劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演 2022.05.14ソワレ・05.15マチネ

飯田洋輔くん(ファントム役)について

飯田洋輔くんのファンになってから約12年(夏劇場のビースト役を見たのが全ての始まり←その過程がわかるレポはこちらw)。舞台の洋輔くんを見るたびにどんどん魅了されていき、いつしか「オペラ座の怪人でファントム役を演じてくれる日が訪れること」が私の夢みたいな気持ちになっていました。

8年くらい前に一度パンフレットに候補者として名前が掲載されたことはありましたが、その時はデビューに至らず。でもその瞬間からさらに「洋輔くんのファントムをこの目で見ること」への期待が膨らんでいった。
さらに、ソンダンシリーズの舞台で『オペラ座の怪人』を歌う機会が訪れました。その姿と声を目の当たりにしたとき、「今の洋輔くんなら絶対できるっ!!」という確信めいた想いがこみ上げてきて・・・”その日”がどんどん近づいていることを肌で感じるように。早く本編でファントムとして生きる姿を見たいと切実に思うようになりました。

そしてついに東京公演でファントムデビューする日がやって来た!
この情報を知った時なんとしても駆けつけたい衝動がすごかったんですけど…、東京までの突発が交通事情の関係で難しかったことと新型コロナ禍の影響が声高に叫ばれていた時期ということもあり断念せざるを得ませんでした。あの時は本当に悔しくて…、東京のオペラ座情報はほとんど見ないことにしたくらいだったなぁ(苦笑)。

でもその後に大阪公演が決まっていたというのはもうラッキーとしか言いようがない。公演開始前から洋輔くんファントムの写真がPRとして使用されるなど、期待がどんどん膨らんでいきました(大阪駅のキャンペーンポスターなどは時期の関係で見ることができなかったけど)。
もう、一日千秋の想いで毎週頭に発表されるキャスト情報をチェックしまくりw。こんなに熱心に四季のキャストチェックしたの久しぶりだよ。

そしてついに、”その時”がやってきました!四季のサイトの前日予約から執念で2公演を勝ち取りいざ大阪四季劇場へ。

キャストボードの前で「オペラ座の怪人 飯田洋輔」という文字を見た瞬間、感激のあまり自然にこみ上げてきてしまって…、気が付いたらポロポロ涙する怪しい奴になってしまったため慌てて目立たない場所に避難(汗)。あの時、自分がいかにこの時を待ち望んでいたのかを実感いたしました。

2日間ともこんなテンションで客席についたので、自分を落ち着かせるのに必死でした(苦笑)。

ここから先は、今まで以上にネタバレ大全開です。さらに、私の個人的な感情が弾けまくっているのでかなり濃厚かと思いますww。寛大な気持ちで読める方のみどうぞ…。

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前置きが長くなりましたが、ここから洋輔くんのファントムの印象について。感情のバロメーターがやばいくらい振り切れた状態で見てしまったので、あまりまともな内容では書けないかもということを最初にお断りしておきますw。

実は…オークションが始まる超冒頭シーンから心拍数がヤバイことになってまして、オークション見ながら涙がこぼれたの…長い「オペラ座~』観劇の中でも初めてだった(汗)。まだファントム登場してないのに、物語スタートした時点でかなり危ない状態w。シャンデリアが昇るところでようやく気持ちが鎮まって♪ハンニバル♪の細かいシーンを見る余裕も出てきましたw。

♪Think of me♪~♪ミラー♪

クリスティーヌが余韻に浸っているシーンで初めてファントムの「ブラヴィ、ブラヴィ、ブラヴィシミ」と彼女を称える歌声が聞こえてくる。15日ソワレに初めてそれを耳にしたとき、あまりにも甘美な美しい包み込むような声に「これ、本当に洋輔くんが!?」とビックリしてしまった。最後の「クリスティーヌ」と呼ぶ歌声の、なんと柔らかく温かい響き…!!
それは今まで聴いたこともないような本当に夢心地になるような声色で、クリスティーヌがその声に寄ってしまうのがものすごく腑に落ちました。すごい…すごいよ、洋輔くん!!と、もうこの声聞いただけで涙が溢れて仕方なかったです。

ラウルがクリスティーヌを半ば強引に食事に誘いウキウキ気分で走り去った後の場面。ここからいよいよ本格的にファントムが登場するのですが…、「私の宝物に手を出すやつ!」の入りの声は、感情をグワッと前面に出すんじゃなくてワナワナと怒りをため込んでいる印象だった。深く響きの良い完璧な歌声のなかに、繊細な感情が滲み出ていて…”あぁ、そういうアプローチなんだ”と感動。なんていうか、心を鷲掴みにされていく感覚がすごくて…言葉にするのが難しい。

