ヤングチームになった『ブラッド・ブラザーズ』を観にシアタークリエまで行ってきました。
前に観たときは外が台風でものすごいことになってたんですが、今回は少し暑いくらいの晴れ。電車も予定通り到着して一安心でした。 この日を観劇日に選んだのは・・・終演後のトークショー&ライブがあったので。
本編はかなりウルウルしながら見てしまったんですが、トークショーは打って変わって爆笑の連続でかなり面白かったです!
トークショーに参加したのはミッキー役の藤岡正明くんとエディ役の田代万里生くん、そして司会担当のサミー役の伊藤明賢くん。のっけから「起立!気をつけ!礼!」とまるで学校のノリで可愛かったです(笑)。 本当に3人仲がよさそうで・・・特に藤岡くんと伊藤くんは役柄そのもののガキ大将的な雰囲気。2人でじゃれあう姿はまさに兄弟でしたよ!
藤岡くんはいたずらっ子で伊藤くんの飲んでたウィダー・イン・ゼリーを潰したりしてるらしいです(笑)。さらに、劇中では・・・「サミー兄ちゃんに勝つにはこれしかない」ということで、藤岡ミッキー、思いっきり急所攻撃してたらしいですw。それに対して伊藤サミー「あまりの出来事に、ノーリアクションでした」と言って会場大爆笑(笑)。
トークは男子校ノリのぶっちゃけものということで、事前にスタッフがとったアンケートを元に展開。今回のテーマは"それぞれの大人だと思うところと、こいつガキだな、と思うところは"ということで、まずは万里生くん。彼に関しては2人とも「ガキだと思えるようなところがない」と大絶賛!真面目で好青年な彼の一面が伺えるようでした。
ただ、飲み会はリハーサルが進むにつれて万里生くんの参加率が落ちていったとかで(笑)。これに関しては「行きたい気持ちはあるんですが、お2人とも、激しいんですよ」と弁解。どうやら藤岡くんも伊藤くんも、かなりお酒飲むと弾けちゃうみたいです(笑)。
逆に、藤岡くんと伊藤くんはガキな部分が色々出てきて(笑)。万里生くんから見た藤岡くんのガキっぽい部分は・・・顔合わせのときに遅刻してきたところらしい(笑)。皆きちんと揃っている中で、会場では「藤岡さん待ちでーーす」といった空気になってたらしいです。しかしみんなは「藤岡くんだからね」とかなり寛容な心の人が多かったとか(笑)。
これに対して藤岡くん、必死の弁解!彼曰く、あの日は2分前に到着してたんだと。皆が早く揃っちゃったからなんだと。つまり、遅刻はしてないようです(笑)。 伊藤君の番になったときは「それじゃあそろそろお時間が・・・」と締めようとしてしまうところが可愛い。「読みたくないんでしょ」と藤岡くんたちにツッこまれ、この部分だけは万里生くんと藤岡くんが読むことに(笑)。
伊藤君の大人だと思うところ・・・万里生くんからは「健康マニアらしい」(笑)。ストレッチをする姿にえらく感銘を受けてるらしいです、万里生くん。特にマニアじゃないという、伊藤くんなのでした。
で、藤岡君から見た伊藤くんのガキっぽいところは・・・「このアンケートを配られたときから急におとなしく良い子になった」。わ、分かりやすいなぁ~~、伊藤くん(笑)。これには会場大爆笑でございました!弁解は全くないらしいです(笑)。
大笑いしたところで、歌のコーナーに。
まずは万里生くんが活動してるグループ・ESCOLTAのお2人がジョンストン家から登場。準備までの間に「好きなシーンは?」なんて質問すると・・・二人とも「いつも7歳の万里生でいてほしい」「可愛いよねぇ」と大絶賛しておりました。
で、披露してくれたのが、2幕でエディが歌う「言わない気持ち」ESCOLTAバージョン。劇中の雰囲気とは違った、壮大なナンバーに仕上がっててとても感動的でございました!!
