ミュージカル『レ・ミゼラブル』2006.04.10マチネ

『レ・ミゼラブル』日生劇場バージョンを観に行ってきました。

いつもは帝国劇場で上演されているレミゼですが、帝劇がアスベスト対策工事に入るというわけで今回日生に場所が移ったのですが・・・如何せん帝劇より座席数が少ないのでチケット戦争はかなり激戦になったようです。私は昨年のレミゼでとりあえずしばらく見納めにしようかなと思っていたのですが、本田美奈子さんの追悼公演という名目がついたため足を運んでみることにしました。

日生の入り口のチケット切ってすぐの所にキャスト表と本田美奈子さんのメモリアルプレートがありました。その下にはドナー登録の案内と難病支援の為の募金箱も・・・。私も気持ちばかりですが募金させていただきました。なんかこのボード見たとき、「あ~、本当に美奈子さんはこの世にいないんだなぁ・・・」と寂しい気持ちに・・・。昨年レミゼを観た時はまだ美奈子さんも入院中で完治に向けて頑張ってたんですよね・・・。今頃は元気にレミゼの舞台に立っているものだとあの頃みんな信じていただけに、なんだか今回のレミゼは辛いものがあります。

美奈子さんの供養に・・・と思って観に来た今回のレミゼだったのでキャスティングにはあまりこだわりませんでした。こだわった部分は今井さんのバルジャンと泉見くんのマリウス、あと岸さんのアンジョルラスかな。

このほかのキャスティングは正直、舞台を見てのお楽しみ状態でした←気合抜けすぎ(爆)。

 

4/10マチネ 主なキャスト

今井清隆(バルジャン)、岡幸二郎(ジャベール)、マルシア(ファンティーヌ)、笹本玲奈(エポニーヌ)、泉見洋平(マリウス)、剱持たまき(コゼット)、佐藤正宏(テナルディエ)、森公美子(テナルディエ夫人)、岸祐二(アンジョルラス)

 

スポンサーリンク

今回前から下手側2列目で観劇したので日生劇場バージョンが帝劇よりも狭く感じるとかいうことはありませんでした。あまり近いと広さとか分からないもんですね(笑)。近くに来た俳優さんの表情が直に伝わってきてなかなか良かったです。ちなみに、カーテンコールの花はすべて私の頭上を通過していってしまい1つも取れませんでした(苦笑)。一応目で訴えてはいたんだけど・・・

このところあまりレミゼで涙を流せなくなっていたのですが、この日はけっこう泣きました。でもそれはストーリーに泣けたんじゃなくて、やっぱり舞台のそこかしこに本田美奈子さんを感じたからかな・・・。ファンティーヌのシーンでは特に涙がでて止まらなかった。この役は美奈子さんが演じることになっていたし、彼女もこの役で舞台に立つことを目指して必死に病床で戦っていたことを想うと切なくてね・・・。「あ~・・・演じたかっただろうなぁ」って思えば思うほど辛くなってしまった。ファンティーヌの死の場面はなんだか美奈子さんが天に召されたことと重ね合わせてしまって一人号泣してしまいました。

また、エポニーヌのシーンも美奈子さんが甦ってきてしまって・・・。レミゼ10周年記念公演のとき、美奈子さんのエポニーヌを何度も観ては涙していたころを思い出してしまい、やっぱり切なくなりました。今の役者さんも頑張っているけれど、私はやっぱり美奈子さんのエポニーヌのほうが心に響くものを感じたな・・・。

それから、もう一人・・・プリジョンを観たとき思わず祐木鎧くんを思い出してしまった・・・。鎧君もレミゼメンバーだったんですよね。若くして突然この世を去ってしまった鎧君・・・彼を舞台で見た回数は少なかったけど、注目していた役者さんだっただけにとてもショックだった。

と、今回のレミゼはストーリーとはあまり関係のない部分で涙してしまいました。全体の印象としては・・・やっぱり「何度も観たい」とは思えなくなってしまったかな。なんだか心なしかいつもより音楽のテンポも速くてこちらが余韻に浸れる暇もなかったし。箱が小さくなって色々大変なのは分かりますが、もう少し丁寧に作ってほしいと思いました。それに前から2列目に座っていたにもかかわらず『伝わってくる何か』をほとんど感じられなかったのも残念。役者さん個人個人はとても熱演していて頑張っていると思うのですが・・・もう私の感性とこの作品は合わなくなってしまったのかな。

スポンサーリンク

でも感動的だったシーンも少しあって・・・やはり今井バルジャンは素晴らしかったです。特に司教様から許されたあとの独白やクライマックスの死の場面はかなりウルウルきました。あと泉見マリウス・・・やっぱり可愛い。眉毛が「ハの字」になったときが特に。それからバルジャンとの別れのシーンで二人抱き合うところもけっこうウルっとしました。
バリケードでは阿部グランテールの熱さが印象的でした。最後の戦いのシーンで『おまえらみんな死んじまえ!』と叫んでいたのにはグッと来るものを感じました。

他の役者さんたちも良かったんだけど、『可もなく不可もなく』って印象かなぁ。そつなくこなしている感じがしてちょっと拍子抜けしました。特に笹本エポはあんなにアッサリしてたっけ?昨年はもっと情感溢れるキャラだったと思うんだけど・・・。岸さんもなんだか昨年の感動はなかったなぁ。

そうそう、この日はハプニングがいくつかあって・・・。

まずファンティーヌの死の場面でバルジャンがベッドの脇の椅子を壊してジャベールと向き合うのですが、このときうまく椅子が壊れなくて観ているこちらもかなりヒヤッとさせられました。今井さんもちょっと焦ってたみたいですが、何とかギリギリ椅子破壊に成功してて良かった良かった(笑)。

それからマリウスとコゼットの愛の歌のシーン、椅子から立ち上がってマリウスと向かい合おうとしたそのとき、コゼットのスカートが出っ張ってた釘みたいなのに引っかかって取れなくなってしまったんです。『愛に溢れて』を歌いながら泉見くんと剱持さんが必死にスカートはずしに取り掛かっててこれもかなりヒヤヒヤさせられました(苦笑)。なんとか『♪いつも~』と手を合わせるシーンまでには間に合ってホッとひと安心。でも、なんか逆に二人の愛を感じられてよかったかも

あ、今井バルジャン、チビコゼットの回しすぎには注意しましょう(笑)。チビコゼちゃん、かな~りフラフラでした(苦笑)。

恐らくこれでしばらくレミゼとは離れることになると思います。よっぽどのことがない限りチケット取りには参戦しないだろうな。離れてみてまた数年後くらいにこの作品の良さを発見できれば・・・。

error: Content is protected !!