インターナショナルツアーで回っているミュージカル『エビータ』カンパニーが遂に日本に上陸!しかも、狂言回しのチェ役であの、ラミン・カリムルーが日本限定出演してくれる!!
東京オンリー公演ということではありましたが、こんな好条件の舞台、行かなきゃダメでしょ!!ってことで渋谷まで行ってまいりました。
シアターオーブは5月以来。前回は少し迷子になりましたがww、今回はちゃんと迷わずに到着。
海外公演はいつもだいたいが東京オンリーのため、遠方在住の私としては見たい舞台を泣く泣く我慢することも多いのですが、今回はラミンのチェ会いたさに必死にチケット確保しましたですよ(笑)。
初めてラミンを知ったのは『オペラ座の怪人』25周年記念inロンドン公演の映像を見た時。圧倒的な歌唱力と胸が締め付けられるような演技力に魅せられ一気に気になる存在に。その後2回ほど来日した時のミュージカルコンサート舞台でラミンを観ましたが(その時は大阪だった)、生で芝居を見たことはなかったんですよね。
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今回は大好きなラミンの生の芝居が見れる絶好の機会!!
その想いだけでチケット確保に走ってこの日に至ったわけです。
劇場ロビーにはこんな巨大なタペストリーがドーンと飾られててビックリw。広いロビーだからなかなかに良い感じで目立っておりました。
リピーターズチケットの販売もあったな。東京公演ではよくある光景です。ラミンをホントは何度か観に行きたかった…!それが容易にできないの遠征観劇の悲しいところ。1回集中であります。
以下の感想はネタバレを含んでいます。ご注意ください。
2018.07.11ソワレ公演 in 東急シアターオーブ(渋谷)
キャスト
- エヴァ・ペロン :エマ・キングストン
- チェ :ラミン・カリムルー
- ホワン・ペロン :ロバート・フィンレイソン
- マガルディ :アントン・レイティン
- ミストレス :イザベラ・ジェーン ほか
エヴァ役は3人いるそうですが、私が行ったときは1番手キャストのエマ・キングストンさんでした。
LJニールソンさんとダニエル・ビトンさんも配役されているそうですが、エヴァを演じていない時はアンサンブルとして出演されているとのこと。私が観劇した日もアンサンブルとして名前がありましたが、どなたなのかは判別できませんでした。
あらすじ・概要
ミュージカル『エビータ』は1978年にウェストエンドで初演され、今なお上演が続いている名作です。
作詞はティム・ライス(代表作はライオンキングなど)、作曲はアンドリュー・ロイド・ウェバー(代表作はオペラ座の怪人など)のゴールデンコンビと呼ばれた二人。しかも、オリジナル演出は巨匠ハロルド・プリンスです。
1980年には演劇界の最高峰であるトニー賞を作品賞を含む7部門で制覇しています。
日本では劇団四季が上演権を持っていて数年おきに今でも上演されています。
貧しい家庭からアルゼンチン大統領夫人にまで上り詰めたエヴァ(エビータ)の波乱に満ちた栄光と転落の人生をドラマチックに描いたストーリー。
大まかなあらすじは以下の通り。
あらすじ
国民にとって希望の光であった若きアルゼンチン大統領夫人エヴァ・ペロンの死に、国中が大きな悲しみに暮れる。
エヴァとは、一体どんな女性だったのか? 群衆の中の一人の男、チェが、物語を紐解いていく。アルゼンチンの貧しい片田舎に生まれたエヴァは、私生児であったために不遇な少女時代を送った。
その生活から抜け出すために女優を志した彼女は、首都・ブエノスアイレスに向かう。
大都会での成功を夢みて辛い下積み生活に耐えるエヴァは、ラジオ番組に出演したことを機に一躍有名に。
やがて、陸軍大佐として当時の軍事政権を動かしていたホワン・ペロンと運命的な出会いを果たす。エヴァはペロンに急接近し、成功を勝ち取りたいという野心的な二人はたちまち恋に落ちた。
共に戦略を練り、政治活動を繰り広げる二人は結婚し、労働者層に絶大な支持を得ていく。
その結果、ペロンは民衆の心を掴んで大統領選で勝利。
ファーストレディとなったエヴァは、新生アルゼンチンの象徴として国民の支持を一身に集めた。貧しい人々を助けるための財団を設立する一方で、集めた資金を私財に使うなど、悪事にも手を染めていたエヴァ。
絶頂を極めた彼女だが、その時間は長く続かなかった。
病魔に冒されたエヴァは、副大統領としての地位を目前としながら、アルゼンチンの人々への永遠の愛を誓いながら33歳の若さでこの世を去る。
彼女の生きざまはアルゼンチンにとって、また世界にとって、忘れ得ぬ記憶となるのだった──。公式HPより引用
私が一番最初に『エビータ』に出会ったのはマドンナ主演の映画でした。ちょうどその翌年あたりに劇団四季で上演されるということで、予習がてら観に行ったのが最初。
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これがもう超ドはまりしてしまいまして、映画館に数回通ったほどです。
私が一番注目したのが、アントニオ・バンデラスが演じたチェでした。とにかくバンデラスの演じたチェが好きで好きで仕方なくてww、DVDやCDを何度リピートして見たり聞いたりしたか分からないほど。