そして「鏡に向かって瞳凝らせば、私がいるのだ、その中に」のシーンでついに洋輔くんファントムの姿が登場!!あの瞬間の感激はもう言葉には出来ない。切れ長の瞳がファントムメイクのなかにすごく映えてて…こんなにもファントムの姿がピタリとハマるとは!!といった感動がものすごかった。

クリスティーヌを鏡の中から手招きする時の指の動きも実に繊細。あの瞬間、彼女が恐怖を忘れて導かれるようにファントムのほうへ歩みを進めていく気持ちがものすごくよく分かった。なんか、存在そのものが本当にファントムとしての説得力の塊だったよ。

と、こんな分析を勝手にしてはいたもののw、実のところは念願の洋輔くんのファントム姿をついに目の当たりにできて感極まって涙涙状態だったんですけどね(汗)。

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♪The Phantom of the Opera♪

クリスティーヌを乗せて舟で現れるシーン。舟を漕ぐ姿が予想以上にハマってて…というか、美しいと見惚れるほど綺麗で心拍数がさらに上がりました。
深みのある洋輔くんにしか出せないあの魂の歌声を、「オペラ座~」本編のなかで、物語の中で逢う日が来るなんて…感無量以外のなにものでもない。ずっとずっとこの日を待ってた…!!嬉しすぎて感激しすぎて、まともな感想が思いつかずただただ泣いてました(汗)。

隠れ家に到着した後の洋輔くんファントム。クリスティーヌに「歌え!私の音楽の天使よ!」と叫ぶのですが、クリスが声を出して歌い始めると、「これが聴きたかったんだ!」といったような喜びの表情を浮かべ、それと同時に口を開けて彼女と一緒に歌うような感じになってた。クリスと一緒に歌おうとするファントム、初めて見たよ。めちゃめちゃピュアだし本当にナイーブそのもの!!!
「歌え!!私のために!!」はもう喜びの極致といった雰囲気。あんな興奮状態の洋輔くんのお芝居が見れるなんて…夢みたいだよ。こんな引き出しもあったんだ!って新たな発見が目白押しすぎて…もう心臓が破裂しそうになってしまった。

さらにハットやマントの脱ぎ方がめちゃめちゃスマートで美しい。ここは正直想像していない雰囲気で、最初に見た時とてもビックリしました。素の洋輔くんはちょっとノホホンとしたようなホワッとした温かみがある雰囲気に思えるんだけど、ファントムに扮した彼は別人のようにシュッとしていてとても美しい。本当に感動しました。

それから、クリスを自分の元に手招きする仕草を見せるシーン。この時の手の指の動きがファントムの興奮の気持ちを表現しているようでゾクゾクしました。
さらに「歌え!エンジェルオブミュージック!歌え!私のために!!」の最高潮の時。ここのクリスに対する接し方が他のファントムよりも比較的ソフトなのも印象深い。想い焦がれまくってる人の歌声を間近に聞いてテンションが降り切れてる状態なんだけど、クリスティーヌに対する扱いがすごく丁寧で繊細なんですよね。あぁ、これが洋輔くんならではの味が染み込んでるファントムなんだ…!って思えてものすごく感極まりました(涙)。

♪Music of the Night♪

”ここは天国じゃないのか!?”と錯覚してしまうほどの天使の歌声で…。これまで何度かソンダンシリーズやつい最近の「アンマスクド」で洋輔くんのMotNを聴いてきたけど、そのどれとも違う。ショーの中ではなく、本編のなかでファントムとして生きる洋輔くんの生の歌声の包容力のなんと甘美で深く温かかったことよ!!!やっぱり彼の歌声には人の心を大きく揺さぶる魔力があると思いました。あれは、涙なしには聴けない…!!

