劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』東京公演 2021.06.30マチネ

浜松町の四季劇場空きで上演中の劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』を観に遠征してきました。

今回は劇団四季2連チャン観劇でした…っていうか、四季を見ること自体が昨年11月のオペラ座以来(汗)。コロナ禍の影響で遠征もままならなくなり、すっかり足が遠のいてしまいました。

今回の遠征の第一目的は奇跡的に6月公演の『アナ雪』が確保できたからでして…『オペラ座』はもう一演目を考えて後から決めました。

※ミュージカル「アナと雪の女王」の感想はこちら↓

オペラ座では大好きな飯田洋輔くんがファントムデビューしているので何としても観に行きたいのですが、キャスト発表がその週の頭と決められているので遠征者としては狙い撃ちすることができません。それゆえ、どうしてもキャストが定まらない四季は遠慮気味になってしまうんですよね(汗)。

基本的に今の『オペラ座』キャストは誰にも不満があるわけではないのですが、やはり新しいキャストの人は見てみたいというのが本音。なんとかそうならないかと念じていたところ…評判が良かった岩城雄太さんが入られて「おおっ!!」とテンション上がりました。

ところが、ちょうど一つ上の階にある春劇場で『アナ雪』が開幕したことが影響しているからか、昨年訪れた時よりも秋劇場の『オペラ座』がけっこう客入りが落ちていると聞いていました。
たしかに、春劇場に比べるとかなり静かでグッズ売り場もすぐに購入できる状態。1階席にも後方はだいぶ空きがあったり前方にもチラホラ空席が…みたいな感じ。前回は2階席しか取れなかったのに、今では2階がかなり寂しいことに(汗)。

でも予想したよりは人が入ってたと思います。過去にもっと少ない状況見たことがあるので(汗)。それに、新型コロナ禍の影響が深刻度を増している中では…あのくらいのお客さんの方が逆に安心感があったかなぁ。春劇場はすごい人でちょっと恐怖心もあったほどだったので(汗)。営業的には微妙かもしれないけど(苦笑)。
ただ、整列退場がなかったのはちょっと…(汗)。それなりにはお客さんいるので、やはり整列退場はやった方がいいと思いました。

『オペラ座の怪人』ますますレベルが上がって素晴らしい作品となってます。コロナ禍でさえなければもっと多くの人に見ていただきたいんだよなぁ。アナ雪とは違う魅力がたくさん詰まってますので。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

スポンサーリンク

2021.06.30マチネ公演 in 四季劇場・秋(東京・浜松町)

主なキャスト

  • オペラ座の怪人:岩城雄太
  • クリスティーヌ・ダーエ: 山本紗衣
  • ラウル・シャニュイ子爵: 加藤 迪
  • カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
  • メグ・ジリー: 松尾 優
  • マダム・ジリー:木村智秋
  • ムッシュー・アンドレ:増田守人
  • ムッシュー・フィルマン: 平良交一
  • ウバルド・ピアンジ:山口泰伸
  • ムッシュー・レイエ:雲田隆弘
  • ムッシュー・ルフェーブル:勅使瓦武志
  • ブケー:見付祐一

今回もアンサンブルの高井さんにちょいちょい目がいってしまいますね。特に「イル・ムート」シーンで、セラフィーモ(クリスティーヌの役)の脱ぎ捨てられた衣装が目の前に落ちた時の高井@殿様の「およ!?」みたいな表情が可愛くてたまらなかった(笑)。
あと、「ドンファンの勝利」シーンでメグ演じる愛人から色目使われた時の高井@パッサリーノのデレっぷりもツボでした(笑)。

それからもう一人今回惹きつけられたアンサンブルさんが、男性バレエダンサーを演じている松永隆志さんです。とてもきれいな踊りを披露していたし、ハンニバルでカルロッタに色目使うシーン(カルロッタの愛人設定なので)なんかは観ていてドキリとさせられるほど艶っぽかった!
パンフレット買ったら追補が挟まっててそこにお名前があったので、最近から演じられるようになったのかな?約半年以上見ていなかったのでそのあたりの事情が分かりませんが(汗)今後注目したい役者さんだなと思いました。

