ミュージカル『ジャージーボーイズ 』東京公演 2022.10.13ソワレ(チームGREEN)

ミュージカル『ジャージーボーイズ』を観に東京へ遠征してきました!

岡山から行くつもりで確保したチケットでしたが、旅行支援割を待ってまだ購入していなかったので買い直すことなく山口便で予約できたやつです。結局東京はこの時期割引開始前だったのでお得な金額にはならなかったんですけどね(苦笑)。
っていうか、初めて山口から東京まで飛んだんですけど…けっこう距離を感じました(天候悪ければ揺れの時間も長いし 汗)。改めて、劇場から遠い地域まで行ってしまったのだなぁと実感。これ以上は遠くなりたくないんだけど、こればかりは神のみぞ知る…。

さて、今回2年ぶりに再演となった『ジャージー・ボーイズ』。私は何故だかこの作品が本当に大好きでして、2016年のシアタークリエ公演、2018年のシアターオーブでのコンサート、その年の秋に上演された新歌舞伎座公演(大阪)と通い続けています。
2020年はついに帝国劇場に進出し上演されることが決まっていましたが、新型コロナ禍の煽りを受け本編としての公演は断念という無念の結果に…。でも、そのあとコンサート形式での上演が決まってLIVE配信も実現。本当は現地に行きたかったけど、この時期は遠征が厳しかったので配信公演で観ました(無観客だったのが余計涙を誘ったっけ…)。

あれから約2年、満を持して本編上演が実現。全国ツアーも企画され再び息を吹き返した『ジャージー・ボーイズ』。復活してくれたこと、本当に嬉しかったです。しかも、ついに主役のフランキー・ヴァリ役に新しくDa-iCEの花村想太くんが加入するというさらに喜ばしいお知らせも!!この役は演じられる役者が限られてくるのでずっとアッキーが一人で両チーム兼任して頑張ってきたわけですが…、ついにそのレベルで歌える人が現れたのです。もうこれは楽しみしかなかったですよね、本当に。

今回は中川フランキーのチームBLACKと花村フランキーのチームGREENに色分け。一気に東京で両チームを観ても良かったのですが、予定や特典などと照らし合わせてまずはチームGREENのみを観劇する計画で遠征ということにしました。ちなみにチームBLACKは11月の大阪で観劇予定です(この日はトークイベントもあるし)。

お目当てだった特典はカッコいいチームGREENのA6サイズクリアファイル!!コレクター気質の私としてはたまらない一品でありますw。

物販は色々ありましたが、今回はパンフレットのみ購入するつもりでいました。というのも、すでにJBペンライトを購入済だったからです。ところが、引っ越しの荷物の整理がまだできてなくて…どのダンボールに入れたかわからなくなりこの時点では発掘できずじまい(苦笑)。それでもギリギリまで買うのを我慢しようと心に決めていたのですが…、並んでいた皆さんパンフレットとセットでどんどん購入していくわけで。順番が来たときについ、パンフと一緒にライトもお買い上げしてしもうたww。はい、誘惑に負けました(←けっこうお値段張るんだけどね 苦笑)。

まぁ、前回購入したライトは「ホワイト」「レッド」「ブルー」だったからなぁ。今回は「グリーン」と「ブラック」だし、買っちゃったことも致し方なし…と思うことにしましたw。

2階席は少し空席が多かったように見受けられましたが(開演前から舞台上にある多数のモニターに客席全体像が映し出されていたので把握できた)1階席はほぼ8割以上は埋まっていたと思います。男性のお客さんもけっこう多くて、改めてこの作品が男女問わず色々な世代の皆さんに愛されているんだなと実感いたしました。

『ジャージー・ボーイズ』感想一覧

ジャージー・ボーイズ
「ジャージー・ボーイズ」の記事一覧です。

以下、大いにネタバレを含んだ感想になります。

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2022.10.13 ソワレ公演 in 日生劇場(東京・日比谷)

