ミュージカル『ファントム』 2010.11.10マチネ

赤坂ACTシアターで上演されているミュージカル『ファントム』を観に行ってきました。

私は初演を観ているのですが…その年の個人的ナンバーワンに挙げたほど大好きなミュージカルだったんですよ。あの観劇で大沢たかおさんに抱いていたイメージがガラリと変化しました。何もかもが衝撃的で自分の中で色んな感情が動きました。大沢さんのファンになったのもあの時からだし。あれから2年…。諦めかけていた大沢ファントム再演の時が来た!!

再演が決まったという話を聞いてから約1年…この日が来るのをどんなに待ち望んだことか。この作品観るために勢いで大沢さんのファンクラブにも入会してしまったし、大楽となる大阪公演も含め5回分も気合入れてチケット入手しました(笑)。ちなみに2年前当時私がどれだけ大沢ファントムに魅了されたかの記録はこのブログの「ファントム」カテゴリーにありますので興味がありましたらぜひ。あれよあれよという間にドップリになっていく様が顕著に記録されてます(爆)。

劇場の外はファントム色に染まってて階段も綺麗に装飾されています。入り口に入るとグッズ売り場があるのですが…開演前はものすごい混み方。これは前に大東くんの舞台を観た時も同じ現象だったので(汗)列には並ばずにそのまま客席へ移動しました。

ちなみにグッズは開演前よりも休憩時間に行ったほうが余裕を持って購入できると思います。ただ、大沢さんのカレンダーは売り切れになってますけどね(汗)。パンフレットは写真集みたいで綺麗です。稽古場写真も入れてほしかった気がするけど…写真が綺麗だからまぁいいか。

で、客席に入って…ビックリ仰天!オケボックスが設置されているので最前列がD列からになっていまして…自分のチケットを見るとものすごい前のほうのアルファベットが刻まれている。ファンクラブから割り振られたチケット番号よりもすごい席でびっくりしましたよ。こんな特等席で大沢ファントムを観てしまっていいのだろうか…となんか観劇前から緊張してしまった(笑)。

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さて、今回の『ファントム』再演ですが…初演の青山劇場バージョンとは色々と演出が変わっていましたね。

セットがシンプルで柱の部分を移動させることで場面転換させるという面白い手法になっていました。また、初演の時は高いところでの芝居が多かったのですが、再演では大切なシーンはほぼ舞台の上で展開されています。それから、劇場の特性もあってか客席を使った演出が一切なくなっていました。初演の客席での芝居も面白かったけど、やっぱり舞台上で展開されているほうが見やすくていいです。

あとは前回あったものがなくなっているといったこともありましたね。ベラドーヴァが出てこなかったのはちょっと驚きました。あと文化大臣も出てきません。その代わりラストのクライマックスに出てきた例の演出は今回もありました。妙な掛け声とかもかからなくてよかった(初演ではあったらしいので 苦笑)

モーリー・イェストンの音楽はやっぱり何度聴いても素晴らしいです!ものすごい好み。美しい旋律、そしてツボをついてくる盛り上げどころ、本当に最高、鳥肌モノ。シンプルそうに聞こえるけれども音の幅が広くて実際に歌うのはとても大変だと思います。

歌詞は初演と比べるとけっこう変更されている箇所が多かったかも。日本語で歌ってた部分を英語で歌っていたりとかいう場面もありました。全体的にはストーリーの筋に合わせて分かりやすく改変されているなぁという印象だったかも。あ、指揮者は女性の方でした。けっこうお若い感じで可愛らしかったです。

主なキャスト
ファントム(エリック):大沢たかお、クリスティーン・ダエー:、フィリップ・シャンドン伯爵:海宝直人、カルロッタ:樹里咲穂、ゲラール・キャリエール:篠井英介、アラン・ショレー:石橋祐、ルドゥ警部:中村まこと、ジャン・クロード:永島克 ほか

以下、ネタバレ的なキャスト感想などを少々・・・。

 

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今回の公演でちょっとビックリしたのが上演構成です。

このように…なんと、3幕制になってるじゃないですか!しかも1幕と2幕の間は5分休憩…ということは、明らかになんらかの舞台準備のためだと思うんですが、うーーーん、正直、このミニ休憩は入れないでほしかったです。