スポンサーリンク

全体感想

久々の『オペラ座の怪人』観劇でしたが、何度見てもやっぱり”好きだなぁ”と実感させられますね。特に今回は初めましての岩城ファントムだったので、これまでとは違う新鮮さを感じられたのも良かったです。
前回観てからだいぶ間が空いたので、まだちょいちょい前の演出が頭をよぎってしまって「あれ、セリフ変わってる?」とか思うことも(笑)。改めて見てみると、セリフの順番が変わってるシーンが多い。そのあたりはまだちょっと慣れないかもw。

あと、オケピ指揮者の濱本さんの動きもちらちら見える席だったのでいつも以上に注目。オーバーチュアはシャンデリアがグワ~~っと上がっていく見せ場があるので途中まではピットの中で見えないんですが、曲が転調するところでヘッドフォンつけて華麗に指揮棒を振るう濱本さんが見えてきました。

逆に、1幕ラストでシャンデリアが落ちてくるシーンの時には隠れないでダイナミックな指揮っぷりを発揮されてます。今回観たらかなり頭スレスレのところをシャンデリアが通過して行ってたのでちょっとびっくり!いつもあんな距離感のところで指揮されていたのか~。今更ながらのw新しい発見でした。

ちなみに…種明かしになりますが、『オペラ座~』では演出的に録音の音源を使う場面もちょいちょいあります。その場合は音源や歌声と合わせての生演奏になるので都度、指揮者がヘッドフォンを装着するんですよね。

舞台上の役者と実際のオケピの指揮者がコミュニケーションを取るシーンがあるのもこの作品の楽しみの一つだと思います。カルロッタやアンドレから声を掛けられた時の「ハイ」って感じで大きく頷く反応がいちいち可愛らしかったです、濱本さんw。

音楽が全体的にとても抒情的で、キャラクターの心情に合わせた音の流れが心地よかった。やっぱり生演奏は良いなぁと改めて思ったなぁ。東京公演以外は録音になるのが本当に残念…。全国公演でも生演奏してほしいよ…(たぶん次の大阪も録音になると思うので、なんとか生演奏の間に洋輔くんのファントムに会いたい 涙)。
ちなみに、お隣の春劇場『アナ雪』も生演奏でした。

以下、印象に残ったシーンをいくつか。

スポンサーリンク

1幕

冒頭のオークションシーンは前回観た時に”ロット番号”の言い方が変わったと認識したはずなのですが、久々に見るとやっぱり「ロク・ロク・ゴ番」とか番号を区切りながら言われると”あれ!?”って思っちゃいますねw。
今回はオークショナー役の勅使河原さんがけっこう参加者を煽っていたのが面白かったw。「もう出ませんか!?」というセリフなんて”オイオイ、まだいけるだろう?”って挑発しているようにしか聞こえなかったよ(笑)。

「ハンニバル」のシーンで今更ながら新しく発見したのが、稽古中にフィルマンとアンドレが入ってくる直前、クリスティーヌが不安そうな顔をしながらメグに「ちょっとあっちの方行ってみる」みたいなことを言って舞台袖へ消えていったことです。メグは引き留めようとしてましたが、それを振り切るように袖に消えてきました。
で、女性ダンサーメインの場面になった時に舞台の一番奥からすごく不安そうな顔をしたクリスティーヌが現れて慌てて合流するんですよね。この時からすでに彼女はファントムの気配を察していたということになるんだなと。

今までなぜクリスはマダム・ジリーから「もっと集中しなさい」って指摘されるほどボンヤリしてたのか…あまり気にしてなかったんですが(ヲイww)、この一連の流れを見て初めて腑に落ちました(笑)。『オペラ座~』はもうずいぶん長いこと見ている演目なのに、なぜ今までここに気づかなかったのだろうか(汗)。

ピアンジは相変わらず象によじ登るのにかなりの時間を要してます(笑)。「ハンニバルを~~♪」の最後のところでようやくポージングみたいな感じなので観ていてハラハラしちゃいますw。
で、そのピアンジを一生懸命象の上まで持ち上げてるアンサンブルさんがいるんですが、もう超必死に上げようとしててww、終わった後のに下ろす手伝いをした後「やれやれ」みたいに苦笑いしてたのが可愛かったw。

