PR表記あり

『PRETTY WOMAN The Musical』東京公演観劇感想 2026.02.03ソワレ

2回目の『PRETTY WOMAN The Musical』(ミュージカル『プリティウーマン』)東京公演を観に渋谷の東急シアターオーブへ行ってきました。

2026年に入ってから初めてのソワレ公演。ソワレだと自宅に帰れるのが午前様近くになるのでいつも二の足踏むのですが(汗)、それでもいい!!という気合で観に行ってまいりましたw。

ちょうど夕刻に入った時間帯だったのでオーブ2階窓から見える富士山がとてもきれいでした。

前回の初日チケットを取れたのも奇跡でしたが、今回2度目のチケットも前売りで確保できたこともかなりラッキーだったなと思います。知名度も高く人気のある俳優さんが入ってると本当に確保が厳しいのでね(汗)。ミュージカル『プリティウーマン』は来日公演を逃した時から”次こそは絶対行きたい”と意気込んでいたのでw、違うキャストさん回を1つずつ取れてよかった(キット役の石田ニコルさんだけはどうしても予定が合わなくてお目にかかれずでしたが)。

初日観たときに多幸感で包まれたこの作品。ほぼ違うキャストで観る今回もめちゃめちゃ楽しみにしていました。ヴィヴィアン風に言うならば・・・

まぢ、サイコーー!!!

です。ミュージカル初心者にもお勧めできるくらい、見ていて本当にドキドキワクワクします。楽曲もストーリーも映画をリスペクトしていて本当によくまとまっている素晴らしい作品でした。

ちなみに今回は東急シアターオーブ1階席の最後方席からの観劇。それなりにそこそこ距離はあるんだけど、前の人の頭が気にならないくらいの斜度はついているのでチビの私としては見やすかったです。

オペラグラスはあったほうがいいですが、思っていたほど遠くなかったなというのが私個人の意見。全体像も見渡せて快適な観劇鑑賞となりました(後ろの席を気にする必要もなかったし、お手洗いも近いのも利点w)。

上演時間

  • 1幕:約70分
  • 休憩:20分
  • 2幕:約65分
  • 合計:約2時間35分

以下、ネタバレを含んだ感想になります。初回感想よりも少し踏み込んで書いてます。

スポンサーリンク

観劇・キャスト感想

2026年2月3日ソワレキャスト

  • ヴィヴィアン・ウォード:田村芽実
  • エドワード・ルイス:城田優
  • キット・デ・ルカ:エリアンナ
  • ハッピーマン:福井晶一
  • フィリップ・スタッキー:寺西拓人
  • デイビット・モース:吉田広大
  • ジュリオ:シュート・チェン
  • スカーレット:可知寛子
  • ヴィオレッタ:石井千賀
  • アルフレード:佐々木淳平

【アンサンブル】

仙名立宗、富田亜希、吉元美里衣、杉山真梨佳、伊藤広祥、井上花菜、安井聡、青山瑠里、政田洋平、中嶋尚哉

スウィング:大山怜依、白倉基陽

上演概要(スタッフ、公式あらすじなど)については1月15日観劇レポ参照
スポンサーリンク

PRETTY WOMAN The Musical』(ミュージカル『プリティウーマン』)本編感想

この作品の演出を担当したジェリーさんはミュージカル「キンキーブーツ」を担当された方でもあるので、それと似た心の高揚感をすごく感じます【過去のキンキー感想はこちら】。個人的には「キンキー~」のほうが爆発力が大きい印象はあるのですが(心のメーターが大きく振り切って涙出るレベル)、『プリティ~』も観る人を幸せにするパワーに満ち溢れた最高に”アガる”ミュージカルだと思います。

そして、城田優くんによる訳詞がとっても良い!!とても分かりやすい言葉でうまく音楽に当てはまっていて、見事なほどストーリーに溶け込んでいました。優くん、天才か!