さらに印象深かったのが、クリスに仕立てた人形を見せる場面。優しくその場所に彼女を案内してスマートに鏡のマントを取り外すのですが(この外し方も紳士らしくとても美しかった)、まるで自分の宝物を大好きな子にドキドキしながら見せる男の子みたいなすごいピュアな表情してた。そして、「もう一歩近づいてみて」って感じで彼女を促す仕草も…彼の心の中のドキドキが伝わってくるようだったよ。

一番萌えたのは、クリスの前に人形が突然せり出して彼女が驚きのあまり気を失ってしまうシーン。クリスが倒れた瞬間、「あっ…」って、ものすごい動揺して「どうしよう、どうしよう…」ってめっちゃ戸惑ってた。あんなに可愛く動揺するファントム、初めて見たよ!!すごい純粋。
そしてそっとクリスにマントをかけてあげた後…「大丈夫かな…」って雰囲気でその顔に手を触れようとするんだけど寸でのところで怖くなったからか引いてしまう。なんだあのナイーブさはっ!!!あんなファントム見たらもう、こちらとしては泣くしかないじゃないか(涙)。

あの雰囲気は、たぶん、洋輔くんにしか出せないと思う。なんていうか、彼が本来持ってる優しさが滲み出るような…。MotNをみてあんなに心が癒されて涙したの初めてだよ。四季はこういう個性を引き出す芝居をさせてくれるようになったんだなと思えて嬉しかった。

最後の「夜の調べの中に」のロングトーンの伸びも完璧です。非常に美しく儚いロングトーンだった。全く不安を感じさせずにあそこまで歌いきれるのが洋輔くんの強みでもあるよね。そこに至るまでどれだけすごい努力をしてきたんだろうって思ったら、こみ上げてきて涙が溢れて仕方なかったです。

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次のクリスが眠っている間ファントムが作曲作業に没頭するシーン。もう見ているだけで洋輔くんファントムがいかに喜びの極致に浸っているのかがひしひしと伝わってくる。これまで生きてきた中で一番幸せだと表情からも動きからもその想いが痛いほど感じられました。
なんていうのかなぁ…、興奮状態ではあるんだけどそれをあまり表に出さないで噛みしめるように咀嚼してる感じ。楽譜を撫でる仕草は、まるでクリスティーヌに触れている幸福感を体感しているようにも見えた。もうねぇ、その様子が愛しくて愛しくて…可愛すぎて涙が出てしまったよ!!

あまりに幸福感にどっぷり状態になってるから、後ろからクリスが好奇心でマスクを取ろうとしてることに気が付かない。それだけに、剥がされた瞬間は驚きのあまり「うわぁ…!!」ってものすごい声を上げてた。だけど一番衝撃的だったのが「ちくしょう!!」とクリスに暴言を吐いて自分の素顔を晒す場面。
あの洋輔くんからこのセリフを聴くことになるなんて…!という何とも言えない気持ちが最初見た時にはありました、正直言うとw。彼からは一番遠そうな言葉だなぁと。だけど、2回目に見た時は「ちくしょう!!!」というセリフがものすごくすんなり私の中に入ってきたんですよね。慣れたんじゃなくて、ファントムとしての彼の絶望的ともいえる感情がより深く伝わってきた感じ。違和感がなかった。あぁ…すごいよ…、本当に日々進化してるんだって思えてとても嬉しかったです。

そして、ショックのあまり大切な人に「地獄へ行け!呪われろ!!」という感情に任せた言葉を吐いてしまう場面。過去に『美女と野獣』で癇癪持ちなビーストで怒りの表現のお芝居を見ているけれど、ファントムの怒りはそれとはまるで違う。天国から地獄へと突き落とされたかのような絶望感から来る怒り。今回観劇するにあたり、それを洋輔くんがどう演じるのかとても興味がありました。
「呪われろ!!」と絶望の叫び声をあげた後顔を背けて床にうずくまる。その後ろ姿のなんと哀しかったことか!!ついさっきまであんなに幸福そうな表情を浮かべていた人とは思えなくて切なすぎて泣けて仕方ないよ…。その後自分自身を呪うように歌うんですけど…この歌声が今にも泣きだしそうな哀しいものだった。もう見ていて胸が締め付けられて仕方がない(涙)。

それでも必死にクリスティーヌへの想いを訴えたくて匍匐前進。「僕を拒絶しないで」っていう懇願めいた必死の想いがそこからひしひしと感じられて涙無くしては見れない…。「焦がれる、美しいものを」と歌った後にクリスの名を呼んでうずくまるシーン、その歌声のなんと頼りなく悲しい響き…。声がね、泣いてるんですよ…。切実な思いが募りすぎて、泣いてる。あんな姿見たら、誰だってマスクを返してあげたくなるよ…(涙)。

マスクを返してもらった後、慌ててそれを付けた後クリスを見つめる場面。縋るような眼差しで彼女の頬に手を当てようとしたんだけど、唇をかみしめてそれを自制する。その堪える表情がまた切なすぎ(涙)。自分みたいな者は触れてはいけないんだって言い聞かせてるよう…。本当にピュアでナイーブな印象が強いので、思い出すだけでも胸が痛んで仕方ない(涙)。