キャスト

チームGREEN

  • フランキー:花村想太(Da-iCE)
  • トミー:尾上右近
  • ボブ:有澤樟太郎
  • ニック:Spi

アンサンブル

加藤潤一・山路和弘・戸井勝海

綿引さやか・小此木麻里・ダンドイ舞莉花・遠藤瑠美子

大音智海・山野靖博・若松渓太・杉浦奎介・岡施孜

メインキャストの花村くん、有澤くんの他にもアンサンブルメンバーも半分くらい変わりましたね。

女性陣ではまりゑさんが抜けられてしまったのがちょっと残念でしたが、ダンドイ舞莉花さん…めっちゃ華やかで美人さんでどのシーンでも目で追ってしまうくらい舞台映えしてました。フランキーの娘のフランシーヌ役も出番は短いけどとても印象深かったです。

男性陣は1人増えて5人体制になりました(2020年のコンサートバージョンの時も5人だったかも)。

初演の頃はまだ高校生だった石川新太くんは卒業かな。ここ最近は大人っぽくなって色んな作品に出演してて嬉しい。白石拓也くんは22年から劇団四季に所属となったのでこちらも卒業かな。JBにずっと出演していた二人なので次の活躍も注目してます。
新しく加入した杉浦くん、岡くん、今回からとは思えないほどJBに馴染んでいて色んなシーンで魅力的な存在感を放っていました。若松くんはコンサートの時からの参加ですね。石川君とはまた違った弾けてテンション高いジョー・ペシを魅せてくれてすごく面白かったです。

※あらすじと概要については2018年公演の記事を参照

ミュージカル『ジャージーボーイズ 』大阪公演 2018.10.26~27
ミュージカル『ジャージーボーイズ』感想。新歌舞伎座にて2018年10月26日ソワレ(ホワイト)・10月27日ソワレ(ブルー)公演を観劇。主なキャストは、中川晃教、中河内雅貴、伊礼彼方、海宝直人、矢崎広、福井晶一、Spi
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全体感想

基本的に初演からほぼ同じ雰囲気だったと思うのですが、日生というキャパ数が多い劇場に移ったこともあってかしっかりしたセットに生まれ変わったなと感じました。というか、雰囲気がすごく明るくなった印象がすごい強かったですね。以前見た時は骨組みセットも今より簡易的な感じだったしライトも少し暗く設定されていたような気がする。
牢屋のシーンなどに出てくる扉に鉄枠をもう一つはめてより”ドア”っぽく見えるようになったり、監獄の中に”おトイレ”がちゃんと置かれていたりw。細かいところでけっこうリアルに近いセットになったなという印象。FOUR SEASONSのネオン管も以前よりもしっかりした作りになっていて(彫りが深くなってたw)遠い席からも見やすく設計されていたんじゃないかなと思います。ネオン管に関しては始まる前からセットの一部に組み込まれていて客席からも見えるようになっていました。

それから、上手と下手に置かれているモニターがかなり高く積まれていてビックリw。以前見た時はあそこまでなかったような!?やはり劇場が大きくなったのであのくらいあったほうがバランス的にはいいのかも。ちなみにこのモニター演出は日本オリジナルの藤田さんならではのものとのことです。

モニターには物語の補足的な映像が流れたりするので、よりドラマの世界観が伝わりやすくなってると思います。それから、実際にキャストさんがカメラを回して撮影したものがそのまま生で映し出されるのも面白い(ボブ・クルー役を演じている加藤潤一くんがカメラマンに扮して回しているらしい!)。客席も写り込んだりしてるので観ている側も作品に参加しているかのような気持ちにさせられるのも魅力。舞台上のカンパニーの皆さんとの一体感が味わえるのが良いですよね。ちょっと『RENT』の演出と重なるかなぁ。

あと、宝塚もビックリな大階段が今回も健在。あれは高所恐怖症の人だったら足がすくむレベルですよね。最上段には楽屋鏡のセットが配置されてるわけですから、藤田さんも酷なことをなさるなとw。まぁ、楽屋のシーンは2−3回くらいしか登場しませんが。
ただ、あそこまで高い位置にセットがあるとなると…前方席の位置からはけっこう見づらいかもしれません。相当見上げなきゃだし、見上げてもキャストさんの表情をしっかり見れるのかどうかも怪しいところかも(汗)。上手と下手にはモニターがかなり高く積まれてますから前方の端っこの席とかはもしかしたら上部は見づらいかもしれないなぁ。

そういう意味では、斬新でダイナミックなセット配置や演出は面白いんだけど観る位置を選ぶ作品でもあるかなとも思います。個人的には真ん中からちょっと後ろくらいが一番丁度いいのかなと。日生でいうとGC席中央がベストかもしれない。もう少し色んな角度から見やすい演出に変えても良いような気はしますね。次回からそのあたりも検討してもらえるとありがたいかも。