この映画(特にバンデラスの演じたチェ)が好きすぎて、逆に四季の『エビータ』に物足りなさを感じてしまったというオチもあるんですがw。あ、でも、四季にも良い部分はいくつかあったので上演があれば観に行きたいと思うんですけど・・・でも、一番好きだったのはやはり映画版だったかなぁ。
なので、今回の来日公演は字幕も下手と上手に電光掲示で常に出てきていたのですが、半分くらいは見ないで内容理解することができたのがよかった(笑)。
私は英語が苦手なので、どうしても来日公演に行くと字幕を追ってしまい舞台に集中するのが難しいのですが、今回はそういったストレスもあまり感じずに楽しむことができました。
本編感想
まずセットや演出についてですが、初演当時のハロルド・プリンスが手掛けたオリジナルのものということで、見た目は非常にシンプルな印象を受けました。
シアターオーブはどちらかというと大型劇場なのでシンプルなセットだと少し空間ができたりして勿体ないなと思うことも・・・。おそらくこんな大きな劇場で上演することを想定していないものではないのかなと。もう少しコンパクトな劇場だったらピタリとハマったように見えたのかもしれません。
ですが、シンプルながらもキャストの動きが非常にアクティブで巧みなフォーメーション作って動いたりしていたので視覚的には十分楽しめました。
個人的には、エヴァに否定的な富裕層と軍部が彼女を揶揄しながら歌うシーンでの動きがとても面白かったなと。富裕層グループと軍隊グループとが互い違いに動いてて、なんかゲームの動きを見ているようだった(笑)。そこにちょいちょいチェが絡んで来たりして、シンプルながらも面白いシーンとして作られていたのが印象的でした。
面白いと言えば、ホワン・ペロンが権力闘争に勝ち残っていく♪The Art of the Possible♪の場面。
このシーンは椅子取りゲームの演出になってるんですが、海外版の椅子はロッキングチェアになっててなかなかに座り心地がよさそうだったww。一番最初に脱落しちゃう軍人さんは座った人の上に思わず悔し紛れに座ってしまう可愛さがあって客席からも笑いが漏れてました。
あと、エヴァが活躍していた時代の本物の映像が背景シーンとして度々登場してくるのも個人的にはすごく良かったと思います。
エヴァが生きていた時代の映像がちゃんと残っていて、シーンごとに度々背景に流れてくるのでより物語に説得力が生まれているように見えました。シンプルな演出ゆえに映えるんですよね。こういう映像の使い方は上手いなと思います。
それに、私個人として、当時の映像というものにすごく関心があるので(ドキュメンタリー番組とか好きなんですよね)そういった点からしても非常に興味深い演出でした。
一番映像の使い方で上手いなと思ったのは、2幕頭で大統領夫人となったエヴァが演説する♪Don't Cry for Me Argentina♪の場面。このナンバーが一番有名かな。時々街のBGMで流れているので耳にしたことがある人も多いと思います。
バルコニーに見立てて組み上げた鉄骨の上に要人たちが並んでいて、下で民衆たちが熱狂的に新しい大統領と大統領夫人の名前を叫び歓迎するのですが、バルコニーの上のほうには当時の熱狂する群衆の映像が流されていて、下で旗を振るアンサンブルたちの熱気をさらに一段と上げているような感覚にさせられました。
さらに盆が回転して群衆たちの表情を客席に見せる演出(この時エヴァたちは客席に対して後ろ向きになります)も斬新で面白かったです。アンサンブルの群集をより立体的に見せる方法が素晴らしいなと!うーん、やっぱりハロルド・プリンスすごいなと思いました。
チェが歌う♪High Flying Adored♪の場面は今まで見たことのないとてもシンプルな演出でした。
たしか、劇団四季バージョンでは真ん中の高い位置にキラキラに着飾ったエビータが君臨してて、その周りをチェが歌ってた演出になってたと思うのですが、今回の舞台では鏡の前でメイクアップの準備をしているエビータの周りをチェが挑発的な態度でうろうろするような感じでした。鏡台と、エビータと、チェと、それだけ。背景的にはけっこう殺風景。それなのに、ラミンのドラマチックで圧倒的な歌声ですごく厚みのあるシーンに見えたんですよね。これはかなり印象に残りました。
あともう一つ意外だったのが、1幕クライマックスの♪A New Argentina♪。
ここは一気にエヴァが勢いに乗ってダンナのペロンの尻を叩きつつwのし上がっていく一番の盛り上がりの場面なのですが、ほぼベッドルームで進行してるんですよね。いつになったらベッドが無くなるのかと思ったら、最後までずっとベッドルームだったというww。
そのベッドルームを取り囲むようにして労働者たちがプラカードを掲げて革命を起していく。その声が聞こえているのか呼応するようにありったけの声を上げて先導するような歌声を響かせるエヴァ。そしてそれを冷ややかに見つめ、秘密警察に連行されたりしてしまうチェ。
一つのベッドルームからものすごい大きなドラマが周囲で展開していて、視覚的にも非常に面白かったです。アンサンブルさんたちの熱量もすごかった!!もともと気持ちを高ぶらせていくナンバーなのですが、さらにテンションが上がってしまいました!!
