ミュージカル『マタ・ハリ』大阪公演が中止になってしまった件について

3年ぶりに上演されたミュージカル『マタ・ハリ』を観に、2021年07月20日に大阪まで遠征する予定でした。

この写真は、前回ロミジュリ観劇した時に撮影したものです。大千穐楽の日に改めて撮影し、このブログで感想を書いていくつもりでした。

ここ最近、新型コロナの感染者数は増え続けているものの、多くの舞台公演はツアー含めてなんとか完走できる作品が増えてきました。先日感激した『ロミオ&ジュリエット』も、最終公演地の名古屋で無事に完走したとカンパニーの皆さんが喜びをSNSに投稿していて、よかったなと胸をなでおろしたところです。

初演では大阪梅田芸術劇場から産声を上げたミュージカル『マタ・ハリ』日本公演。再演の今回は、東京出発で、愛知を経ていよいよ最終地の大阪で大千穐楽を迎えることになっていました。
大阪公演観劇がすっかり多くなった私も、今回の再演をとても楽しみにしていた一人。無事に大阪公演の初日が開き、キャストの皆さんが大阪へ来れたことの喜びを投稿していたのを見て20日の1回限りの再演『マタ・ハリ』に行くことをとても楽しみにしていました…。

そんな時に突然飛び込んできた公演中止のお知らせ…(涙)。

この1年半、何度か公演中止の払い戻し…というのを経験はしてきましたが、今回は観劇前日…しかも大千穐楽観劇を予定していたということもあり、久しぶりに心のダメージが大きく出ました(涙)。

劇場側が公演を続けるためにどれだけ神経すり減らして頑張っているか、ここ何度か遠征観劇してその様子を目の当たりにしてきました。なので、今回の不慮の出来事は本当に心が痛みます。あと3公演を残すのみというところでしたし、その悔しい胸の内は計り知れません。
むしろ、ここまでしっかりと対策してくださっているからこその苦渋の公演中止の決断だったと分かっている。劇場スタッフの皆さんも、公演カンパニーの皆さんも、辛い気持ちは同じ。誰も悪くないし、観客を守ろうとした姿勢をありがたいとすら思います。感染された方の一日も早いご回復をお祈りしています。

そういう諸々の出来事を理解しているのですが…、間際の中止の報はけっこうキツイ(汗)。ちょっと数時間、何もする気持ちが起こりませんでした(苦笑)。

ここ最近は完走できる作品が多くなってきたなかで、『マタ・ハリ』も大丈夫だろうという楽観的な気持ちがやはりどこかにありました。今回の出来事を受け、その考えに至るのは甘かったなと痛感…。劇場で生の演劇に触れることができるのは、今のコロナ禍の時代は奇跡なのだと思い知らされた気がします。

7月に予定している観劇はあと1本…、『ジーザス・クライスト・スーパースター』コンサート大阪公演。前回は東京でしか公演されず止む無く遠征して観に行って大感動したコンサート。念願の大阪上陸ということで、とても楽しみにしています。
が、今回の出来事を受けてちょっと、気が気じゃない心境に襲われております(汗)。どうかどうか、無事に公演を行うことができますよう、祈るしかありません…。

以下、ネタバレを含んだ感想です…と、感想書く気満々で用意していた記事ww
全部消すのはもったいないので、キャストへの想いと事前に『マタ・ハリ』についての概要を書いたものだけはここに残しておこうと思います。もし興味がありましたら読んでみてください。

スポンサーリンク

大千穐楽に観るはずっだった主なキャスト

  • マタ・ハリ:柚希礼音
  • ラドゥー:加藤和樹
  • アルマン:東啓介
  • アンナ:春風ひとみ
  • ピエール:工藤広夢
  • キャサリン:飯野めぐみ
  • パンルヴェ:鍛冶直人
  • ヴォン・ビッシング:宮尾俊太郎

主演3人以外のメインキャストは新キャストに変わりました。

さらに妖艶さを増したであろう柚希礼音さん、3年前に初めて観て以来どんどんミュージカル役者として進化した東啓介くんの素晴らしかったであろう歌とお芝居、そして、3年前とは違った濃密な心抉るような芝居で私の心を振るわせてくれるはずだった加藤和樹くん…。

母のように温かかったであろう春風ひとみさん、身体能力抜群でメインキャストに抜擢されていた工藤広夢くん、ラドゥ妻としての複雑な想いに翻弄されたであろう飯野めぐみさん、どっしりとした存在感を見せてくれたであろう鍛冶直人さん…。

そして、ダンサーとしてだけではない「俳優」として歌とお芝居を生で観れることを楽しみにしていた宮尾俊太郎さん…。踊るヴォン・ビッシング将軍、間近で、生で、見たかった(涙)。

