ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』19.01.18~19

ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』を観に東京遠征してきました。前日に「グレコメ」観てるので3連ちゃんのけっこうなハードスケジュールとなりましたw。

5年前に東京で日本版が初演されたとき、「この規模の舞台だったら関西にも来てくれるに違いない」といった希望を持っていたのですが、待てども暮らせどもそういう話は湧いてこずに月日が流れ…(苦笑)、そして東京での再演が決定となりました。

初演の評判も良かったようだし、今度こそは関西公演に来るだろうと楽観視していたのですが…今回も東京以外での公演の話が全く出てこない(苦笑)。ずっと不思議に思っていたんですが、昨年その理由を知る機会がありまして…。

「本当は他の地域でも上演したいけど、セットが複雑で持ち出すことができない」というのが真相らしい。

マヂか!!!!問題は「セット」だったとは(汗)。これは、いくら待っても東京から出てくれないはずだと。5年前にそれを知っていれば…。『ミス・サイゴン』初演バージョンのヘリコプターみたいなことだったわけだね(苦笑)。

ということで、東京遠征するに至りました。
この作品は『オペラ座の怪人』の続編ということで、海外で初演されたときから大きな話題になっていたのでとても興味があった作品です。オーストラリア公演版のブルーレイディスクも購入していましたが、まずは生の舞台を見てからとずっと封印w。やっと生でラブネバを見れる時が来ました!!

日生劇場を訪れたのはかなり久しぶりだったので、そのことからも何だかテンションが上がりました。この劇場、かなり多くを収容できるのですが、中に入ってみると意外と後ろの方も見やすかったりするんですよね。
ちなみに、日生劇場の建設には、昨年亡くなった劇団四季の創設者・浅利慶太さんが大きく関わっていました。

日生劇場で特徴的なのが「グランドサークル」という中2階が設置されていること。多少距離はありますが、舞台とほぼ同じ高さに目線がいくよう設計されているので、作品全体を見るには「特等席」とされています。今回久々にその席で見る機会があったのですが、1階席からは見えない世界も見えたりしてとても有意義な時間を過ごすことができました。

以下、おおいにネタバレ含んだ感想になります。

 

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2019.01.18~19 マチネ公演 in日生劇場(東京・日比谷)

主なキャスト

<19.01.18マチネ>

  • ファントム:市村正親
  • クリスティーヌ:濱田めぐみ
  • ラウル・シャニュイ子爵:小野田龍之介
  • メグ・ジリー:咲妃みゆ
  • マダム・ジリー:鳳蘭
  • グスタフ:加藤憲史郎

<19.01.19マチネ>

  • ファントム:石丸幹二
  • クリスティーヌ:平原綾香
  • ラウル・シャニュイ子爵:田代万理生
  • メグ・ジリー:夢咲ねね
  • マダム・ジリー:香寿たつき
  • グスタフ:大前優樹

二日間で効率よく、ほぼ全メインキャストを網羅することができました。グスタフ役の熊谷俊輝くんだけは見ることが叶わず。天使の歌声と評判の子でもあったのでちょっと聞いて見たかったな。

それにしても、ここ最近の子役は本当に歌が上手い!!

加藤憲史郎くんはお兄ちゃんの加藤清史郎くんの後を引き継いでのグスタフ役だったそうですが、「るろ剣」の時にも思ったけど本当に良い歌声持ってるなぁという印象。お兄ちゃんは大人っぽくなって声変わりもして映像中心になってきたけど、憲史郎くんはこのまま舞台で活躍してほしい逸材だなぁと思ってます。

大前君も儚い部分と好奇心旺盛な部分とが垣間見える少年を熱演していてとても良かったです。

 

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あらすじ・雑感

『オペラ座の怪人』でファントムが姿を消してから10年後の設定で描かれたのが、ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』です。

『オペラ座~』の生みの親でもあるアンドリュー・ロイド・ウェバーが1990年頃に続編計画を考え舞台化しようと模索を続けていたようですが、現在の形に落ち着くには色々と紆余曲折があったとか。
私もかなり前にロイド・ウェバーが続編を考えてるらしいという話は聞いていて、その中で登場してきたのがフォーサイスが書いた小説『マンハッタンの怪人』でした。

