劇団四季ミュージカル『バケモノの子』東京公演 2022.05.19マチネ

劇団四季の新作ミュージカル『バケモノの子』を観に東京遠征してきました(1泊2日3連続観劇の3本目w)。

前の日のマチネは春劇場でアナ雪を観ましたが、翌日のこの日のマチネは秋劇場で四季の新作ミュージカル観劇ということになりました。浜松町の四季劇場にはお世話になりまくってます(笑)。

新作ミュージカルということもあってか、物販売り場にはかなり長い行列ができていました。グッズを見るとけっこう可愛いデザインがたくさん。

いつもはクリアファイルとパンフくらいしか購入しないのですが、今回は思い余ってシークレットチャームハンドタオルも追加してしまった(笑)。

私は映画を見ていないので今回のミュージカルが初『バケモノの子』になります。映画の評判がとても良かったことは知っていたのですが、あまりすすんで「観に行きたい」という気持ちが起こらず結局行かずじまいで終わってしまったんですよね。なので、劇団四季がこの作品をミュージカル化するという話が出た時も「ふーん」程度でチケットを積極的に取ろうとは思わなかった(汗)。

ただ、公演前のPRを多く目にするようになり次第に興味が湧いてきて…w。決定打はメインキャスト候補の発表だったかな。四季の「The Bridge」で立崇くんを見た時にもっと彼の舞台を見てみたいと思ったんですよね。そしたら『バケモノ~』のメインに抜擢されてて(あくまでもその時点では”予定”扱いですが)、これはちょっとチケット取らないと!な心境に。
やっぱりねぇ、なんだかんだ言っても作品への興味の入口に”キャスト”の存在はけっこう大事だと私は思うんだよなぁ。”作品主義”を掲げる四季としてはそういう応援を好まないところなんだろうけど(←あの方が去ってからここ数年はちょっと緩くなってきた印象はありますけどね)。

そんなわけで、四季の会の先行抽選に参戦してこの日のチケットをゲットしたというわけです。出来る限りのロングランを目指すというほど気合の入った今回の新作ですから、一度は見ておきたい。ちなみにメインキャストは2人体制ずつになっていたので、週初めじゃないと誰が来るかは分かりません。
私が最初にチェックした時にはオープニングキャストと同じメンバーだったのですが、翌日にチェックしたらほぼ総入れ替えで第2陣キャストが入っていてビックリしましたw。この不意打ちは俳優ファンの人にとっては心臓に悪いよなぁ(汗)。

私は立崇くんを見たいなと思いチケット購入に至りましたが「どうしても」というわけではなく、どのキャストも見てみたいと思っていたのでさほどの衝撃はありませんでした。たまたま観劇した日の週に突然キャス変が起こって、本当に立崇くんの舞台観れることになったわけです。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2022.05.19 マチネ公演 in 四季劇場・秋(東京・浜松町)

主なキャスト

  • 熊徹:田中彰孝
  • 蓮/九太(青年):立崇なおと
  • 猪王山:田島亨祐
  • 一郎彦(青年):菊池俊
  • 多々良:川島創
  • 百秋坊:安東翼
  • 二郎丸(青年):瀬下喬弘
  • 宗師:井上智映子
  • 楓:竹田理央
  • 蓮の母:時枝里好

多々良役の川島さん百秋坊役の安東さんのコンビが非常にいい味を出していたと思います。セリフ回しも自然だったし、凸凹コンビながらも温かく熊徹や久太を見守る姿にほっこりさせられました。あと、二郎丸役の瀬下くんの天真爛漫でお調子者的な雰囲気も楽しかったです。

宗師役の井上さんは異質ながらも達観した雰囲気がよく出ていて非常に面白いキャラを熱演されていました。最初にあの姿を見た時には「なんじゃ!?」とビックリしたんですけどw、時間が経つにつれて慣れたかな、みたいな。

楓役の竹田さんはハキハキとした利発な女の子を熱演していましたが、四季の発声法がそのまま出てしまっている印象だったのがちょっと残念(汗)。ほとんどの役者さんが四季の発声法を目立たせないよう自然なセリフ回しをしていただけに、ちょっと浮いた存在に見えてしまった。

以前はそういう役者さんが四季では非常に多くて(機械が喋ってるみたいな感じ)、それもあってストプレ系を観に行かなくなったというのがあるんですよね(苦笑)。ここ最近はすごく改善されてきたなと思っていたので、出来るだけみんなそれに合わせてほしいなと思ってしまいます。

