劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』2013.04.18ソワレ

久しぶりに海劇場で上演されている『オペラ座の怪人』を観に行ってきました。

なんと…約1年ぶりの汐留でして…まさかこんなに間が空いてしまうことになろうとは思いませんでした(汗)。キャストにこだわるとどうしてもこういう風にブランクができてしまう。オペラ座の怪人も、気が付けば千穐楽まであと2か月ちょっと。大好きな作品なのでもっと通いたいところでしたが、前回の海公演のときとはまた私の中での気持ちもかなり変わってきてしまったので…結果的には数回の観劇で終わってしまいそうです。

次にオペラ座を見る予定は今のところ楽月である6月。よほどのことがない限りこの日でしばらくまた来ないことになると思います。なので、パンフレットをもう一度購入。キャスト紹介のところに大好きな飯田洋輔くんが掲載されているので…。たぶん時期的に東京でのファントムデビューは難しいと思いますが(芝さんですらまだデビューしてないし 汗)、そこに名前が連なったということはファンとしては嬉しいものでして。でもなぁ…本当は…通える劇場でのデビュー果たしてほしかったな…。北海道とかいうことになると、どうあがいても観に行けないし…。

この日は学生団体が全ての席種に入っていました。1階席は後ろ半分が学生さん。2階席もほとんど学生団体さんが入っていたかも。このところオペラ座は客入りが寂しいことになっていると聞いていたので、それがどういう形であれ埋まっていたのは良かったと思います。
団体さんが入るとどうしても気になるのはお喋り。観劇に慣れていない人が多いので客電が落ちたりするとそれだけで大騒ぎになったりして(苦笑)。なので本当は環境的には翌日の公演のほうが良かったんですが…ある事情から敢えてこの日を選びました。少し前のほうに座ればそんなに気にならないし、オペラ座は冒頭シーンがオークションですからザワザワしているのも逆にリアリティがあって面白かった(笑)。

それに、反応もやっぱり新鮮ですね。印象的だったのは墓場のラストシーン。あそこで「キャーッ」っていう軽い悲鳴が上がったのは非常に素直な反応だったなぁとw。初めて見る人は驚きますよね、あの場面。

劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧

主なキャスト

オペラ座の怪人:佐野正幸、クリスティーヌ・ダーエ:土居愛実、ラウル・シャニュイ子爵:鈴木涼太、カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩、メグ・ジリー:中里美喜、マダム・ジリー:戸田愛子、ムッシュー・アンドレ:増田守人、ムシュー・フィルマン:青木朗、ウバルド・ピアンジ:永井崇多宏、ムッシュー・レイエ:林和男、ムッシュー・ルフェーブル:斎藤譲、ジョセフ・ブケー:佐藤圭一

以下、ネタバレありのキャスト中心感想です。

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劇団四季で生演奏をやっている劇場って、もう、汐留しかないんだっけ?まさに最後の砦ですよね。やっぱりねぇ、生オーケストラは良いです!録音に合わせて歌うのと実際のオケに合わせて歌うのでは役者さんの気持ちの乗りも違ってくるだろうし、それに、音が軽くないしこちらにドーンと響いてくる。
歌の伸ばし方とかもオケが役者さんに合わせてくれてるって感じる場面がいくつかあったし、ミュージカルはなるべく生の音楽で聞くものだって改めて思いました。

それから、先日『リトルマーメイド』を観に行ったときにセリフの開口がかなり気になったんですけど…それに比べると『オペラ座の怪人』キャストの皆さんはほとんどの方がかなりスムーズに演じているなぁと思いました。開口はしてるんだけど、それが不自然に聞こえないようなレベルでだいたいの方がセリフを言ってくれてる。なんだかそれを見てホッとしました。

シーンで気になるところは…やっぱり1幕の支配人室ですかねぇ。だいぶ時間も空いたし、普通に見れるかなって思ったんですけど…あの場面だけはなぜかどうしてもこみ上げてきてしまいます。オペラ座の劇中で数少ない涙することのないシーンだとは思うのですが(汗)私はどうしても未だにまともに見れないようです。なんかね…、

