ミュージカル『両国花錦闘士』大阪公演 2021.01.08マチネ

大阪の新歌舞伎座で上演されたミュージカル『両国花錦闘士』を観に遠征してきました。

2021年最初の大阪遠征となりましたが、東京と同じく緊急事態宣言が出る直前で…やはり向かうことには不安も大きかったです。以前は大阪にバリバリ出掛けていたのにw…今やすっかり遠い地となってしまって寂しい。

『両国花錦~』はおそらくこういう状況でなかったら購入してなかったかもしれません。昨年の全く観劇できない時期にふと目に入った演目だったので、とにかく舞台に行きたいという気持ちが勝ってしまい気づいたら購入してたんですよね(笑)。それに、『巌流島』が中止になってしまって初舞台が流れてしまった伊藤健太郎くんがこの作品でいよいよデビューすることにも興味惹かれてました(『巌流島』も行く予定でした…)。

ところが、舞台稽古が始まったころに流れてきた衝撃のあのニュース。ビックリしましたね、ほんとに。コロナで中止になってしまう作品も多かったなか、まさかの主演俳優の不祥事で窮地に追い込まれることになろうとは。カンパニーの皆さんのことを想うと心が痛かったです。

公演がどうなるのか気がかりだったなか、新たにキャストを組み直し公演することが決まりそのことに伴う払い戻しも出ていました。最初ちょっと迷いはしたのですが、観劇回数激減していたストレスもあったし、特に伊藤くんのファンってこともなかったので払い戻しせずに行くことに決めました。それがこの日だったわけです。

新歌舞伎座は昨年の『しゃぼん玉とんだ~』以来約1年ちょっとぶり。あの頃はもっと気軽に来れていたのに…と思いつつ劇場入口へ行ったのですが、開演約30分前だったにもかかわらずほとんど人影がなくてビックリ!!劇場間違えたかとすら思うほどで…ちょっと愕然としてしまいました。
結局開演時間間際になっても人の入りは5割いくかどうかくらい…。客席のソーシャルディスタンスが自然に取れてしまっているという状況でそこの不安はなかったのですが…、それでも、あんなに寂しい新歌舞伎座の客席を見たのが初めてだったので心がざわざわしてしまいました(汗)。

緊急事態宣言直前の大阪ということも影響したかもしれませんが、さらに輪をかけて主演交代したというのが響いたのかと思うとなんだかちょっとやりきれない気持ちになった開演前でした。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2021.01.08マチネ in 新歌舞伎座 (大阪・上本町)

主なキャスト

  • 昇龍:原嘉孝(ジャニーズJr.)
  • 雪之童:大鶴佐助
  • 橋谷淳子:大原櫻子
  • 清史:木村了(特別出演)
  • トオル:入江甚儀
  • 解説者:大山真志
  • 乱錦親方:市川しんぺー
  • 猿渡:福田転球
  • 節子:紺野美沙子
  • 渡部桜子:りょう

原君、大鶴君、櫻子ちゃん、りょうさん以外のキャストさんたちは基本的に複数の役をこなしていました。アンサンブルさんもたくさんいて、相撲がメインテーマになってる作品ということもあってかイイ感じの体格した子たちがたくさん。力士姿がみんなよく似合ってたなぁ~。特に皇希くんはめちゃめちゃリアルなお相撲サンっぷりで最高でした。

あらすじと概要

今作品は、明治座・東宝・ヴィレッジという3つの大型エンターテイメント会社がタッグを組んで企画した第一弾となるそうです(三銃士企画)。こうして会社の垣根を越えてより面白いエンタメを発信していこうという試みはとても素晴らしいことだと思います。それぞれのノウハウを生かしてゆくゆくは世界に発信できるような舞台作品を生み出していってほしいなと。

原作は「陰陽師」などで知られる岡本玲子さんによる漫画。1989年にスピリッツで連載が始まり人気を博した作品です。男性漫画誌に女性目線で男性の体を描く斬新な内容で注目を浴びたそうな。

