ミュージカル『ファントム』東京公演 2023.08.18マチネ

大阪公演に引き続き、ミュージカル『ファントム』を観に東京まで遠征してきました。日比谷(帝劇)のパリ翌日に有楽町のパリに移動といったスケジュールww。

今回ちょっと出遅れて開場してから15分後くらいに行ったのですが、入り口から幾重にも列ができていて入場するまでにちょっと時間がかかったくらいの盛況っぷり。大阪もすごかったけど東京はさらに人が増えた印象。

で、ダメ元でグッズ売り場の方を見てみたら・・・こちらの行列も階段の上の方まで続いていてすごい人気。大阪では早々にパンフとTシャツ以外が売り切れ状態になっていましたが、東京では公演ごとに数量限定で売り出してる感じでしたね。前回材質を確かめるまでもなくトートバッグの現物すら見ることができずじまいでしたがw、今回は私が劇場入りした時点ではまだ在庫があったようです。ただ、待ち列の長さがあまりにも長かったので…途中で売り切れそうな予感がして泣く泣く断念してしまった。案の定、休憩時間に偵察に行ったら売り切れてたし(苦笑)。
次回ファントム遠征するのは9月の楽間近の時期なのですが・・・、果たしてその時まで在庫が持つかどうか(汗)。何はともあれ、開場前から並んでないと手に入りそうにないなというのは今回痛感いたしました。

ちなみに、オリジナル扇子は相当人気らしくて開場前から並んでいても買えない方がいらしたようです(汗)。ご参考までに・・・。

梅芸のロビーにあったカラフルな街灯は、フォーラムCではチケットもぎり後にエスカレーターで一つ上がったロビー(物販コーナーがあるゾーン)に並んでました。

外の景色と溶け込んだ感じがなんだかとても素敵だったな。ちなみに初演にあったストリートオルガンは今回もありませんでした。

前回の感想のときにも書いたのですが、本編が始まる10分前には座席に着席していたほうがより舞台を楽しめると思います。7分前くらいになるとアンサンブルさんたちが舞台上に現れ、即興でパリの日常を演じている姿を楽しむことができます。

特に5分前に流れるルドゥ警部役の西郷さんによる作品の世界観あふれるユニークなアナウンスとリンクした小芝居は思わずクスクスッと笑っちゃうくらい面白いですよ(「持ち運び電話機」のくだりww)。照井さん演じる絵描きさんがの描いた”あの”キャンバス、今回見たら持つのが困難ってくらい重くなってたみたいで客席からも笑いが漏れてましたwww←通りがかりの男の子は軽々持ち上げてたのがまた最高(笑)。
それから、荒田くんが演じる通りすがりの(?w)パフォーマーさんによるオレンジジャグリングのレベルが確実にアップしていました!!大阪のときは何度か失敗してたんだけど(その度にシレっと誤魔化してたのがツボww)、今回見たら全部成功してた!!素晴らしいっ!

これらの即興パフォーマンスが見れるのは開演の約10分前から直前までの間だけ。演出の城田くんのアンサンブルさんを大切に思う気持ちやお客さんを『ファントム』の世界観へ入りやすくする心配りが伝わってきてホッコリします。ぜひとも早めに席について多くの方に見ていただきたいです。

以下、ネタバレ含んだ感想です。けっこう内容に触れてるのでご注意あれ。

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2023.08.18マチネ in東京国際フォーラム Cホール(東京・有楽町)

キャスト

  • ファントム(エリック):加藤和樹
  • クリスティーヌ・ダーエ:真彩希帆
  • フィリップ・シャンドン伯爵:城田優
  • カルロッタ:石田ニコル
  • アラン・ショレ:加治将樹
  • ジャン・クロード:中村翼
  • 文化大臣:加藤将
  • ルドゥ警部:西郷豊
  • ゲラール・キャリエール:岡田浩暉
  • ヤング・エリック:星駿成

<アンサンブル>

荒田至法、池谷祐子、伊宮理恵、岡施孜、上條駿、川口大地、川島大典、木村朱李、木村つかさ、關さやか、玉山珠里、照井裕隆、轟晃遙、蛭薙ありさ、増山航平、松島蘭、幹てつや、横関咲栄

東京公演のキャストボードはチケットもぎりしてからすぐ左手奥のスペースにあります。大阪では2階に1つ、3階席ゾーンに1つといった感じに置いてありましたが、東京では1回スペースに2つ並んでおいてありました。ただ、位置的にちょっと光って文字が見えづらいことも(皆さんちょっと難儀してた 汗)。

遠山さやかさんが体調不良で休演となってしまったようです。一日も早く元気に舞台復帰されることを祈っています。

※無事に回復されて舞台復帰されたとのこと。良かったです!!