あの場に居ないっていうのが…、私には哀しくて仕方がない。

前回の海公演の時にかなり熱い視線を送って見ていただけに、やっぱり、辛いんです。「プリマ・ドンナ」のナンバーが流れてきたときにはもう涙止まらなかった。目に浮かんでしまうんです、小林さんのフィルマン…。コミカルな表情して楽しそうに演じてた小林さんのフィルマンがどうしても浮かんでしまう。青木さん、ごめんなさい。
きっと、最後までこのシーンだけはまともに見ることができないような気がします…。

以下、キャストごとの感想です。

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クリスティーヌ@土居愛実さん

この方の噂は、クリスティーヌデビューをされた時から聞いていたのですが…どれもこれも芳しいものではなくて(苦笑)。逆に、一度どんなクリスティーヌなのか見てみたいとずっと思っていました。ということで、ついに出会った、土居クリスw。それで見た感想はと言いますと…

あぁ、なるほどね…(苦笑)

ですwww。歌は悪くないと思うんですよ。声もよく出てたし、ビジュアルもなかなか可愛らしくてクリスティーヌに合っている。ところが、セリフになると途端に現実に引き戻されると言いますか…なんか、お経読んでるような感じでした(苦笑)

言葉に抑揚がなくて与えられたセリフをただ口に出してるって感じ…。セリフなしのミュージカルだったら誤魔化せたかもしれませんが、オペラ座はあるからねぇ(苦笑)。ただ、最初の頃を見ていた人の話によれば、あれでもだいぶマシになったんだそうですw。私個人としてはもう少し頑張ってほしいんですが…。

ただ、前の週に、土居さんよりもさらに輪をかけてお経読んでるようなロボット的棒読み芝居を観てしまったので(笑)思っていたよりは嫌悪感なかったかな。

ラウル@鈴木涼太さん

久しぶりに涼太さんのラウルを見ましたが、落ち着いていて子爵の雰囲気があるなぁと改めて思いました。もう役に馴染んでいる感じ。観ていてすごく自然に「あ、ラウルがいる」って思ったし。ただ、なんか、落ち着きすぎていてちょっと面白みに欠けるかなぁ。

悪くはないんだけど、すごく良かった…っていうのともまた違う。スタンダードすぎるのかも?佐野さんのファントムがものすごく情熱的ですから、それもあってちょっと影薄く感じてしまった部分もあるかもしれません。
そういえば「今度泣きを見るのはお前のほうだ!」のとき、涼太さんは指を2本差し出してるんですね。あれはカッコいいなと思いました。それからファントムに縄かけられるとき、すぐに縄が締まった感じがなくて一生懸命回っていたのはなんだか可愛らしかったw。回転の速さは達郎くんには及びませんけどww。

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河村カルロッタ

スタイルが細いほうですよね。カルロッタっていうと太めでドスの効いた感じってイメージがありますけど河村さんは華奢で若々しい。ツンとした感じはとても良いけど、全体的にちょっと線が細いかなぁ。

永井ピアンジ

永井さん、ピアンジ役になってからかなり長いのではないでしょうか!?それでもあの美声を保っているのはすごいと思います。相変わらずカルロッタにラブラブなところが可愛らしい。

戸田マダムジリー

久々に戸田さんのマダム・ジリーを見ましたが、すっかり役に馴染まれたようですね。最初の頃と比べるとだいぶ雰囲気も落ち着いていてとてもスムーズに役をこなされているなと思いました。

中里メグジリー

前に観たときよりもメグっぽくなっていてよかったと思います。可愛らしいですし、歌もだいぶ安定してきたのではないでしょうか。上手いってところまではいきませんけど…(汗)

増田アンドレ青木フィルマン

なんだかとっても落ち着いた支配人コンビだなと思いました。安心して見ていられますね。青木さんのフィルマンはコミカルさがちょっとなくなった気がするけど。

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ファントム@佐野正幸さん

今回私がなぜ久しぶりに『オペラ座の怪人』を突発したかというと…佐野さんが超久しぶりにファントムに入られたからです。なんと、佐野ファントムは昨年の夏以来の登板らしい!!私はその時に観に行けなかったので(すぐ抜けられてしまったし…)、今回がなんと1年とちょっとぶりの再会となります(汗)。