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支配人室~♪イル・ムート♪

手紙の場面。ここは声のみの出演なのですが、聴いているだけでどんどん魅了されていってしまう。ファントムの声が流れている間、ラウルやカルロッタたちは訳もなく動いているんですが、あの声色にはそうさせるだけの魔力があるなと思ってしまった。
さらにファントムと戦う意思を示したラウルたちに対する宣戦布告の言葉を告げる場面。「よぅし!!」っていう最初の一声がなんだかすごい既視感があってw。後から冷静になって考えてみたら、BBのビーストの「よぅしっ!!なら飢えるがいい!!」ってベルに癇癪起こした時の感じだと思い出した(笑)。洋輔くんの「よぅしっ!!」はめっちゃ萌える(個人的にww)。

♪イル・ムート♪の最中にラウルが5番のボックス席に座ってるのが我慢ならなくて舞台最上部にファントムが出てきてしまう場面。舞台上で思わずクリスが声を出してしまったのをカルロッタが窘めるのですが、ファントムはカルロッタにニンマリしながら謎の言葉を告げる。
この時の洋輔くんファントム、めっちゃ可愛くて激萌え(笑)。カルロッタを翻弄している時、頬杖つくような感じでクックッと笑いながら見下ろしてるんですよね。その姿の可愛さがもう、プライスレス!!「シャンデリアが落ちてくるぞ!!」と物騒な言葉を叫ぶところもどこかいたずらっ子のような楽しんでる雰囲気があって。これはすごい新しい感じだなと思いました。

それからもう一つビックリしたのが、カルロッタを翻弄してる時の笑い声です。あんな悪魔の申し子みたいな笑い方ができるなんて!!最初に聞いた時には予想をはるかに裏切る笑い方に大きな衝撃を受けました。ものすごい冷酷な感じだった。楽しそうなんだけどすごく冷酷。
さらにブケーを始末した後の笑いっぷりが…”本当にこの声は洋輔くんなのか!??”と疑ってしまうほどの恐ろしい響きと迫力。あんな笑い声、聞いたことないよ。すごい背筋が冷たくなった。こんな引き出しもあったんだとビックリしたし、それと同時にとても嬉しく思いました。どんどん新しい洋輔くんが私の中に蓄積されていく感覚。本当に幸せ。

♪All I Ask of You♪

ラウルとクリスがラブラブの雰囲気のまま立ち去って行った後のエンジェル像のシーン。ここは絶対泣けるだろうなと予想してたんだけど、それ以上だった。もうのっけから、哀しいの極致…。歌声がもう、泣いてる…。言葉は責めてるんだけど、哀しみがそれを上回ってる感じ。縋るように呼ぶ愛する人の名前…。その声色があまりにも哀しみに溢れすぎてて…もう涙止まらずの大号泣になってしまった(泣)。
クリスとラウルの愛の歌声が聞こえてきたときファントムは耳を塞ぐんですけど、その苦しみの表情は本当に胸の奥から締め付けられるほどの辛さで…。あんな哀しい表現してるの初めて見たよ(涙)。切ないなんて一言ではとても語れない。

そして、哀しみから次第に怒りの感情が沸き起こる場面。「あぁぁっっ!!」と地の底から這い上がるような声が出てきたのは衝撃的だった。感情の振り幅が逆に大きく舵を切った瞬間。さっきまで悲しみに沈んでいた表情が、一気にギラギラした怒りの炎に変わる。その切り替わりの歌と芝居が、洋輔くん、絶品だった!!こんな爆発力のある彼を見たのは初めて。あぁ、こういう姿を見たかったんだって思って…なんか本当に感無量の心境でした。胸いっぱいで休憩に入った後も涙がこみ上げてきて仕方なかったです。

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♪マスカレード♪後~支配人室

レッド・デスで登場する場面。種明かしすると、最初に出てくるのが洋輔くんで、その次に駆け下りてくるのが”分身”の方ってことになってるんですよね。
階段をゆっくり下りてくる姿は堂々としていて迫力あり。だけど楽譜を支配人に投げ渡すときは乱暴そうに見えてちゃんとコントロールして投げてるのが伝わってきて、あぁ、らしいなって思いましたw。

印象深かったのはクリスを自分の元へと呼び寄せる場面。手指の動かし方が本当に繊細で、そこから色んな感情が伝わってくる。強引にでも彼女を自分のものにというような執念が宿っているようだった。奈落に消えていく時も実にスマートで立ち居振る舞いや仕草の美しさに見入ってしまうしそれだけでもう本当に感動的。