以下、印象に残ったシーンをいくつか。

♪Welcome to Hollywood♪

セットは最小でシンプルなんだけど、キャストの皆さんがババーーンと登場してロックでご機嫌なこのナンバーが聴こえてくると一気に物語の舞台になっているハリウッドの世界が開けてくる演出が最高です!!客席からも手拍子が沸き起こっていて最初から盛り上がります。メインの中で最初に登場するハッピーマンの「君の夢はなに?」っていうセリフからスタートするのも良い。PW(プリティウーマンの略)の一貫したテーマを最初に持ってきててすぐに心を掴まれる。

この冒頭シーンでメインキャストが全員順を追って登場していく演出も好きです。特にエドワードはストップモーションのあとライティングに照らされていて、”いい男”っぷりがこれでもかというほど観る者の興味を湧き立たせる。

コールガールのヴィヴィアンは今の現状から抜け出したいと願いながらも、その方法が分からずにこの日も路上で”お客”を待つ。そんな彼女の前に現れるのが自分とは正反対の世界にいるエドワード。この出会いから物語は展開していきます。

これ、めっちゃベタな”少女漫画展開”なんだけど(笑)私個人的には超ワクワクしてしまうんですよねw。エドワードのどこかちょっと翳りを漂わせた感じのデキる男っぷりキャラも最高だし、不遇な境遇にありながらも未来を夢見ながら懸命に前を向くヴィヴィアンのアッケラカンとした明るいキャラもすごい感情移入できる。

エドワードが滞在する超高級ホテルでの二人のシーンは会話がとても楽しい。住む世界が違う二人なのでどこかチグハグな雰囲気を醸し出しながらも、それが不思議と心地が良い。”海外の作品あるある”の、「性」の話題をアッケラカーンと明るく堂々と会話に組み込んでくるパターン。それがコミカルに描かれてるので、全然イヤらしさを感じない。それがこの作品のかもしれません。

♪Something About Her♪

今まで出会ったことのないタイプのヴィヴィアンに少し戸惑いながらも、彼女の持つ天性の明るさと人を惹きつける魅力に目が離せないエドワード。最初は彼女の”仕事”を受けるつもりはなかったのに、いつの間にか触れ合いたい気持ちが募って肌を許しあう関係に。この時のエドワードの彼女への不思議な感情に戸惑うナンバーが最高に甘くて切なくてグッときます。

肌は許しあいますが、口にキスはしない関係。お互いにそのつもりはないとこの時点では言い合っていて比較的ドライな関係に徹する。でもビジネスを超えた感情も芽生え始めていて、見ていてキュンキュンしました(ちょい🔞シーンありますがここはそんな攻めてない演出)。

翌朝、テンションが上がったヴィヴィアンが高級ホテルのお風呂ではしゃぐシーンは映画でも有名なワンシーン。子供のようにはしゃぐヴィヴィアンと冷静ながらもちょっとドギマギしながら彼女の”着替え”を手伝うエドワードがめっちゃ可愛くて萌え(笑)。

♪Luckiest Girl in the World♪

エドワードが出かけた後、ヴィヴィアンの親友キットが訪ねてくるシーンもめっちゃ面白いです。見どころの一つが、大金を手にしたヴィヴィアンに衝撃受けまくってるキットの第一声のロングロングトーン!!これがもう実に見事で、客席も拍手で大盛り上がり!マヂすごいよ、エリアンナさん!!!
そしてテンションアゲアゲのまま、ホテルのボールボーイでもあるジュリオを巻き込んで3人で楽しくソング&ダンス。これがまた本当に愛らしくて可愛くてねぇ…、見てるだけで幸せ。シュート・チェンくんのジュリオはまさにハマり役だと思う。

そこから続くキットによる♪Rodeo Drive♪は、まるで海外アーティストのライヴ聴いてるんじゃないかと錯覚するくらいカッコいいので必見です!!

このまま勢い込んで高級洋服店に足を踏み入れるヴィヴィアンでしたが、彼女の外見を見た店員たちからあからさまな差別的態度を取られて追い出されてしまう。こういうことって、映画公開時から30年以上が経った現代でも在りうる話だよな…と思うとすごく切なくなった。傷ついてしまうヴィヴィアンに胸が痛かった。
でも、店員さんを演じてる青山瑠里さん可知寛子さんが・・・めっちゃ映画のキャラっぽくて最高なんですよっ!!高級店店員のお高く留まってる感を見事に表現していて素晴らしい。

ヴィジュアル的にもお芝居的にも完璧でした!!

