ミュージカル『ミス・サイゴン』2008.09.04マチネ 1000回記念公演

2日前に観たはずなんですが・・・全く観劇予定に入っていなかったんですが・・・ついにやっちまいました、ゲリラ雷雨ならぬゲリラ観劇(笑)。この日が1000回記念だと知ったのが今月入ってすぐ。それまで全く気がつきませんでした(←ただのチェック不足 爆)。この記念の回に洋平くんのトゥイが入っていたことも拍車をかけ・・・気がついたらチケット譲渡掲示板にすがってしまいました。

1000回記念公演というだけあってロビーの混み方もけっこうすごかったです。明らかに2日前とは違う熱気があった(笑)。そんな中、偶然にもお仲間発見!普段は一人で観劇することがほとんどで語り合うこともないのですが、この日はもう嬉しくて幕間・終演後とトークしまくってしまいました(笑)。いや~、楽しかったなぁ。

主なキャスト
エンジニア:別所哲也、キム:笹本玲奈、クリス:井上芳雄、ジョン:岡幸二郎、エレン:鈴木ほのか、トゥイ:泉見洋平、ジジ:菅谷真理恵 ほか

もともと観劇予定の中に別所エンジニアと井上クリスはあえて入れないようにしていたのですが…思いがけない形で今回再会することになりました。なぜ外してたかというと・・・4年前に観た時に自分の感性と合わなかったから・・・。どうも自分の中で観劇後に違和感が残ってしまったので、当初の予定だとこの二人は見ないまま終わるはずでした。

結果的に、別所エンジニアと井上クリスを観れたことはすごく良かった。特に井上君は4年前とは全く違う印象をもったので嬉しい驚きでしたね。ちなみに予定外のベッシーと井上君を入れたことにより、サイゴンのプリンシパルキャスト全制覇しそうな予感が・・・(笑)。微妙なのはジジの桑島さんとエレンのRiRiKaさんが観れるかどうか。でもまた増えそうな気がするからやっぱり制覇しちゃうかも!?

以下、1000回記念プリンシパルキャストの感想です。

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別所哲也さん(エンジニア)

4年前に初めて観た時はあまりに自分の抱いていた”エンジニア像”から離れてて正直好きになれなかったので、そのイメージのまま今年は別所エンジニアはあえて避けてしまいました。なので4年ぶりの別所エンジニアだったわけなのですが・・・あの時感じた違和感というものは今回あまり感じなかったかも。たしかに私の好きな”エンジニア像”ではないんですが、これもありかなって思えるようになった。

別所さんのエンジニアってものすごくアクが強いんですよね。なんていうか・・・悪人系(笑)。ハングリー精神むき出しで常に何かに腹を立てているような「怖さ」も持ち合わせている。キムとタムを利用している感がすごくあるんですが、後半に入ってキムのクリスに対する一途な想いに触れて少し心境が変化するんですよね。そのあたりの表情の変化がなかなか良かったです。

それから4年前「ちょっと無理してるんじゃ…」と感じてしまったアドリブ部分。今回は1000回記念ということで客席の乗りも非常に良かったせいかことごとくヒットしててなんかホッとしてしまった(笑)。この部分が本当に心配だったんですよ~。♪ハイ、ホーチミン♪のあとの“なんか笑い声が聞こえる”っていうのも可愛かったし、♪USA、行くにゃビザがない♪のところでは自分のことを“バカバカ、おバカさん”と可愛く罵ってたりとなかなか楽しませてもらいました。

笹本玲奈さん(キム)

先月観た時にとても好きになった玲奈ちゃんのキム。今回もすごく良かったですよ~。私好みのキムなんですよね。芯は強いものがあるんだけど、常に一人になることを恐れて怯えてる。彼女のキムは本当にクリスがいないと生きていけないっていうのをリアルに感じるんですよ。もう本当に全てにおいてクリス命。それだけに見ていてどんどん哀れになっていって泣けてきます…。

それからトゥイに対してもすごく誠実に接しているんですよね。玲奈ちゃんのキムはトゥイのことを嫌っているわけではないっていうのがすごくわかる。彼の言葉をちゃんと受け止めた上で自分のことをなんとか分かってほしいと訴えているんですよ。たぶんその気持ちはタムを殺されそうになる直前まで持っていると思う。射殺してしまったあとに倒れかけたトゥイを抱きかかえるシーンは本当に涙が出ました。

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井上芳雄くん(クリス)

井上君のクリスも4年前に観た時自分の思い描いていたイメージと違っていたので今回はあえて外していました。なんか歌を歌うだけにいっぱいいっぱいって感じだったんですよね。

