ミュージカル『ヘアスプレー 』博多公演 2022.10.17ソワレ/大阪公演 10.25ソワレ

ミュージカル『ヘアスプレー』を観に博多と大阪へ遠征してきました!

本当は博多公演と大阪公演と別々に感想を書こうと思っていたのですが、引っ越しの片付け作業など個人的にちょっとバタバタした時期だったので一緒にということになりました(汗)。
ちなみに、山口からの遠征となると博多が一番近いし交通費もグッと安いです。ただ、大阪のほうが興味のある公演数が多いので…岡山時代よりもかなり遠方になってしまったことが個人的にはちょいショックです。もう長いこと観劇のメインとしてきた大阪がこんなに遠くなってしまうとは(場合によっては東京遠征のほうが安くなる可能性すら 汗)。どうしても見たい演目は行こうと思いますが、回数は減るかも…。しばらくは博多に興味のある演目がたくさん来てくれることを祈るばかりです(苦笑)。

さて『ヘアスプレー』に関してですが…感想については後述しますけど、控えめに言っても本当に最高すぎました!!あ〜〜〜、これだよこれ!!!みたいな興奮と感動が体中を駆け巡るような素晴らしい時間を過ごすことができました。2020年に上演予定だったのが中止になって、主演の渡辺直美ちゃんもNYへ行ってしまったりでリベンジも難しいのかも…と半ば諦めていただけに、こうして日の目を見る日が訪れて本当に嬉しかったです。

博多公演は入り口の大階段のところから”ヘアスプレー”一色の装飾がなされていて気分が上がりましたねぇ。博多座に行くのは「千と千尋の神隠し」以来2度目でしたが、作品に対するリスペクトや盛り上げたいという気持ちが感じられてすごくいい劇場だなぁと思います。それに、客席と舞台との距離が近く音響もとても良い。博多座のミュージカル公演もっと増やして欲しいです!
ただ、ロビーがお店だらけでちょっと落ち着かないw。「これいかがですか?」みたいな店員さんのお誘いの声があちこちから聞こえてきて、購入するつもりがなかった私としてはちょっと申し訳ない気持ちに(汗)。でも、1つだけつい買ってしまいましたw。

『ヘアスプレー』の主人公・トレイシーをイメージしたカップケーキ(写真の色写りが微妙なのはご勘弁を 汗)。色んな種類があったのですが、ブルーのリボンが付いた”チョコバナナ味”をチョイス。めっちゃ美味しくいただきました。
その他にも、トレイシーサイズのビッグハンバーガーなるものも売っていて物販やさんも色々考えて作ってきたんだなと微笑ましく感じました。

実は今回の公演、グッズがなんとパンフレットしかなかったんです。一番色んな種類のグッズを作れそうな作品なのに、パンフオンリーというのはちょっともったいないなと。出せば絶対売れたはずなんですが…、おそらく権利問題など大人の事情があるのでしょう。なので、博多公演のときの飲食店酸によるオリジナル”ヘアスプレー”を意識した商品を目にできたのは何だか嬉しかったですね。
梅芸は歌舞伎劇場ではないのでそういうお店がないわけで、2階ロビーの物販コーナーが少し淋しげな状況になってました(汗)。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2022.10.17 ソワレ公演 in 博多座(福岡・博多)/10.25ソワレ公演 in 梅田芸術劇場メインホール

主なキャスト

  • トレイシー:渡辺直美
  • ”モーターマウス” メイベル:エリアンナ
  • リンク:三浦宏規
  • シーウィード:平間壮一
  • ペニー:清水くるみ
  • アンバー:田村芽実
  • コーニー・コリンズ:上口耕平
  • ウィルバー:石川禅
  • ヴェルマ:瀬奈じゅん
  • エドナ:山口祐一郎
  • スプリッツァー:川口竜也
  • ダイナマイツ:青野紗穂・MARIA-E・原田真絢
  • Mr.ピンキー:アレックス・カワモト
  • プルーディー:可知寛子
  • リトル・アイネス:荒川玲和