すっかり落ち込んで自分自身を卑下しまくるヴィヴィアンに、さりげなく優しく寄り添い温かく軌道修正してくれるホテルの支配人のミスター・トンプソン(←ハッピーマンのもう一つの姿)が好き!エドワードからの伝言を伝える時の彼女とのやり取りも実にユニークで(笑)自然にヴィヴィアンが笑顔を取り戻していく過程に見ているこちらも嬉しくなります。

エドワードのパートナーとしてダンスパーティに行くことが決まるヴィヴィアン。それまでの人生で全く縁も所縁もない場所へ行くことになり不安でいっぱいの彼女に、トンプソンとホテルマンたちは実践を交えてダンスレッスンをする♪On a Night Like Tonight♪はおしゃれなタンゴ調のナンバー。トンプソンやホテルマンたちの規律が整いながらもちょっとコミカルなダンスがとても楽しい。

ダンスレッスンを何とかこなし、トンプソンたちの計らいもあってドレスも新調できたヴィヴィアンはエドワードと共にパーティ会場へ。挨拶に忙しく彼女から離れるエドワード。その空いた時間にヴィヴィアンはエドワードが買収しようと目論んでいる造船会社社長のデイヴィッドと意気投合します。

彼女と同じ目線でフランクに接してくれるデイヴィッドは本当にすごく良い人。習ったばかりの礼儀正しいダンスをしながらも、ヴィヴィアンは自分のダンススタイルにペースを変えてしまうのですが、それに一番最初に乗ってくれるのも彼。傍から見ると二人はとてもいいカップルに見える。

ホテルに戻った後、ヴィヴィアンは契約書も読まないのにデヴィッドの会社を敵対的買収するのかと問いかける。その言葉に苛立って誰にも明かさなかった父親への複雑な感情を吐露し心の弱さを見せてしまうエドワード。ここで彼の中にずっと漂っている”翳り”の部分が明かされる展開がとても好きです(っていうか、個人的好物展開w)。

ついイラついてヴィヴィアンに八つ当たり気味になってしまうエドワードですが、本音は事業のことを突かれたからじゃなくて彼女がデヴィッドと親しい仲になってしまったことにモヤってるんですよね。そんなエドワードが何とも愛らしくてこれまたキュン展開w。

♪Freedom♪

ヴィヴィアンはエドワードの心に深く踏み込まず彼にそっと寄り添い明るく話題を転換する。その優しさに触れたエドワードは、彼女を求める自分の気持ちに気づかされていきます。ヴィヴィアンとの自由で新しい世界を思い描き始めた彼が歌うこのナンバーはPWのなかでとても印象深いバラードナンバーです。モノクロの世界にいたエドワードの心に少しずついろいろな色が加わっていくような雰囲気があってグッときました。

そして二人はもう一度肌を重ね合わせる。1回目とは違う、二人の感情が近づき始めたことが伝わってきます。ここも映画にあったピアノでのシーンですね。演出的にけっこう”攻め(🔞的に)”が入ってるので見ていてけっこうドキドキしますw。

♪You're Beautiful♪

もう一度一緒に参加してほしいパーティがあるから新しい服を買うように言われたヴィヴィアンは、高級店で”イジワル”されたことを訴える。そのことを聞いたエドワードは自分の仕事を後回しにしてヴィヴィアンと買い物に行くことを選ぶ。この時に彼が説く「店は人に愛想よくなんかしない、カードに愛想よくするんだ」というセリフがとても印象的でした。

おそらくエドワードも他人が権力や財力ばかりに目が行って本当の自分を見ようとしてくれない、という体験を何度もしてきたんだろうなと。だからこそ彼は、何のしがらみもなくフラットにまっすぐ向き合ってくれたヴィヴィアンに惹かれていったんじゃないかと思うんですよね。これも私の大好物展開(笑)。