舞台全体の演出に関しては、前回公演からちょいちょい変更になったところがありました。気がついたシーンをいくつか。

まず衣装が全体的に変わったなぁという印象。初期の頃の服装が以前より少し地味になったかな…みたいな。その代わり赤いジャケットがちょっとゴージャスな雰囲気になりました。光沢のある生地で仕立てられていてカッコ良かったです。

フランキー初登場の場面。客席通路から若い男性がスーッと歩いてきて「!?」となっていたら、なんとそれが花村くん演じるフランキーだった!ついにジャージーも通路演出解禁ということでしょうか。
客席降り演出はニックがメンバーから離れることを告げる場面でもありました。この時は数歩歩いてからまた舞台に戻るって感じ。

新しく”フォーシーズンズ”と名前を変えた4人、ボブが書いた曲がラジオ局で何回もかけられたというエピソードが出てくる場面。ここでDJが「この曲だぁ〜〜い好きっ!!」ってめっちゃキュートに叫ぶのですが、以前はジップ・デカルロを演じてた役者さん(阿部裕さん)が担当していたのですが、今回からアンサンブルさん(大音くんかな)の担当に代わっていました。
めっちゃテンション高く演じてくれて可愛かったのですが、個人的には新しくジップ役になった山路さんの「だぁ〜〜い好きっ!」も聞いてみたかったなと(笑)。今回のジップはめっちゃアウトローな雰囲気醸し出しまくってるので、そのイメージ維持のために配置換えされたんですかねぇw。それだけはちょっと残念だった。

ボブがフランキーにパートナーシップを結ぼうと個人的に申し出る場面。少し渋っていたフランキーが「ホーンセクションを全部つけるから」と説得するボブの言葉にテンション上がってその話を受けてしまうわけですが、ここのやり取りが以前よりも少しテンポダウンした雰囲気があって、そのことで二人の関係性の流れが分かりやすくなったなと感じました。
うまく乗せるボブと、美味い話にすぐ乗りやすいフランキーの単純な性格みたいなものがより浮き彫りになっていて面白かったです。

トミーの莫大な借金をどうするかについて話し合う場面。そのさなかに突然ニックがキレてトミーの破天荒っぷりをぶちまけるのですが(洗面所エピソードがけっこうヤバいww)、前回まではニックが怒りのテンションそのままに叫ぶと同時に椅子を乱暴にひっくり返すという演出があったのですが、今回からそのリアクションがなくなりました。あの椅子をひっくり返すシーンは分かっていてもいつもビクッとなってしまうので、個人的にはそれがなくなってちょっとホッとしたかもw。

あと、相談してるときの椅子の配置も変わりましたね。以前は上手側にフォーシーズンズのメンバーが固まって座っていて向かい合うようにジップとワックスマンが配置されてたと思うのですが、劇場が大きくなったこともあってかフォーシーズンズメンバーは舞台を広く一列に並んで(客席に背を向けて)座るという感じに変わりました。

グループからトミーが強制的に抜けさせられ、程なくしてニックも突然去ってしまう場面。ニックが抜けてしばらくした後…というシーンに移るのですがそれと同時にボブにが装着されていました。
今まではそのままの姿でラスト寸前まで進んでいましたが、今回から時間の流れが分かりやすくなったと思います。でも最初に見た時は思わずオペラグラスで「!?」と確認しちゃったよww。

フランシーヌが悲劇に見舞われてしまいフランキーが悲しみに沈む場面。「自分を責めるな」と優しい声をかける神父様に対し「じゃあ誰を責めれば?」とフランキーが問い返す台詞は以前なかったような気がします。この一言が加わったことで、彼の娘を失ったことへの哀しみがより深く伝わってきて切なかった(涙)。

ラストシーン。4人が一人ずつ最上階の控室から降りてきて語るという演出は変わらないのですが、最初から老けメイクではなくなっていたので(フランキーとボブもいつの間にか若返ってたw)、最後の瞬間に老人装備を引っ剥がすといった印象的なシーンではなくなっていました。個人的には、ラストの個人語りの最後に老人から若返るといった演出がとても好きだったので、ここだけはちょっと残念でした。
フランキーとボブが今までよりも早い段階で年令を重ねたメイクになったことでバランス取るために老けメイクじゃなくしたのかも?