ダイナマイツの3美女・青野さんMARIA-Eさん原田さんの歌いっぷりも最高でした!!特に♪Welcome to the 60's♪での圧巻の盛り上げっぷりは鳥肌モノです。このナンバー、本当に大好きで、あそこまでソウルフルに迫力たっぷりで歌い上げてもらって本当に嬉しかった。

Mr.ピンキー役のアレックス・カワモトくんは初めましての役者さんでしたが、♪Welcome to〜♪でのブリブリっぷりがとてもキュートで、すごい人物なのに親しみやすさを感じる雰囲気がとても良かったと思います。それから、別役のシーウィードの友達として登場した時はやっぱり目を惹きますね。細身の体から繰り出される華麗なダンスも印象深かった。
東京公演前半は体調を崩してしまっていたようですが、元気に回復できて本当に良かったです。

リトル・アイネス役の荒川玲和さん、映画版を彷彿とさせる可愛い少女の雰囲気が出ててビックリ!

20歳過ぎてるのが信じられないくらい。見た目の可愛さももちろんあったけれど、幼いながらも過酷な社会の中で必死に生きようと頑張っているお芝居に心打たれるものが大きかったです。ダンスもキレキレだったし、メイベルやシーウィードとの家族愛も温かくてほんとに良かった。

他のアンサンブルさんたちのレベルもめっちゃ高い!!歌えるし踊れるしお芝居もできるし、逸材しかいない。これこそ最高のミュージカルだなって思いました。

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概要とあらすじ

オリジナルの原作は、1988年にジョン・ウォーターズが監督したコメディ映画『ヘアスプレー』でミュージカルではありませんでした。初めてミュージカルとして上演されたのは2002年のアメリカ・ブロードウェイ。翌年のトニー賞では13部門がノミネートされ、ミュージカル作品賞などの8部門を制覇するほどの大ヒット作となりました。

2007年にはミュージカル版を原作として映画化が実現。アダム・シャンクマンが監督と振付を担当。

ジョン・トラヴォルタ (出演), ミシェル・ファイファー (出演), アダム・シャンクマン (監督) 形式: Blu-ray

主役のトレイシー役に当時新人だったニッキー・ブロンスキーが大抜擢されたことでも話題を集めていました。また、トレイシーの母親であるエドナ役に70年代『サタデー・ナイト・フィーバー』などで一世風靡したジョン・トラボルタが配役されたことも大きな話題となりました。

日本での初演は当初2020年となるはずでしたが新型コロナ禍の煽りを受けて中止に(涙)。主演を務めるはずだった渡辺直美さんがNYへ旅立ってしまったこともあり上演困難になってしまったと諦めていましたが、ついに満を持して2022年秋の日本公演実現という運びとなりました。
9月から10月までの東京公演を経て、博多、大阪、名古屋にて上演。私は幸運にも博多と大阪の2公演を観ることができましたが、チケット入手困難で連日満員御礼になるほどの人気っぷりでした。

簡単なあらすじは以下の通り。

1960年代アメリカ、ボルティモア州に住むトレイシー・ターンブラッド(渡辺直美)は、ダンスが大好きでちょっぴりビッグサイズな女の子。彼女の夢は、大人気のテレビダンス番組「コーニー・コリンズ・ショー」のダンサーになること。そんなある日、トレイシーの元に番組で新メンバーを募集するニュースが飛び込んでくる。オーディションを受けたいと両親に懇願し、心配性でトレイシーと同じくビッグサイズな母のエドナ(山口祐一郎)に反対を受けながらも、自慢の髪型をバッチリ決めてオーディション会場へと向かう。しかし太っているという理由で一方的にオーディションの受験を拒否されてしまい――。

<公式HPより引用>

上演時間は1幕75分、休憩30分、2幕60分の内訳で合計約2時間45分になります。

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全体感想

最初にも書きましたが、本当にもう、控えめに言っても”最高!!”と呼べるような素晴らしい舞台でした。『ヘアスプレー』は映画で初めて見た時に衝撃受けて、大好きな楽曲はipod(←未だに使ってるw)に入れて何度も聴いているほど大好きなんです。そのナンバーを生で体感するたびに感情がものすごく盛り上がって気が付いたらボロボロ涙が零れてしまった。