エドワードの言う通り、カードを見せると店の人(←ハッピーマンがオネェキャラで演じてます)の態度もコロッと変わって次々とヴィヴィアンに似合いそうなドレスを提案してくる。すっかり美しく着飾ったヴィヴィアンが、差別的対応をされた店に逆襲しに行く場面はスカッとします(この時の店員さんのリアクションがこれまた面白すぎなんですがww)。

スポンサーリンク

2幕のオープニングでは舞台と客席とのコール&レスポンス的な演出があります。ハッピーマンが出てくる前にギターを片手にしたワイルドなお兄さん(仙名立宗さん)が登場して♪Oh, Pretty Woman♪をガンガン弾きながら「みんな、これ聞きたいよなー!?」と呼びかける(笑)。『プリティウーマン』の代名詞ともいえる超有名楽曲ですが、実はミュージカル本編には基本的に登場しないんですよね。するとハッピーマンが後からやってきて”これから”ってところで寸止めww。

このあと客席も巻き込んでちょっとしたアドリブ大会になるのですが、この日は”節分”だったのでハッピーマンを演じる福井さんが「今日は節分だろう!!」と叫ぶと大盛り上がり。「お前は鬼やるの?俺は豆まく方でいこうかな」とかぐいぐいツッコミ入れてて仙名さんがタジタジww。最終的に「お楽しみは最後にとっておこうぜ!」ってところで丸く収めてました(笑)。

エドワードは金持ちの集まるクラブにヴィヴィアンを連れていく。挨拶に忙しいエドワードと離れた彼女は再びデイビットと再会して親しく会話を交わす。エドワードは彼女のもとに早く行きたくて落ち着かない。

そんな時にエドワードの顧問弁護士のスタッキーがヴィヴィアンについて「デイビットの会社のスパイかもしれないから気をつけろ」としつこく警告。エドワードは溜まらず「彼女は娼婦だ」と打ち明けてしまった。それを聞いた後のスタッキーのヴィヴィアンへの態度が憎ったらしいんですよねぇw。完全に見下した態度取ってる。でもこういう人、現代にもゴロゴロいそうだなと思ってしまった。

♪This Is My Life♪

エドワードがスタッキーにヴィヴィアンが娼婦であることを言ってしまったことで二人の関係に暗雲が。信じていた人に裏切られたような気がしたヴィヴィアンは悔しくて悲しかったんだと思うんだよね…。エドワードもスパイ容疑をかけられているヴィヴィアンを守りたくてつい彼女の素性を話してしまった。でも言った相手が悪かったからなぁ。このすれ違いがとても切ない。
でも自分の非をしっかり認めて謝罪するエドワードはとても紳士。それだけ彼女を失いたくないという気持ちが強かったのではないかと。ヴィヴィアンも「もう二度としないで」と釘を刺して彼を許す。

それでもまだギクシャクした雰囲気の中、エドワードは彼女に「君はとても賢くて聡明な女性なのになぜハリウッド大通りに出ているのか」と尋ねる。ヴィヴィアンは彼の誠実さに心を動かされ自らの暗い過去とそこから抜け出したい忸怩たる気持ちを歌います。このナンバーの切実さにとても胸を打たれました。ヴィヴィアンを応援したくなる。

一方、親友のキットもヴィヴィアンがアパートを出て戻らないだろうと肩を落とし、自分の将来について深い悩みを抱いていました。あの底抜けに明るくてパワーみなぎる彼女が落ち込んでいる姿は見ていてなんだかとても切ない…。

そんな彼女の前に現れるのがハッピーマン。ラップからの前向きなロック調の旋律への転換が印象深い♪Never Give Up on a Dream♪はキットに夢見る力を与えるパワフルなナンバー。キットがハッピーマンや周りの人たちからエネルギーをもらって再び前を向いて突き進もうとする姿はスカっとするしとても感動的です。