仲間の皆さんの温かさも伝わってくる投稿にホッコリ。『ファントム』カンパニー、大好き!

※上演時間は東京公演は約2時間45分(165分)

内訳は、1幕80分(1時間20分)休憩20分2幕65分(1時間5分)となります。なぜか大阪公演よりも休憩時間が5分短くなりました。

あらすじと概要については2019年公演感想の記事を参照。なお、2023年版の概要については梅芸公式ブログさんが詳しく紹介してくれているのでそちらをチェックしてみてください。

 ※コピット版『ファントム』はアンドリュー・ロイド・ウェバー版の『オペラ座の怪人』とは9割以上(ほぼ全部といってもいいかも)違う内容になっています。2作品を比較した感想記事は大阪公演感想に書いたので興味がありましたら参照してみてください。

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全体感想とキャスト感想 -1幕-

大阪公演の感想はALWの『オペラ座の怪人』と比較した内容の感想にしたので、東京公演は『ファントム』の好きな場面を中心に書いていこうかなと思います(長文注意 汗)

城田くん演出になってから本編前のアンサンブルさん達による即興劇が繰り広げられるようになったので、♪Overture♪までの流れが非常にスムーズになったと思います。明るい日常を過ごしていた町の人達が、あたりが薄暗くなりジャーンと始まる一音をきっかけに突然不安に襲われ顔面を覆い隠すようにうずくまっていく。”ファントム”と呼ばれる悲劇の青年の物語がこれから始まるのだという緊張感に包まれる感じがとても良い。

さらに印象深いのが、冒頭で主要な登場人物たちが次々にテンポよく町に現れ舞台中央で顔見世をした後袖に帰っていくという演出です。これから物語に関わる重要なキャラクターが次々に出てくるので個人的にはあのシーン見るとすごくワクワクしますね。
そういえば今までは遠山さやかさんとカップルで登場していた文化大臣役の加藤将くんでしたが、今回はソロで舞台を横切ってて。隣りにいるはずの人がいないことに文化大臣として寂しさを感じていたからかはわかりませんが、イライラしながらズンズン歩いてきてお花屋さんに当たり散らしてましたww。これはこれで面白かったけど、やっぱりカップルで登場というのが一番理想。次回は仲睦まじい姿が見れそうで楽しみです。

♪Overture♪から穏やかで軽やかな音楽に変わり、クリスティーヌがウキウキ気分で鼻歌を歌いながら登場するナンバー♪パリの音楽♪。大阪公演では客席中央付近の通路扉から現れていましたが、東京公演では上手の最前列脇扉からに演出が変更になっていました。なので、大阪の時よりもクリスティーヌが舞台の上に上がるタイミングが早くなっててちょっと残念。客席通路がパリの市場に続く道のようになってるので今回変更になったのを見て「みじかっ」と思っちゃったw。きっと劇場側の都合があったのでしょう。
でもそんな細かいことよりも真彩クリスティーヌがとにかく愛らしくて…それだけで心が満たされてしまう。町の人達に自作の歌を綴った譜面を配り歩く姿は本当に可憐で癒やされます。それに「メロディ、メロディ〜♪」のフレーズは特に頭に残りやすいし、なんだかほっこりする。

そんなタイミングで現れるのがシャンドン伯爵。今回、1階席の中央通路に一番近い席だったので城田くんの美しい姿を間近に見れるのではとドキドキしていたのですが…、こちらも演出変更で下手最前列脇の扉から登場ということになってしまってて残念だった(苦笑)。梅芸よりも客席通路が狭いのが原因だったのかなぁ。
だけど、少し離れた位置からでも城田シャンドン伯爵の美しさは眩しかった!!この日が城田くんのシャンドン東京初日だったそうですが、大阪で見たときからまた更に一段と光り輝いており心の中で思わずBeautiful!と歓声を上げてしまったほどw。