ルフェーブルがフィルマンとアンドレを仲間に紹介する場面で面白いのは、ピアンジの反応です。もともとフィルマンは文化芸術に興味がないので最初から面白くなさそうにしてるんですが、そんな彼に精いっぱいの笑顔で挨拶したピアンジだったのに一言返しだけでスルーされちゃうw。
前回観た時は平良フィルマン、そっぽ向いただけだったと思うんですが…今回観たらピアンジの挨拶よりも舞台下から照らしてるライティングの方が気になってたらしくそっちばかり見てました(笑)。あれはピアンジ、怒るの無理ないわww。

カルロッタがわがまま言って強引にアリアを歌いだすシーン。カルロッタってあんなにアンドレを誘惑しまくってたっけ!?と思うほどすり寄りまくってました(笑)。スカーフを顔にファサーってやられたときのアンドレのクラクラっぷりが面白いw。

「Think of Me」でクリスティーヌが初めて歌うシーンは旧演出よりも彼女のビクビクした緊張感が手に取るように伝わってくるので、観ていて「うん、その気持ちわかる!」と共感してしまいます。そんなビビりまくりなクリスを見て「大丈夫なのか?」と心配するフィルマンとアンドレ。ところが、彼女が徐々に実力発揮していくと「!?」となってこりゃイケるとなるわけです。
このシーンは旧演出の時には「大丈夫か?」みたいなセリフは無くて「いざとなったらこの子で行こう」というセリフだったんですよね。ここをニュアンスだけに変えたことで新しい支配人たちがクリスティーヌに不安を抱いていたことがより強く伝わるようになったと思います。

ちなみに私は、ガラコンサートが終わった後に指揮者役のアンサンブルさんがめっちゃ絶賛してるシーンが好きww。今回もかなりテンションが高く、泣き笑いみたいな表情で拍手しまくってて思わず吹きそうになっちゃったよ(笑)。

ラウルが久しぶりにクリスティーヌと対面して幼いころの記憶を語るシーン。ここのセリフが旧演出のときと逆になってる。スカーフを取ってきたくだりが「14歳の時に取ってきてあげたのだもの、濡れネズミになって」に変わったのがいまだにちょっとアレ?って思っちゃうw。
実際こっちのほうが全然わかりやすいんだけど、今まで「14歳の時」が最後に来ているセリフをずっと聞き続けているのでまだ慣れないですねぇ(汗)。っていうか、”濡れネズミ”っていう訳をもう少し砕けた言い方にしてもそろそろいいのではないかと思ってしまうww。まぁ、浅利慶太さんのレガシーを残したいって意味もあって変えないのかもしれないけど。

ただ、クリスティーヌがファントムに連れられて地下室へ行った直後に入ってきたラウルのセリフ「エンジェル!?」が暗転した後に聞こえてくるのはまだ違和感。なんであんなに早くセリフ言ってる最中から暗くしちゃったんだろう?

スポンサーリンク

ファントムがオペラ座の地下室へクリスティーヌをボートで誘うシーンは何度見てもテンションが上がります。あのセリ上がるろうそくが本当にきれい。あらためて、ハロルド・プリンスの演出は素晴らしいと感動しますね。

「The Music of th Night」のシーンでのクリスティーヌの陶酔っぷりがかなり濃い。最初のころは好奇心丸出しで目に映るものすべてに目を輝かせていて、かなり早い段階でファントムにキスしようとする素振りを見せたのが驚きでした(汗)。女性慣れしていないファントムからしたら、あれは相当刺激強かったと思うよw。前見た時、ここまで積極的だったっけ??