蓮の母親役の時枝さんは美しい歌声で息子を励ます姿が感動的でしたが、今ひとつ「母親」としての雰囲気が足りなかったなという印象。歌うことに精いっぱいになっていると感じることもあったのは少し残念です。

蓮の父親役に赤間清人さんが出演されていてちょっと懐かしくなっちゃった。約11年前に狂ったように通っていた『美女と野獣』wwでルフウを演じられていたんですよね。それ以来じゃないだろうか。約17年ぶりに再会した息子とどのように接すればいいのか戸惑う父親を繊細に演じられていたのが印象的でした。

それから、楓の母親役で八重沢真美さんが出演されていたのはちょっと驚きました。四季ではもう超ベテランの女優さん(某俳優さんの元奧さんとしても知られてますが 汗)。なんか『マンマ・ミーア!』のターニャを思い出してしまった。今回はかなーーり厳しい教育ママ的な役柄で冷酷な雰囲気が怖かったw。

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概要・あらすじ

原作は「サマーウォーズ」や「時をかける少女」などで知られる細田守監督の長編アニメ映画『バケモノの子』です。

映画は大ヒットし、翌年の日本アカデミー賞で最優秀アニメ作品賞を受賞しました。細田監督自身が制作した3本目のアニメーションとのこと。ちなみに私は「おおかみこどもの雨と雪」は見ました(大沢たかおさんが声の出演をしていたので)が、それ以外の細田作品はまだ見たことがありません(汗)。

この作品は日本のみならず、ヨーロッパでも評価が高いのだそう。2015年9月にはスペインのサン・セバスティアン国際映画祭にコンペ部門としてエントリーされたとのことです(受賞には至らなかったそう)。

簡単なあらすじは以下の通り。

この世界には、人間の世界とは別に、もう1つの世界がある。バケモノの世界だ。

バケモノ界・渋天街では、長年バケモノたちを束ねてきた宗師が、今季限りで神に転生することを宣言。強さと品格に秀でた者があとを継ぐしきたりがあり、数年後に闘技場で催される試合で、次の宗師を決めることとなった。候補者は、とにかく強いが乱暴者の熊徹と、強さも品格もあわせ持つ猪王山。次期宗師争いは、いよいよ本格的になろうとしていたが、熊徹は、宗師より、弟子を取ることを課せられてしまう。

その頃、人間界・渋谷。9歳の少年・蓮は、両親の離婚で父親と別れ、母とも死別。ひとりぼっちの日々を送っていた。
行くあてもなく途方に暮れていたある夜、蓮は、弟子を探していた熊徹と出会い、渋天街に迷い込む。独りで生きるための「強さ」を求めて、蓮は熊徹の弟子となることを決意。「九太」という名前を付けられることとなった。

<公式HPより抜粋>

上演時間は休憩含めて2時間45分

私はこのミュージカルに来るまで一度も『バケモノ~』を見たことがなかったのですが(事前にさらりとあらすじだけ読んだw)、分からないと思うところはなかったですね。初めての方も気軽に見れる作品だと思います。

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全体感想

『バケモノの子』は四季が海外モノ級に気合いを入れているということが、舞台装置やセット、映像などの演出からめちゃめちゃ伝わってきました。国産ミュージカルであれだけの大掛かりなものはそうそうお目にかかれないかもしれない。

印象的だったのはバケモノ界の「渋天街」と人間界の「渋谷」との対比。「渋天街」はちょっと怪しげな雰囲気ながらもカラフルで熱気がありどこか温かみを感じる世界観が表現されていました。それに対して「渋谷」は無機質な近未来的雰囲気で、行きかう人々もどこか冷たい印象がありました。
その二つの世界が交互に出てくるわけですが、舞台の大きな盆を活用してスムーズにテンポよく見せていく演出はお見事。こういうところ、青木豪さんさすがだなぁと思いました。劇団四季の演出は「恋に落ちたシェイクスピア」以来だそうですが、今後も関わっていただきたい。

