『銀河英雄伝説 -第一章 銀河帝国編-』11.01.13マチネ

青山劇場で上演された『銀河英雄伝説 -第一章 銀河帝国編-』を観てきました。

なぜこの演目をチェックしていたかといえば…私が中学か高校だった頃に友達の影響でハマっていた過去があるからです(笑)。田中芳樹さんの原作本と共にアニメも大人気でして…当時かなりアニメに入れ込んでいた私は毎回定期的に発売されていたビデオを貸してもらうのが楽しみで仕方ありませんでした。

原作も借りて読んでいましたが、ストーリーが分かりやすく、かつ、お目当ての声優さんが出ていたりしたので私はどちらかというとアニメ派でしたね(笑)。アニメ・銀英伝のイベントにも参加してそこで声の収録に参加したり(同盟国の歌とかジェシカが襲われる時の悲鳴とかやった記憶が 笑)それはそれは熱狂しておりました。

 

 

そんな銀河英雄伝説が舞台化するという仰天企画を聞いたのがたしか約1年前…。よもや銀英伝が舞台化する日がくるなんて誰も予想してなかったのでは。キャストも次々に発表され…これは本当にやるんだなと実感(笑)。出演する俳優さんたちはイケメン系が多く、まぁよくこれだけ綺麗な人たちを集めたなと思いましたが…実際のところ名前くらいしか知らない人ばかりで…正直、ちゃんとした舞台作品として成立するのか観るまでは不安のほうが大きかったです。

というか…、銀英伝の舞台ということ事態、全く予測不可能だった(笑)。

開場してから10分後くらいに列に並んで入場したのですが…まず最初に購入しようと思っていたパンフレットが目の前で『売り切れ』となってビックリ仰天!!地下のグッズ売り場にはまだ残っていると聞いて急いでその列に並び…ギリギリセーフでようやく手に入れることができました(美しい図柄に惹かれ、ついでにクリアファイルも3点購入してしまった 爆)。どうやら予想外の売れ行きらしく毎公演ごとに限定発売していたらしい。私が購入してから10人目くらいで地下売り場のほうもパンフ完売してて…こりゃビックリですよ(汗)。開場してから15分で売り切れですからね…。もう少し多く印刷しておいてほしかったわ。

ちなみに買えなかった人はネットサイトの通販でということになってました…。あと数分並ぶのが遅れてたら危ないところだった(汗)。

 

で、いざ蓋を開けてみたところ…いやはや、想像していた以上に楽しめてしまった。銀英伝を全く知らない人が見たら分からない単語も多いだろうなとは思いつつも(イゼルローン要塞とかゴールデンバウム王朝とか…)それでも長時間飽きさせないような工夫が色々とあって初めての人でもそこそこ楽しめたのではないかと。原作やアニメを知っている私はどちらかというと“あぁ、そんなセリフあったな”とか“ここのシーン懐かしいな”とかそういった観点で見れたのでそれはそれで面白かった。

舞台装置もダイナミックで、美術というよりかはセリを多用したシーンがとても多かったのが印象的です。場面が変わるごとに舞台が上がったり下がったりするので役者さんたちはそれに合わせるのが大変だろうなとは思いましたが、舞台全体に動きが出て面白かったです。演出したのは…元・惑星ピスタチオ(←佐々木蔵之介さんも所属してた)西田シャトナーさんじゃないですかっ!彼の演出舞台初めて見ました。

それと、音楽。アニメでは全編ほとんどがクラシック音楽のを使っていましたが(←私はそれで覚えたクラシック曲がいくつもあります 笑)今回は三枝成彰さんのオリジナルになっています。SFものに相応しくダイナミックな音楽が多くて世界観にマッチしていたと思います。ただ、宇宙戦争シーンはやっぱりクラシック流してほしかったなとかも思いましたけど…。

で、この日はDVD収録日となっておりまして客席にはカメラがたくさん。私はどうも収録日に当たることが多い(笑)。ソワレではトークショーもあったらしくそちらも収録されるんだとか。DVD発売のことは知っていましたが、観てから決めようと思って最初には申し込みしなかった私。
…劇場出るとき、DVD申し込みしてしまった(笑)…。いや、ほんと、予想外に面白かったんで(笑)。

 

観劇日:2011年01月13日マチネ

主な出演者

ラインハルト:松坂桃李 、キルヒアイス:崎本大海 、アンネローゼ:白羽ゆり 、マリーンドルフ:宇野実彩子 、ロイエンタール:東山義久 、ミッターマイヤー:中河内雅貴 、オーベルシュタイン:貴水博之 、メルカッツ:ジェームス小野田 、フリードリヒ4世:長谷川初範 、ラインハルト父:堀川りょう(特別出演) ほか

 

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

 

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ストーリーはアスターテ会戦から幕開け。バックに流れている宇宙の映像がけっこう綺麗で、少し遠目の座席からだと本当に舞台全体が宇宙に見えてちょっとワクワクさせられました。問題は、どうやって宇宙戦争を表現するかだったんですが…これを、下から競りあがってきた大勢の黒い衣装を着たアンサンブルさんたちで構成。最初に出てきたときはあまりのアンサンブルの人数の多さにビックリしました(笑)。