縦横無尽に活躍しドラマを盛り上げてくれたであろうアンサンブルの皆さん、素晴らしい音楽を奏でてくださってであろうオーケストラの皆さん、裏方で作品を支えてくださっていたすべての皆さん…。

会いたかった…(涙)。

スポンサーリンク

概要

※観劇前にマタ・ハリについて調べたことを書いた文章です。あしからず(汗)。

簡単なあらすじは3年前のレポを参照してください。

この作品は、2016年、韓国でフランク・ワイルドホーン作曲によって世界初演として上演され大きな話題を呼びました。脚本は日本発のミュージカル『デスノート』も手掛けたアイヴァン・メンチェルです。

日本版は2018年、大型ミュージカル作品としては珍しく、大阪の梅田芸術劇場での初演がスタートでした。訳詞・翻訳・演出を担当しているのは、蜷川幸雄さんのもとで演出助手の経験がある石丸さち子さんです。

マタ・ハリは第一次世界大戦下に実在した女性スパイでしたが、謎の部分も多いことからこのミュージカルでは大胆な創作を加えたストーリーとして描かれています。したがって、アルマンやラドゥーとの関係などはミュージカルオリジナルの設定で史実ではありません。

マタ・ハリはオランダ出身で本名は「マルガレータ・ヘールトロイダ・ツェレ」。彼女が13歳の頃、父親の事業が失敗して一家離散。その後過酷な環境から転々とした生活を送り、19歳の時に結婚相手募集の新聞広告を見て応募、21歳年上のオランダ人将校と結婚しました。
二人の子供を設けましたが、夫婦仲は価値観の違いなどから悪く息子を幼くして亡くしたこともきっかけとなり7年後に離婚。娘も夫が引き取ることになってしまう。

その後パリへ渡るものの生活は困窮、そんな時に友達のパーティに誘われ見様見真似でジャワ舞踊を披露したところそれが反響を呼び、ダンサーへと転身。”インドネシアのジャワから来た巫女”という触れ込み宣伝を行い、人気者になっていきました。この時に芸名「マタ・ハリ」(インドネシア語で”太陽”という意味)を名乗るようになったと言われているそうです。

踊りのみならず妖艶な姿の”マタ・ハリ”に人々は目を奪われ、彼女もそれを利用し社交界の華として戦争中にもかかわらず敵味方問わず多くの業界人や政治家、軍人などと深い関係を築いていきました(ネットで調べると実際の彼女のセクシーな写真がたくさん出てくる)。その過程でスパイを持ち掛けられたと考えられています。しかし、その手腕は大きく評価できるものではなかったとのこと。

そして1917年の2月、マタ・ハリは二重スパイの罪を着せられ突然逮捕されてしまいました。ドイツ軍が彼女の暗号名を使ってスパイ通信したのをフランスが解読したことがきっかけと言われています(このあたりの展開はミュージカルにも登場)。
逮捕から5か月後の7月に裁判で有罪判決を受け死刑が確定。10月に刑務所内で処刑されてしまいます。享年41歳。処刑の折には銃殺隊が彼女の姿に惑わされることがないよう目隠しされたという噂が広がるほど、マタ・ハリという人物は妖艶で美しい人でした。

数奇な運命に翻弄され続け、生きるために磨いた美貌がやがて破滅を呼んでしまう結果になったマタ・ハリことマルガレータ。彼女もまた、戦争の哀しい犠牲者の一人だったと思います。

マタ・ハリについてはミュージカルのほかに1930年代に公開された映画などがあります。また、彼女の人物像について書かれた本もいくつか出版されているので、その人生に興味を持った方はチェックしてみるのもいいかもしれません。

スポンサーリンク

後述

大阪公演はあと3公演を残して中止になってしまいましたが、公演のディスク発売が決まっていることだけは救いです。おそらく、東京公演の配信を行った時の模様が治められているのではないかと。また、映像特典に大阪で撮影したというトークも入っているらしい。

大千穐楽を迎えることなく終了してしまったミュージカル『マタ・ハリ』、本当に残念無念でした(涙)。映像で見ても感動は伝わりますが、生ではさらにその上を行く感動があったはずなのです。生で観る演劇が格別であることには変わりありません。それだけに、本当に残念でした…。

コロナ禍が収束に向かう頃、ぜひとももう一度大阪リベンジ公演をお願いします!!ミュージカル『マタ・ハリ』の日本公演出発地は大阪でしたからね。またその時に今回と同じメンバーで見ることができれば、そんな幸せなことはありません。

観客になるはずだった私も本当に悔しかったですが、カンパニーの皆さんや劇場スタッフの皆さんはもっと悔しかったかもしれません。皆様のご健康を心から願っています。

「マタ・ハリ」カンパニーの皆さん、本当にお疲れ様でした!!また会えますように!!