大きな見せ場はやはり巨大パペットの衝突シーンでしょう。テレビでもそのシーンが何度か紹介されていましたが、実際に見ると本当に迫力満点です。
喧嘩っ早く独善的な熊徹が、人格者で周りからの信頼も厚い猪王山に勝負を挑む場面で登場します。後半に出てくるかと思いきや、けっこう早い段階できたのはちょっと意外でした。あれは、演じる役者さんも動かす他のキャストさんも本当に緻密で繊細な動きや芝居が求められますね。お互いに息を合わせなければ”熊徹”と”猪王山”ではなくなってしまう。今回かなり前方席で観劇したので、パペットの連携の動きばかりに目がいって圧倒されまくっていました。たぶん、もう少し後ろで見たほうが巨大パペットのぶつかり合いの激しさが面白く見えるのかもしれません。

で、後半のクライマックスには違う巨大物体が登場してきます。九太が興味を持っていた「白鯨」という本があのような形で表れた時にはビックリしました。何度も襲い掛かってくる”闇”の存在に立ち向かう九太の姿はカッコいい。でも、バラバラになるたびに形を変えまくる場面はもっとすごい!!あれも、重なる順番や立ち位置を一歩でも間違えれば台無しになりかねない。相当訓練積んだんだろうなぁとドキドキしながら見入ってしまった。

それから富貴晴美さんの音楽がとても素晴らしかった。まさか劇団四季の舞台で富貴さんが作曲したミュージカルを見られるとは!!

バケモノ界と人間界との音楽の特徴が全然違った色を出していたのがとても面白かった。特に「渋谷」のシーンに流れてくるテクノ音楽みたいなダンスナンバーはこれまでの四季では殆どお目にかかれない雰囲気のものですごく斬新。なんかちょっと背徳感みたいな感覚すらあったww。

私が一番いいなと思ったのは「渋天街」で熊徹と猪王山が対決する時に見物客が歌うナンバー(♪この日がきた♪かな)。あの躍動感あふれるリズムと活気に満ちた旋律に見ているこちらの胸も高鳴りました。

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以下、私が今回感じたことについてちょっと挙げてみようと思います。どちらかというと違和感多めなので(汗)『バケモノ~』をよく知らずに見た者の感想として生ぬるく読んでいただければ(もしくはスルーで 苦笑)。

全体的に最初のほうはすごく疾走感があって面白かったのに後半は少し失速してしまったような印象がありました。九太が青年になってからの展開をむしろ楽しみにしていたんだけど、その2幕はなんだか言いたいことを詰め込みすぎて冗長に感じる場面もありちょっと退屈になる瞬間も正直…(汗)。

国産ミュージカルって、時々”このシーンにこんな時間割く必要あるのかな”と思ってしまう場面がちょいちょいあるんですよね。伝えたいことが溢れてついつい長めに描いてしまうみたいな(まるで私のブログ記事のよう 苦笑)。『バケモノ~』も、もう少し簡潔に描いたほうがよかったんじゃないかなと感じるところがいくつかあって、それがちょっと残念だった。

これは1幕でのシーンになりますが、個人的には、少年・九太がバケモノたちと料理を作るシーンがちょっと長く感じたかも。たぶん2回目に観たら普通に見えるかもしれないんだけど、初めて見た印象としては”早く前に進んでほしい”という気持ちが芽生えてしまった。バケモノと九太が心を通わせていく大切な場面ではあったけれど、ちょっとクドさを感じたかなぁ(映画を見ていない個人の感想です 汗)。

それから、熊徹はたった一人で生きてきて周りに迎合することなく孤独に力をつけてきた…というキャラ設定のようでしたが、そこまで孤独には思えなかったんですよね。なぜなら、彼の傍には陰ながら世話を焼いてくれたりして見守ってくれている多々良や百秋坊といった”仲間”がちゃんといたので。
熊徹は彼らのありがたさに気づいていないのかもしれないけど、なんだかんだ言いながらも仲良くやってるし頼りにもしてる。それもあって、九太が「あいつ、俺と同じなんだ」と孤独な自分と重ね合わせるセリフがちょっと響いてきませんでした。最後まで二人の絆に今ひとつ感動できなかったのはそう感じてしまったことが原因かもしれない。

2幕で青年・九太が実の父親に会いに行く場面。作品の中では自らのアイデンティティーを探す九太にとって必要な大切なシーンだとは思うのですが、今回あまりドラマチックに感じられなかったんですよね(汗)。

お父さんがなんだか唐突に出てきて(亡き母が持たせてくれたお守りがきっかけにはなっていたけど)、やっと会えたと思っても1シーンのみでその後登場しない…。え?もうお父さんの役割って終わりなの!?ってちょっとビックリした。たぶん、映画を見ていた方がこの場面はグッとくるものがあったのかもしれない。でも、ミュージカルの中で見た私の率直な印象は、”このシーンって必要だったのかな”ということでした(苦笑)。
このワンシーンのお父さんと、バケモノ界で一緒に暮らしてきた時間の長い熊徹とを比較するのはちょっとなんじゃないかなと思わなくもない。