♪You and I♪

契約終了間際のある日、エドワードは美しいドレスに身を包んだヴィヴィアンと共にオペラ「椿姫」を鑑賞。このシーンも映画版で登場します。

初めて見るオペラに言葉の意味は分からなくても惹きつけられ吸い寄せられるように見入っているヴィヴィアン。

彼女の横に座っているエドワードはオペラではなくずっとヴィヴィアンのほうを向いているんですよね。この時の彼の視線の熱っぽさが本当に彼女への愛に満ちていてめっちゃグッときます!!エドワードが完全にヴィヴィアンに心を奪われているというのがこれでもかってくらい伝わってくる。でも、その気持ちを正直に伝える術がまだ分かっていなくて、という段階なのがとても切ないのです。

このナンバーの素晴らしいところは、甘く切ないバラードが劇中劇のオペラ「椿姫」の歌と旋律に見事に溶け込んでいること。現代音楽とオペラの融合って、こんなにも心地良い響きになるんだと個人的にすごい心奪われました。

そしてなにより、ヴィオレッタを演じてる石井千賀さんとアルフレードを演じている佐々木淳平さんの歌声が本当に素晴らしい!!必見です。

ホテルに戻った二人。ヴィヴィアンは感動の興奮冷めやらぬまま着替えるため別の部屋へ。その間エドワードは買収しようとしていたデイビットの会社の契約書の中身を初めて読みます。買収することばかり考えていた彼が、ヴィヴィアンの「バカおもろそうな話なのに」という言葉を思い出して契約内容に興味を持つのがとても印象深い。彼女の影響を受けたエドワードは、壊すほうから創造するほうへ意識が向いたんですよね。

そのうちに眠ってしまったエドワードを見たヴィヴィアンはその姿を見て「寝ることもあるんだ」と微笑みその横に寄り添う。そして映画でも印象的だったあのリアクションが。今まで唇を許さなかった彼女が初めて自ら解禁するシーンはミュージカルで観てもグッときます。

ここで二人は3度目の関係を持つのですが、舞台版、ここもけっこう”攻め”た演出になってて最初見たときはちょいビビった私ww(🔞的な意味で)。2回目は分かっていたので比較的余裕をもって見ましたが、それでもやっぱりドキドキさせられましたww。

でも、二人の関係が深まるドラマとしては結構重要なシーンですよね。体だけの関係から心も結ばれる関係に昇華する瞬間でもあるので、とても美しいです。

ヴィヴィアンと心も結ばれたエドワードは、敵対的買収を覆しデイビットの会社の事業を応援するということに大きく舵を切ります。寝耳に水な展開にスタッキーは大混乱。これねぇ、エドワードもスタッキーはずっとコンビ組んできた相手なんだから事前に相談してあげればよかったのにとも思ったんですよね。少なくとも、今まで協力的関係を築いていたわけですから。

ただ、スタッキーは実はエドワードと人間的な信頼関係にあったわけではなかったということも明かされるので(エドワードに黙って裏工作に躍起になってるし)同情はできないかなと。

よくよく考えてみると、スタッキーはエドワードを”金のなる木”としてしか見ていなかった気がします。お金に対する執着が強い人物だし、相手によって態度を変えるタイプって感じ。出番は少ないですが、2幕に入るとそういった黒い片鱗が見え隠れしているシーンがちょいちょい出てくる。そして後半のヴィヴィアンへの侮辱的態度に至るわけで。あれはもう完全にアウト。ここでの彼のやられ方は映画とはちょっと違う演出になってますね。

エドワードは会社の買収事業にのめりこみながらもいつもどこか心に虚しさを抱えているように見えたし、ヴィヴィアンに対しても見下すような態度は取らず彼女と真摯に向き合っている印象が強かった。スタッキーは敵対的買収から得られるお金に魅せられた人物で、相手を上辺でしか見ようとしない傾向が強い。そこが二人の大きな違いかなと思いました。

♪I Can't Go Back♪

キットは警察官になるという新しい夢を見つけ歩みだそうとしていた(映画では違う職業だった気がする)。そんな彼女を祝福しながらヴィヴィアンはエドワードへの恋心を自白。それでも「私はきっと傷つく」と恋愛に臆病で前に進めない。愛しているからこそ、お互いに住む世界が違う現実を突きつけられた気がしてしまったんだろうなぁ。