他にも好きなナンバーがたくさんあるのですが、書ききれないので特に好きなナンバーを挙げてみます。
オープニング、エヴァの葬儀をチェが冷やかして歌う♪Oh What a Circus♪。
ここのチェ(ラミン)の歌いっぷりが最高!!
マガルディの後を強引についていってブエノスアイレスに出てきたエヴァが開放感から歌う♪Buenos Aires♪。
エヴァ(エマ)の力強い歌声とさんたちのパワフルなダンスが最高!!特にセットとか無いのですが、歌とダンスで圧倒する感じでした。
エヴァが一人で外交に出たエピソードが出てくる♪Rainbow Tour♪。
周りの人が大丈夫って言ってる中、チェだけが皮肉たっぷりにチャカして歌うんですよね。ここでは映像もふんだんに使われてて面白かった。
『エビータ』の中で私が一番好きなシーンが♪And the Money Kept Rolling In♪。
映画でも何度この場面繰り返し見たか分からないw。エヴァが民衆に金銭をばら撒くように与えまくってたエピソードなんですが、ロックな旋律と歌詞がとにかく最高of最高です!!!今回、ラミンでこのシーンが見れたことがとにかく幸せで大感激で興奮で涙出ました。
エヴァとチェが初めてちゃんと向かい合って芝居をする♪A Waltz for Eva and Che♪。
映画ではマドンナとバンデラスがワルツを踊りながら演じてましたが、今回の舞台では二人は手を取り合うことなく、ただ向かい合いながらワルツのリズムに合わせて歩調を合わせる感じになってたのが印象的です。お互いの感情が激しくぶつかり合う非常にスリリングなシーンでした。
死に瀕したエヴァが民衆に向けて最後のラジオ放送を行う♪Eva's Final Broadcast♪。
エヴァの元を去ろうとしていたチェですが、最後まで見届けてやると彼女に寄り添うように存在しています。一番印象的だったのが、弱り切ってラジオのマイクの前にうまく立てない彼女に向かって、乱暴にマイクを彼女の目の前にガっと突き出してた場面。一見すごく暴力的に見えるのですが、それは逆にエヴァを奮い立たせようとする行動に見えて仕方なくて泣けました。このシーンでのラミンの表情がものすごくグッと来た!!
エヴァが死の直前にこれまでの出来事を思い返す場面があります。四季ではこの場面合ったかな??覚えてない。次々にダイジェストのように断片のシーンが繰り広げられる演出に思わず見入ってしまいました。
そしてラスト、チェがペロンとすれ違うのですが、この時の二人の関係性も非常にスリリングで見ごたえがありました。
主なキャスト別感想
エマ・キングストンさん(エビータ役)
見た目はとても細くて繊細な雰囲気なのに、澄んでいながらも非常に力のある歌唱力!!いや~、やはり海外のミュージカル女優さんはレベルが高いなぁと改めて思いました。野心家で我が強い激しい女性像を感じさせる力強さのなかに、なぜか心の中にスーっと入り込んでくる心地良さを感じさせるんですよね、エマさんの歌声って。
歌だけではなく、演技力も素晴らしかったです!生命力のあるイケイケ時代のエヴァが2幕後半に行くにしたがって病から徐々に弱っていくのですが、その過程を非常に繊細に表現されてました。特に、死の影が顔色に浮かびながらも副大統領を辞退するラジオ放送に出演する場面の芝居は圧巻です!!リアルすぎて、本当にこのまま倒れてしまうのではないかと思ってしまったほどでした。
歌も芝居も最高のものを見させていただきました!!