ところが、今回4年ぶりに見てその印象がガラッと変わりました。あんなに芝居している井上君を見るのって初めてだったかもしれない。なんかすごく新鮮だった。ちょっとビックリしましたね。井上君のクリスはドリームランドのシーンからけっこうテンションが高くて他のGIに合わせるように踊ってみたりしているんですよ。それにまず驚き。今までのクリスはこのシーンでは本当に無気力感しか伝わってこなかったですから・・・。そんな様子からも井上君のクリスが一番アメリカ人系なのかもしれないなと思いました。

キムとの関係についても他のクリスとちょっと違う印象。彼女のことは本当にとても好きで愛していたんだろうけれども、どこか「その場限り」っぽい雰囲気があるんですよね。だから3年後にアメリカに戻ってエレンと結婚したというのがなんだか納得できてしまう。エレンに「キムと私どちらを取るの」と迫られた時の危機迫る心情告白には思わず惹きつけられてしまいました。あんな熱演してる井上君初めて観たかも!まぁもしかしたら1000回特別バージョンかもしれませんが(笑)。

ラストシーンで息絶えたキムの名前を何度も呼びながら号泣するシーンも感動的。たぶん初めてこのシーンで涙が出ましたよ、私。今月もう一度井上クリスを観に行きたくなりました。

岡幸二郎さん(ジョン)

お久しぶりの岡ジョンですが、この方は本当に安定してますよね。ブイ・ドイの熱唱はものすごい説得力のある歌い方だし、威厳がある。岡ジョンは登場した時もどこか品があるので2幕に入ってもあまり違和感なく見れる気がします。

一番おもしろかったのがクリスが電話してくるシーン。「彼女は蓮の花」と表現するのに対して今回の岡ジョン・・・「蓮ですかぁぁ!?」・・・思わずイスからずり落ちましたよ(笑)。これって1000回特別バージョンか!?

鈴木ほのかさん(エレン)

相変わらずあの包み込むような優しさがいいですねぇ、ほのかさん!クリスがなぜエレンを選んだのかがとてもよくわかる。あの包容力と優しさ、それに加えた芯の強さ・・・そのすべてが傷ついたクリスの心を支えてきたんだろうなぁ。さすが初演キャストだけあって体の中にエレンが染みついているような気がします。

今回一番印象的だったのが、キムが自殺したあとにタムをギュっと抱きしめる仕草。前見た時はタムを見つめているだけだったのですが、今回自分の息子のようにいろんな思いをこめて抱きしめてたんですよ。あれは涙出ましたね・・・。

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泉見洋平くん(トゥイ)

洋平くんのトゥイに関してはもう、語りだしたら止まらなくなるくらい好きなんですけど(笑)…今回は要点をなるべく絞って印象的だった場面を。

キムを探し当てて一緒に帰ろうと迫る初登場のシーンですが、相変わらずキムと再会した喜びに満ちあふれてて可愛い。でもクリスに遭遇してガラっと気持ちが変わり、さらにキムから拒絶されて打ちのめされてしまう。クリスに銃を向けた時にキムから撃つなと前に立たれた時の絶望した哀しそうな表情が・・・見ているだけで泣けてきますよ(涙)。捨て台詞の♪裏切り者、呪うぞ♪という言葉さえもまるで泣いているような声で・・・もうここで完全に泉見トゥイに感情移入してしまう。

再会後も必死にキムに自分と一緒になってほしいと懇願しているんですが、彼女はかたくなにそれを拒み続ける。その頼み方というのが・・・もう泣きそうなくらいキムのことが大好きでたまらないんだなっていうのが伝わってくるほど切ないんですよ。迫っているところをエンジニアに見られた時などはちょっと恥じらう仕草をしてみたり、彼が如何にキムを大切に思っているのかがひしひしと伝わってくる。タムを見せられた後、最後の望みをかけて「俺と一緒になるんだ」と絞り出すように言葉をかけるんですが、このときのあの怒り狂う一歩前の悲しそうな瞳が堪らなく泣けますよ(涙)。

そしてあの一番緊迫するキムとの対峙シーン。今回観てすごく思ったのは、洋平くんのトゥイはキムに撃ち殺されることを望んでいたんじゃないかということです。キムに受け入れてもらえないこの世にいたくなかったんじゃないのかな。だったら愛するキムの手で殺されたかった。撃たれた直後にキムのもとへフラフラと歩み寄り彼女の腕の中で必死にその顔に触ろうとして息絶える姿は涙なくしては見れなかった。息絶える瞬間の表情がなんだかとても幸せそうに見えたし・・・。このシーン見た時、思わず「逆・レミゼだ!」と思っちゃいましたよ。エポニーヌがマリウスの腕の中で幸せそうに死んでいくという、まさにあれの逆パターン。玲奈ちゃんと洋平くんだとなおさらそのシーンがプレイバックしてしまった。

そして亡霊になってもやっぱり切ない洋平くんのトゥイ…。「見ろ、死んではいない」の歌声が哀しすぎる(涙)。・・・何度見ても泣けるよ~。

そして普通のカーテンコールが終了すると舞台上に「1000回達成」の大きな看板と共にオールキャストが勢ぞろい。9/4マチネで「ミス・サイゴン」が日本上演1000回を達成しました。

おめでとうございます!