ヴィヴィアンはエドワードとの甘い生活への理想よりも、自分自身の力で未来を切り開いていこうと決意。そんな思いを込めて歌うこのナンバーはロックで前向きな力強い楽曲で胸が熱くなりました。

♪Long Way Home♪

契約終了の日、スタッキー事件の後ヴィヴィアンは荷物をまとめホテルから去る準備を着々と進める。そんな彼女に”自分ができる限りの善意”として高価なプレゼントを贈り引き留めようとするエドワード。でも、ヴィヴィアンが欲しかったのはそんなものじゃなくてもっとシンプルなことだったんですよね…。

これまで本気の恋愛をしてきたことがない彼には、金銭を積んで相手を幸せにするという思考以外のことが思いつかなくて困惑してしまうわけで…。お互いを想う気持ちは確かに揺るぎないものなのに、伝え方が分からずすれ違ってしまう二人がとても切ないシーンです。その時流れてくるこのナンバーがバラード調で心に沁みるんだよねぇ…。

ホテルを去る時のヴィヴィアンと支配人のトンプソンのやり取りが優しくて泣ける。そしてその後ろでどうやってヴィヴィアンに想いを伝えればよかったのか悩み続けるエドワードもキュンときます。ヴィヴィアンと離れた場所でのデュエットソングになるのですが、優くんエドワードが高所恐怖症をこらえながらバルコニーの下をのぞき込んでヴィヴィアンを探すしぐさをしてたのがめっちゃ刺さりました。

♪Together Forever♪

契約終了後、それぞれが新たな道に進み始めたあとからラストシーンまではほぼ忠実に映画から再現されています。違いといえば、映画がとてもロマンチックな大人の雰囲気だったのに対しミュージカルはひたすら”ハッピー”オーラ全開でとても明るかったことかな。あと、エドワードの”傘”のアイテムの使われ方も映画とちょっと違う演出になってたのが面白い(ハッピーマンが活躍)。

個人的には、映画で一番心に残るヴィヴィアンとエドワードのラストシーンのところでオペラ”椿姫”の歌声を織り交ぜていた演出です。あの場所にベンチに座る女性としてアンサンブルの石井さんがいた意味が生きてくる(オペラのシーンでヴィオレッタ演じてたので)のが巧いなぁと思いました。映画の感動がよぎりましたからね。ここも必見です。

スポンサーリンク

キャスト別感想

ヴィヴィアン・ウォード:田村芽実さん

観劇前から芽実ちゃんにぴったりの役柄だなと期待値が大きかったのですが、その予想をさらに超えてくるほどドンピシャなハマり役だったと思います。

星風さんはコールガールながらもどこか洗練されたカッコ良さがあったのですが、芽実ちゃんはコケティッシュな魅力全開で一緒にいるだけで元気をもらえそうなパワーと明るさ、そして愛らしさが大きな魅力。その明るさの合間合間に見せる心の孤独の表現も実に繊細で、全編通してものすごく感情移入させられました。優くんのエドワードとの対比といった意味でもとても分かりやすく演じられていたと思います。それだけに二人の関係が近づいていく過程は見ていてすごいドキドキしました。

歌声はさすがミュージカル「SIX」に選抜されただけのことはある。同じく「SIX」で共演したエリアンナさんとのコンビも最高すぎました!今後再演されていくなかでもまたキャスティングされてほしい一人です。

エドワード・ルイス:城田優くん

前回のイケメンっぷりにもめっちゃテンション上がりましたが、今回また更にその男っぷりが磨かれていて年甲斐もなくトキメキが止まりませんでしたよ(笑)。芽実ちゃんのヴィヴィアンと共演する優くんエドワードは、彼女の明るくまっすぐ素直なオーラに取り込まれていくなかで孤独が癒されていく様子がより顕著に表れててキュンキュンしまくりました。クールな中に見せる翳りのお芝居も実に巧みで繊細。

まさに少女漫画に出てくるヒーロー(男主人公)を具現化したようなキャラを見事に演じ切っていましたね。カテコとのギャップがすごかったものw。甘い歌声も最高。特に2幕のバラードの歌いっぷりは印象深かったです。