ESCOLTAのお2人が帰った後は、藤岡くんと万里生くんのデュエットが披露されました。なんでも、前日突然降って沸いた企画らしく、夜11時まで2人で練習してくれたんだとか。藤岡くんのギターで1幕ラストに歌われる「新しい日」が歌われ、会場も手拍子したりでとても盛り上がりました!!
最後に客席に向けてメッセージ。
万里生くん 「日々、進化し続けてると思うので、また客席の皆さんとのキャッチボールを楽しんでいきたいと思います。よろしくお願いします」
藤岡くん 「残り公演少なくなりましたが、子供シーンのときは特にお客さんは友達って感覚で演じてるつもりです。何回でもまた劇場に足を運んでください」
伊藤くん 「僕も同じ気持ちです!」
さすがサミー兄ちゃん、ナイス締め(笑)。 ということで、とっても楽しい30分弱のトーク&ミニライブでした。
あ、そういえば・・・今回パンフレットは写真つきにならなかったみたいですね。前回、次に来たときに写真つきがでるかもと購入しなかったんですが・・・変わらなかった(汗)。写真つき、出してほしかった~。
主なキャスト
ミッキー:藤岡正明、エディ:田代万里生、ミセス・ジョンストン:金志賢、ミセス・ライオンズ:久世星佳、ミスター・ライオンズ:金澤博、サミー:伊藤明賢、リンダ:鈴木亜美、ナレーター:下村尊則
以下、ネタバレ含んだ感想になります。
前回は武田ミッキーと岡田エディの千秋楽が初見になってしまったので全体的にすごくテンションの高い舞台を観たんですが、今回はヤングチーム中日ということで・・・一番充実した舞台をじっくり見られた気がします。
どうなるんだろう、とドキドキハラハラしながら観ていたのとは違って、先を知っているので・・・なんか、より深く物語が自分の中に入ってきた感じ。このミュージカルって、観れば観るほど味が出てくる作品なんじゃないでしょうか。
エディとミッキーの子供時代、無邪気で何も知らない彼らを見ていると・・・なんだか無性に切なくなってしまう。
エディがミッキーにお菓子を分けてあげるシーンも、2幕との関係性を考えるとすごく重い。何も知らない子供のときは素直にエディのお菓子をもらって喜んでいたミッキーですが、大人になって現実が見えたときに彼はエディからのお金を受け取らずに拒否しています。階級社会が濃厚だったイギリス社会の歪みみたいなものを象徴していますよね。
青年になってもミッキー、エディ、リンダの3人でワイワイ楽しく遊んでるんですが、不況の時代が訪れてその関係を複雑なものにしてしまう。エディが大学で学生生活をエンジョイしているころ、ミッキーは仕事を解雇され宛てのない職探しをすることに・・・。
そんなミッキーを献身的に支えるリンダ。そんな3人が再び出会ったとき、もう、あのころの楽しかった仲間には戻れないというのが・・・なんとも切なくて胸が痛みます(涙)。
さらに切ないのがエディのリンダへの片想い。
エディは親友のミッキーがリンダを好きなことを知っていたし、リンダがミッキーを愛しているのも知っていた。大学に行く前、自分の想いを必死に封印して2人を恋仲にしたのですが・・・再び出会ってみると2人は結婚していながらもミッキーの解雇や逮捕などで家庭生活がうまくいっていない。
リンダは救いを求めるためにエディに頼ってしまうのですが、エディはリンダとは一定の距離をずっと置いて支えるんですよね。これは切ない!