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楓は人間界での蓮(=九太)に大きな影響を与える存在だったけれど、彼女は彼にどのくらいの感情を寄せていたのか今ひとつ見えてこなくてちょっとモヤっとしました。恋愛に行きそうでいかない、みたいなちょっと中途半端な感じ(苦笑)。
蓮は彼女に多少なりとも淡い想いはあったんじゃないかなと思いながら観てはいたけど、実際はどうだったんだか最後まで掴めなかったなぁ。いや、別に恋愛関係に発展してほしかったわけじゃないんだけどww、なんだかどっちつかずみたいな雰囲気に思えてしまって。まぁ、これは私自身の見方が悪かったのかもしれないw。

むしろドラマとして際立っていたのは九太ではなくて一郎彦だったかもしれない。猪王山に育てられた彼には実は大きな秘密があって、それを知らずにきたことでどんどん心に「闇」を抱えてしまった。愛されながら育てられていたはずなのに、自らの存在意義に疑問を募らせやがて九太に大きな嫉妬心を抱いてしまう姿は痛々しく切なかった…。

九太はバケモノの世界と人間の世界とを行き来しながら自分探しをしていくわけですが、どちらの世界にも理解してくれる人はいるわけであまり追い詰められている印象はない。それに対して一郎彦は立派な”父”である猪王山の”子”としての誇りを持ちつつも、他のバケモノたちとは違う自分とのギャップに苦しみ続けやがて黒い感情「闇」に取り込まれてしまう。
どちらかというと、私個人としては一郎彦の哀しい世界観のほうに共感するところが大きかったかな。たぶん彼が一番”人間らしさ”を体現していたからかもしれない。

クライマックスの展開は映画を見ていないので驚くことが多かったです。熊徹、そう来たか!みたいな。猪王山との決闘シーンの顛末はなんとなく読めていたんだけど、その後の彼の行動にはちょっとグッとくるものがあった。
だけど、今ひとつ、九太との絆といった部分に熱いドラマを感じきるところまではいかなかったんだよなぁ…。「胸の中の剣」はとても感動的なシーンではあったんだけど、私個人としてはもっともっと二人の想いが重なる感覚が欲しいと思ってしまう。

ちなみに、バケモノ界では「人間」以外のキャストの皆さんはみんな”被り物”を装着している姿で登場。最初に見た時にはちょっと「子供向けな作品なのかな」といった違和感が過りましたが、いつの間にかそれにも慣れて普通に受け入れられる自分がいましたw。基本的に”被り物”系は苦手なんだけど、『バケモノ~』は大丈夫だったのでそこは良かったです。

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主なキャスト別感想

田中彰孝さん(熊徹役)

あっきーさんは2017年の京都で「ノートルダムの鐘」のカジモド役で見て以来本当に久しぶり。

今回の熊徹役ですが、めちゃめちゃ雰囲気に合ってて全く違和感がなかったです。まるでアニメから抜け出してきたかのようでした。がさつで一匹狼的な熊徹を実に生き生きと演じられていて好印象。特に運動神経の良さを生かしたアクションシーンは見応え充分です。剣の扱いも様になっていてダイナミックだし形がとても奇麗。

少年・九太に対し最初は戸惑いを見せたものの、彼に影響されながら次第に情が湧いていく過程も巧く演じられていたと思います。不器用ながらもいつも九太のことが気になって仕方ない、みたいなところも可愛かった。
ただ、成長した九太に対しては素っ気ない態度に見えるシーンも多くてちょっと戸惑ってしまったかも。人間界に興味を持った九太を頭ごなしに否定したことがきっかけで接っし方が雑になるようなこともあるんだけど、そこにもう少し愛情表現を加味してくれたらいいのになぁとは思いました。

歌声にも張りがあるし、イメージにもハマっててでカッコいい熊徹になっているだけにちょっと惜しいかも。今後回数を重ねていくうちに進化していくのではと思います。期待しています。

立崇なおとくん(蓮/青年・九太役)

1幕の登場が遅くていつ出てくるのかちょっとヤキモキしましたが、登場してきたときはしっかり子役時代の雰囲気を受け継いでいる感じで違和感がありませんでした(子役からチェンジする時の盆の回転を利用した演出が素晴らしい)。