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フランキー、トミー、ボブ、ニックの4人のグループ名が「フォーシーズンズ」だったことにちなんで彼らの歴史が春・夏・秋・冬に分けて語られているスタイル(起承転結になってる)が大きな魅力のこの作品。
この語りのリレーが実にスムーズで自然。グループ内でいがみ合ったりすることも多かったけど、ちゃんと仲間のバトンを引き継いでいるなと感じられるのがいいんだよねぇ。チームGREEN は新しい風が吹いたような爽やかさと、若さゆえの危うさが同居している雰囲気が印象的だった。それゆえに、いがみ合う場面があっても心のどこかでは必ず繋がっているという絆の強さが感じられたのがとても良かったです。

ここ最近色々なジュークボックスミュージカルが増えてきましたが、やはり聴き馴染みのある曲がたくさん登場してくると「あ、これ知ってる!」とテンションも上がるしストーリーも入って来やすい。このミュージカルを観るまでは”フォーシーズンズ”というグループが存在したことは知らなかったのですが、登場する楽曲の半分以上が聴いたことがあるものでした。洋楽にはとんと疎い私でも知っている曲がめちゃめちゃ多くて「この曲も彼らが最初に歌っていたのか!」と驚かされたものです。

ハチャメチャで何度も警察のお世話になっていたトミーが音楽でテッペンを取りに行くためにバンドメンバーを結成する。そんな彼の一番の功績は、フランキー・ヴァリという天使の歌声を持つ一人の青年を見出したこと。フランキーはトミーのムチャブリに振り回されながらも、ライブを繰り返していく中で歌うことの悦びに開眼していきます。
大きなやりがいを求めて模索し続けてきたトミーにとって、もしかしたらそのことが一番嬉しい出来事だったのかもしれないなと今回ふと思いました。どんどん歌が上達していくフランキーに対し「俺の自慢だ」と告げるシーンがあるんですが、このセリフが今まで見てきた中で一番グッときて泣けたんですよね。

ボブがフランキーの歌声に衝撃を受けてグループの仲間入りを決意するシーン。”オーディション”で彼が歌う新曲♪Cry For Me♪は徐々に4人の気持ちが歌を通して近づいていく感じがしてウルウルしてしまう。爽やかで突き抜けるようなボブの歌声の引力にフランキー、ニック、そして最後にトミーが惹きつけられるっていう展開がすごく良い。彼が加わることによって、バンドの将来に光が見えてくるんだろうなという空気が伝わってきます。ここはJBの中でも特に好きな場面のひとつ。

大物プロデューサーのクルーに見出されながらもなかなか日の目を見ることができず焦る4人。そんなある日、ボブが「これだ!」という曲を書き上げついにレコーディングという運びになるものの資金不足で厳しいという状況に。この時にトミーが率先して自分が資金調達すると言って闇の組織から借金をしてしまう。でも、結局はクルーの父親がお金を出してくれることになってしまうわけで…この時トミーがものすごく複雑な傷ついたような表情を一瞬見せるんですよね。
弱味を見せまいとみんなの前では何とか平然と振舞ってたけど、心の中では自分が頼りにされてなかったと実感して寂しかったんじゃないかなぁと。そう思ったらなんだかめちゃめちゃ切なくて見てるこちらの胸も痛んでしまいました(涙)。

この時発表した♪Sherry♪が大当たりして、そのあと次々にヒット曲を連発していくフォーシーズンズ。♪Big Girls Don't Cry♪♪Walk Like a Man♪が披露されていくシーンはもう4人のコーラスが素晴らしすぎてめちゃめちゃ心が踊ります!!♪Walk~♪のレコーディング前にトミーが歌詞の意味がよく理解できなくて一人だけ「?」になっちゃうシーンは可愛らしくてめっちゃ萌えるw。
この時ニックがトミーに呆れながらも歌詞の意味を説明してやってる姿がなんだかお兄ちゃんみたいに見えて微笑ましかった。後に分かる、実は心の中で不満を抱えてるとは思えないほどです。