クリスティーヌが自分とそっくりな花嫁人形が突然動いて気を失う場面、岩城ファントムは「え!?どうしよう…!!」っていう反応をしてて、彼女に毛布を掛けるときにもドキドキ感が伝わってくるのがすごいツボでした。この時の反応がとても斬新で面白かったし萌えたw。

支配人のオフィスではちょいちょいセリフが旧演出から変わっているのですが、カルロッタが最初に歌う「あの人は(クリスティーヌのこと)?」がいまだにちょっと慣れませんねぇ。ここは今まで通り「あの子は?」のほうが下に見てる感じが出ててよかった気がします。

ファントムからの手紙をフィルマンとアンドレが読むシーンは二人の息が合った動きが面白いです。特に手紙の最後に差し掛かったあたりで一緒に後ろに進んでいってちょこっと机の上に乗っかるのが可愛くてツボw。

気になるのが、ピアンジがカルロッタが軽んじられてると察して怒りながら歌う場面。アンドレとフィルマンに向かってデカい声で威嚇するんですが、以前はここで二人が「うゎっ、うるせぇ!」って感じで逃げてしまったのに、今では動じなくなっちゃったのがちょっと寂しい。二人が逃げてくのがコミカルで面白かったのに、それがなくなったのは残念です。

このオフィスのシーンは何といっても7重唱の美しさです。集中して聞くとそれぞれ全く違うことを歌っているのですが、これが不思議と見事なハーモニーになっている。ロイドウェバーの天才っぷりを改めて実感させられるシーンでもありますね。
ただ、ナンバーが終わった後にサーっと幕が出てくるので、『オペラ座~』を見たことがない人はここで休憩だと思っちゃうこともある(汗)。現に今まで何度か立ち上がろうとした人を何人も目撃してます。でも、それもプリンスの演出上の狙いだったのかな?

「イル・ムート」では強引に主役をカルロッタにしたことに怒ったファントムが彼女の声をカエルに変えてしまうっていう、摩訶不思議なシーンがあるのですがw、いつもここは舞台枠のてっぺんに登場するファントムに注目して舞台の上をあまり見てなかったんですよね。
今回も基本的にはやはり最上部にいるファントムに目がいったのですが、少し舞台上に目を移してみると…1回目カエル声に驚いてたヘアドレッサーたちが2回目で少し普通になったところで「なぁんだ」みたいに安堵してた表情が面白かったww。でもその後カルロッタが歌えなくなると…、数人が「ザマぁ」みたいにニンマリしててちょっとびっくり(笑)。カルロッタのこと、良く思ってない人多かったのね(汗)。

あと、客席にバレエの演目を伝えて慌てて掃けようとしたアンドレと踊り手さんがガチンコしてしまうシーンも面白いw。最後は花輪にアンドレさんの顔がハマりそうになっちゃってて可愛かったですw。

「All I Ask of You」ではファントムにおびえるクリスティーヌをラウルが必死に介抱しようとするわけですが、途中、クリスが陶酔に浸るような歌い方をしたときには「え…」って感じでラウルがちょっと引き気味になって離れていました。あれ、こんなにラウルはクリスから距離取ってたっけ?とちょっとびっくり。これ今まであまり気にしないで見てきたからなおさらだったかもw。

でも、最後はしっかりと彼女の愛を引き寄せるラウル。キスシーンも美しく爽やか。今はコロナ禍なので以前ほどしっかりとしたキスはしていませんが、逆に手を添える演出が艶っぽく見えるんですよね(これはオペラ座に限らずどの演目でも同じように感じます)。あれはファントムが嫉妬するのも納得。

そしてエンジェル像のシーンになるんですが、ここの演出、ずっと変えないでほしいんだよなぁ。一時期舞台上の像で代用していたことがありましたが、やっぱり上から降りてくるエンジェル像の上のファントムのほうが感情移入しやすい。大阪はどうなるんだろう…って思っちゃう(大阪公演の方が行きやすいのでなおさら気になる…)。

スポンサーリンク

2幕

マスカレードのシーンは前回観た時は旧演出と変わりないかな、と思っていたのですが、冒頭のフィルマンとアンドレが登場する演出が変わっていたことに今回気づきました(汗)。
以前は別の場所から出てきた二人が背中でぶつかった時におびえながら「フィルマンさん?」「アンドレさん?」と名前を確認していたのですが、新演出になってからは背中でぶつかった後もお互い誰か分からない状態の様子で仮面をつけたまま向かい合いながら名前確認してましたね。で、素性が知れてからようやく骸骨仮面を外すって手はずになってます(笑)。つまりは、二人の怯え度がアップしてました(笑)。

