったって思ったかのような…。でも、すくぐに傷ついたキルヒアイスのもとへ急ぐ。やはりラインハルトにはキルヒアイスは必要不可欠な存在だって痛いほど思い知らされたシーンになりました。

ちなみに、「黄金の翼」ではクルムバッハはラインハルトの仕掛けた縄のようなものに首をまかれて落ちていくって感じ。アニメではラインハルトに殺意があるように描かれていましたが、舞台では殺意を剥き出しにしてないというのが良かったなと思いました。

あ、トールハンマーをめぐってのクライストとヴァンテンベルクの争いのシーン、ちょっとコミカル的な感じで私は好きでしたw。特にクライスト役の佐藤さんがとても大きな芝居をしてて印象深かったです。

 

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怪我が癒えたキルヒアイスはアンネローゼに対する悪夢を見て泣きそうになっている。そんなキルヒアイスを同じく泣きそうな顔で支えるラインハルト…。「アンネローゼ様は命に代えても私が守ります」と悲壮なる決意を語るキルヒアイスに「お前の命に代えさせたりしない」と優しく語るラインハルト…。

「お前はこれからもずっと、俺の傍にいてくれるな?俺は背中を見せることはできないからお前に背中を見てもらわなければならない。お前を信じている。俺より先に死んだりしないな、キルヒアイス」

このラインハルトのセリフ、泣きました(涙)。思い出しても涙が溢れる…。この時のシーン、間宮くんも橋本くんも目にいっぱい涙をためて語ってるし…(涙)。この二人が後にどうなってしまうのかを知ったうえでラインハルトのあの言葉を聞くと本当に居たたまれない気持ちになります…。
のちに意見対立してそのまま永遠の別れを迎えてしまうなんて、この時の二人は考えもしなかっただろうにとか…。本当に先を知っていればいるほどこのシーンは涙なくしては見られないと思います。

もう、間宮くんも橋本くんも切々とした芝居でその絆を魅せてくれているのでなおさらボロ泣きでしたよ(涙)。ラインハルトよりも先に死なないということを約束したキルヒアイス…。ほんっと切ないですよね(涙)。

次々に計画が失敗していくベーネミュンデが次に目を付けたのがミッターマイヤー。貴族を殴って牢獄に入れられている彼を利用しようというもの。ミッターマイヤーが牢獄に入れられロイエンタールが助け出すっていうエピソードはたしか第1章の後に上演した外伝の舞台でありましたが、今回はそれをちょっとアレンジしてそこにベーネミュンデの思惑が絡むようにしたみたいですね。

ロイエンタールがミッターマイヤーを助け出すために行動を起こした直後、ベーネミュンデの腰ぎんちゃくだったグレーザー医師から愛妻のエヴァに危害を加えるかのようなことで脅される。エヴァのことを持ち出されると頭に血が上り他のことが考えられなくなってしまうミッターマイヤーはベーネミュンデの罠に見事に落ちてしまいます。ここはちょっと違和感がなくもありませんでしたが…でも、そのあとに助けに入るロイエンタールとのシーンがとても良かった。

ミッターマイヤーを間一髪のところで救ったロイエンタールは「約束しろ、短気は起こすな。決して早まるな。俺が何とかしてやる」と語ります。普段冷静なロイエンタールがミッターマイヤーのために熱くなった瞬間。このセリフがとても印象に残りました。ミッターとロイの関係は同志って感じですよね。そしてそこにも切っても切れない絆がある。ロイエンタールはラインハルトを頼ることを提案。そのために動こうとするロイエンタールに「無理をするな」と声をかけるミッターマイヤーも良い。

「ロイエンタール、卿に何かあった時はこの疾風ウォルフが何が何でも駆けつける」

「期待しているよ」

同志でありかけがえのない友人で会った二人。将来的にはこの二人も…と先を知っているとこの会話はかなり泣けました(涙)。

ラインハルトはロイエンタールとミッターマイヤーのことを聞いて自分とキルヒアイスをちょっと重ね合わせてクスッと笑う。こうしてラインハルトとロイエンタール、そしてミッターマイヤーは出会うことになります。

一方ベーネミュンデは悪い噂を振りまかれ宮廷から追い出される形となり追い詰められ、ついにアンネローゼ殺害を企ててしまう。このことが決定打となり彼女に死刑が言い渡される。アンネローゼやラインハルトに対する憎悪に燃えているときには怖いくらいの妖気を発していたベーネミュンデが、死刑を言い渡されるときに「なぜ陛下は会いに来てくださらぬのか」とか弱い一人の女性に変貌するのがとても哀しくて印象的だった。

そしてその場に列席していたラインハルトを見つけると憎しみの限りを彼にぶつける。ラインハルトは片手の拳を握りながらもベーネミュンデの攻撃に耐え続けます。この時の間宮くんの無言の芝居がこれまた絶品だった。そして毒を飲まされたベーネミュンデがラインハルトを陛下だと錯覚して抱きつくシーン。叩かれていた時の憎しみのような感情がラインハルトの中から消え去り、深い憐みの心が支配していくのをはっきりと感じさせる。