ちなみにブケーが殺害されたと知ったオペラ座の人たちがファントムを捕らえろと憎しみを募らせる♪Phantom Fuge Part2♪のナンバーが終わった後に休憩が入ります。5分後にクリスティーンとファントムが共に歌う♪You are Music♪から再開という運びなんですけど…やっぱり続けて観たかった気がする。それにあまり大きなセット変更があったわけでもなさそうだったしなぁ。

このミュージカルは『オペラ座の怪人』が下地になっているのですがストーリーや音楽は有名なALWのものとはかなり違うものになっています。脚本はアーサー・コピット

ロイドウェバー版は怪人を手品師のような存在として描いていますが、この『ファントム』に出てくる怪人は“エリック”という名前を持つ一人の青年として描いています。彼がなぜオペラ座の地下室で長い間生活をする羽目になったのか、彼の生い立ちはどうだったのか、など、より深い人間ドラマになっているのでストレートプレイっぽい面もあるかもしれません。

全体的にあまり派手な演出がなく、シャンデリアが落ちるシーンも出てきません(笑)。”ファントム”と呼ばれるようになってしまったエリックという孤独な一人の青年の生涯をじっくりと見ていく感じの作品だと思います。

パリのオペラ座にカルロッタ夫妻が支配人として就任した後、次々と起こる不可解な事件。そんな最中、町でフィリップ伯爵にスカウトされたクリスティーンの歌声に魅了されたファントム(エリック)は彼女に歌のレッスンを施す。なかなかクリスティーンにデビューの兆しが見えないことに焦ったファントムは住処に侵入し殺害したブケーの遺体を支配人たちに見せ付ける。

オペラ座全体に緊張が走る中、ついにクリスティーンのデビューが決まるが、彼女を妬むカルロッタの仕業で声が出なくなってしまう。そのことに怒ったファントムは舞台上で呆然とするクリスティーンを自らの住処へさらい彼女を自分の物にしようとする。やがて二人は心を寄せ合うようになるが、ファントムの素顔を見たいと切望したクリスティーンがその顔を見て思わず逃げ出してしまったことで絶望の淵へと落とされるエリック…。彼に迫る追っ手…、そしてキャリエールから明かされる出生の秘密。

大まかなストーリーはこんな感じです。ブケーの死やカルロッタによる妨害やフィリップ(ALWではラウル)に対するファントムの嫉妬などといった点では重なる部分があるのですが、それ以外の部分ではかなり印象が違います。

とにかくファントム(エリック)が切ないんですよ。彼に纏わる出生の秘密も哀しいし…。この作品を見るとファントムがとても愛しく思える。人には色々好みがあるけれども、私はコピット版モーリー・イェストン楽曲の『ファントム』が本当に好きだと改めて実感しました。

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あと4回観劇予定なので(笑)初回は軽くキャストの感想を…。

ファントム@大沢たかおさん

いやぁ、本当に役者として最高の芝居をこの人は魅せてくれますよ。体中からファントムの哀しさや切なさが滲み出ている。孤立感からの怒りの感情や、クリスティーンに戸惑いながらもどうしようもなく惹かれていく仕草などものすごく繊細に表現しています。

一番の感動はやはり3幕でクリスティーンに素顔を見られ逃げ出されたあとの嘆きでしょう!あの何ともいえない胸裂かれるような嘆き声に涙が止まらなかった(涙)。それまでまるで子供のようにクリスティーンの前ではしゃいでたファントムが絶望の淵に落とされるんですけど、その痛みを見ているこちらも感じ取れるかのような芝居で表現していました。

さらにキャリエールとのシーンも感動です!彼の告白に「分かっていた」と苦しい息で応える姿も涙無くしては見られません(涙)。そして再演でもあります、大沢ファントムのロープ飛び移りが!でも見所はそのアクションだけではなく、キャリエールに涙ながらに「助けてくれ」と懇願するシーンでしょう!もう見ているだけで悲しくて仕方なかったですよ…。