来日公演は過去にもありましたが、私は観に行ったことがなくて。いつか日本公演で見てみたいとずっと思っていたのですが…、この作品のテーマにアメリカが抱える「黒人(人種)差別問題」が織り込まれていたことから日本ではちょっと難しいのかなと半ば少し諦めていたところがありました。
『ヘアスプレー』は楽しくポップな音楽で溢れている作品ではありますが、内容を見てみるとアメリカならではのシビアで深刻な問題テーマが根底にあり、そこの部分を日本で表現できるか…見る側にどう伝えるのかといった部分で壁があるかなと感じてきました。

日本語版はそういった問題提起を投げかけつつも、壁を打ち破り前進することの尊さを前面に押し出した雰囲気になっていたのでとても見やすい作品になっていたと思います。どんなに跳ね返されたとしても、より良き未来のために諦めずに乗り越えようと前向きに奮闘していく主人公のトレイシーや仲間たちの姿は大変眩しく、心打つものも大きかった。日本版として上演されることになって本当に良かったなと思いました。

舞台セットがとにかく可愛い!!トレイシー自慢の”ヘアスタイル”に模られた大型セットがいろんな動きで舞台上のドラマに花を添えている。どんなシビアな問題が起こっても、彼女の持つまっすぐで明るく突き進んでいく力があれば乗り越えていけるというメッセージが込められているようにも感じました。

そしてなんと言っても楽曲がもうほんっっとに最高に素晴らしいのですっ!!映画版で初めて聴いた時から血沸き肉躍る感覚が止まらない、めちゃめちゃゾクゾクするっ!!特に私の気に入っているナンバーを少しご紹介。

♪Good Morning Baltimore(グッドモーニング・ボルチモア)♪

『ヘアスプレー』の一番最初のナンバーですが、トレイシーがベッドの上でパチリと目覚めた瞬間に歌い出すっていう演出が実に斬新でインパクト絶大。さらにパジャマ姿から学校へ行くための服に早替え(引抜き)するシーンは思わず拍手したくなるほどワクワクします。もうねぇ、あの、”これから楽しくてワクワクするような一日が始まるよ”的な雰囲気が堪らなく好きなんですよ。トレイシーがボルチモアという街をとても愛している気持ちがひしひしと伝わってきます。「約束する、ボルチモア」の歌詞のところなんか感極まってボロボロ涙が零れてきたほど胸揺さぶられてしまった。映画版でも心奪われたあの楽曲を日本語訳で観ることができる幸せがどっと押し寄せてきた感じ。

♪"The Nicest Kids in Town(最高にイカしたやつら)♪

トレイシーと親友のペニーが大好きで夢中になってるテレビショー「コーニー・コリンズショー」のOPテーマになってるナンバー。もう邦題タイトル通り、さいっっこうにイカしたナンバーなんですわ、これがっ!!!さらに血沸き肉踊って手拍子せずにはいられない衝動に駆られてしまう。60年代のアメリカの持っている熱気が体の中を駆け巡っていくかのよう。トレイシーたちが夢中になる気持ち、めっちゃ分かるよ!!って思いながら見てしまう場面でもあります。

♪I Can Hear the Bells(鐘の音が聞こえる)♪

実はこのナンバーはipodに入れてなかったのですが、改めて舞台で見てめっちゃ面白いなと思ってしまった。トレイシーがコリンズショーに出演していたリンクに本当に惚れちゃって気持ちが盛り上がるっていうシーンなのですが、このナンバーを歌ってるトレイシーと付き添いで来たペニー、そしてリンク以外の登場人物たちは動きがピタリと止まってるって設定なんですよね。トレイシーの完全なる妄想の世界を表現してる(ペニーだけはもしかしたら特殊能力があって動けてたのかもしれないww)ってことで。
めちゃめちゃベタな少女漫画的な展開になってるわけですが、なぜかすごく惹かれるものがある。等身大の女の子って感じで微笑ましくもあり、リンクに気持ちがどんどん盛り上がっていくパワフルな彼女が羨ましくも感じたり。

ちなみにこの場面の細かい見所としては、ペニーがストップしてる人物たちを自分の思うままに動かしちゃってるとこww。博多で見た時と大阪で見た時では全然違うことやってたので思わず笑っちゃったよww。あと、三浦リンクの素晴らしいストップポージング。めちゃめちゃ美しい立ち姿にビックリ!!