城田シャンドン伯爵は、初めてクリスティーヌに出会った時点では彼女に特別な感情を抱いていないんだろうなというのが伝わってきますね。町で偶然出会ったちょっと可愛い歌の上手な女の子って認識に見える。クリスティーヌの手の甲にキスをするときも社交辞令的な意味合いが大きいのかなと。いやいや、それでも本当にあれは少女漫画の王子様的美しさ満載だったよ!!あれはどんな女子でも気持ち持っていかれるレベル(クリスティーヌはオペラ座を紹介してくれたって喜びのほうが大きいんだけどw)。

一方のオペラ座の地下では哀しい事件が起こっていて。この和樹くんエリックが舞台上手奥の暗いトンネルからゆっくりと♪パリは墓場♪を歌いながら登場するシーンがたまらなく痺れるんですよね。美しい立ち姿なんだけど哀しく空しい想いが漂う感じが彼の存在感を引き立てている。こういう雰囲気を自然に役として醸し出すことができる和樹くん、ホントに凄いなと思った。
ここで一番気の毒なのはカルロッタの衣装係だったブケーさん。ALWの「オペラ座~」よりも早い段階で消えてしまう運命にあるのですが、彼に落ち度は一つもないわけで…。だけどエリックにとっては人生を揺るがすような瞬間でもあって。色々と切なくなる場面でもあります。

この暗くスリリングな場面の直後にまたオペラ座の上の世界が明るく描かれる。『ファントム』の場面構成って、こういう明と暗のシーンの落差が大きいのが特徴的なんですよね。見ているこちらとしてはいやが上にもその世界観に惹きこまれ気持ちを揺さぶられていくのです。作者のコピットとイェストンのコンビ、ほんと巧いなぁと思ってしまう。
♪今宵のために♪のナンバーでは本舞台に関わる皆さんと観劇に来ている貴族の皆さんが登場。最初は二手に分かれているのが次第に折り重なって共に晴れやかに歌うようになる演出が素敵です。個人的には中村君が演じる劇場係のジャンクロードが憧れの眼差しでソロを一節歌う場面がとても好き。

皆が優雅に過ごしていると、いよいよアラン・ショレとカルロッタの夫妻が我が物顔で登場。それまで支配人を務めていたゲラールを勝手に解任して自分たちが代わりに就任するということを強引に推し進めてしまう。どんなにゲラールが「理不尽だ」と抗議しても二人は全く聞く耳持たず超ドヤ顔状態でw。
この時のショレ夫妻の尊大な態度が腹立たしいんだけどなんか可愛くて萌えなんですよね(笑)。これはもう完全にバカップル的ラブラブ関係の絆を深めているショレ役の加治くんカルロッタ役のニコルちゃんの阿吽の呼吸があってこそだと思う。さらにその二人を盛り立ててる加藤文化大臣のアタフタっぷり(カルロッタの名前忘れちゃったりw)も面白くて個人的ツボだったりしますw。

ゲラールが解任されたことはすぐエリックの知るところとなり、地下に呼び出されたゲラールは激しく詰め寄られてしまう。この場面は最初の会話を舞台下の客席通路で展開される演出になっていて。中央から後ろの席からのほうが立体感のある見え方ができるんじゃないかなと思います。前方席はすぐ近くに役者さんが立つことになるのでそれはそれでテンション上がると思うけど、芝居として見るのはちょっと難儀かなとも。
だけど、ようやくこうやって客席でも台詞のある芝居ができる環境になって良かったなと思います。コロナ禍ではそれができなかったし、落ち着いてきてからもなかなか客席からの「セリフ」芝居は許されない時期が続いてましたからね。

和樹くんエリック、以前見た時よりもちょっと幼さが薄まった印象がありました。大阪で見た時に友達と「もう若干精神年齢上がった感じがちょうどいいかもなんだけどね」みたいな話はしたんですがw、今回見て一番いい塩梅になったなと。まぁこれは個人の好みの問題なのであしからず。

カルロッタの雑音発声(ニコルちゃんのスタッカートの効いた声が最高に面白いww)に苦しみ、自分を理解してくれると思ったゲラールも何も打つ手がないことを悟ったエリックが歌う♪世界のどこに♪。先の見えない暗いトンネルに閉じ込められた彼が必死に光を求め歌う姿に思わず涙が…。この場面、前回からさらに切なさを増してると思うし和樹くんの歌の表現力もすごい上がってて本当に心揺さぶられました。