これを読んだことのある友人が「あまりにもオペラ座とテイストが違いすぎて困惑した」と感想を言ってきたのを今でも覚えてるww。これに不安を感じた私は未だに読んでません(笑)。

その後続編話は頓挫し「マンハッタン~」は舞台化されていませんが、06年頃から再び舞台化に向けて動き出し2010年にウエストエンドでプレビュー公演をするに至りました。が、評判が低かったことからさらに練り直しとなり、翌11年のオーストラリア公演で大幅に変更した演出バージョンとして再登場、成功したと。
その後も違う演出で上演されている「ラブネバ」もあるそうですが、ロイド・ウェバーが直接関わったのがオーストラリア公演版だったということで、日本もそれと同じものが入ってきているそうです。

 

ちなみに、最初のイギリス公演の時にファントムを演じていたのが、ラミン・カリムルーさんです。ラミンの続編でのファントムも見てみたかった!!日本で発売しているCDには「ラブネバ」から♪君の歌をもう一度♪が入っています。私は、このCDで初めてラブネバの曲を知りました。

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感想:2件

このCD、めっちゃお勧めです!!

 

あらすじは以下の通り。

パリ・オペラ座の失踪から10年。ジリー親子の助けを得てニューヨークに移ったファントムは、コニーアイランド一帯の経営者となり財をなしていた。クリスティーヌの幸せを願い一度は彼女の前から姿を消したファントムだったが、その想いが消えることはなかった。

一方、ラウルと結ばれたクリスティーヌは一児の母となり、高名なプリマドンナとして活躍していた。一家の幸せに影を落としたのは、ラウルがギャンブルでつくった多額の借金だった。

そんな折、クリスティーヌにニューヨークで催されるコンサートへの出演依頼が舞い込む。借金返済のため、仕事を引き受ける決意をしたラウルとクリスティーヌ。息子グスタフを伴い渡米した彼らの前にファントムが現れ、隠された衝撃の真実が明らかとなる…

公式HPより引用

 

この作品は『オペラ座の怪人』の続編と銘打っていますが、それを知らなくても十分ついていける内容となっています。っていうか、オリジナルを知らないまま見た方がもしかしたらよかったと思えることもあるかもしれない(笑)。

ロイド・ウェバー自身も、「ラブネバを理解するのにオペラ座を見なければならないことはない」と明言したそうですし。そこの部分はあまり深く考えないで見た方がいいかもしれないなとは思いました。
ただ、『オペラ座~』を知っていると舞台全体としてグッとくる瞬間が随所に出てくる…というのはありますね。その時の快感がけっこうたまらなかったりするんです。なので、個人的にはどちらかというと感情が前面に出ていた映画版『オペラ座の怪人』を見ておくといいかもしれないな、とは思いました。

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感想:9件

それと、強く感じたのは…

『オペラ座の怪人』の世界観をずっと大切に持っていたいと思う人は、『ラブネバ』は見ない方がいいかもしれない

ということ。

どちらかというと美しくどこか現実世界から離れたような雰囲気があった『オペラ座~』に比べると、『ラブネバ』は内容的にかなり人間関係がドロドロしててww、例えるならば・・・かつて放送されていた東海テレビの昼ドラ的な(笑)。特にラストシーンにかけての展開はまさにそれに近いものがあったw。
しかも、けっこう生々しい感情がむき出しになってたりする場面もあるし、全体的な雰囲気も退廃的です。

それでも「また次も見たい!」と思わせてしまうあの作品の世界観…!!アンドリュー・ロイド・ウェバー、おそるべし!!!内容については後で触れます。

 

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日生から動かせないと言わしめるほどのセットですが・・・確かにかなり複雑な構造だなと思いました。

冒頭にファントムが登場したときのセットなどは、ファントムが歌い終わるとグイーンと上に上がっていく仕組みになってて。それはまるで円盤のようだったな。
その下界ではコニーアイランドのファンタズマでの妖しいショーが展開されていて、ファントムは天井近くからその様子をまるで支配者のように見下ろしているといった感じ。

昇っていきながら高い位置で止まるこの場面、どこかで見たことあるような光景だなと思ってて。
思い出したのがミュージカル『CATS』でオールド・デュトロノミーがグリザベラと共にタイヤに乗りながら天井へ上がっていくシーンです。CATSもロイド・ウェバー作品なので、もしかしたらあのアイディアを応用したのかも?