で、”分身”さんが駆け下りるシーンで流れる大きな笑い声なんですが…、何度聞いても”本当に洋輔くんなの”??”と思ってしまうほど悪魔的。あの深い包み込むような声が、こんなにも恐ろしい響きを持つこともあるなんて、本当に衝撃でした。歴代のファントムの中でもあの笑い方の恐ろしさは群を抜くかもしれない。

2度目の支配人室での手紙朗読シーン。1幕の時よりも強い口調で攻めた読みっぷりになっていたのがとても印象的でした。声だけのお芝居というのもすごく重要ですよね。そこでしっかり違いを出した声の出し方をしていたのがすごく良かった。

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♪墓場♪

クリスの父の墓の上に立つ十字架から現れる姿の、なんと美しい事よ…!!そしてそこから奏でられる美しく繊細で深みのある優しい柔らかい歌声…!これぞまさに”エンジェル・オブ・ミュージック”だ!!と本気で思いました。クリスティーヌが心を掴まれて引き寄せられていく気持ちがめっちゃよく分かる。洋輔くんファントムの歌声こそ魔法なんだってすごく思ったので。

「ここへおいでクリスティーヌ」と歌っている時の彼のファントムは完全に幸福感に酔った雰囲気。自ら歩みを進めてくる彼女への歌声はとてつもなく美しく、儚く、そして愛情に満ちていました。もうそれだけで私の心が震えまくって涙が止まらない(泣)。
ラウルも駆けつけての三重唱になる場面、ファントムの歌の旋律に耳を澄ますとかなり高いキーなのが分かる。主旋律ではないんですよね。これを彼のあの天使のような歌声で聴けるなんて何たる幸せ…!!そこにはクリスティーヌへの止まらない激情がこれでもかというほど込められているようで非常に大きく心を揺さぶられました。なんというドラマチックな歌い方…!!

堪りかねたラウルがクリスを引き留める場面。その存在に気づいた洋輔くんファントムの「なんでお前がここに!?」みたいな焦りの表情がとても印象的だった。でもすぐ気を取り直して火の玉攻撃を仕掛けに行く。

この火の玉装置ですが…土曜ソワレの時は調子が悪くて2発以外は煙しか出てこない状態になってたw。ゴーゴー泣きながら見てた私ですが、あの場面だけはちょっと笑いそうになりました(←コラww)。煙だけがモワァ~っと立ち込めてラウルへの攻撃になってないっていう光景は、ちょっと面白かったよ(←光田ラウルも火の玉出てる体で芝居しなきゃならないからなおさら 笑)。
日曜マチネは無事に火薬が効いて火の玉バンバン出てホッとしましたw。数えてみたら、8発出してましたね。ポンッ!ポ・ポ・ポンっ!…ポン!みたいなリズム(←わかりづらい説明ww)。けっこうラウルに命中しそうなギリギリのところを打ってたかな。

「ここまで来たぞ!死の天使だ!!」と最初のほうはラウルに勝ち誇った表情を浮かべていたファントム。でも、クリスがラウルに必死にやめるよう説得して二人で立ち去ってしまう瞬間、「えっ!?待ってっ!!」ってすごい動揺した表情見せてた…。そこからの「行くなぁーー!!」はまさに心が締め付けられるような悲痛な叫び声(涙)。場面を追うごとにどんどん切なさが増していく洋輔くんファントム…。あのシーン見ながら”クリスティーヌ、戻ってきてぇ!”って本気で思っちゃったくらい残された姿が哀れで仕方なかったです。
その悲しみはもう彼には怒りに持って行くほかないわけで。こんなに何度も絶望を味わう姿を見ると私の気持ちがもういっぱいいっぱいになっちゃうよ…って感じだった(涙)。

まるで手品のように色々な場所から気配を見せ警備を翻弄するシーン。姿は出てこないんだけど、最後の「ここだぁ!!」の言い方がすごいドヤっぽくて”おぉっ”と思いました。声だけのシーンの洋輔くんファントムは威厳に満ちていて皆が緊張してしまう気持ちがすごくよく分かる。

