ミュージカル『MA ~マリー・アントワネット~』 2006.11.20マチネ

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東宝ミュージカル『マリー・アントワネット』を観に行ってきました。

作者はあの「エリザ」「モーツァルト」の作者であるクンツェ&リーヴァイ。今回世界初演を日本帝劇で!ということで製作発表前段階からえらい盛り上ってたわけですが、どうも観に行ってきた方の感想をサラッと拝見したところやや不評気味…(苦笑)。それでも、夏に公演された「ヴァンパイア」は世間の不評とは裏腹に最初から個人的に大盛り上がりだったので(笑)とりあえず期待半分、覚悟半分といった感じでした。
ちなみに、あらすじも音楽も公式ブログもほとんど触れないままだったので、今回ぶっつけ本番です。

「ヴァンパイア」のときは遊び心満点でとても楽しかった帝劇ロビーでしたが、今回はそういったものもなく普通…。あの頃は楽しかったなぁと見回してみると

「ダンスオブヴァンパイア、永遠なれ」

みたいな宣伝文句を発見!11月28日いよいよCD発売だとか!私は勢い込んで予約申し込みしたので(笑)送られてくるのが楽しみです。

「MA」グッズ、今回もけっこう作ったみたいです。一番インパクトあったのが不気味なカリオストロのクリアファイル…。あれ、なんか、使うと呪われそう(爆)。っていうか、なんでカリオストロがメイン!?と観劇前に密かな疑問がわきあがってきた私。その疑問は最後の最後にも突きつけられることに…(苦笑)。

以下、ネタバレを多く含む感想です。感じたままを書いてますので少々辛い可能性も。

 

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主なキャスト
マリー・アントワネット:涼風真世、マルグリット・アルノー:新妻聖子、アニエス・デュシャン:土居裕子、アクセル・フェルセン: 井上芳雄 、ルイ16世:石川禅、ボーマルシェ:山路和弘、オルレアン公:嶋政宏、カリオストロ:山口祐一郎  ほか

 

まずですね…、この演目を見るに当っては「エリザ」や「モーツァルト」のことは忘れたほうがいいと思いました。題材的には似たような感じですが、ストーリー展開など全体的な印象としては前2作とかなり違います。たぶん、今までと描こうとするテーマが違うんだろうなぁ…。
同じ作者なのでどうしてもそれと同じような雰囲気を期待してしまうのですが、それに捉われるとこの作品は受け入れられないものになると思います。

私も最初はどうしても「エリザ」と比べてしまっていたのですが、途中から無理やり頭を切り替えるようにして(苦笑)なんとか向き合えたかなといった感じです。

ストーリー展開についてですが…観ながら真っ先に思ったのは

「題名変えたほうがいいんじゃないか」

ということ。タイトルロールのマリーアントワネットが中心に描かれているのではなく、どちらかというとマルグリットのほうが目立っているんですよね(苦笑)。

噂によると、ウィーンスタッフのほうは「MA」というタイトルにこだわっていたのに対して東宝側が「マリー・アントワネット」というタイトルを強く押したのでそうなった…とのことですが… これは「MA」のほうがいいでしょう。じゃなかったら、もっとアントワネットに視点を置いて描くべきです。このあたりからして、客側が期待するものとズレてると思うんですよね。

マリー・アントワネットの描き方もちょっと違和感です。一幕は特に彼女に対して想い入れする余地がないんですよ。あまりにも浅はかすぎて…。一応タイトルロールなんだから、もう少し彼女の人となりをツッコンで描いても良かったんじゃないかな。まぁ、マルグリットに怒りの感情を植えつけるにはかなり持って来いな展開だとは思ったんですが(苦笑)。

それからフェルゼンが突然出てきたのもちょっと驚き。馴れ初めとか全く描かれないままだったので彼の人となりもよく分からないです。「ベルバラ」読んでおいて本当に良かったって思いましたもん(爆)。しかもアントワネットのどこに惹かれたのか、それがサッパリ読めてこないのも痛い。
フェルゼンはとても賢そうで良識のある人物として描かれているようですが、だったら何故あんな傲慢で浅はかなアントワネットに惹かれたのか・・・そのあたりが理解できなかった。つまり、バランスが悪いんですよ

そして最大の違和感はやはり評判どおりカリオストロ(苦笑)。このストーリーに何故彼が必要なのか、サッパリわからなかった。

しかも、最大の疑問符がカーテンコールです。なんと、主人公であるアントワネットの後…つまり一番最後に挨拶するんですよ。そんなに重要!?ってか、このストーリーの主人公だったの!?これが最大の違和感だったかも…。この役って、たぶんリーヴァイとクンツェが祐一郎さんの為にだけ設けたんでしょうね。彼らはとても祐一郎さんを気に入っているようですし。そういう魂胆を疑ってしまうほど、このストーリーの中で調和してなかったです。

 

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音楽に関しては、なかなか良かったと思います。特に2幕の音楽は胸に響くような素敵な旋律が多かったですね。一番ジーンと来たのは禅さん演じるルイの「もしも鍛冶屋だったら」っていうやつ。王ではなく、鍛冶屋という人生を歩みたかったと牢獄の中で歌うシーンはとても切なかったです

あと、マルグリットのナンバーは攻撃的で熱いものが多かったですね。新妻聖子ちゃん、ホントにすごいミュージカル女優になったなと感動するくらいちゃんと歌いこんでてビックリしました!「ミスサイゴン」の時も安定感あるなと思っていましたが、それからさらに歌唱力が上がって今回の難曲も魂で歌ってるような感じでとてもよかったです。

勿体ない使い方するなぁと思ったのは涼風真世さん土居裕子さん

涼風さんは主演なのに見せ場があまり作ってもらえてないんですよ。2幕で囚われの身になってからくらいですかね、光が当り始めたのは。なので彼女自身のナンバーも少ないし印象に残るものがほとんどない。演技的には悪くないと思ったので、なおさら勿体ないと思えて仕方なかったです。もっとカナメさんの存在を際立たせるような演出できなかったんでしょうか。

土居さんはシスター役ということで、原作の遠藤周作の小説を強く意識した部分かなと思いました。遠藤周作はキリシタンで有名でしたからね。ただ、彼女の役も劇中あまり絡んでこれないんですよ。うまくストーリーに調和できていないというか・・・。土居さんはとても素敵な歌声を持つ実力派の女優さんなのでこれもちょっと気の毒だなと思いました。

キャストは全員一生懸命やってくるのが伝わってくるし熱さも感じます。でも、ストーリーにそれがうまく反映されてないのは残念。今までのウィーンミュージカルと毛色が違うのでなおさら違和感を覚えてしまうのかもしれません。

ただ、あと3回観る予定があるので(笑)・・・頭切り替えようと思います。とりあえず、今回1回観てだいたい展開や人物像は分かったので…その上でもう一度この作品と向き合おうかなと。そうすれば、次回はもう少し違う感想が生まれてくるかもしれません。年始に観た某ミュージカルのような「嫌悪感」を感じる作品ではなかったのが救いかな(笑)。

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