ミュージカル『RENT』10.11.09マチネ

前回から1週間しか経っていませんが、どうしてももう一度藤岡くんのロジャーに出会いたくて突発で来てしまいました。

 

当初の予定ではこの日のソワレが藤岡くんの楽だということになっていましたが、少しだけ延びて14日までになったようです。本当はこの日にも駆けつけたい気もしますが…財政的にかなり厳しいので我慢我慢(汗)。

Anisくんは16日から復帰のようです。私はあとは前楽のみなのですが、この日に逢えそうです。早く元気な顔を見せてほしいですね(ちなみにこの日が彼を観る最初で最後になるんですけど 汗)。

間際にチケットを取った時にはまだ座席的に余裕があったのですが、いざ劇場に入ってみるとやはりかなり埋まってましたね。男性の方でやけに声を出して盛り上げている方もいたし(笑)。カーテンコールもスタンディングがたくさん出て熱かったです。

私も♪シーズンズオブラブ♪アンコールの時に思わず立ち上がってしまった。 なんだか見れば見るほどこの作品の虜になっていくような気がします。2年前の公演では得られなかった感情も確実に私の中で沸き起こっている。自分自身の心と体が不安定な時期でもあったりするので、なおさらそう思えるのかもしれません。私自身の心の隙間にこの作品は痛いほど食い込んでくる。なんていうか、表現が難しいけど…あのロック音楽の渦に巻き込まれて激しく心を揺さぶられるみたいな。

そんなこんなで、この日の『RENT』もやっぱり涙が止まらなくなってしまった…。瞬き忘れるほど夢中で魅入ってました(汗)。

 

主なキャスト

マーク:福士誠治、ロジャー:藤岡正明、コリンズ:米倉利紀、ミミ:Jennifer、エンジェル:田中ロウマ、ジョアンヌ:Shiho、モーリーン:Miz、ベニー:白川侑二朗、安崎求 ほか

 

 

以下、ネタバレ込みのキャスト感想などです。

 

この日はビデオカメラの通知がなかったな…。やはり前2回は偶然その日に当たっていたらしい。だとしたら、その収録したものは断片的にでも今後どこかで流れることがあるんだろうか?今期の『RENT』はかなり好きなので少しでもいいからどこかで公開してほしいです。

RENTのナンバーはどれもすごく心に響くのですが、それぞれの曲やシーンの感想については次回の前楽公演が終わった後に書こうと思います。とりあえず今回は特に自分の心の琴線に触れたシーンを少し…。

 

♪RENT♪

静寂から一転して激しいナンバーになるこのシーン。暗闇から突然明るくなりマークとロジャーの周りが騒がしくなる激しいロックナンバーです。ゾクゾクっと鳥肌が立ちました。いつもこのナンバーを聞くと体が熱くなるような感覚に陥るのですが、この日は胸の内側からいつもとは違った痺れのようなものがビリビリっと駆け巡ったんですよね。

観劇前まで少し気分が落ちていたことも影響していたと思うのですが…そこからガーンと叩き起こされたような感覚。福士@マークと藤岡@ロジャーの声を枯らさんばかりの体全体から溢れ出る歌声、それに呼応するかのような周囲の歌声、そのすべてが素晴らしかったし心揺さぶられました。

 

♪Today 4 You♪

コリンズが連れてきた奇抜な格好をしたエンジェルのポップ感溢れるナンバーですが、ものすごく心が躍るような感覚で魅入ってしまった。オケピのミュージシャンの人たちもノリノリでエンジェルのスティックに合わせて体を動かしていたのが印象的です。手拍子も開場から沸き起こりとても盛り上がりました。

 

♪Tango: Maureen♪

最初に見たときはほとんど動きがなかった福士君でしたが、あれから1ヶ月以上が経過してかなりコミカルな動きをしてくれるようになりましたね。不器っちょながらもジョアンヌに対抗するようにロボットみたいな動きでポーズをとったりしててものすごく可愛い(笑)。それに対してShihoさんのジョアンヌも彼を翻弄してみたりして遊び心たっぷりの仕草があってとても楽しめました。

 

♪Another Day♪

このナンバーはいつ聞いても胸が熱くなりウルウルきてしまうのですが、藤岡ロジャーではそれがボロ泣きになってしまうのです。涙無くしては見られません…。必死に外の世界へ連れ出そうとするミミに対しどうしても一歩が踏み出せずに苦しむロジャー。誘っているほうも、誘われているほうも、苦しくて切なくてたまらないのです。