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♪The Point of No Return♪

ピアンジと入れ替わって最初は全身マント姿で登場するので表情をうかがい知ることができないのですが、洋輔くんファントムは手指の動かし方がすごく活発です。その中には、彼のクリスティーヌを欲する切なる感情がひしひしと伝わってくる。途中で感情が昂って自分の気持ちが表に出てしまいそうになった時には、手指を動かしながら必死にこらえてる。
特にクリスティーヌと最初に顔が接近した時はそのまま吸い寄せられるような感じになるんだけど、寸でのところで「ダメだっ」って感じで必死に後ろ向いて耐えるんだよね…。そのいじらしさがもう涙無くては見れなかった…。

クリスティーヌはこの時点では相手役がファントムに入れ替わっているのを知らないので、積極的に誘惑する芝居をしてくる。そしてついに、指と指が絡み合い顔と顔が近づく場面がやってくる。
クリスティーヌと指を絡ませたあの瞬間、洋輔くんファントムの抑えていた感情が堪えきれずに表に放出されていく様子が手に取るように伝わってきました。顔を摺り寄せる時なんか、もう、愛しさが溢れすぎて自分のほうに積極的に引き寄せに行ってしまう。この時彼がどんな表情をしているのか目に浮かぶようだった…。

ファントムと最大限に距離が近づいたところでクリスティーヌはその正体にようやく気付く(ちなみに旧演出では顔をスリスリしたところで勘づいてたんですが、新演出になってからタイミングがその後になりました)。
焦ったクリスは必死に離れようとするんだけど、「もはや引けない」と一緒に歌っているうちに抵抗をやめてファントムのほうに引き寄せられていくように見える。彼女はラウルとかでの前では「怖い」という感情を露にしていますが、今回見た時に最初の隠れ家へ行った時点で自分でも気づかない気持ちの部分でファントムにどうしようもなく惹かれていたのではないかと感じてしまったんですよね。だから、自然と彼女がファントムの元へ向かうことに違和感がなかった。

そして、舞台の中央まで来たところでクリスティーヌに顔にかぶされていたマントをめくられる。その瞬間の洋輔くんファントムの表情がすごいリアル。言葉には出してないけれど驚愕した表情で小さく「あっ…!!」って声が出てその後「なんでこんなことを…!?」とすっごい哀しそうな眼をしてクリスを見てた。
そこからの後ろを向いて指輪を外すっていう行動になるんですが…、その背中が、小刻みに震えてるように見えて…。背中が泣いてたんですよ(涙)。あんなん見たらもう、見てるこちらも堪らないよっ(涙涙)。あの瞬間の洋輔くんファントム、すごい孤独で胸が張り裂けそうになった。

それでも、縋るような気持で最後の賭けに出る。クリスの指に指輪をはめながら渾身の愛の告白を歌う洋輔くんファントム。ホントに、渾身、壮絶な愛の歌だった(涙)。あんな鬼気迫った哀しい告白の芝居する洋輔くん、初めて見たよ(号泣)。
そして、仮面とそのすべてを引きはがされた瞬間…。あまりの衝撃で色んな感情が入り混じり「うわぁ!!」と声を上げて苦しんでた。あの場面であそこまで悲痛な声を上げて「なぜ、なぜ!?」と言うように混乱しまくるファントム、初めて見た。ただただ、哀しかった(涙)。

クリスティーヌを舟に乗せて隠れ家へ向かう時の自分の運命を嘆く歌声は、色んな感情が入り混じった状態で。最後の「クリスティーヌ、クリスティーヌ、なぜ、なぜだぁ…!??」と叫ぶ場面はまるで苦しみと悲しみを吐き出すよう。まさに絶望…。私は何度洋輔くんに胸の内を激しく揺さぶられるのだろうかといった心境です、ホントに。

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怪人の隠れ家

隠れ家に無理やり連れてこられたクリスティーヌはファントムを「飢えた悪魔」と歌います。その言葉を聞いた瞬間の洋輔くんファントムのなんと悲しそうな目よ…!!!「なぜそんな酷いことを言うの!?」って理解が追いつかなくてショックでたまらない表情してた。もう、ホント辛い…。
そのあと自らの生い立ちを語るんですけど…歌声がもう、泣いてるんですよ(涙)。悲しくて悲しくて声が震えてる。彼がこれまでどんな孤独な人生を送ってきたのか、手に取るように伝わってきて本当に切なかったです…。

それに対してクリスが「醜さは顔じゃなくて心の中よ」と歌うんですが、聞く耳を持たない洋輔くんファントムは彼女の花嫁コーディネートに夢中になってる。少し遠目から見て手でイメージを作り上げて「こんな感じかな」みたいにやってるの、ほんと子供っぽい。だけどその一生懸命さが逆に哀しくも映るんだよね…。
なんとか花を持たせるんだけど、その瞬間に敵意に満ちたクリスの表情を見てしまう。その時の「どう対応していいか分からない」といった混乱して動揺してる目が本当に印象深かった。もうその時点から心のどこかで「助けて!」って叫んでるようにも見えてねぇ…。

