ミュージカル『エリザベート』2008.11.20マチネ

今季2度目のミュージカル『エリザベート』を観に行ってきました。

この日は学生さん達が2階席にかなり来ていたようで、幕開きで塩田さんが挨拶をしたときの盛り上がり方がかなりスゴイことになってました(笑)。なんかコンサート見に来てるようなテンションで・・・高嶋ルキーニが出てきても少しざわついた感じだったので正直“あちゃ~…”と思ったんですが、そのあとは静かになって1階席にはあまり影響がなかったのでホッとしました。

さて、前回観劇した時は正直パワーダウンしてしまったかもと感じてしまい”エリザはもう卒業なのかな”と個人的テンションも落ちてしまったのですが・・・今回は180度違った感想になりました!以前感じられなかった冒頭のシーンもゾクゾクっときたし。なんとなくチグハグに感じられた作品の色が、この日はクッキリと見えてきたって感じ。メリハリがあったし役者さんのテンションもいい感じだったし、最高でしたね。“やっぱりエリザが好きだ”と思えるようになりました。よかった~…。

キャストの組み合わせもよかったかも。相性が合うって感じかなぁ。自分の好みの役者さんを選んだっていうのも大きかったかもしれません。キャストや組み合わせによって舞台の色って本当に変わってきますからね。

主なキャスト
エリザベート:涼風真世、トート:武田真治、フランツ:石川禅、ルキーニ:嶋政宏、ルドルフ:伊礼彼方、ゾフィー:初風諄、マックス:村井国夫、ルドヴィカ:春風ひとみ、マダム・ヴォルフ:伊東弘美、エルマー:中山昇 ほか

以下、ネタバレのキャスト別の感想になります。

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エリザベート@涼風真世さん

見る前に心配だったのが失礼ながら涼風さんの年齢です。果たして少女の頃のシシィはちゃんとそれらしく見えるのだろうかと…(苦笑)。ところがどっこい、ちゃんとお転婆な少女・シシィになってましたよ!最初のほうがけっこうどうだろうかと思っていたので、個人的にここをクリアすれば涼風エリザはOK。色々と噂には聞いてましたが・・・私はすごく好きなエリザベートでした。感情表現がとてもわかりやすい。ひとつひとつのシーンのなかでシシィが”生きてる”感覚がものすごく伝わってきます。そういった点では一路さんよりも好きかもしれません。精神病院のシーンは特に印象的でちょっとウルウルっときてしまいました。

武田トートとの相性もよかったですね。アクの強い武田トートには強さが前面に出る涼風シシィのほうがしっくりくるのかもしれません。二人が激しくぶつかり合ってるようなシーンがすごく見ごたえがあって面白かった

そしてやっぱり歌の安定感ですよ。エリザベートは歌い上げることが多い役なので、歌唱力はやはりこのくらいは必要ではないかと。それを補うだけの演技力があればそれはそれで味だとは思うんですが、朝海シシィはどうも個人的にお芝居が淡泊に見えてしまったので涼風シシィのほうが総合的に見て好みです。

トート@武田真治さん

前回にも増して妖しくセクシーなトートになっててもう、本当に目が離せませんでした!それに何か…かなりカッコよくないですか(笑)。見れば見るほど惚れてきちゃうんですけど(爆)。

とにかく感情の出し方が独特で、静かに歌う部分ではこれでもかってほど甘く色っぽい感じだし、感情が高ぶってくるとガーッとマイクの音が割れるくらいのテンションで歌ってます。音楽の美しさを感じたい人には合わないかもしれませんが、私はこの極端な強弱の演技がすごく好きで・・・見れば見るほどハマってしまうんですよね~。シシィに拒絶されたあとのちょっと子供っぽい悔しげな表情なんか可愛くて好きですよ。黄泉の帝王って感じじゃないかもしれないけど、ああいうのもありだなと。

ルドルフを死に誘うシーンでの武田トートの妖しさもとても印象的。銃を渡す前にトートはルドルフにキスをするんですけど、武田トートの場合はキスというよりもルドルフから生気を吸い取ってる感じだった!あれはかなり怖いっ!ゾクゾクっとしましたねぇ。死の匂いがプンプンしてきました。