クリスティーヌはシャンドン伯爵から紹介されたゲラールに会おうとオペラ座にやってきますが、運悪く彼は解任された後でガックリ。その様子を見て「新しい支配人に掛け合ってみましょうか」と助け舟を出してくれるクロードの優しさが沁みます。向かう途中でクリスティーヌに「どこから来たの?」と優しく訪ねてるのも良いんだよねぇ。中村君の柔らかい芝居が素敵。
ところがクセが強すぎるショレ夫妻w。最初の断り方からして望み薄いなと思いきや、クロードがこそっと「シャンパン財閥の御曹司からの紹介ですよ」みたいに耳打ちするとコロッと態度を豹変ww。加治くんショレとニコルちゃんカルロッタが「シャンパンだぁ~~い好きっ!!」と息の合った豹変ぶりを見せる場面が最高に面白くて好き(笑)。中村クロード、グッジョブすぎるww。ということで、クリスティーヌはカルロッタの衣装係としてオペラ座就職が決まり大喜びとなるわけですが、「いなくなったブケーの代わり」というカルロッタの言葉が気持ちをざわめかせます。

何でもかんでも自分が一番で思い通りにならないと気が済まないカルロッタが歌う♪私のもの♪はコミカルさと壮大さが入り混じった面白いナンバーだと思います。なぜ自分がオペラ座のDIVAにこだわるのかを切々と歌うわけですが、ニコルちゃんぶりっ子的だったり、ドスを利かせギラついた本心を表したりといったメリハリある歌い方がすごく良かったです。大阪で見た時よりも”歌”が旋律に乗った感じだったのも好印象。あまり誇張してやりすぎると”歌手”っぽさが消えちゃうので難しいところではあると思うんですけど、このままの感じで行ってほしいなと思いました。
この場面はカルロッタの熱唱の後も楽しめるんですよね。加治くんショレとニコルちゃんカルロッタによるバカップルっぷりが最高ww(ニコルちゃんは謎の呪文で旦那さんを翻弄します 笑)。

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衣装係になってさっそく洗濯に取り掛かる新人クリスティーヌ。そこに3人娘が現れて彼女をバカにする場面があって。3人のうちの一人がクリスにビックリ箱を手渡すのですが、ここの真彩さんの反応が大阪ではキョトンとした感じだったのに今回見たら腰抜かして「ひゃぁっ」とビックリするリアクションに変わってました。どちらの真彩さんもめっちゃ可愛くて萌え!!

クリスティーヌが歌うナンバー♪ホーム♪に誘われるようにエリックが地下から地上に上がってくる場面はとても印象深いです。うっとりと身を任せたくなるような旋律のこのナンバー、毎回最初の音が始まるたびにこみ上げてきてウルウルっと来てしまうのですが、必死に歌の出所を探るように現れるエリックもめちゃめちゃ泣けるんですよ(涙)。クリスティーヌを発見した時の和樹くんエリック、驚きと喜びのあまりその瞬間はまともに立っていられないくらいになってて…それがまたさらに涙を誘いました。
彼女に歌を教えることを決意したエリック。この時初めてゲラール以外の人間と会話をした彼の戸惑いや興奮が手に取るように伝わってきます。挙動不審ながらも必死に想いを伝えようとする和樹くんエリックがまた泣けるんだよねぇ(涙)。あと、立ち去った後も客席から見えるか見えないかくらいの位置で立ち止まりレッスンを受けられる喜びに震える彼女の方を振り返ってる姿がすごくピュアで胸がいっぱいになる(涙)。

エリックとクリスティーヌが秘密の場所でレッスンをしている間にカルロッタの身に悲劇(私から見ると喜劇に思えるんですがww)が起こってる場面がコミカルで面白い。特に西郷ルドゥ警部「え!?このオペラは喜劇じゃない!??」て真顔で驚いてるのがツボすぎる(笑)。西郷さん、SNSで仲間の皆さんから「ちぃかわ」キャラと呼ばれてるの見てから登場するだけで可愛くて萌えちゃうんですよね(笑)。

加藤将くん投稿のこの写真とかホント最高に可愛すぎっ!!