ラミン・カリムルーさん(チェ役)
何を隠そう、私はこの方を見るために東京遠征を決意したくらいですから!!もう、その想いに十分すぎるくらい応えていただきました。やっぱりラミンは最高でした!!
まずはやっぱり目が行くよね~、あの立派な筋肉に(笑)。ラミンの鍛え方が半端ないのはインスタ見て知っていましたが、実際タンクトップ姿のシーンとか見てみると…なんとすごい迫力!!しかも、あんな凄い筋肉ついてるのにゴツイとか思わない(笑)。まぁこれはファン目線だからですがww、視覚的にも最高でした、ラミンーーー!!
そして何といっても最大の魅力は、歌です。心の中にこれでもかというくらいチェの感情が沁み渡ってくるような…ちょっと言葉にするのが難しいんですけど、どの場面も胸が熱くなるほどの迫力と説得力とで魅了されっぱなしでございました。しかも、全編ほとんどタバコみたいなのを吸いながらあの歌声を出してるんだから、どんな驚異的な喉なんだと驚くばかりです。初めて生で芝居しているラミンを目の当たりにしましたが、もう、なんて心奪われる存在なんだろうって改めて思いました。
どのシーンも最高だったのですが、一つだけ挙げるとするならば♪And the Money Kept Rolling In♪ですね。
前述したとおり、私は映画でのこの場面がとにかく好きすぎて何度聞いたか分からないくらいなんです。バンデラスのチェがとにかく素晴らしいんですよ。それを、これまた大好きなラミンがありったけの歌声で演じてくれている…!!こんな幸せな瞬間ないですわ。ラミンのチェに少しバンデラスの雰囲気を感じる瞬間もあったし、本当に色んな意味で感無量の心境になりまして、エヴァが金ばら撒いてる場面で私、泣いてましたww。
歌だけじゃなくて表情も魅力爆発!!おどけてる場面とか、皮肉たっぷりに挑んでる場面とか、もう挙げればキリがないけど・・・感動的だったのは死に瀕したエヴァが最後のラジオ放送に向かう時のチェの場面だったかな。激しく接しているようで実はエヴァを奮い立たせようとしているかのような二面性を感じさせる芝居がとても印象的でした。
ラミンの芝居が生で見れたことに感謝!!しかも日本公演だけというのがありがたすぎ😂。またぜひ日本で新たな魅力を披露していただきたいです。ラミン、また日本に来てくださいねーーー!!!
ペロン役のロバート・フィンレイソンさんも素晴らしい芯の通った歌声が印象的でした。どちらかというと強気の軍人の顔というよりもエヴァに支配されて一歩下がったようなところが多かったかな。ペロンは意外と女性にリードされるほうが上手くいくタイプなんだなって思うお芝居だったと思います。
マガルティ役のアントン・レイティンさんはどっしりとした存在感で歌声も太く魅力的でした。マガルディって自己顕示欲が強くて嫌味なキャラなんですけど、その部分を特に強く引き出しているような印象でした。
エヴァの前までペロンの愛人だったミストレス役のイザベラ・ジェーンさん、出番的には多くないのですが、♪Another Suitcase in Another Hall♪の歌声がとても美しく素晴らしかったです。柔らかくて儚い感情が美しい歌声に見事に乗ってたと思います。
後述
ラミン見たさに遠征した『エビータ』観劇でしたが、それ以上の感動をもらえました!やはり海外のミュージカルは本格的でレベルが高いです。
カーテンコールもすぐにスタンディングオベーションとなって大盛り上がり。指笛ヒューヒューが聞こえまくってくるのも海外公演ならではの光景でしょうか。ナンバー歌い終わりのあとにもヒューヒュー鳴ってましたがねw。
私もスタンディングしました。海外公演は特に、日本に本物を届けに来てくれてありがとうございます!といった感謝の気持ちが大きい。海外に行く余裕がないので、本当にありがたいことです。
そしてやっぱりラミンの魅力に改めてハマりました!!もうほんと、何なんでしょう、この方の魅力の大きさは。今後も日本に素晴らしい歌や芝居を届けに来てくださいませ!!
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日本でCDも出してます!!素晴らしい歌声で何度も聞いてます!!興味がありましたら是非に。