なーーんでこんなに長い間佐野さんはファントムに入られなかったんでしょうかーーー

と問いたくなりますよ、ほんとに(苦笑)。しかしながら、今や佐野ファントムはレアキャストとなってしまったのでこれを逃すともう観れない可能性があると切羽詰まりw前日予約で取りました。このあと6月までオペラ座予定がないのでもしかしたらこれが最後の佐野ファントムになるかもしれません。

前回観たときは感動したものの指を怪我していたために思うような感想が書けませんでした。あの時言い足りなかったことが、ようやくここで吐けるw。まさかこんなに時間かかると思いませんでしたが(苦笑)。

こんな感じでかなーーり期待度を上げて佐野ファントムの登場を今か今かと待ち望んでいたので、ミラーでその姿が出てきたときには内心かなりテンション上がりました(笑)。やっぱり佐野さん、スタイルがとても良いですから怪人姿がとてもカッコいいです。スラッとしてるし、指先にまで神経が通っているあの動きも思わず見とれてしまう。クリスティーヌを導くときなどは本当に催眠術かけてるんじゃないかって思えるほど美しいです。本当にビジュアル的に最高なんですよね、佐野ファントム。

ただ、歌はまだちょっとエンジンがかかり切っていない感じだったかも。佐野さん、高音部分を苦手にしているようで…前に観たときもMOTNのナンバーはちょっと手に汗握る感じだったのですが(苦笑)この日も「空に高くーー」の部分と最後の「夜の調べの中にーー」はかなり苦しそうで最後の伸ばしを力技で繋いでましたw。あれが克服されれば完璧なんですけどねぇ。

クリスティーヌにマスクを取られるシーン、思っていたよりも激しさがなくてちょっと"あれ?"と思いました。「呪われろ!」も低く唸るような感じでしたし、あんな落ち着いてたっけ?みたいな。もう少し情熱的な佐野ファントムを想定していたのでちょっと肩すかし食らった感じ。基準を上げ過ぎてたかなぁ。だけど、一瞬手を放してクリスティーヌに素顔を見せた後顔をそむける仕草は泣けました(涙)。哀しみと絶望で体全体が震えてた…。あぁ、これだよ、これっ!ってその姿見たときには感動しましたね。

エンジェル像でのシーンも、ちょっと私が思っていたのよりかはテンション低めの芝居だった気がします(汗)。こんな大人しかったっけ?みたいな…。あまりにも久しぶり過ぎたのでそれまで佐野さんがあのエンジェル像でどんな感情表現をしていたのか明確に思い出せないんですが(汗)、前回の海公演の時にはもっと心揺さぶるような感情表現だった気がするんですよね。
こんなふうに、1幕はどちらかというとちょっと熱が低い印象を受けました。なので、私自身が期待しすぎていたのが悪かったかなぁと(汗)。でもまだ2幕がある!ということで、後半の佐野ファントムに期待することに。

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墓場のシーン、クリスティーヌと共に歌うあたりからどんどん熱が上がっていった!そう、その熱さが欲しかったんです、佐野さん!火の玉も勢いよくバシバシ打っておりましたw。安全上の問題からけっこう火の玉はしょぼいんですけど、佐野さんはけっこう回数多くラウルに火の玉ぶつけようとしてるので迫力があります(笑)。このあたりから佐野さんエンジンかかりだしましたかね。

PONRでは「獲物を待つだけだーーー」からして声の熱量がすごかった。ジリジリジリジリとクリスティーヌに迫っていく様はなんだか狂気がかっていて見ていてゾクッときました。「もはや引けない」と追い詰めている感がすごかったですね。そして正体をクリスティーヌによって暴かれた時、絶望的な表情で後ろを向くんだけど、そのあと指輪にキスしてそれをゆっくりとクリスティーヌの指にはめるんです。ここ一連の動きがとても哀しく切なくグッときました。

「クリスティーヌ、君がすべて…」と言うときには狂気と懇願とが入り混じった感じ。この複雑な感情表現が佐野ファントムの最大の魅力だと思います。こんな佐野ファントムが見たかったんですっっ!!!