特に藤岡ロジャーはその心の痛みや迷いといった部分がものすごく顕著に表に出ているので、その姿を見ているだけで泣けます…。ナンバーの旋律も心の琴線に触れてくるし、二人のやり取りも切ないし…観ているこちらも切なくて苦しくて感情がものすごく揺さぶられて溢れ出る涙を止めることができなかった。

 

♪La Vie Boheme♪

歌詞の内容がかなり過激なんですけど(汗)若いキャストたちの勢いに完全に飲み込まれて気がついたらドキドキわくわくしてくるといったナンバーです。もう皆すごいよ…体中から沸き起こってきているエネルギーが!ものすごく強烈な光を放ってるし勢いがハンパなかった。

そんななかでひととき静寂になるシーンがあるんですが、今回はそこにものすごくズキンとくるものがありました。エイズの薬を飲んでそれぞれのパートナーと寄り添っている中、マークはその中でたった一人きりになっていた。光が当たっていないんだけど、その姿を見たときものすごく胸が痛んで泣きそうになりました…。

ちなみにこのナンバーの冒頭で福士くんが客席に下りて前方の人たちと握手したりする一幕があるんですが、この日は数人と触合ったあとに一つだけ空いていた座席に座ってものすごいハイテンションでこぶし振り上げてノリノノリ状態になってました(笑)。

 

♪Seasons Of Love♪

RENTを代表する楽曲のひとつです。2幕の頭でキャスト全員で歌われるんですが…聞いているうちに自分の中でものすごくこみ上げるものを感じて…気がついたらやっぱり泣いてしまって..

 

♪Take Me Or Leave Me♪

モーリーンとジョアンヌの大喧嘩なのですが、このナンバーもものすごく好きです。二人の他愛もないケンカがだんだん大きくなっていくんですが、それにしたがって二人のテンションがMAX状態になっていく。その勢いがハンパなくすごかった!

 

♪I’ll Cover You (Reprise)♪

エンジェルがあの世へ旅立ってしまったあとの哀しみをコリンズが歌うシーン…涙が止まりませんでした…(涙)。ミミもモーリーンも泣いてたし、米倉@コリンズは最初涙で言葉が詰まりそうになるくらい哀しい顔してました…。別れの言葉もいうこともできずに呆然と後ろでうつろな目をして座り込んでいるロジャーの姿も非常に印象的です。

 

♪What You Own♪

ロジャーとマークがそれぞれ溜め込んでいた感情をぶつけるように歌うシーンですが、福士君と藤岡君の熱い熱い魂のぶつかりのような掛け合いに観ているこちらの胸も熱くなり、気がついたら彼らの気持ちとリンクして感極まって涙していた私…。

想いを吐き出すようにぶつけている二人の姿が本当に印象的で…その想いがいやと言うほど私の心を揺さぶっていたように思います。

 

♪Finale B♪

ストーリーの筋からいうと初めて見る人とかには分かりづらいかもしれないシーンですが…ここにジョナサン・ラーソンの希望のメッセージが込められているという気持ちで観るとものすごく泣けます。彼は退廃的な世界で生きたかもしれないけど、いつかそんな時代とも決別して明るい未来が来ることを心から願っていたんじゃないだろうか。

マークの撮りためたフィルムに映っている笑顔の仲間達、最後に天国から仲間のもとへ帰ってくるエンジェル、恋人のミミを愛しそうにみつめ抱きしめるロジャー、何か新しい予感を感じて歌うマーク…。彼らを観ていると涙があとからあとから溢れ出て仕方なかった。このシーンはどうしても号泣してしまうんですよね…。
最後のフレーズが"no day but today"で終わるところもすごく深いなと思います。明日ではない今日…今を生きる、刹那的でありながらも熱い魂が込められたラストシーンだと思う。 何か体力的にも消耗したんじゃないかってくらい、涙してしまった気がする…。心が弱い時にこの作品を観るとものすごく堪えるけど、なんだかそれにも増して栄養剤を注入されたような気持ちにもなる。そんな観劇でした。

 

キャストについても少々。

 

マーク@福士誠治くん

福士くんのマークはとにかくとても分かりやすい。歌もロックに馴染んできているし何よりも芝居がとても丁寧です。今回の観劇で私が一番感情移入したのが実はマークだったりします。マークは彼の仲間達のところへ出向きカメラを回して映像を記録しているんですが、ふとある瞬間に孤独になる。