♪居残り♪

このシーンでトレイシーは黒人のシーウィードと出会うわけですが、「毎日がブラックデーだったらいいのに」と深い意味を考えずに口走ってしまう場面があります。最初は彼女に好意的な印象を持った彼らもその言葉に表情を曇らせてしまうわけで…。でも、トレイシーが純粋に黒人の織り成すエンターテイメントを愛しているのだということはすぐに理解されるところとなり一気に距離が縮まるわけで。
ここは色々と考えさせられるものがありましたね。シビアな現実に複雑な感情を持っている黒人たちの現状が垣間見えるシーンでもあるわけで、その世界に「大好き」という気持ちだけで受け入れられてしまうトレイシーは本当に凄い子だなと思ったし、受け入れるシーウィードたちも心が広いなと思いました。

♪It Takes Two(ふたりでひとつ)♪

学園祭がきっかけで”コー二ー・コリンズショー”の新たな一員に選ばれたトレイシーが、ソロを歌うリンクに釘付けになってしまう場面。リンクにロックオンして周囲が止めるのも突破して彼に接近していくトレイシーがとにかくパワフル(ちょっと怖いけどw)。
リンクはこの時点ではけっこうグイグイくる彼女の圧にビビりまくってて、どちらかというと逃げてるんですよね。いや、そりゃそうだよって思うところ大きいし(笑)。しかも最後は強行突破してめちゃめちゃ大胆な行動に出てしまうトレイシー。あの時点で彼女が嫌われてもおかしくないレベルなんだけど、リンクはそうならなくて。そこがこの作品の面白いところでもあるかなって思いました。

さらにリンクは学校で酷い目にあわされてるトレイシーを庇おうとしてくれるし、倒れた彼女に駆け寄ったかと思ったら突然”鐘”が鳴っちゃうわけで(笑)。一体彼に何が起こったのか!?状態ww。だけど、人を差別するような子じゃないってことはすごく伝わってくるのでそうなるのも必然だったのかもねと思えてしまう。

♪"Welcome to the 60's(ようこそ60年代へ)♪

自分の体形を気にするあまり外出することがほとんどなかったトレイシーの母・エドナ。そんな彼女が、娘が飛躍できるタイミングを機に思い切って外の世界へと飛びだしていくシーン。このナンバー、もう、ほんっっっとに、大大大好きなんですよっ!ipodで何度聞いたか分からない。それを、日本語版の生の舞台で観れるなんて…なんかそれだけで感極まってしまって博多でも大阪でもボロボロ涙が零れて仕方なかったです。それくらい感激しちゃったんですよね。

このナンバーにはありったけの希望が詰まってるような気がするのです。きっと外にはもっと素晴らしい出来事が待ってるよ、と背中を押されているような。前向きでパワフルで行動的な娘のトレイシーに引っ張られるようにエドナが見る見るうちに生き生きしていく姿は本当に感動的。一歩踏み出す勇気を与えてくれるような素晴らしい明るい楽曲だと思います。

♪Big, Blonde and Beautiful♪

1幕クライマックス、トレイシーはめでたく恋仲となったリンクと一緒にシーウィードの母が経営しているレコードショップのパーティへ招かれる。最初は戸惑い気味だったリンクでしたが、気さくなシーウィードの人柄に惹かれてかすぐに友達になれちゃう。イケメンでキラキラしながらもちょっと単細胞的なところがある彼だけど、どんな立場の子でも心が通じ合えばすぐに受け入れられる懐の広さはとても素敵だなと思います。特にこの時代は黒人差別がかなり激しかったでしょうからなおさらね…。
トレイシーやリンク、そして彼女の友達や家族はたとえどんな見た目でも”人”として相手と向き合う純粋さがあります。それがものすごいこの作品の中で救いになってる気がしてグッときてしまう。その対極にいるのがトレイシーを敵視するアンバーとヴェルマの母娘、そして白人の取り巻き達。『ヘアスプレー』のなかでは敵キャラの立ち位置になっていますが、当時はそれがごく当たり前だったのだろうなと…。改めて人種問題は複雑な問題が大きいのだと思い知らされた気がします。