だけど、そのコメディシーンの後にブケーの変わり果てた姿が発見されて一気に不穏な空気に包まれる。ここで人々が”ファントム”への恐怖と憎悪を込めて歌う♪オペラ座の幽霊♪の場面を見ると、ちょっとミュージカル『ジキル&ハイド』の2幕冒頭シーンと重なって見える瞬間があるんですよね。

追われる立場となったことを知らないエリックはクリスティーヌとのレッスンを終えて一人至福の時を過ごす。まだちょっと不安そうな真彩クリスティーヌを見つめながら「神々はあなたを想い微笑んだんだ」と一生懸命に言葉を探しながら気持ちを伝える和樹くんエリックが切なくて温かくて涙が止まらなくなる(泣)。
その流れで♪あなたこそ音楽♪がくるのが本当にニクイ!二人の歌声が天に導かれるように共鳴していく光景はとてつもなく純粋で、そして美しくてどうしようもなく心が震えるのです(涙)。

紳士淑女が集まる♪ビストロ♪の場面。ここはアンサンブルさんたちの美しく軽やかな歌声が響き渡っていてとても心地が良い。そんな中でイチャつくショレ夫妻と同席してる文化大臣のテーブルがちょっと面白いw。ニコルちゃんカルロッタは相変わらず自己中心的態度で振舞ってるのですが、加治くんショレは甘い笑顔でそれをウットリ眺めてる。だけど傍らにいる加藤くん文化大臣はちょっと複雑な表情も見せてて気の毒になっちゃいます(笑)。立場上そばにいなきゃいけないとはいうものの、すぐ脇でバカップルな光景を見せつけられるのもお気の毒だよねww。
だけど、この場においても城田くんのシャンドン伯爵は本当にキラキラ王子様でひときわ目を惹きますな~~。女子たちはキャピキャピと縋りついてくるけど、ちょっと困ったような表情をしつつ軽くあしらう姿もスマートで素敵w。彼的にはクリスティーヌが現れないことにヤキモキしてるのですが、その様子を見てクロードが「伯爵様が恋に落ちるとは」とすかさず内面を見抜いちゃうのもすごいなと思ってみてしまいます(シャンドンは否定するけど、恋が始まってることは見てるこちらも察しちゃうw)。

そんな時に鮮やかな黄色いドレスで登場する真彩さんのクリスティーヌの光り輝く眩しさが最高に素敵です。彼女に注目がいくことが気に食わないカルロッタは”歌のお題”をかってに設定して先陣を切って歌う。その自己陶酔に浸りまくりながら歌うニコルちゃんカルロッタは痛々しくも可愛らしいw。でも、その歌声にウットリ聴き入ってるのは加治くんショレさんだけで他の皆さんは顔をしかめてるww。加藤くん文化大臣がショレさんに気づかないように顔を背けながら「ひどい歌だ」みたいな表情になってたのがツボだった(笑)。
シャンドン伯爵のリクエストでついに歌を披露することになるクリスティーヌ。最初は緊張であまり声が出ないものの、次第に歌う喜びに包まれ本領を発揮。一番声が出た瞬間の弾けるような真彩クリスティーヌの笑顔と、その歌声に密かに衝撃を受けグラスを持つ手が固まってる岡田さんゲラールの対比がとても印象深い。あの時彼はクリスティーヌの姿にかつて心から愛した人の姿を重ねてるんですよね(涙)。

多くの人から賞賛されたクリスティーヌはその声に感動した文化大臣の「彼女と契約を!」という言葉をきっかけに(ショレがカルロッタを気にしながらも満面の笑みで契約書を渡すシーンが面白いww)コーラスの一員に加えられることに。ところがカルロッタはなぜか「彼女にはすべての作品で主役をやらせるべき」と強引に書類を書き換えてしまう。もうそこには悪意しか感じないんですがw、クリスティーヌはそんなこと夢にも思ってない。この鈍感さがまた可愛いんですが(笑)。

ビストロからの帰り道の場面、カラフルな街灯が後ろに映し出されてるプロジェクタースクリーンとリンクしていくのが素敵。クリスティーヌの歌に感動したシャンドン伯爵は彼女を称えるように♪思いもよらぬ君♪を歌い恋心を鮮明にしていきます。城田くんのシャンドン伯爵は気持ち的に盛り上がってるんだけどあくまでも行動は非常に上品でスマートなんですよね。だけどそれが地味に見えずとてもキラキラとした王子様的オーラが全開なのがすごい。クリスティーヌへの穏かで熱い愛情が手に取るように伝わってきてちょっと泣けました。
演出家の城田くんは「クリスティーヌの恋愛対象はエリックではなくシャンドンだと思う」と語っているので、この場面にもそれが象徴されていたように思います。シャンドン伯爵に向ける真彩クリスティーヌの表情は本当に恋する乙女な感じだったので。