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フランツ・ヨーゼフ@石川禅さん

会いたかったよ、禅さんの陛下に~。冒頭の亡霊シーンを見て感じたのは・・・“禅さん、すごくきれいな顔してる…”といった衝撃。禅フランツってあんなに美しかったっけ?綜馬さんのフランツは最初から高貴なオーラがすごく出てるんですが、それに比べると禅さんは高貴な人、というよりも箱入りお坊ちゃまって感じなんですよね。品のいいお坊ちゃまって感じ。それが何か可愛かったりするんですけど(笑)。相変わらず歌声がとてもきれいで聞きとりやすいし、お芝居もとても綿密で感情移入しやすいです。

「最後のポート」では目にいっぱい涙をためて歌ってて…あれを見たら思わずこちらも目が潤んでしまいました。禅さんの優しさがにじみ出てますよね。そして最大の見せ場は「悪夢」。ケケケケって感じでテンション上げ上げの武田トートにものすごい勢いで挑みかかろうとする禅陛下の迫力は健在で、見ていて圧倒されました。

この二人の対決はやっぱり見ごたえがある。トートが取り出したナイフを見て「やめろぉぉ~!!」と必死に抵抗している姿は涙が出てきますよ、ホント。そしてそのあとの茫然自失とした表情…泣けます(涙)。やっぱり好きだわ・・・禅さんのフランツ。

ルキーニ@高嶋政宏さん

今回もあまりこの方については語ることはないんですが(爆)、前回よりもしっくりきている感じがしましたね。やはり濃い芝居をする人たちばかりだったので違和感がなかったのかも。バランスが良かったですね。

ルドルフ@伊礼彼方くん

初めてお目にかかる伊礼くんのルドルフ。ビジュアルはかなりイイです!めちゃくちゃカッコいいしすごくきれいで見栄えがいい。

そんな甘いマスクの伊礼くんですが、ちょっとビックリしたのが地声の低さ。もう少し高い声を想定していたのですが、かなり男っぽい低い声なんですねぇ。でもちゃんと歌のキーは高くて。多少危ないかもっていう音程もありましたが、個人的にはOKです。声量もちょっと足らないような気はしましたが、浦井ルドルフも最初はあのくらいだったし・・・この先またキャスティングされて経験を積んでいけばすごく良くなるんじゃないのかな。それに、伊礼くんくらいの初々しさがルドルフにはちょうどいいような気もするし(笑)。

印象的だったのは武田トートに生気を吸われたあとの「間」。彼はすぐにピストルを撃たず、少しの空白があってそのあと何かを悟ったように引き金を引いてました。あの演技はなかなか良かった。それから、ドイツ民族のシーンでだれも振り向いてくれなかった時に民衆に向かって「おいっ!」と言葉をかけていたのも印象的だったかも。あそこで声をかけたのって伊礼くんが初めてじゃないかな。

ゾフィー@初風詢さん

初期のころの内野トートで観て以来の初風ゾフィー。いやぁ・・・懐かしい。私的には初風さんというといまはもう「宝塚BOYS」の優しいおばちゃん・君原さんのイメージなんですけど(笑)。自分の中であのあったか~いオバちゃん=初風さんになっちゃってたので、久々の鉄の女・ゾフィーな初風さんはちょっと違和感がありました。色々言われているように、たしかに歌声の迫力は寿ゾフィーに比べるとかなり落ちるのは否めません。が、役作り的には共感できるような余地のあるゾフィーだったので個人的には好きですね。

特に、死の間際にフランツに見放されたシーンの初風ゾフィーはとても切なくて哀しかったです。厳しく怖いゾフィーですが、初風さんが演じるとどこか優しさも残っててちょっと温かい。やっぱりキミちゃんの心がまだ残っているのかな(笑)。

エルマーをはじめとする革命軍団もよかったですね~。彼らの熱く突っ走る若さがすごく好き。私は特に谷口さんのシュテファンに注目。やっぱり似てる気がした…愛之助さんに(笑)。