ヘリコプターなどの機材の関係でなかなか再演が難しいと聞いていましたが、今回は博多にも行けるようですし、この先もますます多くの人に感動を届けてほしい作品です。

オールキャストのほかにフジテレビの「めざましテレビ」でおなじみの軽部さんが司会として登場。「あこがれのミス・サイゴンの舞台にようやく私も立てました」と感慨深げに語って客席を沸かせていました。1000回記念特別カーテンコールということでキャスト一人一人から挨拶が。詳しい内容はサイゴンのブログに挙げられていますのでそちらをご覧ください。印象に残ったものだけ少し。

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別所さん
市村さんほか初演キャストの人たちが積み重ねてきたこの「ミス・サイゴン」という作品をこれからも大切に演じていきたい。エンジニアもまた「ブイ・ドイ」の一人だと思っている。
軽部さんから別所さんが大汗かいていることを指摘されると「普段は泉見くんのほうが汗かいてるんですけどね」と切り返していたのが笑えました(笑)。

玲奈ちゃん
これから先、自分の孫やその子孫まで・・・ずっとずっと長くこの作品が伝えられればいいなと思う。命を削る思いでこれからも演じていきたい。
軽部さんから「初演の時はまだ小学生でしたよね」と振られると恥ずかしそうに笑ってた玲奈ちゃんでしたが、この言葉に何気に衝撃を受けていた鈴木ほのかさんも面白かったです(笑)。

井上くん
なにが1000回記念公演だ、まだ一つの通過点に過ぎないじゃないか、と舞台に上がる前までは半ば逆切れ状態でしたが、実際に1000回の舞台に立ってみると思いもよらぬパワーが伝わってきて「これが1000回の力か」と脱帽してしまった。今回はいつも以上にやらせていただきました(←このコメントにベッシーが後ろから蹴りを入れる素振りをしてて、それに対してウソですと弁解していた井上くんが面白かった)。
軽部さんからは「井上さんにも1000回のすごさが伝わったということで」と振られると笑ってましたね。

岡さん
もうみんなに言われてしまったんですが、これから先も自分の後輩たちにこの作品を語り継いでいってもらいたい。
軽部さんからは「ブイ・ドイ」について振られ、あのシーンは休憩開けてすぐなので少しざわついた客席を引き込むだけのものが求められて毎回大変だと語っていました。

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ほのかさん
1000回ということで初演からの手帳を引っ張り出してみたら、今回でエレン役489回を迎えてしまった(拍手)。1日1日が新たな発見の連続でさまざまな思い出が詰まっている。森光子の放浪記にはまだ及ばないけれどもそれを目指して頑張っていきたい。
軽部さんからは「笹本さんが小学生の頃から演じているだけのことはある」と振られて恥ずかしそうに笑っていた姿が可愛かったです。いやいや、まだまだお変わりなく若いですよ!ほのかさん。

洋平くん
4年前にトゥイを演じ始めてからもう150~160回くらいになるけれども、演じるたびに心にグサグサと突き刺さるものがある。トゥイ役を演じて初めて「役を生きるってこういうことなんだ」と感じた。サイゴンは出演するたびに自分を成長させてくれる作品です。
ひとことひとこと、まるで今までの想いを噛みしめるように感慨深く語っていた姿が非常に印象的でした。4年前のトゥイで洋平くんが変わったというのは間違いないと思います。トゥイは彼にとって一つの分岐点にもなったんじゃないでしょうか。そんな出会いができてよかったねぇと本当にそう思ってしまった。
軽部さんからは「毎回死んで蘇って大変そうですが」と振られると、「人間死ぬ気になれば何でもできると言いますが、毎回それを繰り返しているとさすがに消耗が激しいので・・・自分の中ではデトックス・ミュージカルだと思ってます」と語って笑いを誘ってました。たしかにデトックス効果すごいかも(笑)。

そしてラストに会場全体で「アメリカンドリーム」の大合唱。このとき、下手側にいた泉見トゥイが後ろのアンサンブル男性メンバーと一緒に振り付きで「アメリカンドリーム」歌ってたんですよ(←しかもかなりキレた動きをしていた)!!舞台上のトゥイからは想像もつかなようなキラキラの笑顔で楽しそうに一人「アメリカンドリーム」を踊る洋平くんに・・・萌えた(笑)。いや~眼福・眼福。その姿が見れただけでも1000回記念公演に参加した甲斐があったよ~。

帰り際には1000回記念のポストカードをもらい帰路につきました。いや~、ホンっとに楽しかった!突発観劇でしたが、観に行けてよかったです。次回は来週10日(笑)。