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簡単なあらすじは以下の通り。

両国に爛漫と咲き乱れる力士たちの花舞台・国技館。その土俵の上では、宿命のライバルの取組が始まろうとしている。東はソップ型で美形の昇龍。西はアンコ型の雪乃童。何もかもが正反対な二人だが、思いは同じ。「コイツにだけは負けたくない!」

熱戦を取材するのは、ワールドベースボール社の相撲雑誌の記者・橋谷淳子。野球雑誌の記者志望なのに相撲雑誌の担当になった彼女には、相撲の良さがさっぱりわからない。

稽古の合間の息抜きに、雪乃童は付き人たちとディスコへ繰り出すと、密かに想いを寄せる、部屋の一人娘・沙耶香と鉢合わせする。親方もおかみさんも心配してますよ、と嗜めるが相手にされず撃沈。

昇龍も力士と分からぬようにオールバックにスーツでディスコを訪れるが、鬢付け油の匂いはごまかせない。その甘い香りに誘われるかのように大手芸能事務所パピーズの女社長・渡部桜子が現れる。数多の男たちを欲しいままにしてきた彼女は、出会ったことのないタイプの種族・力士の昇龍を篭絡せんとする。

<公式HPより抜粋>

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全体感想

まず最初に土俵で対峙する昇竜と雪乃童が登場、お互いに闘志を燃やしていていよいよぶつかる!という瞬間に突然大音量でオープニングテーマソングが流れてお祭り状態になりましたw。この主題歌を手掛けたのが、相撲通でも知られるデーモン小暮閣下(パンフレットに「相撲の話なら吾輩にオファーがあることは予測してた」って書かれてあって笑ったww)。

Naked Men 見ろ、裸の俺たちを!

しかも、舞台奥から突然マイク持って歌いながら本人(!?)が登場してビックリww。のっけから度肝抜かされた~!こりゃ少ない客席云々とかいうの、もう、どうでもよくなるくらいの華々しいオープニングだなとテンション上がりました。
ちなみに、よーーーーく見てみると…どうも化粧下の閣下の肌艶が若々しすぎるwww。で、あとから調べてみたら、どうやら閣下になり切ってたのは大山真志くんだったらしいのです!!メッチャ似てたよ!!あれ、本人が登場したと思い込んでた人も多いんじゃないかな。歌い方とかもすごい研究しててリアルに近かったです。

と、掴みは最高だったこの作品。私も相撲好きということもあって(ちょうど本場所も近かったしタイミング的にもタイムリーでした)一気に期待が膨らみました。さらには青木豪さんが作・演出を担当しているのも大きい。私、青木さんの作品すごく好きなんですよね。冒頭はもう、楽しみしかなかった(笑)。

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ところが、ストーリーに入っていくと…どうも私が想像していたような流れとは違うぞ!?となってきて。っていうか、この作品の主人公って昇龍なんだよな!?と確認したくなるほど軸が彼に定まっていない印象が(苦笑)。
お相撲さんたちのバックストーリーものみたいな感覚で見れば面白いところもたくさんあるんだけど、エピソードが色んな所に飛んでるような気がして…途中から何の話を見ているのか分からなくなってきてしまいました(汗)。これってほんとに青木さんの作品なのだろうかと思ったほど。

芸能事務所社長のクセの強すぎる桜子が登場してきてからはお色気方面にどんどん舵が向いていく感じでww。そういえばこの原作漫画って男性をターゲットにしたスピリッツ連載ものだったなと今から思えば納得できるのですがww、舞台観てる時にはほぼ無知識だったこともあり「こういう流れのものを観に来たんじゃないんだけどな」という意識がどんどん膨らんでしまいました(苦笑)。

もちろん相撲の取り組みに対するドラマもちょいちょい出てきたりするわけですが、肉食獣のような桜子さんのインパクトがあまりにも強すぎて(昇龍の兄ちゃんもたぶらかしてるしww)取組に関するドラマが薄味になってしまった感は否めない(苦笑)。