トレイシーはなんとか差別問題を打破したい、友達になってくれて…さらにテレビ出演のきっかけを与えてくれたシーウィードたちを救いたいという一心で大規模デモを計画します。リンクはその輪に加わる勇気が持てずトレイシーからいったん離れてしまいますが、それでも彼女の決意は変わらない。そんな強い想いに引きつけられた皆がプラカードを掲げて差別撤回を訴えるため待ちへと飛びだしていく。
シーウィードの母・メイベルのパワフルな歌声に先導されながらソウルフルに歌い行進する場面は本当に何度見ても胸熱くなるしこみ上げてくるものが大きかった。「自由を求める声が!」と声を上げながら白人たちの邪魔にも怯まずに突き進んでいくこの場面はめちゃめちゃ胸揺さぶられる。そしてそれを目の当たりにしたリンクが「君はすごい…」とトレイシーを称えながらガックリ膝をつく場面もとても印象深いです。

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♪You’re Timeless to Me(ふたりはいつまでも)♪

トレイシーと一緒に差別抗議のデモに参加し一旦は捕らわれの身となってしまったエドナ。でも、機転を利かせた夫のウィルバーの尽力によって牢から出ることができました。ただ、トレイシーだけは今後について一人で考えたいと一緒に出ることを拒んでしまう。娘を置いて出てきてしまったことに激しい自己嫌悪に陥るエドナを、ウィルバーが「娘を信じよう」と優しく温かく諭してくれる場面。

まずここで面白いのが、ウィルバーが閉店作業をするシーン。ピタゴラスイッチ的なやつが見れるのが楽しい。ジョークショップをやっている彼らしい演出でもあります。これ、博多の時は一発で成功しましたが大阪の時はちょっと「あれ!?」みたいなことになっててスリルあったな(笑)。禅さんの反応がいちいち可愛らしかったw。
さらにウィルバーが”その時”のためにと発明していたスプレーの仕掛け。この試作品を披露した時のエドナの「これ、すごい…のよね??」みたいな反応がまた可愛らしくて笑っちゃいましたww。

ウィルバーはとても愛情深い人物で彼の一言一句を聴くだけでもなんだかジーンと来てしまいますね。エドナはそんな彼だからこそ結婚したいと思ったのだろうなと納得。お互いに素敵な人に巡り合えてよかったねと心から思える癒しのナンバーです。

♪Without Love(愛こそすべて)♪

このナンバーもipodに入れて何度も聴きこんだほど大好きなナンバーです!!映画版とは場面的に違う雰囲気なんだけど(映画のリンクはトレイシーの脱獄を助けてません)、もうこの曲が流れてきただけで気持ちがグワーーーっと上がってまた涙してしまった。

トレイシーとリンクの牢屋越しのラブラブっぷりが熱い!!あの愛の力の勢いが、スプレーに宿ってああいう結果になったのかなと思ったほど(←このシーン、普通に見ると「え!?」ってなるかも 笑)。それと同時進行しているシーウィードとペニーのラブラブっぷりもまた熱々でなんだかグッときちゃうんですよね。
ペニーはいつもホワワンとした天然さんな女の子なんだけど(牢から出るとき、一人残ったトレイシーに「数学の試験受けられなくて羨ましい」って言っちゃうところとかねw)、ちゃんと人を見る目があるのがとても素敵なんですよね。”人間”として信頼ができると思える人とは、たとえ見た目がどうだろうが関係ない。本来人としてあるべき心を彼女は持っている。だから、ペニーが本当に愛する人を自覚したこの場面はなんだかとても感動的でもあるんです。