キット・デ・ルカ:エリアンナさん

PW見てると、本当にどんどんエリアンナさんのこと大好きになっていくよ!登場しただけで観てるこちらの気持ちがアガりますもの!!パワフルでロングトーンも何のその。イケイケなお姉ちゃんかと思いきや将来に悩む繊細さも持ち合わせていて、映画以上に魅力的なキャラクターを創り上げてくれたなと思います。ヴィヴィアンが過酷な”職業”のさなかでも明るく前向きに生きられたのは間違いなくキットがいたおかげだという説得力が半端ない。歌もお芝居も最高すぎました。

ハッピーマン:福井晶一さん

いやぁ~~~、あんなハイテンションな福井さん初めて見たのでもう本当にビックリ(笑)。劇団四季時代から含めて何度か舞台で拝見してますが、その中でも一番振り幅のある役だったんじゃないかなと。最高でしたわ!

spiくんはいい感じに力が抜けてコミカルなお芝居にも余裕がある感じだったけど、福井さんはすごい真面目そうな人が一本ネジが飛んだようにハっちゃけてるみたいなギャップが面白かったw。ホテルマンの時は生真面目でどっしりとした重厚感もあって、そこはさすがだなぁと。そんな中での電話をしながらヴィヴィアンとやり取りするくだりはこれまたギャップ満載でめっちゃ笑いましたw。こんな福井さんをまた見てみたいです。

フィリップ・スタッキー:寺西拓人くん

前回見た時よりもワンランクテンションが高く、大金を前にしてのウハウハが止められないみたいなお芝居が面白かったです。特に2幕の部下たちを前にヒャッハー状態になってるの笑ったww。それと対比してのブラックな表情の出し方もすごく良いですね。ヴィヴィアンを見る時のネットリした目つきとかヤバかった(←褒めてますw)。

カテコでは本編では出せなかった歌と踊りを思いきり楽しんでる感があって可愛かった。有名アイドルさんですから(もともと役者としてこれまで多くの舞台経験してたけど)ダンスにキレがあるなぁと。次回はそういう役も観てみたいです(チケット取れるか分からんけど 汗)。

デイビット役の吉田広大くんの真面目で仕事に誇りを持ってる感が出ている存在感が好きでした。アンサンブルの時のダンスや歌もカッコ良かった!歌える子なので次回はもっと出番のある役でも見てみたいです。そういえば、「ミス・サイゴン」トゥイ役ゲットしたんでしたよね。めっちゃ楽しみ!

ジュリオ役のシュート・チェンくんは、本当に可愛らしいの一言!リアクション、歌、どれをとっても癒しの存在で。動きにもキレがあって、アンサンブルダンスの時は一転してイカしたカッコ良さが最高でした。

スポンサーリンク

後述

カーテンコールは『プリティウーマン』の代名詞でもある♪Oh, Pretty Woman♪で大盛り上がり!2幕の冒頭でのやり取りでは完遂できなかったギターマン役の仙名立宗さん、「やっと出番がきたぜぇ~~!!」とノリノリになっててそれを福井さん演じるハッピーマンが盛り上げてるのが面白くて最高だったw。途中、客席に歌詞を知らせるためにボードぶら下げて駆け込んでくるシュート・チェンくんがこれまためっちゃ可愛いんだよねぇ。

この日もイケイケな雰囲気で劇場中がハッピーオーラに包まれててとても楽しかったです。

客電ついた後も拍手が鳴りやまなくて優くんと芽実ちゃんが二人で出てきてくれました。優くんが背中を差し出して、芽実ちゃんがピョコンと乗っかる”おんぶスタイル”の構図がこれまた超絶愛らしい!!二人でひらひら手を振りながら「ありがとう~~!!」と何度もコール。

最後舞台袖に入る際のところでは、優くんが「明日は休み~、でも仕事はある~」みたいに歌いだしてたのが可愛かったな。一説によるとSMAPの♪SHAKE♪の一節ではみたいな情報もあったんだけどそうなのかな?

この作品はまた是非近い将来再演してほしいですね。優くんのツボを押さえた訳詞も本当に最高だったし!いい作品に出会えてよかったです。

error: Content is protected !!