彼らが隊列を色々変えて帝国軍のシップの動きを表現。さらには大勢で銀英伝の歴史についてもいっせいの語りといった表現方法で展開。その最中に後ろから神々しく(笑)ラインハルトが登場して指揮を執るといった演出方法になっていました。なるほどねぇぇぇ。ダンスの動きができるアンサンブルに艦隊を表現させるとは。

アスターテ会戦で武勲を挙げたラインハルトは幼い時に別れ別れとなり今は皇帝の妾となっている姉・アンネローゼのもとへ親友で忠臣のキルヒアイスと共に向かいます。ラインハルトが幼い頃、皇帝のもとへ半ば強制的に連れて行かれたアンネローゼでしたが、時が経ち皇帝との関係も良好な様子。しかしながらラインハルトにとっては皇帝は大切な姉を奪った怨みの対象でもあり…。

アニメではアンネローゼにほのかな恋心を寄せていたキルヒアイスが昔を思い出すといった展開になっていましたが、舞台ではラインハルトが姉に頼まれて地下室にワインを取りに行った時に回想するといった展開になっていました。ここの幼い日のシーンの作り方がなかなか上手いなぁと思いました。暗い場所の中でポツポツと出てくる思い出の中の人物達といった表現で一見すると地味なんですが、かなり想像力を搔き立てられた。少なくとも私はアニメでのあ名シーンの数々が次から次へと脳裏を過ぎり不覚にもウルっときてしまいましたよ。

 

同盟との戦い終結後にラインハルトを待ち受けていたのは帝国領土内での反対勢力との戦い。「金髪の小僧が」と彼を見下す門閥貴族達。権力を傘にしての傍若無人な振る舞いを続けるブラウンシュバイク公たち貴族に常に激しい敵意を抱いてきたラインハルトやキルヒアイス。若い将官を集め新たな体制を作り上げたラインハルトはついに彼らと対峙すべく立ち上がる。

この若い将校達の中には作品ファンから人気が高いミッターマイヤーやロイエンタールがいるのですが、そのなかでビッテンフェルトがずいぶんと原作やアニメから離れた人物設定になってるなぁと思いました。完全に三枚目キャラで、しかもちょっとスベり気味(爆)。原作ファンからすればここにはちょっと違和感を持つかもしれませんが、舞台版としてはこういう役割の人物も必要なのかもしれないなと思いましたね。それが熱血漢で猪突猛進のビッテンフェルトに当たったということで(笑)。

ちなみにミッターマイヤーやロイエンタールは動きは多かったもののちょっと存在感がこの舞台の中では薄かったかも。6月には外伝で彼らが主役になるらしいので今回は自己紹介的立場なのかなと…。

 

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妖しい存在感を放っていたのが参謀として新たに加わることになるオーベルシュタイン。彼は両目が義眼なんですけど…この取り外しシーンが出てきたとき思わずプッッと吹き出してしまった(笑)。なんか実写で観ると笑ってしまう(笑)。

このオーベルシュタインが不気味な存在感を放つのがあのヴェスターラント事件。自分の配下を殺害した住民に腹を立てたブラウンシュバイク公が周囲の反対を押し切って星ごと焼き尽くしてしまうという残酷な出来事が起こるのですが、この計画をオーベルシュタインはいち早く察知していたにもかかわらず黙認する決断をラインハルトに迫る。多くの罪のない一般庶民を見殺しにすることはラインハルトにとって耐え難いことではあっても、その残酷な事実を世間に知らしめてブラウンシュバイク公を孤立させるといったオーベルシュタインの冷酷な策に押し切られてしまう。大勢の市民を犠牲にしてしまったことへの自責の念に苦しむラインハルト、その行為を責めるキルヒアイス…二人の関係が危うくなる。

このシーン、アニメで観た時よりもかなりラインハルトが感情的になっていたのが印象的でした。一人の青年として自らの行為に対する罪の意識に押しつぶされそうになるシーンはグッとくるものがありましたね。あんなに取り乱したラインハルトっていうのもけっこう新鮮。そしてさらに哀しいのがこの事件のことでキルヒアイスと対立してしまうこと。これはアニメでも切なくて胸が痛んだなぁ…とか思い出したり。

 

そして運命の日。舞台でここのシーンまでやるとはねぇ…。孤立しながらも生に執着したブラウンシュバイクを毒殺した忠臣・アンスバッハが彼の遺体と共にラインハルトに面会にやってくる。そしてすぐさまラインハルトに銃口を向けるアンスバッハ…。ちなみにこのアンスバッハ、アニメ版よりもずっと若くイケメン系なのでちょっと戸惑いました(笑)。