しかし、その現場をたまたまミッキーが目撃してしまって・・・あの悲劇のラストに繋がるわけで。ミッキーもリンダのためにクスリを断ち切った矢先、見たくない現場に遭遇してしまうのだから哀しい・・・。
そして2人が双子だという事実が明らかになったとき、エディは自分の胸を押さえ衝撃に必死に耐えている。ミッキーは動揺から思わず母親に「何故自分を手放してくれなかったんだ!」と叫んでしまう。このセリフはホントに重いしグサッときます・・・。
そして、ミッキーは、引きたくなかったその引き金を、勢いから引いてしまい・・・同時に警官から放たれた銃弾に倒れる。ミッキーは本当は引く気はなかったっていうのが、今回すごく伝わってきた。ただただ、どうしようもないもどかしい気持ちに支配されてしまっただけ。エディに対する殺意はなかったんですよね・・・。そう考えると本当にこのラストシーンは切なくて涙が出ます・・・。
切なくて重いけど、いい作品だなぁと今回シミジミ感じました。こんなことなら、岡田エディと武田ミッキーももう一度見ておけばよかったなぁ。
藤岡@ミッキー
武田さんがギラギラしたミッキーだったのに対し、藤岡ミッキーは必死に背伸びしてる印象。7歳児の藤岡くんのガキッぷりはとにかく可愛くて、最前列のお客さんとも積極的にコミュニケーションして笑いを取ってました。サミー兄ちゃんにいじめられるとすぐに泣いてしまうミッキーですが、藤岡君のほうが弱虫度が高いかな(笑)。武田ミッキーは泣いててもすぐに反撃に出そうな雰囲気だったので。
青年になり、解雇されたときのやるせなさや絶望感の芝居も素晴らしかったです。ミッキーの弱さが浮き彫りになってて泣けました。ラストの「なぜ自分を手放さなかった」と母親を責めるシーンは涙が出ました・・・。
田代@エディ
岡田エディがとても強烈な印象に残っていたので、万里生くんのエディは薄く見えちゃうかも・・・なんて心配もあったのですが、全然そんなことなかった!あの7歳児の可愛さはすごい!萌えます(笑)。特にミッキーのやることなすことに興味津々でビックリしちゃうときの表情はやたら可愛かったです。
子供のときの歌い方と青年になったときの歌い方もちゃんと分けてましたね。2幕のエディのソロ「言わない気持ち」での高音部分が本当にとてもきれいで聞いてて思わずドキッとしてしまいました。あの歌声は本当に素晴らしい。 ミュージカルに参戦してまだ日が浅い万里生くんですが、この作品でさらに成長したんじゃないかなと思います。
金@ミセス・ジョンストン
いやぁ・・・お久しぶりです、金さん!劇団四季の「CATS」でグリザベラを観て以来ですよ。舞台にお帰りなさい。猫じゃない金さん・・・もしかして初めてだったかも(笑)。
TSUKASAさんが肝っ玉母ちゃん系だったのに対し、金さんは一日を必死に生きてる・・・なんというか、哀愁みたいな部分が強く感じられました。それだけに、あのラストシーンは本当に泣けました(涙)。
久世さんのライオンズ夫人も、相変わらず狂気なシーンは鬼気迫ってて迫力です。いつも何かに怯えてるライオンズ夫人は観ているこちらもドキドキものでした。
金澤さんのミスター・ライオンズは本当に物事を深刻に考えないようなおおらかな人物。どこか家庭に興味がないような雰囲気が印象的。金澤さん、2幕ではミッキーやリンダに混じって学生さんもやってるんですよね(笑)。
亜美ちゃんのリンダ、相変わらず可愛かったです。特に子供時代のリンダがいいかなぁ。ミッキーと結婚した後のリンダの芝居はもう少し深みを増すといいかも。
伊藤くんのサミー兄ちゃん、相変わらず超ヤンチャな悪ガキっぷり!あの長身から繰り出されるワルパワーは迫力あります!
そして下村さんのナレーター。牛乳屋のときの下村ナレーターは可愛いんですけど、ライオンズ夫人につきまとう悪霊みたいな雰囲気は下村さんならではですね。ちょっと歌声が粘っこいのが気になりますが、まぁ、四季のときもそうでしたし(笑)。
個人的には2回目に観てかなりハマった作品になったのでリピートしたいところなのですが・・・金銭的に余裕がないので再演を待つことにします。一応、リピートの印は押してもらいましたけどね(笑)。