あと印象的だったのが、クリスティーヌが船から降りてくる場面。かなり大がかりな螺旋状の通路が上手い具合に繋がっていて、まるで舞台全体が船のように見える仕組みが本当にすごいなと思いました。それ故、クリスティーヌが登場してくるシーンがよりドラマチックに見えて目を惹くんですよね。

この時ファントムは、下手側にそびえている鉄骨の一番上の部分にいてクリスティーヌがアメリカにやってくるという新聞ニュースを見て胸を高まらせているんですが…あれ、中央からじゃないと見えない(苦笑)。
舞台両脇に鉄骨のすごい高いセットが組まれてるんですが、ここで芝居したり歌ったりすることもけっこう多い。ただ、下手ゾーンや上手ゾーンからだと見えないことがちょいちょいあるのは少し残念だったな。最初に座った位置は注釈付席じゃなくても見えなかったんでね(苦笑)。グランドサークルやや中央に座った時に初めて見えた。
まぁ、オーストラリア公演正式版をそのまま持ってきているのでそこは仕方ないんですが。

ファンタズマ公演のシーンに出てくる、ファントムのマスクを連想させるステージのセットもおもしろい。ステージ全体をファントムが取り仕切っているということが一目で伝わります。
そこでショーを繰り広げているメグたちは、ファントムの掌の上で転がされている…といったような見方すらできる感じになっているのがなかなか興味深いです。

さらに、ファントムがグスタフを奇妙な世界が広がるファンタズマの奥の世界へと誘うシーンも非常に印象的でしたね。見世物ケースのような中に奇妙な動きをした人(?)たちがウヨウヨ動いてて…さながらお化け屋敷のような空間になってる。ケースが不規則な動きをすることで、さらに妖しい世界観が広がっていて・・・。
その中をファントムが気持ちを高ぶらせながらグスタフを案内していくので、見ている方も自然と気持ちが高揚してきてしまう(しかも音楽が超ロックだし!)。私はこのシーンが特に好きでしたね。見ていてゾクゾクしました。

 

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ここまでは、他の大型劇場(大阪で言うなら梅芸とか)でもできそうじゃない?とか思ったんですが、おそらくこれが無理なんだろうと思わせたのが、「桟橋」です。

1幕からちょいちょい登場してきて、ファントムの秘密の部屋へ向かうための通路みたいな感じに上下するんですが、この機械構造がなかなかに複雑そう。
1回目に見た時のこと。2幕クライマックスの一番の山場で桟橋が登場してドラマが展開するのですが、桟橋が降りきった後とすべてが終わって暗転した時に「ウィーーーーン」というストーリーの演出とはまるで違った機械音が長い間鳴り響いていたんですよね(苦笑)。最初は演出?と思いましたが、それにしてはやけに不自然な音だったし、2幕が終わってカテコにいくまでの時間もずっと音が響いてて客席も拍手していいのか戸惑っていたほどだった(汗)。

おそらく、桟橋を動かす機械の不具合だったんじゃないかと思います、あの音は(苦笑)。翌日に見た時は鳴ってなかったのでね。

人を乗せたまま舞台を上下するし、かなり上まで上がることもあったから・・・不具合っぽい音が聴こえるとストーリーに集中する以前に心配になってしまいます(汗)。いつか途中で止まったりする不具合が起こるんじゃないかと、内心ちょっとヒヤヒヤしてしまった。
とにかく安全第一で!!公演が終わるまで無事に上手いこと桟橋が機能することを切に祈っています。

というわけで、東京から動けないのは特に「桟橋」構造が複雑だからじゃないかな…と思った次第です(苦笑)。