隠れ家へ向かうときの歌もすごい迫力でした。感情の鍵が外れてしまって暴走しだしたファントムの苦しさが痛いほど伝わってくる。すごく怒り狂っているように見えるんだけど、その感情の裏側で暴走してしまった自分を抑えることができずにとても苦しんでるんですよ、佐野ファントム。

クリスティーヌにウェディングベールをかぶせる時にも、自分の運命を呪うように怒りと悲しみの感情を彼女にぶつけるように歌ってるんだけど、それが良い方法だとは思っていない。だけど自分を受け入れてほしくて必死になるあまりその感情の暴走を止められない。そんなジレンマが痛いほど伝わってくるんですよね…。だから、激しく感情をぶつけていてもなんだか心で泣いているようで、佐野ファントム見ると切なくて切なくて涙が出てくるんですよ(泣)。

ラウルに対しては完全に敵だと思っているので、ものすごい悪魔のような笑みをしながら彼を向かい入れてました。あの表情はゾクっとしたな…。佐野さんの鬼気迫った芝居が本当にすごい。そして三重奏のシーン。クリスティーヌにどちらを選ぶのかと迫るのですが、彼女への必要以上の想いが暴走して脅迫しているように迫ってた。そうすればするほど彼女が自分から離れてしまうことも肌で感じているのに、自分自身の激しい感情をもうどうしようもできない。

佐野ファントムは怒っているように見えて実はすごく身を裂かれるように苦しんでる。観ているこちらも苦しくなってしまうようにもがき苦しんでいるように見えて仕方ないです(涙)。「許さない、選べ」と言ったときの泣きそうな表情は涙なくしては観れません…。
そのあと、クリスティーヌからのキスシーン。最初はあまりの衝撃で動けないんだけど、佐野ファントムの中に渦巻いていた激しく暴走していた感情がスーーッと浄化されていくかのように見えました。そして2度目のとき、クリスティーヌのキスを確信して彼女を抱きしめたい感情に駆られるんだけど、そこで初めて彼の中に理性が生まれてそれを阻むんですよね…。だけど、立ち尽くした彼の姿からはさっきまでの激しさがほとんど消えているんです。それを表現している佐野さんはすごいと思いました。

二人を逃がすときの「行け、行ってくれ、お願いだ」ですが…、「行け、行ってくれ」がもう、苦しそうで苦しそうで…。まるで、「頼む、行かないでくれ!」って言っているかのよう。あのシーンで特にそう思えるのは佐野さんだけだな。これからやってくるであろう孤独をすごく恐れている感じ。だけどそれしか選択肢は残されてなくて…。そんなファントムの哀しみと切なさがものすごくストレートに伝わります。

クリスティーヌが指輪を返しに来た時の「アイラブユー」の歌い方がものすごく優しくて哀しかった(涙)。やっとファントムは自分の素直な本当の気持ちを伝えられたんだなって思ったら涙が止まりません…。彼女が立ち去った後、ベールを拾い上げるのですが…それを抱き上げたときにものすごく愛しそうに顔を寄せてる佐野ファントム(涙)。そしてクリスティーヌとラウルの船を見送る背中・・・まるで大草原に一人残された子供のようだった。見送る背中があまりにも頼りなく哀しげで切なくて、もう号泣(涙)。最後の「わが愛は終わりぬ」は哀しみを必死に堪えるように情熱的に歌い上げてて大感動モノでした(涙)。

あぁ、佐野ファントム最高だった!!私の中では今のところ日本で受け止められるファントムはやっぱり佐野さんしかいない。あの狂おしいまでの激しいクリスティーヌへの愛。観ていて心がえぐられるよう。こんな感覚にさせてくれる佐野ファントムが私は最高に好きです。

もっと東京で登場してほしかったな…。6月楽までに2回行く予定だけど、もしかしたらこの日で佐野ファントムは最後かもしれないな…。もっと見たかった。