グループがの人気がぐんぐん上昇する最中、ボブはフランキーにこっそりと個別にパートナー契約を結ぼうと持ち掛けます。フランキーは最初はトミーやニックを気遣ってか渋った態度をとるけれども、ボブの巧みな話術に乗せられてコロッとOKしちゃうw。ボブはたぶんフランキーがメンバーにいなかったらグループの仲間には入らなかったと思うから、この流れは必然だったかなと思ってしまいますね。フランキーはそんなボブの本心を読みきれてなくて…このあたりの未熟さがなんとももどかしかったりします。
でも、一番切ないのはこのやり取りをニックが見て知ってしまったこと。彼はフランキーが類まれな歌の才能やボブの天才的な作曲の才能を認めていたからこそ、あの現場を目撃した時に自分やトミーが置いてけぼりを食らったような気がして傷ついたんじゃないかなぁと…。グループの中の自分たちの存在は何なのだろうかと寂しい気持ちがこみ上げていたのではと思うとなんだか居たたまれない気持ちにさせられてしまいました(涙)。

その後、メンバーたちに女性についてのあれやこれやな出来事が。ボブは♪December 1963♪のナンバーの中で大きな転機を迎え大人の階段を上る(この時の皆のはしゃぎっぷりが男子校のノリみたいな感じでww)。でも良いことばかりじゃなくてフランキーは妻のメアリーとの関係が崩壊。
売れて調子に乗った末の自業自得な出来事ではあるんだけど、これは奧さんとしたら「もう耐えられない」ってなるの分かるよなぁ。ツアーでフランキーが脚光を浴びていく姿を嬰児を抱えていたメアリーが疲れ果てた表情で見つめていたシーンがあっただけになおさら理解できてしまった…。

そして1幕クライマックスで歌われる♪Dawn♪で絶頂期に到達するのですが、そこでついにトミーの借金問題が明るみに出てしまう。ニックの語りでも言われていたけれど、ボブはそれが明らかになるまで成功する未来ばかり見ていたわけで…すぐ近くにある危機に全く気付いてなかったでしょうね。おそらく彼はこの出来事がきっかけになってますますフランキーと二人でやって行きたいという気持ちを高めてしまったのかもしれない。
栄光の直後に訪れる挫折のタイミングで1幕が終わるという展開がこの作品、すごくニクイなと思います。

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2幕でジップさん仲介でトミーの借金問題が話し合われる場面。この直前に歌われる♪Beggin'♪がすごくカッコよくて大好きなんだけど、皆どこか苦しそうに歌ってるのが切ないんですよねぇ…。なんだかグループが分裂していく予感をそれぞれが感じている、みたいな。1幕の後半であんなに順調だった姿を見ているだけになんとも言えな気持ちにさせられてしまいます。

莫大な借金が明るみに出てもグループの一員であり続けようとするトミー。でも彼が思っているよりも事態は深刻で、身の安全のためにも脱退・遠方への隔離を受け入れざるを得なくなった場面は切なかった…。一人で何でも勝手に決めて動いて、自分がグループを動かしているという自負がトミーの中ではずっとあったから…弾き出される結果に直面したことは何よりも辛かったと思う。自業自得ではあるんだけどね。
みるみる目に涙をためてガックリとうなだれて去っていくトミーの背中がこれまで見てきた中で一番切なくて哀しかった。

そんなトミーの借金をフランキーは残った仲間だけで返済すると決断。フランキーはトミーに対して苛立ちやもどかしい想いをたくさん抱えていたけれど、でも、彼自身を”切り捨てる”ことはどうしてもできなかった。あんなに振り回されてきた人の借金を全部肩代わりするなんて、普通の人なら言えないはず。ニック曰く、それが”ジャージーっ子”なんだと。今の自分があるのはトミーがいたからだと思えるフランキーはすごいと思うよ。

ボブはこのあと、「僕とフランキーでトミーの借金を返していく」と口走ってしまう。これはニックにとってはものすごく残酷な瞬間なわけで…。グループに自分の居場所はもうないんだとあの時悟ったんじゃないかなと思うと胸が痛かった。
「俺は帰る」とニックが脱退宣言をしたことに対してフランキーやボブは突然何を言い出すんだと衝撃を受けていたけれど、彼はきっと二人がパートナー契約を結んだことを知ってしまったあの日からずっとモヤモヤした気持ちを抱えていたんだと思います。トミーが抜けたことにより何とか押しとどめていた孤独な気持ちがついに弾けてしまったのかなと…。もう限界だったのかもしれないよね(涙)。