この時の間宮くんの何とも言えない動揺と悲しみとが入り混じった表情がこれまた絶品で忘れられません!!なんて複雑な表情を魅せてくれるんだろうかと…もう、あれ見ただけで泣けます。

「あの蛇夫人も誰かの愛を求める一人の女だったということだ…」

と呟いたラインハルトの言葉がとても印象的でした。そしてその上で、キルヒアイスと共にアンネローゼを守るためなら手段を択ばない道を選ばなければいけないことへの覚悟を固めます。二人の悲壮な覚悟を背負った表情が切なくて泣けました(涙)。

そして物語はアスターテ会戦に戻ります。間宮くんのラインハルトによる「ファイエル!」のなんと凛とした響きか!もうラインハルトの貫録たっぷりで、初陣の頃との違いがはっきり分かりました。アスターテの頃のラインハルトは神々しさすら漂ってましたよ。

快進撃を続けるラインハルトとキルヒアイスでしたが、ヤンの奇策によって完全勝利を阻まれる。そして戦いが終わった後、ラインハルトはヤンに電文を送る。こうして二人は出会い、何度となく戦っていくことになるわけです。再び戦いの渦に巻き込まれていくことに憂鬱を感じつつもラインハルトの存在が気になるヤン、好敵手が現れたことに嬉しさを隠し切れず笑みを浮かべるラインハルト。クライマックスのこの二人の対比がドラマチックでとても印象的でした

 

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今回の『初陣』は、これまで銀英伝シリーズの帝国編と繋がっているなぁと実感。この時のラインハルトとキルヒアイスがあって、そして別れに繋がっていく。これまで描かれなかった余白部分が今回の物語で十分すぎるほど補充されたと思います。そう感じさせるような熱演を魅せてくれた役者さんたちに本当に拍手を送りたい。

橋本くんは私の中ではいまだに「ちりとてちん」の喜代美の弟の正平ってイメージが強くて、アクションシーンでも"あのホワッとしてた正平があんなにカッコよく立ち回りするんて!"といった感動もあったり(笑)。いやぁ、でも本当に素晴らしいキルヒアイスでした!!ラインハルトから絶大な信頼を寄せられるに値するキルヒアイスだったよ!!橋本くんがあんなにハマるなんて思わなかったので本当に嬉しい驚きです。

顔つきは第1章での崎本くんのほうがキルヒアイスに近いって思いましたが、橋本くんの温かく時に熱くなる雰囲気もありだなと思いました。橋本キルヒアイスで「内乱」の別れの場面をもう一度やり直してほしい!!!!絶対あの時の倍泣けたはず。また機会があれば銀英伝シリーズに参加してほしいです。

田中圭くんはこれまでの河村隆一さんのヤンとはかなり違う雰囲気でとても新鮮だった。河村さんはヤンの声優をやっていた富山敬さんをリスペクトした芝居に徹していましたが、圭くんは自分の個性を生かしたヤンを演じていたように思います。ホワッとした雰囲気でつかみどころがなく、軍人でいることに違和感を覚え続けてるヤン。それが一番濃く表現されていたんじゃないでしょうか。あぁ、ヤンってこんな人物だよなって思えたし。自然体で演じていたのがすごく良かったと思います。圭くんは来年の大河ドラマに配役されたのでもう銀英伝に出ることは難しいかな。ちょっと残念です。

ただ、ラストシーンで間宮くんとの対比で見たとき、ちょっと華がないなと思ったかな。そういう点では隆一さんはヤンに適役なのかもしれません。芝居の上手さでは圭くん、雰囲気では隆一さんといった感じかな。

岸さんは意外と出番が少なかったものの、ねちっこい芝居でラインハルトたちを追い詰めていく芝居がリアルでドキドキさせられました。次はぜひケスラーで復活を!

白羽さんはもう、存在そのものがアンネローゼ様!「内乱」の時のような怪しいダンスもなかったのでww安心してアンネローゼ様として見ることができました。

意外なハマリやくとしては三上市郎さんのシトレ作戦本部長。アニメのイメージと見れば見るほど重なってきた。続編でも見たいなと思いました。

広田レオナさんのベーネミュンデ侯爵夫人、アニメとは少し違う雰囲気ではありましたが…私個人としてはレオナさんが演じたB夫人のほうが好きだし感情移入できましたね。色んな手を使ってライんハルト姉弟とキルヒアイスを殺害しようとするのですが、そのベースには常に「陛下にもう一度愛されたい」という気持ちがブレないで入ってた。だからアンネローゼもB夫人を告発しようとしなかったし、ラインハルトも最終的にその哀しさを受け止める。

ベーネミュンデはある意味、ゴールデンバウム王朝の犠牲者でもあるなと思えて本当に切なかったです。レオナさんの独特の色気とオーラ、そして哀しさの芝居は本当に絶品でした。それと、カテコの挨拶も!!あれめちゃめちゃカッコよかった!