あと、サルのコスプレしてる女性アンサンブルさんがクリスティーヌとラウルの婚約話を盗み聞きする場面。以前リハーサル見学行った時にこの枠の方がダンスキャプテンをされていることが多かったのですが、今回もそうかな?実にちゃきちゃき動いていて楽しかったです。
ちなみに、クリスティーヌが持っていた仮面はサルのコスプレさんが奪った後そのまま持ち去ってましたね。これも改めて今回気が付きました(←今更が多い 笑)。

マスカレードの最後のシーンで赤髑髏(レッド・デス)に変装したファントムが登場するのですが、ここの演出が毎回ワクワクしますね。大きなマントを広げたアンサンブルさんの後ろにバーンと現れるのがカッコいい。
で、自分がかき上げたオペラ「ドン・ファンの勝利」のスコアをアンドレに向かって投げ入れるんですが…、佐野さんは丁寧に投げていたのに対し、岩城さんはけっこう雑に放り投げててwwアンドレさん、落としちゃってましたw。ここの投げ方の解釈については色々な意見がありますが、私はどちらも個性があってアリかなと思います。

あとここでもう一つ印象的なのが、クリスティーヌがファントムに引き寄せられていくときにラウル以外の傍観者たちがささやき声で彼女の名前を連呼する場面。これが加わることによって、不気味な雰囲気がマシマシになることになりました。

マダム・ジリーがラウルに1回で呼び止められるのも新演出になってからですが(前は3回呼ばないと止まってくれなかったw)、ジリーさんが見た体験談というのがまるで怪談話みたいな雰囲気になってて(汗)ますますファントム哀れって感情が沸き起こってしまいました。
ちなみに、今回見たらジリーさんの持ってたランタンの火が最初から消えてた(汗)。前は薄明るくついてたような気がしたんだけど…??「フッ」って吹き消す前から消えてたので「あれ?」と思ってしまいましたww。

スポンサーリンク

支配人室で「ドン・ファンの勝利」のスコアを読んでいた面々が混乱していく場面。面白いのは、ファントムからの手紙が読まれるシーン。ピアンジに対しては「もっと痩せてくれなくては」という辛辣なツッコミが書かれてあるんですが、それに対するピアンジさんの反応がめっちゃ可愛いのですw。これ、なんでピアンジに痩せろって迫ってるのかは後々「あぁ…」って思うんだけど、結局彼はダイエットしないまま舞台に出ちゃうんだよねw。

ラウルがファントムを捕らえる作戦を立てるとクリスティーヌが混乱してしまう。そんな彼女をみんなが説得にかかるのですが、ピアンジがそれに加わったことでカルロッタが嫉妬して「なによっ」とそっぽ向いちゃうっていう演出が無くなったのがちょっとまだ違和感…っていうか寂しいんだよなぁ。
新演出になってからカルロッタは輪には加わらないものの、クリスティーヌに同情的な…というか、「何か抱えてるの?」みたいな少し柔らかいニュアンスの反応に変わったんですよね。まぁ、結局は「ドン・ファン~」に出演する運びとなってますから自然な反応でいいのかな、とも思いますが。

歌稽古のシーンはなかなかうまく合わせられないピアンジに冷たい視線を送りながらもギリギリまで辛抱してる高井さん演じる役者がツボw。イライラはしてるんだろうけど、努めて平静を装うとしてるのが面白いです(笑)。

あと、カルロッタがピアンジを庇った後にマダム・ジリーが「作曲家の前でも言える?」と脅しをかけるのですが、カルロッタの「いてももちろん言えるわよ」とジリーの「そうでしょうか、シニョーラ」のセリフが被る(同時)ようになりました。最初ハプニングかと思ったんですけど、どうやら演出が変わったようで…。個人的にはちゃんとセリフが聞き取れるように別々に言うのがベストだと思うんですけど(汗)。

墓場のシーンはクリスティーヌの独唱の最後の部分が映画版とほぼ同じになったのが個人的にはすごくいいなと思ってます。尻すぼみのように静かに終わるのも情緒があったけど、あそこまで抒情的に歌い上げたあとはしっかり歌って〆たほうがよりドラマチックに聞こえます。