ボブはニックが抜けると宣言したことに驚いたものの、致し方ないと受け入れむしろフランキーと二人でやって行けることを心のどこかで歓迎していたように見えました。それに対してフランキーは”フォーシーズンズ”という4人のグループへの愛着が強くてニックがいなくなってしまうことを受け入れる気持ちにはならなかったのではないだろうか。
フランキーが歌う♪Stay♪のなかで「もう少し待って」「行かないと言って」というフレーズが出てくるのですが、これがニックに向けて歌われているように感じてとても切ない気持ちにさせられてしまった。

その後フランキーとボブはトミーの借金を返すためにツアーを廻りヒット曲も量産していく。その途中でボブが裏方に回りついにフランキーがソロで活動することになる(バックコーラスも同行)。ところが、あまりの忙しさゆえに私生活では恋人だったロレインに去られ、娘との関係も上手く築けずに苦しむフランキー…。華やかな表舞台の裏で苦悩する彼の姿はなんだかとても痛々しい。

そしてボブの決死の売り込みによってついにフランキー最大のヒット曲♪君の瞳に恋してる♪が世の中に出ることになります。私生活での苦悩を振り払うように舞台の中心で圧倒的なオーラを放ちながら歌うフランキーの姿を見ていたら、なんだか自然と感極まって涙ぐんでしまった…。ヒット曲の後ろには紆余曲折のドラマがあったのだなと。

トミーの借金も完済し、仕事のほうも順調でどんどん成功への階段を駆け上っていく二人。フランキーは娘との関係も改善させ、私生活でも順調に進んでいた。ところがその矢先に大きな悲劇がフランキーに襲い掛かる。フランキーが語る「悪い事は終わる、良い事も…」というセリフが突き刺さります。
関係修復した愛しい娘を失ったフランキーが教会で神父に「誰を責めればいいんだ」と涙するシーンは本当に辛い(涙)。彼女への想いを込めて絶唱する♪Fallen Angel♪はフランキーの悲痛な叫びにも聞こえてものすごく泣けました…。

そこからしばらくした1990年、グループ結成から20年以上が過ぎたタイミングでフォーシーズンズがロックの殿堂入りを果たすことが発表される。グループから隔離されていたトミー、突然脱退したニックも駆けつけ久しぶりに4人が揃う。
トミーと決別する直前、フランキーは彼に「僕のことを友達だと認識したことなんかないくせに」と憤りをぶつけていました。でも年月を重ねた今、トミーはフランキーの娘の一件について心からの哀悼の意を伝え、フランキーも素直にその言葉を受け入れられるようになっていた。ささくれ立っていた二人の気持ちを時間が静かに修復してくれたのかなと思えてなんだかとても感慨深かったです。

クライマックスでは、メンバー一人一人にスポットライトが当てられそれぞれの正直な胸の内が客席に向けて明かされていきます。このラストシーンを見ると、色々とトラブルも多かったけど彼らにとって「フォーシーズンズ」はかけがえのない宝物のような大切な存在だったのだなということがひしひしと伝わってきて涙が溢れてきてしまう…。

そしてフランキーは、音楽と出会ったことで自分の世界が大きく開けたことを語る。4人の物語にはいつも”音楽”が身近にあった。そして彼らは”音楽”に導かれ彼らにしか分からないであろう絆を深めていきました。「フォーシーズンズ」として一番輝いていたあの若き日の時代に帰り♪Who Loves You♪を歌う場面は涙なしには見られません…(泣)。

「誰より愛を、くれる人は誰?溢れる愛をくれるのは?その手掴んで導いてくれるのは?」

この歌詞と旋律を聴くと、これまでの彼らの辿ってきた道のりが走馬灯のように蘇ってきて…なんだかもう無条件で涙がボロボロ溢れてくるんですよね。最後に全キャストが舞台上に勢揃いしてフォーシーズンズを称えるようにコーラスで盛り上げる。「フォーシーズンズ」はロックの殿堂入りに相応しい多くの人に愛された存在だったのだと改めて感じました。胸が熱くなる素晴らしいラストシーンだと思います。
私はこのラストシーンを見届けるために、上演されるたびに劇場へ足を運んでいるのかもしれない。

少し長くなったのでキャスト感想などは次のページにて。