いやぁ、本当に妥協のない芝居を魅せてくれます、大沢たかおさん!で…彼もものすごく気にしていた問題の歌ですが…私は初演も観ていることもあって”大沢さん、歌がかなり安定してきたなぁ”と感動しまましたよ。少なくとも初演よりも声の伸びはすごいものがあります!多少やはり揺れる部分はあるんですけど、それを越えて余りある演技力もプラスされているせいか個人的にはあまり気にならなかった。相当頑張ってレッスンしたんだろうなっていうのが伝わってきました。そういう真面目でストイックに役に…作品に全力投球する大沢たかおさんが好きです。

ちなみに、今回のファントムは仮面を取っても大沢さんの素顔になっているのでファンにはかなり美味しいかも。つまり、醜い顔というのは客席側が想像するという演出になっているようです。テーマとしても本当に醜いものは何か?みたいなものもありますし、無理に醜い顔を作らなくても私はこれでいいと思います。

今後もますます進化しそうな大沢さんのファントム、ものすごく楽しみです。カーテンコールではニコニコと笑顔で舌もペロッと出したりしててお茶目で可愛かった。最後マントを踏んで転びそうになってたのもご愛嬌(笑)。

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クリスティーン@杏さん

見た目は本当に綺麗でかわいいです。クリスティーンのイメージに合う、外見は。さすがはモデルさんだなぁと。芝居もちょっとお転婆風な感じで個人的には好感を持ちました。

が…!!歌が…歌が…(苦笑)。杏さんもキャスティング決まってからレッスン受けてたんですよね?それなのに、あれですか…(毒)。

クリスティーンのナンバーはモーリー・イェストン楽曲の中でもかなりいいものが揃っているのですが…それを杏さんの歌唱力が全て台無しにしてしまった感じが否めません。私はけっこう歌唱力については寛容な方でよほどのことでもない限りは受け入れられるんですけど…彼女はダメだった(毒)。久しぶりですよ、観ながら手に汗握ったの(爆)。もう、彼女のナンバーになるたびに体中に変な緊張感が走ってしまって…作品を十分満喫することが実はできなかったりした。客席の反応もそれはそれは素直なものでしたよ…(苦笑)。

なんだろうなぁ、もう少し舞台に真摯に向き合ってほしいかも。大沢さんがものすごく全身全霊でこの舞台で頑張ってくれているのでなおさら悪目立ちするんですよね…。初演の徳永えりちゃんもあまり上手い歌だとは思わなかったけど、彼女のほうがすごい一所懸命必死で舞台と向き合ってた気がするんです。頼むから、これから上演重ねていく間にもう少しマシになっててほしいです…。音楽の天使が杏さんに舞い降りるよう切に願います(苦笑)。

フィリップ@海宝直人くん

彼の大きな役を見るのはこれが初めてかも!ライオンキングの初代ヤングシンバを観ているだけに、海宝君を見るとなんだか「立派になったなぁ」と感慨深く思ってしまう(笑)。歌も上手いし、爽やかで可愛いです。ソロの場面とかは一番ミュージカル俳優っぽかったかも(笑)。クリスティーンを救おうと熱く必死になっている芝居もとてもよかった。

カルロッタ@樹里咲穂さん

この方のミュージカルの歌を聞くのは久しぶりだったんですが、いやぁ、見事な存在感です!歌も申し分ないし、1幕でのコミカルな芝居がものすごく面白かった。ファントムが「あの歌声を聴くと狂いそうになる」と苦しむシーンがあるんですが、クリスティーンの歌声を聴くほうがよほど狂いそうになるのでは?とツッコミ入れたくなってしまった(爆)。

キャリエール@篠井英介さん

あまり表に感情を出さない役柄ではありますが、ピンポイントでものすごいいい存在感を発揮していらっしゃいます。立ち姿がとても綺麗で目を惹きますしね。それから初めて歌声を聴いたのですが、なかなかいいじゃないですか!エリックとのクライマックスのシーンは慈愛に満ちていてとても泣けました…。

そのほかのキャストの皆さんやアンサンブルの皆さんも素敵な歌と芝居で魅了してくださいました。アンサンブルでは阿部よしつぐくん角川裕明さんに目が行きましたね。二人ともとてもいい声だしカッコイイ。

とにかく大沢さんのファントムがとてもいい感じだったので次回も期待してます!とりあえず、杏クリスティーンの歌声がどんなものか知ったので少しは覚悟して構えて観れるかな(苦笑)。それよりも何よりも、次回はもう少しマシになっててほしい…。