ロジャーとミミ、コリンズとエンジェル、モーリーンとジョアンヌ、マークの仲間なんだけどそれぞれパートナーがいて彼はその中に入り込むことができない。ライフサポートの集会から逃げるように立ち去る姿もとても印象的だった…。抗議集会のあとのカフェでも仲間とワイワイ騒いでいてもふと気がつくとマークは一人になってしまう…。
「自分の映すカメラに僕は映っていない」

というセリフが重く心に突き刺さります。 そういったマークの繊細な心の動きを福士くんはものすごく丁寧に表現してたと思います。仲間といながらも実は自分は孤独なんじゃないかと感じる恐怖感とか…ものすごくよく分かる。もう観ていて身につまされるというか…福士@マークと自分をリンクさせてしまうようなシーンもあったりして切なくてたまりませんでした。

 

ロジャー@藤岡正明くん

藤岡くんのロジャー見たさに突発した今回の『RENT』でしたが、前回観た時からまたさらに進化した姿が観れてとっても感動しました!短い期間の間にどんどんとロジャーが体に染み付いていっているみたいですね。素朴だなと思った前回よりもロック歌手の雰囲気がすごく出てきていたし、歌い方も自分の限界に挑戦するかのような熱く激しい声に変化していました。

♪Another Day♪での藤岡ロジャーは本当に見ているだけで涙が出ましたよ(涙)。今にも壊れそうな泣きそうなあの表情見ていたら…もう切なくて切なくてこちらも苦しくなってしまう。

逆にミミに誘惑されるシーンでの翻弄されっぷりがものすごく可愛い!あれは萌える(笑)。どう対応していいのか分からなくてオタオタしてる藤岡ロジャーは彼にしか出せない味だろうなぁ。 今回も顔を真っ赤にしながら全速力でロジャーを演じてくれた藤岡くん。この公演で彼の好感度がかなり上がりました。これで藤岡ロジャーは見納めになるけど、またいつか再演した時に正規メンバーで参加してくれると嬉しいなと思いました。

 

ミミ@Jenniferさん

2年ぶりに彼女のミミに出会いましたが、前回の記憶があまりないのでかなり新鮮でした。今回限りになるんですけど…顔は異国風なのに日本語がとても分かりやすい。

ソニンちゃんはけっこう個性的な歌い方をするので時々歌詞が聞き取れないことがあるんですけど、Jenniferさんは言葉の一つ一つがかなりハッキリ届いてきて「あぁ、こう言っていたのか」と納得することも多々あり。かなりの好印象でした。

彼女のミミはソニンちゃんよりもキツめで小悪魔的な印象でしたね。それだけに藤岡ロジャーが翻弄されている姿がやたら可愛く見えてしまったのかも(笑)。

 

モーリーン@Mizさん

彼女のモーリーンも2年ぶりなのですがあまり記憶に残ってない(汗)。これまでキタキさんのモーリーンを観ていたのでかなり印象が変わりましたね。金髪の短髪美人。抗議集会の衣装もキタキさんのものとは違っていました(ミミもですが)。

美尻を披露するシーンは「あぁ、そうきたか」みたいな(笑)。 Mizさんのモーリーンはかなーり攻撃的で気性が激しいです。それに喜怒哀楽の表現がかなりハッキリしているのでとても分かりやすい。抗議集会の演説も抑揚ついてアクションも大きいし、個人的にはキタキさんよりもMizさんのほうに魅力を感じました。ちなみにこのシーンのとき、ミュージシャンの皆さんも一緒にジャンプしてるんですね(笑)。ところどころで芝居に参加してる姿が観れて楽しかったです。

 

そのほか… 田中@エンジェルもまたさらに可愛さを増しています。

米倉@コリンズは大人の雰囲気といたずらっ子みたいな面を持ち合わせますます魅力的な人物に。

Shiho@ジョアンヌはますます元気なハスキーヴォイスを張り上げて楽しませてくれました。

白川@ベニーは上から目線の嫌味っぷりが堂に入ってたし歌声もすごくよかったです。

アンサンブルの皆さんも熱演で…特に中村桃花さんの可愛いい美人っぷりは目を惹きました。

 

熱い熱い魂を揺さぶられるような今回の『RENT』。今の時期に観れてよかったと思う。

あとは前楽の1回を残すのみ。その日に楽を向かえる人もいると思うので感動的な公演になりそうで楽しみです。

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