ラインハルトを身を挺して守ったのはギクシャクした関係になってしまったキルヒアイス。アンスバッハの不意の攻撃により倒れるキルヒアイスに必死に語りかけるラインハルトのシーンは…やっぱり涙がこみ上げてきましたよ(涙)。本で読んだ時もアニメで見た時もボロ泣きしましたから…。私、キルヒアイスが大好きだったんですよ…。なので死んでしまった時はホントにショックで…。切ないよなぁ、この場面。そしてさらにアンネローゼに「お互いに失うものは何もなくなってしまった」と言われるラインハルトのシーンも切ない…。お互いに会うのはもうやめようと言う姉に「キルヒアイスを愛していたのですか?」と尋ねるラインハルト…答えの代わりに哀しげに俯くアンネローゼ…。泣けた…。

そして哀しみを乗りこえてラインハルトは前を向くことを誓う。

「失ったものの大きさに比べれば、宇宙くらい手に入れられないでどうする」

キルヒアイスと共に宇宙を手に入れることを思い描いてきたラインハルトの悲壮なまでの決意で幕を閉じます。

 

ちなみに、今回の舞台に同盟軍は一切出てこないのですが、戦いのシーンの最中になると何度も「ヤン・ウェンリー」という名前が登場してきました。恐らく近いうちに同盟国編も上演されるのでは。今回の舞台にその存在を出さなかったことは正解でしたね。帝国軍に、特にラインハルトとキルヒアイスの友情に焦点が当たって分かりやすくなってた。

まぁ、何にしろ、あの物語をよくぞここまでまとめたなと。端折ったシーンもたくさんあるけど、それなりに繋がっていたし想像していたものよりもけっこうちゃんとした舞台だったと思います。

 

キャストの皆さんも熱演で、しかもみんなコスプレがよくお似合い。けっこう自然に銀英伝の世界に溶け込んでいたのがまたすごいなと思ってしまった。

 

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ラインハルトを演じた松坂桃李くんが予想外にハマっててとてもよかった。初舞台ということなのでまだ慣れないような部分も見受けられたけど、ラインハルトという一人の青年の感情を熱く演じてくれてました。アニメとはイメージがちょっと違ってヘタレっぽい部分も多かったけど(笑)なんだか放っておけないような萌えっとくるような表情もあって好きでしたよ。

 

キルヒアイスを演じた崎本大海くんも予想外にすごくハマってた!かなりアニメに沿ったキャラクターになってて正直ビックリしましたよ。ラインハルトの傍にいつも寄り添い的確なアドバイスをしていくキルヒアイスを上手く演じていたと思います。最期のシーンはアニメと完全にだぶって見えて不覚にも涙が出たくらいだった。たまにちょっとセリフを噛んでしまっていたけど全体的にとてもよかったです。

 

中河内くんのミッターマイヤーはやたらかっこよかったですねぇ。思わずクリアファイル買っちゃったよ(笑)。今回はあまり魅せどころがなかったんだけど外伝に期待したいものです(←行く気満々 笑)

 

東山くんのロイエンタールはちょっとアニメとはイメージが違う感じで少し戸惑いも。アニメではひたすらダンディーみたいなイメージだったけど東山ロイエンタールはけっこう活動的なイメージ。

 

AAAの宇野実彩子ちゃんは声がよく通りますねぇ。舞台発声はとてもいいなと思いました。ヒルダのキャラクターも合っているとは思いますが、あまり活躍どころがなかったので今後もう少し見ていかないと分からないかも。

 

accessの貴水博之さんによるオーベルシュタインは予想外にハマッてました。アニメでは初老!?みたいなイメージだったけど舞台のオーベルシュタインはイケメン系(笑)。義眼の取り外しシーンの動きが面白くって吹き出してしまったけど、オーベルシュタインの冷酷さが表現れててなかなか良かったのではないでしょうか。

 

ハマッていたといえば白羽ゆりさんのアンネローゼ長谷川初範さんのフリードリヒ四世の二人!素晴らしい安定感だしアニメから出てきたのかとすら思ってしまったよ。特に長谷川さんの成りきりっぷりが素晴らしくて思わずプッと吹きそうになったくらいです(笑)。

それから園岡新太郎さんのブラウンシュバイク公もよかったなぁ!似てたよ~。最後まで園岡さんだと気がつかなくて、”誰だこのいい声で歌を聞かせてるのは”と思ったくらい(笑)。

ジェームズ小野田さんのメルカッツはアニメに比べるとちょっと存在感も薄いし威厳が感じられなかったのが残念だったかも…。なんとなく軽かったかな…みたいな。

 

そして今回の目玉キャストがラインハルトの父親役で出てきた堀川りょうさんですよ。堀川さんはアニメの銀英伝でずっとラインハルトの声を充てていたお方。私は堀川さんが「ウィングマン」で声優として出てきたときから知っているんですが・・・いやぁ、老けたなぁというのが第一印象。時の流れを感じました…。でも、お芝居はとても厚みがあってよかった。出番は少ないけど落ちぶれてしまった父親の哀しさをとても繊細に表現していたと思います。ラインハルトの声だったとは思えないくらいだった。桃李ラインハルトとのやりとりでは思わず「ラインハルトがラインハルトに説教してる」と見ちゃいましたけどね(笑)。

 

と、なんだか結局楽しんでしまった舞台版の銀英伝でした。外伝や今後上演されるであろう続編も気になってきたぞ。

 

銀河の歴史が、また、一ページ…