だけど、ラウルがクリスティーヌを助けに来た場面になると、急に勝ち誇ったようなあくどい表情に変わる。「お待ちしてたぞ」と紳士らしく頭を下げる姿が驚くほど美しく丁寧。でもラウルに罵られているうちにどんどん気持ちが追い詰められていくのが分かる。精一杯虚勢を張るけど、クリスを取られてしまうかもという危機感と防衛本能がうごめいているようだった。
そしてラウルが入ってきた瞬間にロープで首を締め上げるわけですが、この時の洋輔くんファントムはものすごい狂気剥き出しになっててゾクッとしました。素の彼からは想像もできないような激しい感情で…”こんな表現も持っていたの!”と驚かされることばかり。

クリスティーヌに「こいつを助けたければ手を合わせて頼むのだ!」と強気の態度で脅しにかかる洋輔くんファントムですが、もう、この時点で葛藤しまくってて苦しそうで、愛する人を呼ぶ歌声が涙声になってて(涙)。ちょっとここから私ほぼ嗚咽しそうになるくらい涙止まらなくなって記憶が定かじゃないくらいになってた(汗汗)。

だけど、そんなすごい内から湧き上がるマグマのようなぐちゃぐちゃの感情を表に出しながらも、洋輔くん、一音も外さないんですよね。すごく音楽に忠実。音の一つ一つに感情の全てをぶつけてるような感じだった。
これまで何度も彼の歌声に心を揺さぶられ続けてきたけど、その中でも一番すごいと思った瞬間かもしれない。しかも最後の言葉の部分がこれでもかってくらい伸びる。いやもう、ほんと、”すごい”なんて言葉だけじゃ語れないと思ったほどだった。

「もはや引けないぞ!」とクリスを脅す場面。オルガンを弾きながら歌うんですけど、その表情がもう壊れてしまいそうな感じになっててまともに立っていられない状況…。脅しながらも「苦しい、助けて、助けて!」ってもがいてるようにしか見えなくて、思い出すだけでも涙出てきます(涙)。なんて繊細な表現力…!
クリスから「哀しみの涙、今、憎しみに変わる」と激しい視線を送られた瞬間にはもう泣きそうな顔で「なぜ!??」と理解が追いつかない様子で見ていて本当に居たたまれない。

さらに「私を選ぶか、こいつを選ぶか!?」と迫る場面でクリスと正面から向かい合う場面。無茶な要求をしてるのはファントムのほうなのに、彼のほうが俄然追い詰められているのが伝わってくる。洋輔くんファントムは、クリスの視線に耐えきれなくて「くぅっ」って唇噛みしめて泣きそうな顔になりながらその場を逃げ出してた…。少し離れた場所に立つ彼の姿は、孤独そのもの(涙)。
最後の最後にクリスに選択を迫るシーンは歌ではなく「選べ!!!」と叫んでました。彼女から顔をそむけたその表情はあまりにも苦しげでもう、胸が痛んで仕方なかったよ…。

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そしてこの物語最大のクライマックスであるキスシーン。最初のキスを受けた瞬間、涙目になりながらも大きく目を見開いていて何が起こっているのか全く理解ができていない様子に見えた。一度唇が離れると「え…」って感じで立ち尽くしててその直後に二度目のキスがきて、全身痙攣しながら手が自然とクリスを抱きしめようと動いてしまう。
ここの流れはどのファントムでも涙なしには見られないのですが、一番印象深かったのはその後の展開です。クリスを自分から引き離した後の洋輔くんファントムは、これまでの激しい感情が嘘のように抜け殻みたいになってる。そして、ぼんやりと歩きながらオルガンの手前でそっと自分の唇を指で触れてクリスの方を振り返ろうとしてた。その仕草がもう本当に泣けて泣けて…。

そしてろうそくを手にしてラウルと向かい合った時、もう一度メラメラした感情が湧きそうになるんですが、クリスの無言の「やめて」という想いを察して断腸の想いでロープを焼き切る。もうこの時点から泣いてるんだよね…洋輔くんファントム。本能で大切な人と別れなければいけないんだって感じ取ってる。
二人に口止めをしたうえで逃がす場面では、最初の「行け!」は小さめの声で。でもクリスがその場に立ち尽くしている姿を見た瞬間に自分の想いを振り切るように血を吐くような想いで「行け!行ってくれ!お願いだ!!」と懇願する。その悲痛な叫び声がいつまでも頭にこびりついて離れなかった…。あんな哀しい表現してる洋輔くん、見たことないよ(涙涙)。

