『十二番目の天使』香川公演 2019.04.17マチネ

キャスト別感想

井上芳雄くん(ジョン)

久しぶりに井上くんのストプレを見ましたが、滑舌が良くてセリフがとても聴き取りやすい。長台詞も噛むことなくしっかりと客席にジョンとしての気持ちを伝えていたと思います。

愛する家族を失った傷跡は簡単には癒えない役柄だったこともあり、少年野球チームに接しているときと帰った後に1人きりになるときとの気持ちの落差を演じなければいけなかったわけですが、ジョンの複雑な心の内をすごく繊細に演じ分けていてとても良かったです。特に、一人になった孤独感から拳銃で自殺することを思い描いてしまうことに苦しむシーンは印象的でした。

あと、涙を浮かべたり拭ったりするシーンが多かったのもよかったなぁ。物語の世界に入り込んで、その中で起こる感情に素直に任せ自然に涙を流してた。その姿見ただけでこちらも何度もウルっとさせられました。

個人的に萌えたのは冒頭の家族と一緒にいた絶頂期だった頃のジョンの場面。息子のリックとじゃれ合うシーンがあったんですが・・・その顔はまさに「父親」そのものでした。実生活でも結婚して子供がいる年代になった井上くん。エリザのルドルフ役で鮮烈デビューした頃から見てきたので、父親役もリアルに見えるようになったんだなぁ…と感慨深くなってしまいました。

歌の素晴らしさは言うまでもなく。バラードの歌は特にいいよね~。心をグッと掴まれました。

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栗山千明さん(ペギー/サリー)

舞台で初めて見たのですが、本当に美人さん!!テレビで見るよりも美しい…。でも、ストーリーの中ではどちらかというとあまりシャキシャキした役柄ではなかったので、どちらかというと全体的に抑えたお芝居をしていたように思います。テレビではけっこう我の強い役が多かった気がするので、こういうしっとりした女性役はとても新鮮でした。

クライマックスでティモシーの試合を観戦した時の場面は特に感動したなぁ。野球の試合状況をほぼすべて栗山さんが語ってたのですが、見事に情景が浮かんできた。ティモシーが生き生きとプレーする姿が見えるようだった。母親としての息子に対する溢れんばかりの想いも伝わってきて泣けました。

六角精児さん(ビル)

この作品の中ではどちらかというと笑いの部分を担当していたって感じかな。ビルはジョンの幼馴染で同級生という設定なんだけど、それに対して「とてもそういう風には見られない」って自虐的なセリフが入ってきたりしてww客席からも大きな笑いが湧き起ってました。

ビルはジョンを立ち直らせる一番最初のきっかけとして登場するキーマンでもあるのですが、今ひとつ分かりづらかったのは、ジョンがまさに命を絶とうとしたタイミングでやってくるシーン。あんなベストタイミングで現れるのはおかしいから、何かそれに関する裏があるんじゃないか!?的な視点でずっと見てきたんですが、結局それについては語られないまま(苦笑)。これは六角さんがっていうのとは関係なく、ストーリーの構成的なことですけどね。

ダークサイドに墜ちがちなジョンに対し、いつもナイスなタイミングで光を与えてくれるビルを楽しく演じられていて、最後の方には本当にジョンの同級生に見えましたw。

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木野花さん(ローズ/ジョンの母)

木野さんも二役を担当していましたが、ジョンの母(亡霊としてでしたが)とお手伝いさんのローズとの演じ分けが実に見事でした。全くの別人に見えたのが本当にすごい!

ジョンの母親はいつも優しく温かく傍に寄り添う聖母のような存在。対してローズはちょっとそそっかしさもある明るいおばちゃん。チャキチャキしてて一緒に居たら楽しい気持ちにさせてくれそうな雰囲気。そんなローズが2幕の後半に「妻と子の墓石すら立てていない」というジョンに対して本気で怒る場面がとても印象的でした。責めてるんじゃなくて、ジョンを何とか立ち直らせたい一心だという気持ちが痛いほど伝わってきて泣けたなぁ…。ここはホントに圧巻でした。

辻萬長さん(メッセンジャー医師/ジョンの父)

辻さんも二役で、こちらもさすがベテランの味!!ジョンの父親は快活でいつもジョンの背中を押してくれるような温かいお父さんといった雰囲気。メッセンジャー医師も温かい人柄なんだけど、どこかちょっとトボけた味があってライトなイメージ。どちらも少し共通点があるキャラではありましたが、それでも別人だと思える芝居を魅せてくださっていたのは本当にすごかったなと思います。

出番的にはさほど多くなくてちょっと勿体ないなって思っていたんですが、2幕のクライマックスでジョンの前に現れるシーンを見て辻さんが配役された意味に納得。ジョンにティモシーの真実を語る重要な場面でしたが、その言葉の一つ一つにティモシーの覚悟や想いというものがハッキリと認識ができた。ものすごい説得力で、井上くんも何度も涙を浮かべて演じてたのが印象的です。素晴らしかった。

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後述

カーテンコールは盛り上がり、3回目の時にはスタンディングオベーションとなりました。香川公演でのお客さんってけっこう熱いんですよね。

3回目にキャストの皆さんが出てきた時、井上くんが一歩前に出て挨拶してくれました。その内容が意外だったのでびっくりしたよー(笑)。最初に「すごい個人的なことなんですけど」と前置きしたうえで…

「実は僕、香川県で生まれたんです」

と発言!!え!?井上くんってたしか福岡だったよね!?またいつものリップサービスじゃないの~みたいに、最初は客席のほとんどが(私も含めw)すぐには信じないぞ的な空気になっててwwあちらこちらから「え~~!?」みたいな疑いの声が飛びまくってました(笑)。

そんな雰囲気を敏感に察したらしい井上くん、慌てまくりながら

「福岡出身ってずっと言ってきてるんですけど、実は生まれたのは香川の善通寺なんです!」

と告白!!その地名まで飛び出したということはこれは本当に本当なんじゃないか!?えーーー!!井上くん、香川県生まれだったのか!!ビックリだよーーー!!他のキャストの皆さんも「え!?そうだったの!?」みたいな表情で驚いてた(笑)。
実は私も出身は神奈川なのですが、生まれたのは香川なので(坂出ですが)なんか勝手に親近感が湧いてしまったww。

育ったのは福岡ってことで香川時代の記憶はないらしく(私も香川の記憶なかったんですよね)、今回が初めての上陸ということで思いもひとしおだったそうです。で、「これ一回言ってみたかったんですよ~、言っちゃってもいいですか!?」って前置きしたうえで・・・

「ただいまーーー!!!」

と客席に向かって満面の笑顔で叫んでてめっちゃ可愛かったよ、井上くん!!それに対して客席も拍手喝采でとても温かい雰囲気に包まれてました。

そのあとは「本当はこのまま香川に拠点置いて住みたいくらいなんですけど」とリップサービスするところがらしいなって思ったけど(笑)。「今度は育ったところの福岡行かなきゃいけないので」って誤魔化してたのがまたおもろかったわww。

「また必ず香川に戻ってきたいと思います!」っていう力強い言葉に再び拍手喝さいが沸き起こり、大盛り上がりのうちに終演しました。

レグザムホールさんも井上くんの突然の告白にビックリだったようですね(笑)。また香川に来てねーー!