♪I Know Where I've Been(過去から未来へ)♪

このシーンの冒頭で脱獄したトレイシーたちを追う警察車両の音が聴こえてくるんですが、ヘリの音も響いてくるんですよね。ヘリコプターの音聴くと、なんだか『ミス・サイゴン』の世界が一瞬頭の中に過ってしまうw。全然作品の色が違うんだけどね。それは置いといて…。
このナンバーには本当に心打たれました!!!博多でも大阪でも涙が止まりませんでしたよ…。これでもかというほど胸揺さぶられて泣いたなぁ(涙)。

リンクの手助けで脱獄に成功したトレイシーでしたが、そのことでまた多くの人に迷惑をかけ巻き込んでしまうかもしれないと我に返り「牢屋に戻る」と告げる。でもそんな彼女にシーウィードの母、メイベルは「一度失敗したくらいで諦めてしまうの?」と問いかける。
最初は”黒人だから仕方がない”といった諦めの境地を持っていた彼女でしたが、そんな世の中を打ち破ろうというトレイシーの熱意ある言葉や行動に大いに励まされ前に進む勇気を持ったんですよね。だからこそ、トレイシーにはその行動を後悔してほしくなかっただろうし、これをきっかけに世の中を変えていきたいと強く感じたであろうメイベル。

最初は「これ以上運動を続けるのはリスクが高すぎる」と後ろ向きだった黒人の仲間たちが、メイベルの歌声に惹きつけられるように一人、また一人と共に立ち上がる勇気を奮い立たせていく。まるで彼女の魂が隅々にまで浸透し引き継がれていくように見えて、ものすごく感動的(涙)。トレイシーもまた、そんな声に背中を押されもう一度彼らと共に立ち上がろうと決意するわけで…この時の一体感が本当に素晴らしく涙が止まりませんでした。

ちなみに、トレイシーとリンクがメイベルの店に駆け込んできたときに「脱獄よりもタクシーでここまでたどり着くまでが大変だった」というニュアンスのセリフがありました。サラッと聞くとコメディタッチの効いたものにも思えるけど、実はこれって”差別”的な目に遭ったという意味が込められてると思うので(あの当時、白人のタクシーの運転手は黒人の街まで乗せてはくれなかったと思います)笑うってシーンではないような気がします。アメリカでは笑えない人のほうが多いかもしれません。

この作品、ちょいちょいコメディ的に聞こえても実は風刺を利かせてるみたいなセリフがあるんですよね。トレイシーは差別反対の立場を取っていますが、時々”黒人”にはちょっとグサッとくるような言葉をさらりと口にしてしまうことがある。彼女自身も体型のことで周りから差別的な目で見られていましたが、それと黒人の問題とはまた別だったのかもしれないなとちょっと思いました。

♪You Can't Stop the Beat(ビートは止められない)パート1・2♪

2幕クライマックス、熱狂のロックナンバー!!まさに、「You Can't Stop the Beat!!」ですよっっ(もう言葉になってないw)。トレイシーが正面突破して現れてからの約15分間は、すべての問題を吹っ飛ばすような最高にロックでハッピーな時間でした。このナンバー創り出した人、ホント天才ですよ!手拍子せずにはいられない、というか、一緒に舞台の上に上がって踊りだしたくなるような衝動すら覚えるくらい。

個人的にはペニーの母・プルーディーのラストの行動がかなりグッと来ました。強烈なスパルタ教育ママで黒人である彼女は、シーウィードと娘の交際に天地がひっくり返るくらい衝撃を受けたはず。実際映画では卒倒する勢いで叫んでますしねw。でも、舞台では最後の最後に「母」としての顔を見せてくれるのです。あのお母さんが…と思うとめちゃめちゃ感動的だった。

私は映画でしかこの作品を観ていなかったので、それとは違う舞台版のラストシーンがめちゃめちゃ素敵だなと思いました。すべてに救いがあります。「分断ではなく融合」の理想が繰り広げられる世界はとにかく眩しくて美しい。この『ヘアスプレー』のラストシーンのような世界が実現したらどんなにか素晴らしいだろうと思わずにはいられません。

少し長くなったのでキャストの感想などは次のページにて。