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あと違和感だったのは、スポーツ記者の淳子の存在が最後までよく分からないまま終わってしまったことです。彼女は昇龍に徐々に惹かれていくという設定のように見えていたのですが…、結局はそこに関するドラマが非常に曖昧過ぎて、結局宙ぶらりんのまま終わっちゃったみたいな感じに(汗)。あれはかなりの消化不良だったぞ~!っていうか、昇龍って桜子の色香に飲み込まれまくってそれでどうなった!?って感じなんですがw。人間関係が色々と有耶無耶すぎてちょっとねぇ。

コメディ的なシーンもふんだんにあって、単体で見ていけばけっこう面白いと思えるのもあったんだけど、ワチャワチャした内容の中にねじ込んでる感が否めなくて私的には苦笑いすることのほうが多かったかもしれない。結局誰に軸を置いて描きたい作品だったんだろう??みたいな。昇龍の成長みたいな部分もハッキリ描かれてないように感じてしまったし、うーーーん…。

これはもう、私のリサーチ不足が大きく響いてしまったが故の鑑賞になってしまったなぁと。相撲観戦が好きな私的には、本当は力士同士の熱いぶつかり合いのドラマや友情とか…そういうのを見てみたかったのでその印象がほとんど残らなかったのは残念至極。デーモン閣下がパンフの最後に語っていた、まさに「肩すかし」を食らった状態になってしまったw。

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主なキャスト別感想

原嘉孝くん(ジャニーズJr.)<昇龍役>

本来ならば昇龍の兄・清史役として出演するはずだったそうですが、稽古中に起きたハプニングにより急遽主役の昇龍役を任されたという原くん。今回初めて彼の舞台を観たわけですが、めちゃめちゃ頑張ってました!最初から昇龍役だったといっても過言ではないほど役にハマった熱演だったと思います。

何と言っても、負けん気の強そうなギラギラした目がとても印象的でしたね。プライドが高いながらも意外とモロくて苦悩する芝居とかもすごく良かったです。それだけに、ストーリーがもっと彼に絞って描かれていればなぁと思うと実に勿体ない。もっと輝くキャラになれたと思うんだよなぁ。

カーテンコールで客席に向かって長い間深々と頭を下げる姿にも胸打たれるものがありました。3月には加藤和樹くん主演舞台への出演も決まっているようなので、ぜひとも観に行きたいと思います。

大鶴佐助くん<雪乃童役>

昇龍のライバルのぽっちゃり力士という設定なのですが、一人だけ肉襦袢をつけてのお芝居でしたね。他のキャストさんたちが生身の体で演じていただけに、ちょっと可哀そうだなぁと思ってしまいました。やっぱり肉襦袢つけてるとどうしても他のキャストさんたちから浮いてしまうように見えてしまって…。まぁ、あそこまで太れっていうのも無理な話だから仕方ないと思うけど…。

キャラ的には繊細で引っ込み思案なところがあるけどいつも一生懸命で健気ですごく感情移入しやすかったんですよ。ストーリー的にも「これって雪乃童を主人公にしても成り立つんじゃ?」と思うことも何度かあったし。ベビーフェイスで可愛らしいところも好感度高い。それだけに、やっぱりあの肉襦袢つけてのお芝居が勿体なかったよなぁ…。

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大原櫻子さん<橋谷淳子役>

この作品、「桜子」という強烈なキャラが出てくるのでめっちゃ紛らわしいなと思いながら見てしまったんですがww、今回櫻子ちゃんが演じたのは等身大の女の子といった感じでキュートな魅力全開でした。歌も芝居も安心して観ていられるし、どんどんミュージカルの舞台に馴染んできてますよね。

それだけに、なんで力士連中は彼女の魅力に気づかないんだろうって思っちゃったよ(笑)。昇龍も結局最後まで彼女の魅力に気づけないままみたいな感じだったのが納得できないw。みんなのアイドルになってもおかしくないような可愛さだったので、そうならなかったのがなんだか違和感でした。