ファントム、クリスティーヌ、ラウルの三重唱はようやく耳も慣れてきてそれぞれの歌詞が聞き分けられるようになってきました。加藤くんのラウルは非常に分かりやすい声で歌ってくれているのでありがたい。
で、この後ラウルの乱入に怒ったファントムが炎が出る杖で挑発しまくるシーンになるのですが、岩城ファントムも結構な勢いで発射しまくってましたねw。佐野さんが連発するときは「ポン・ポン・ポン」って小気味よく炎を出してましたが、岩城さんはさらに早くて「ポ・ポ・ポ・ポン」って感じ(笑)。機関銃みたいに矢継ぎ早に炎出してきてビックリしましたw。

「ドン・ファン~」前の警備準備シーンは、今回もコロナ禍を配慮してかオケピに警備員が入りませんでした。本来ならばピットの中に配置されていてそこから撃てとラウルに命令されるのですが、やはり「密」を警戒してかしばらくは舞台の上ってことになるでしょうなぁ。生オケの時にしか見られない光景だったので残念ですが致し方ない…。
ちなみに地方公演は録音になるので警備員は舞台上に配置されることになってます。全部生オケにしてほしいよなぁ・・・オペラ座は・・・。

スポンサーリンク

「The Point of No Return」ではピアンジの代わりにドンファンに成り代わったファントムとクリスティーヌ演じるアミンタとの濃密なやり取りが大きな見どころ。クリスティーヌはなかなかの女優ですごく挑発的なイケイケ女性を熱演するので、黒マントを被ってドン・ファンを演じてるファントムはちょいちょい動揺しまくってて立場が逆転したように見えるのが面白いです。
特に岩城ファントムの動きは挙動不審というか、オロオロしてる様が手に取るように伝わってきたので見てるこちらまでハラハラさせられてしまった。

クリスがファントムの正体に気づくタイミングが新演出から変わって、顔をすりすりした後にファントムから強く手を引っ張られ羽交い絞めにさせられたところまで延びました。いまだに新演出になれてないので「あれ?クリス、まだ気づかないの!?」とか思っちゃったw。

クリスがファントムの正体を明かした後、意を決してファントムがクリスに指輪を贈るシーンは観ていてとても切ない…。ファントムは一世一代の大告白で切実な思いを伝えようとしてるのに、クリスは恐怖心しかなくて指輪はめられてるときも「怖さ・おぞましさ」しか感じてない表情してるんですよね。気持ちが通じてないっていうのがより鮮明に視覚化されててめちゃめちゃ心が痛くなる場面でもあります。

そして隠れ家でもさらにクリスはファントムの心から離れていくわけで…、自分に振り向いてくれない彼女にどうしようもない怒りを感じたファントムは”クリスそっくり人形”を乱暴に打ち捨てる。
前回佐野ファントムで見た時はその場に叩き落していたのですが、岩城ファントムは袖に向かって叩き落してましたね。ただ、完全に袖に飛んでいかなかったため、ラストシーンまで人形の足首が見える位置に転がっているという…カオスな状況になってましたw。

ファントム、ラウル、クリスの三重唱はもう、観ていて「苦しい」の極致。三人がそれぞれ何とか自分に気持ちを引き寄せようと必死になってるのですが、一向にかみ合わないままで…ファントムだけが心理的に崖っぷちに追いやられるみたいな感じになるのが哀しい。
そこを経ての、クリスのキスシーンなので、これは涙なくしては観られません。コロナ禍ではありますが、ここは唇を合わせるところまではいってますね。彼の心を救うための一番重要な場面でもありますから、ここはあの演出で何とかこれからも頑張ってほしい。

その先のラストに向けたファントムはもう、泣くしかないってくらい切なかった(涙)。ここはまた後述します。

やっぱり新しいキャストが加わると舞台の雰囲気も変わりますし役者さんたちの反応も新鮮で見ごたえがあります。以前よりも皆さんとても伸び伸び自由なお芝居をされている印象で、やっぱり線路の上を走るだけの優等生的なものよりも緩急ついた感情を感じられるもののほうがより作品に厚みができていいなと思いました。

キャスト感想は次のページにて。