根本君藤原くんのミッターマイヤー&ロイエンタールの双璧コンビ、素晴らしかったです!稽古場ではなかなか一緒になれなかったと語ってましたが、そんなこと全く思いませんでしたよ。二人の間にある熱い友情が伝わってきて何度も胸熱くなりました。

特に藤原くんのロイエンタールは過去公演の中でも最高でしたね。一番ロイエンタールらしさが出てた。妻のことになるとすぐカッとなっちゃう根本君のミッターマイヤーも可愛くて好き。熱いだけじゃない何か知的な部分を見せていたのも上手いなと思いました。

 

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そして、ラインハルト役を演じ初主演を見事に務めあげた間宮祥太朗くん。彼はこの舞台が始まる前に「伝説を作りたい」とチームに宣言したそうですが・・・私は、本当にこの作品は「伝説」になったと思います。間宮くんの進化を3日見てきましたが・・・本当に目を見張るがごとくに輝きと存在感を増していった。

約1年弱前、まだ無名に近かった間宮くんが初めてラインハルトを演じた舞台を観たときからここまで…こんなにも人は輝けるんだって思えてもう感無量の心境(後から間宮くんが戦国鍋テレビでAKR47を歌ってた子の一人だと知った時には驚愕したw)。芝居の出来る相手と絡むととてつもない光を放つんだと改めて実感した。作品としても「伝説」に値するし、間宮祥太朗くん本人の役者としての進化を、しかも初主演舞台で目の当たりにできたということも「伝説」に値する出来事だったと思います。

もう間宮くん以外にあれだけドンピシャなラインハルトを演じられる人はいないだろうな。とにかく演じ分けがすごい繊細で一つ一つ胸を打つんですよ。ちゃんと年齢を追うごとにラインハルトの変化を敏感にとらえてて声の出し方ひとつにしても全然違う

それと、相対する人物によって全く違う芝居をするのもすごい。キルヒアイスと一緒のシーンでは本当に無防備だしまるで少年の様に笑う。アンネローゼの前へ行けば「自分が守る」っていう強い意志を思いっきり前面に出す。仲間に対しては毅然としながらもどこかちょっと気を許すような一面を見せたりする。気に入らない上司の前では自分を大きく魅せる。敵の前では激しい憎悪を爆発させる。これらのラインハルトの演じ分けを間宮くんはものの見事にやってのけた。

そして何より、目ですよ、目!!!!間宮くんのあの目力!!!!

楽はかなり前方席だったのでよく見えたのですが、場面場面によって色んな表情の目をするんですよ。何かを決断した時の激しい光を放つ射るような目、キルヒアイスと将来への覚悟を語るときの強いながらも悲壮感が漂ったかのような目、心許した時に見せる少年のような穏やかな目・・・。もう、衝撃の連続でしたね。こんな繊細な目の芝居をする役者がいるんだって思った。あの目を見ただけで心が動かされましたから。それを若干二十歳になったばかりでやってのけるんですから・・・ホントに末恐ろしいです。

役に対して本当にトコトン誠実に向かい合う役者だと思います、間宮くん。そんな彼の魅力に周りは絶対的な信頼を寄せただろうし盛り立てようって思えたんじゃないでしょうか。役を離れれば大人っぽかったラインハルトが嘘みたいに一人の可愛い若者に戻る。常にスタッフさんたちへの感謝の気持ちも表してたし、お客さんに対してもとても誠実。最後に何度も感謝という言葉を述べて頭を下げていた姿が非常に印象的だった。本当に立派な座長だったよ、間宮くん!お疲れ様、そして、素晴らしい熱演をありがとう!!

11月も再び間宮くんのラインハルトが見れる!!

そして【第4章】ということで、ようやく物語が先に進みそうな予感。キルヒアイスはドラマ的にも長いこといてほしいキャラだと思ってのここまでの引張だったのではないかと推測してしまいまますが、最後が橋本くんで本当に良かったと思います。しかし、キルヒアイスを失った後のラインハルトをぜひ間宮くんの熱演で見せてほしい!!そしてここからなんとかスピード上げてメインストーリー進めてほしいです

桃李くんは第1章でラインハルトを演じてから急激に仕事が増えてスケジュールが合わなくなってしまった気がする。間宮くんもものすごい将来性のある役者さんなのでいつ忙しくなってスケジュール合わなくなってもおかしくない。そうなる前に、本当に先に進めてほしいです(汗)。

ということで、長々と『初陣』感想失礼しました。実はまだ取りこぼした感想とかあるんですがw、これがほぼ今の全力です(笑)。久々に消耗する勢いで書いたな。ここまでたどり着いてくださった方、ありがとうございました(いなかったりして? 爆)

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