劇団四季ミュージカル『アンデルセン』が四国・香川までツアーで回ってきてくれたので観に行ってきました!
けっこう長い間劇団四季の作品を観てきましたが、実は『アンデルセン』を見るのはこれが初めてでした。
石丸さんがハンスを演じている時代に一度観に行きたいなぁと思ったことはあったのですが、その当時、ちょっと、バレエに対して苦手意識が芽生えていまして(苦笑)それで結局スルーしてここまで来てしまったんですよね😅。
今回、地元に公演に来るというきっかけがあってようやくお目にかかることができたわけです。地方公演、ありがたや・・・。
※リハーサル見学会のレポはこちらです。↓
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
2017.10.01ソワレ公演 in レグザムホール(高松)
主なキャスト
- ハンス・クリスチャン・アンデルセン:竹内一樹
- マダム・ドーロ:小川美緒
- ニールス:吉岡慈夢
- ペーター:横井 漱
リハ見に参加してくれたアンサンブルの山口くんや近藤さんを探すのも楽しい今回の観劇でした。警官役の山口くんは、たしかに美味しい役でしたね😁。
全体感想
高松のレグザムホールは1300人が入るかなり大きなホールなのですが、1階席はほぼ満席で2階席もかなり後ろの方まで埋まっていました。1日限定の公演ではありましたが、四国でもこれだけ演劇ファンが集まるんだって思うと何だか嬉しかったりします。
今回初めてこの作品を観たのですが、ファミリー向けと一般向けのちょうど中間くらいに位置する感じかなぁと。アンデルセンの童話が出てきて読み聞かせする場面もちょいちょいあるのでその部分は子供向けっぽいなぁと思ったんですけど、ハンスとドーロの関係や2幕のバレエシーンなどはどちらかというと大人向きな物語かもという印象でしたね。
だけど、美しいバレエシーンは子供たちの心にも深く刻まれたんじゃないかなと思います。ハンスの朗読もついていたし、分かりやすかったので。
デンマークの田舎で靴屋を営んでいた青年・ハンスは、子供たちに自分の作った物語を読み聞かせることが大好き。しかし、学校の授業よりもハンスの物語に子供たちが夢中になることから、町の人や校長は彼を”変人”扱いして町から追い出してしまいます。
ハンスは孤児院から引き取った弟子のペーターと共にコペンハーゲンへやってくる。田舎町とは違い活気にあふれた町に大感激。さらにそこで一人の美しいバレリーナのマダム・ドーロを見かけ一目ぼれしてしまうハンス。彼女のためのバレエシューズを作ってほしいと依頼され、見たこともないものだったにもかかわらず引き受けてしまう。
バレエシューズの依頼主はドーロの夫で振付家のニールス。偶然二人がけんかをしている現場を目撃してしまったハンスは、ドーロを救い出そうという正義感に燃え、彼女のための物語として「人魚姫」を執筆。しかし実際ドーロとニールスは深く愛し合う仲であり、ハンスは失恋し肩を落とすことに。
そんなある日、バレエツアーから戻ってきたドーロとニールスは「人魚姫」をバレエ作品として完成させたのでハンスに語り部として出演してほしいと依頼する。ドーロへの想いを残しつつもハンスはその申し出を引き受け、舞台は成功。そして田舎へ戻ったハンスを待っていたのは…。
主人公のハンスがとにかく温かくて大きな愛を持っているキャラなので、舞台全体も終始穏やかな風が吹いているかのような心地よさがありました。どこか懐かしいような、心の奥がジンワリあったかくなってくるような、そんな作品だったと思います。
個人的にはハンスがドーロ夫妻の関係を勘違いしてしまう場面が一番面白かったかな。
最初の雰囲気としてはドーロとニールスはぎすぎすした夫婦関係って受け取れちゃうんです。ハンスが誤解するのも無理はない、みたいな。ドーロの家に招かれたとき、ハンスは二人が大げんかしている現場を見てしまいますしね😅。ところがその直前に弟子で相棒のペーターはラブラブの現場を目撃している。二人が全く違う夫婦の姿を見てしまうっていうのがなかなかに面白かったです。これ、逆だったらあんなに失恋のショック大きくなくて済んだかもしれないのにねぇ…とか思っちゃった😅。
だけど、ハンスの失恋の痛手は様々な人とふれあって物語を読み聞かせる中で徐々に癒されていく。「人魚姫」上演のことを頼みに来たニールスに最初はあからさまに嫌そうな態度を取るものの(ドーロとの対応の差があからさますぎて笑えましたwww)、最終的には二人の愛を受け止めて申し出を喜んで引き受けるハンスにホッコリしました。ちょっと切ないけどね。
バレエ「人魚姫」は見事でした!