木村了さん<清史役>

元々は今回主演を務めた原君が演じるはずだった役とのことですが、それが想像つかないほど独自の世界観でクセのつよい英語なまりのお兄ちゃんを熱演されてましたw。しかもセクスィーでニヒルでカッコいい!!ここ最近はドラマでどちらかというと捻じ曲がったジメっとした青年(大河では信長に殺されちゃったし 汗)が多かった木村くんですが、今回は色々と突き抜けてる感が爽快で非常に魅力的でしたね。

昇龍の兄役の時にはひたすらキザっぽく、淳子の編集仲間の時にはちょっと気弱ながらも彼女にアプローチしまくるオモロイお兄ちゃんって感じで演じ分けも見事で楽しませてもらいました。

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紺野美沙子さん<節子役>

大の相撲ファンとしても有名な紺野さん、もう、舞台の上からも相撲愛がダダ洩れてる感じで非常に微笑ましかったです(笑)。特に部屋力士の雪乃童に対するお芝居は、まるで母!!「雪ちゃん」って呼び方が本当に優しくて温かくて最高でしたね。紺野さんご自身、この舞台に出演されることが嬉しくて仕方なかったのではないでしょうか。

りょうさん<渡部桜子>

今回の舞台の中で一番強烈なインパクトを残したのがりょうさん演じる桜子だったと思います。私は原作を知りませんが、登場した時から「漫画から浮き出てきたようだ」って思ったくらいですからww。おそらく、それを越えるキャラになっていたのかもしれません。もう、すべてをスコーーンと突き抜けるような成り切りっぷりでお見事しか言いようがなかった(笑)。

ドS気質が強いんだけど、心惹かれた相手の前ではメロメロで猫なで声にw。それで相手をバンバン翻弄しちゃうっていうね。まさにとんでもない肉食獣ウーマンでございましたよww。

須藤王を演じた徳永ゆうきくんは他に行司役も演じていたのですが、これがめっちゃ美声でしかもリアリティばっちり!!今すぐにでも大相撲界デビューできそうな勢いだったww。朝ドラ『エール』でもやってた”指パッチン”も健在だったの笑ったよww。

大山真志くんは色んな役を演じまくってたようですが(デーモン閣下以外にもたくさん)、力士の役が意外とあっけなく終わっちゃって勿体なかったー!パンフの写真見たらすごい本物感ありありだったので期待したんだけどなぁw。もっと力士役見たかったよ。

他にも入江甚儀くん市川しんぺーさん福田転球さんなどクセの強い濃厚キャラがいろんな場面に出てきて舞台を盛り上げてました。若手の役者さんたちもすごく頑張っていたし勢いがありましたね。

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後述

「両国花錦闘士」スポットCM

掴みとラストはデーモン閣下の曲も流れてノリノリでいい感じだったんですが、全体のストーリーとしては「勢いで押し切る」的なところが多く、エピソードも散漫になってしまったのが残念だったなと思いました。色々と勿体なかった。

でも、力士さんたちの裏側みたいな部分が見られたような感じはあって、相撲ファンとして楽しめるシーンもちょいちょいあったのはよかったな。ちなみに”八百長”に関するエピソードのところでは「実際には存在しません」みたいな注意書きが流れてて笑ったんですけどww、実際にあってもおかしくないかもって思っちゃったよ(笑)。

今回は三銃士企画さんの第一弾作品だったということですので、続く第二弾も楽しみにしています。新型コロナ禍で大変なことも多いと思いますが、何とか歩みを止めずにエンタメ界、舞台界隈、頑張ってほしいです。

1月の生の観劇は今回がラスト。観るはずだった作品、さっそく払い戻しになってしまった(涙)。まだまだ厳しい情勢が続きそうで不安も大きいです。来月のは何とか見に行きたい…!!