2幕に入ると九太はバケモノ界と人間界を行ったり来たりできるようになり、次第に「人間」へと興味が傾いていく時期がある。その過程で、自分はいったい何者なのだろうかと模索する表現がとても繊細で印象深かったです。ジワジワと九太から蓮の顔へと移り変わっていく様子が伝わってきました。

でも一番ビックリしたのは歌いっぷりです。「Bridge」で見た時もあんなすごい迫力ではなかったので、こんなにすごい声量で人の心を揺さぶる歌が歌える子だったのか!と大きな衝撃を受けました。海宝直人君の歌声に驚かされた時の感覚と似てたかもしれない。
物語の中のドラマチックなシーンではいまひとつ響いてこないこともあった私ですが、立崇くんの魂揺さぶる熱い歌声で涙が出ました。彼のあの歌にこの作品の良さが全部詰まっているような気すらした(特にタイトルロールの♪バケモノの子♪は圧巻)。

立崇くんは四季に入る前はアンサンブルとして活躍する機会が多かったようです。レミゼに出演していたので私も名前だけは知っていました。その彼が四季に入ってメインキャストの座を掴み堂々と舞台の中央に立っている。あれだけ素晴らしい歌の表現力を持っていたら、今後もっと注目されていくかもしれない。ルックスも良いしね。立崇くんは四季に入って正解だったなと思いました。これからも頑張ってほしいです。

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田島亨祐さん(猪王山役)

田島さん、めっちゃお久しぶり!!12年前に『美女と野獣』で狂ったように劇場通いしていた頃ww、一番たくさん見ていたガストンが田島さんだったんですよね。ひょっとしたらその時以来の再会だったかもしれない。

まず田島@猪王山の姿を見てパッと浮かんだのが「BBのビーストだ!」でした(笑)。いや~、まさかガストン演じてた田島さんがビーストに見える日がこようとは(違ww)。なんだかちょっと感慨深さみたいなものもあったりして。

それは置いといて。田島さんの猪王山、本当に素敵なキャラでした。「渋天街」の皆から慕われるだけの器の大きさや懐の深さを感じたし、何よりも温かくて優しい雰囲気だったのがとても好印象だった。「次の宗師に」と仲間たちが推薦する気持ちがよーくわかります。私も彼に一票入れたい(笑)。

一郎彦や二郎彦の優しく逞しいお父さんの顔を魅せるシーンもとてもよかった。ちゃんと愛情をもって二人の息子と向かい合っているのが伝わってきたし。
それだけに、一郎彦に関して”秘密”をなかなか打ち明けられない親心というのがとても切なかったです。大切に想ってるからこそ言えなかったわけで、そのことが一郎彦を悲劇に巻き込んでしまうというやるせなさ…。そのあたりの微妙な感情表現も田島さんとても良かったです。

菊池俊くん(青年・一郎彦役)

菊池君は今回が初めましてになると思います。これまでは四季でアンサンブルを演じることが多かったようですが、ついにメインキャストの座を掴んだようですね。

最初に青年・一郎彦が登場したのを見た時「綺麗な子!」とちょっとビックリしました。白い被り物がやけに似合っているのですが、可愛いというよりもクールでちょっと危険な香りがするイケメンくん。少年の頃から「みんなと違う」ことに少しずつ違和感を持っていた一郎彦が、成長してからさらにその悩みを深めていることがあの表情からひしひしと伝わってきました。特に、目の暗さが印象的だったなぁ。

クライマックスで闇落ちしたあとの暴れっぷりは鬼気迫るものがありました。セリフ回し的にはもう少し感情の機微があってもいいかなとは思ったけど、まだまだこれからどんどん良くなっていくのではないでしょうか。ビジュアルはとても良いので頑張ってほしいです。

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後述

この作品は”ファミリーミュージカル”のくくりではないけれど、親子で観るのにも向いているんじゃないかなと思いました。心と心が繋がることの大切さを学ぶ良い機会になるかもしれません。

まだ開幕してから日も浅いので、作品自体もどんどん進化していくと思います。違うキャストだとどんな雰囲気になるのか少し気になる。ただ、1回目観た私の感触としては…しばらくは間をおいてもいいかなといったところ。積極的に次も行こうという気持ちにまでは持って行けなかったのは少し残念でした。もし2回目観る機会があれば、今回とは違う感想になるかもしれないけれど…。

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