バレエに関してはちょっと苦手意識が強かったんですけど、今回はすごく魅了されて食い入るように見ちゃいましたね。皆さん本当によく鍛錬されていて動きの一つ一つが美しかった。ハンスの朗読も入るので物語としても分かりやすかったし、途中で不格好な魚たちがワラワラやってくるのも楽しかったです🐟🐟🐟w。
クライマックス、再び田舎に戻ったハンスに「勲章授与」の名誉が巡ってくる。マダム・ドーロにメダルを渡されたとき、未だに残っていた恋心を封印させて笑顔で受け取るハンスにちょっとウルっときました。その様子を見つめてたニールスの表情もよかったな。
これからもお互いに良い関係を築いてほしいなと思いました。
柔らかく優しい物語『アンデルセン』。心癒される素敵なミュージカルでした😊。
リハーサルでも見たナンバー「ワンダフル・コペンハーゲン」のナンバー、すごく頭に残りますよ!♪ワンダフル、ワンダフル、コーペンハーゲン♪っていうフレーズが今でもぐるぐる(笑)。
キャスト別感想
竹内一樹くん(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)
名前だけはよく聞いていたので舞台で観た気になっていたのですが…よくよく思い返して見たら、実はこれが初めましてだったことが判明!自分でもビックリです(笑)。
竹内くんのハンス、役柄にとてもマッチしていてよかったです。読み聞かせをする子供たちに向ける笑顔が特に温かくて優しくて見ているだけで癒されました。頭にハゲを作ってしまった男の子・ラースに寄り添って「みにくいあひるの子」の話を聞かせてあげるシーンが特によかったなぁ。優しく温かいだけでなく、明瞭で生き生きしていたのもすごくキャラに合ってるなぁと思いました。
それから、ダンスが軽やかで素晴らしい。ダンサー系アンサンブルさんたちと一緒にいても遅れることなくきっちり動けていたし、歌声もしっかりしていて好印象でした。台詞の話し方も四季発声法の独特の言い回しがあまりキツく聞こえてこないのもよかったです。
小川美緒さん(マダム・ドーロ)
小川さんは『美女と野獣』のバベット(はたき)役がものすごく印象に残ってる女優さん。というのも、当時、某役者さん目当てでBBは狂ったように通っててwwその時に小川さんのバベットをたくさん見ていたんですよね。
あの時も、綺麗な動きをする女優さんだなぁという印象はあったのですが・・・まさか、バレリーナだったとは知りませんでした😮。なので、かなりのカルチャーショックがありました。
「人魚姫」での踊りは、まさにバレエ劇そのもの…!!指の先から足の先まで神経が行き届いた美しく滑らかで力強い動きに圧倒されっぱなしでした。素晴らしかったです。
ドーロとしてのお芝居もチャーミングで可愛かったです。特にニールスと派手にケンカするときや、かと思えば猫みたいに甘えたり(笑)。色んな表情を楽しませてくれました。
吉岡慈夢くん(ニールス)
リハ見イベントに出てくれた時、「ジムくん」って呼ばれていたのでニックネームかなと思っていたら「慈夢」って本当にそういう名前だったんだなと、まずそこにビックリ(笑)。
登場した時からスッとした美しい立ち姿にまず釘づけになりましたよ!!いやはや、ホント美しいイケメン登場って感じで、私の心がざわつきました(笑)。あれはドーロさん、メロメロになるはずだわ、みたいな。ちょっと粗暴ですぐイライラしてしまうキャラで、もしかしてDV!?と見ていて不安になる場面もあったのですが、実は奥さん想いでちょっとユーモアもある可愛いダンナだと分かってホッとしました😜。
個人的にはハンスがあからさまにドーロに対するものと違う反応をしたときのスネっぷりがツボだったなw。もう少し発声が自然に聞こえるようになったらさらにいい役者になるのにって思いました。
バレエシーンは本当に素晴らしかったです!!神経の行き届いた一つ一つのターンも美しく非常に見応えがありました。
横井漱くん(ペーター)
ちょっと頼りなくて抜けてるところもあるハンスを慕い、時にツッコミいれたりしながら支えるペーター。ハンスのこと大好きオーラが常にあって本当に可愛い弟分的な存在でした。
生き生きとハンスのそばで躍動している姿が印象的でしたが、一番グッと来たのが初めて自分で手掛けた靴をハンスに褒めてもらった場面。ペーターの喜びと感動が伝わってくるようですごくグッときました。
後述
アンデルセンの童話は何本か知っていますが、アンデルセン本人については皆無だったので、こういうミュージカルという作品の中で彼の人生の一部を垣間見れたことはとてもよかったです。
音楽も柔らかく温かいものばかりで、「ワンダフル・コペンハーゲン」のナンバーに至ってはかなり頭に残るメロディーでとても楽しめる作品だと思います。バレエが苦手だと思っていた私ですら楽しめたので、同じように思っている人も大丈夫ではないかとw。こんなことなら、石丸さんが演じていた頃から見ておけばよかったなぁ😅。
家族で楽しめる素敵なミュージカルなので、ぜひ多くの人に見てほしいと思います。