一人きりになった時に猿のオルゴールの前で♪マスカレード♪歌うシーン。岩城さんは歌の最後のほうで猿の顔を隠す仕草をしていたけど、洋輔くんは最初から猿の顔に手を当てながら歌ってました…。

そして、そこにクリスティーヌが戻ってくる。一瞬柔らかい表情を浮かべたあと、愛の言葉を告げるんですけど…なんて優しく哀しい温かみのある「アイ・ラヴ・ユー」!!!この時間が長く続いてほしいと願うかのように指輪を戻すクリスの手を温かく包み込んでた洋輔くんファントムが切なすぎてもう…(言葉が続かん)。さらにそのあと、手と手が離れる瞬間まで彼女の姿を追おうとするんですよ…。別れなきゃいけないと思いながらも、彼女を失いたくないという気持ちがあの「手」の動きに集約されてる。「待って、行かないで!!」って訴えているような表情がもう辛くて辛くて…。

再び一人になった後、クリスから返された指輪を大事そうにつけてそっとキスをする洋輔くんファントム。その仕草のなんと愛に満ちた優しい光景だったことか…!!孤独なんだけど、周りにはすごい温かい光が包んでいるような…。あの雰囲気はきっと、彼にしか出せないと思う。
クリスが投げ捨てたベールを拾う場面では、愛しそうにそれを頬に当てて涙していた洋輔くんファントム…。そして最後に「クリスティーヌ…」と愛する人の名前を涙声でそっと呟くんですが、もうその声があまりにも哀しくて切なすぎて…嗚咽寸前(涙涙)。

さらに、振り返ってクリスが舟でラウルと去っていく姿が目に入ると…「僕を置いて行かないで!!」とばかりに手を伸ばして引き留めようとする仕草したんですよね…。この別れが彼にとってどんなに心引き裂かれるほど辛い事だったかというのが手に取るように伝わってきた。もう、堪らなかったよ…。なんて表情すんの!って…。
こんなにも哀しい想いをしてるのに、最後の♪MotN♪の歌声はしっかりしていて。あれはまさに魂の叫びのような、音楽の天使の最後の叫びのような…そんな切実な想いをひしひしと感じました。ラストの椅子抜けまで非常に美しく儚かった…。

全てが終わっても、私はしばらく涙を止めることができませんでした。本当に、予想以上のものを魅せてくれた。待っててよかったと心から思いました。

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後述

カーテンコールは両日とも熱く3回目くらいでほぼオールスタンディングとなりました。最初は緊張感のある表情をしていた洋輔くんも、スタンディングの時にはホワッとした優しそうな可愛い笑顔を浮かべてて。カンパニーの皆の顔を見ながら「せーの!」で前に駆け出していく仕草がもう愛らしくて仕方ない。

「オペラ座の怪人」のファントム役として洋輔くんが舞台の真ん中でスポットライトと拍手を浴びるカーテンコールを、ずっとずっと見たかった。その夢が叶ったあの瞬間、本当に嬉しくて抑えようにも抑えられない涙が後から後から流れてきて大変なことになってしまった(汗)。あぁ、”飯田洋輔”くんという役者に出会えて、ずっと変わらず応援してきて本当に良かったと心から思えた瞬間でもありました。同じ時代に生きることができて本当に幸せです。

約11年前。ファンになってから間もない時に観に行った洋輔くん出演のある作品の公演後トークショーでのことを今でも鮮明に覚えている。
あの時洋輔くんは”今後の夢”を聞かれた時に「魅力的な役者になりたい」と熱のこもった言葉で語っていました。歌は当時から完璧だった洋輔くんが、そこからさらに上の「”この人でなければ”と必要とされる人になりたい」って真剣な眼差しで告げたんですよね。お芝居を頑張りたいと。あの時、私は彼に完全に魅了されたのかもしれない。

今、着実に、あの時語っていたような役者に成長している飯田洋輔くん。だけどまだまだ高みを目指して努力し続けていくと思う。彼はそういう役者だと私は信じている。

きっと、次に舞台で逢う時にはまた違った感動をくれるに違いない。そう思わせてくれる洋輔くんが本当に本当に大好きです。ずっと応援してるよ!またファントムを演じている彼に逢えますように…。

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