そんな出来事があったなんて夢にも思っていないエリックはオペラ『タイターニア』の初日にクリスティーヌの楽屋を訪ね彼女を励まし、一輪のバラの花を差し出そうとする。でもそのタイミングでシャンドン伯爵の声が聞こえてきて慌てて隠れざるを得なくなるわけで…、これがもう本当にもどかしくてたまらない。明るい場所で素直に自分の気持ちを伝え大きなバラの花束を堂々とクリスティーヌに差し出したシャンドン伯爵。そんな彼に感動した彼女はその胸に飛び込み二人はキスを交わす。もうこの一連の行動は恋する男女の光景そのもので…、その一部始終を裏の暗い場所から見てしまうエリックの心情を思うと辛くてたまりません(涙)。
想い人の予期せぬ出来事に絶望し立ち尽くしている和樹くんエリックの後ろ姿は涙無くしては見られない(泣)。そこから続く♪崩れゆく心♪「どうして涙が出るの?苦しくて息ができない」というフレーズを彼が歌うわけですが…もうそれを聞いただけで見ているこちらの心が張り裂けそうになる。初めて知る失恋…、いや、それ以上の打ち砕かれたような感情を切々と歌い上げる和樹くんの姿に前が見えなくなるほど泣いたよ…。

このナンバーの後エリックは客席通路を通って去る演出になっているのですが、ここは舞台後ろの通路まであるくことになってましたね。通路を歩いている時は必死に泣き声をこらえる感じだったけど、扉が見えたあたりのところで「うぅっ」と嗚咽を漏らしてた和樹くんエリックの姿が本当に哀しすぎてさらに号泣してしまった(泣)。

このあまりにも切なすぎる場面の後に、カルロッタの実験教室が入ってくるので(笑)気持ちの切り替えが大変ですw。直前のシーンとの落差がすごい。クリスティーヌの喉を潰すための飲み物を色んな液体混ぜ込んで作るカルロッタ(♪私のものーリプライズー♪)。ニコルちゃんの芝居が可愛いやら面白いやら…特に匂いを嗅いで「くっっさっ!!」とドスの効いた本音を叫ぶシーンは思わず笑っちゃったよw。もはやあれは人間が口にできるレベルの代物じゃないだろう(笑)。
そこへやって来たショレは怪しい臭いに困惑するのですが、妻のやることはオールOKなために忠実なワンコになっちゃう。「ハウスッ」と彼女に諫められた後の加治くんショレのリアクションが可愛くてツボなんだけど、カルロッタが去った後に匂いに耐え切れず電池が切れたようにばったり倒れちゃうのも最高に可愛くて好きww。

カルロッタは本番直前で緊張しているクリスティーヌの元を訪れて”謎のドリンク”を飲ませることに成功。あの場面を見るたびに、クリスティーヌはよくあの悪臭漂っているであろう液体を飲んだよなぁと感心してしまいます(笑)。彼女に天然なところがなければ、落としたりして飲まない選択をしただろうにともw。
まんまとカルロッタの罠にはまったクリスティーヌだけど、緊張をほぐす飲み物をくれたことに感謝までしちゃってる鈍感っぷりが逆にすごい(笑)。それどころか、ちょっと脅しをかけられただけでエリックと秘密の音楽レッスンをしたことを話してしまうという…ね。罪悪感を覚えながらも誰にも正体は明かさないって約束をこんなにあっさり破ってしまうクリスティーヌがなんとももどかしい。この一連の行動を見ていると、やっぱり彼女の恋愛対象にエリックは入ってないんだなと思い知らされて切なくなってしまいました。

そしていよいよオペラ「タイターニア」の開幕。華々しくデビューを飾ったように見えたクリスティーヌでしたが、カルロッタが作った謎の飲料を飲んでしまった影響ですぐに声が出なくなってしまう。この時に舞台上に怒った客席から紙屑が投げ入れられる演出がすごいリアルで胸が痛んでしまう。
慌てて緞帳を下ろした直後、エリックがクリスティーヌを救うべく舞台上に煙を充満させ人々を翻弄する。シャンドンは必死に恋人の元へ向かおうと手を伸ばしますが体が言うことを聞かない。そんな姿をあざ笑うかのように天井からスーーッと和樹くんエリックが真っ直ぐ降りてくるのですが、これが超絶カッコいいのです!!その後シャンドンに冷たい視線を送りながらクリスティーヌを抱きかかえ去っていく姿も痺れるほど素敵。最高の1幕ラストシーンです(♪世界のどこにーリプライズー♪)。

相変わらずの長文になったので2幕と後述は次のページにて。

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