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ミュージカル『ISSA in Paris』東京公演千穐楽 観劇感想 2026.01.30

ミュージカル『ISSAinParis』東京公演を観に日生劇場へ行ってきました。2回目の今回は東京公演の千穐楽に当たります。人気作に比べると多少客席の埋まり具合が寂しいかなとは思いましたが(特に2階席)、1階席やグランドサークル席はかなりいい感じの客入りだったなという印象。

日生のリスさんコーナーも千穐楽バージョンに。色々と芸が細かくて癒されます。1月限定のドリンク、すごく美味しそうだったんだけど・・・お手洗いが近くなりそうな予感がして(当日もかなり寒い気候だったし)断念してしまった。飲んでみたかったーーー!

ちなみに、「ISSA」の物販数は今回少なめです。アクスタポーチキーホルダーって感じだったかな。あとはパンフレット

ちなみに私は海宝くんと岡宮くんのアクスタとパンフをお買い上げ。最近突然ハマってしまったんですよねぇ、アクスタ…(笑)。振り返りスタイルが結構カッコ良くてお気に入りです。

上演概要(スタッフ、公式あらすじなど)については1月15日観劇レポ参照
上演時間

  • 第1幕:60分
  • 休憩:25分
  • 第2幕:75分
  • 合計:約2時間40分(カーテンコール含む)
    ※東京千穐楽は挨拶もあったので10分近く上演時間が延びてました

以下、ネタバレを含んだ感想になります。初回感想よりも少し踏み込んで書いてます。

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観劇・キャスト感想

2026年1月30日東京千穐楽キャスト

  • 海人(ISSA):海宝直人
  • 小林一茶(若き日):岡宮来夢
  • ルイーズ:潤花
  • テレーズ:豊原江理佳
  • ラファエル、他:中河内雅貴(Wキャスト)
  • 絹子、他:彩吹真央(Wキャスト)
  • レミー、他:星駿成

内田未来、阿部裕、森山大輔、塚本直

井上真由子、岡田治己、尾関晃輔、加藤翔多郎、黒川賢也、木暮真一郎、斎藤准一郎、渋谷茉樹、島田隆誠、根岸みゆ、般若愛実、引間文香、深瀬友梨、古川隼大、武者真由、森加織

オンステージスウィング:大村真佑、森田有希

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本編感想

今回はサイド席ながらもかなりの前方で観ることができました。角度はつきますが、前回正面から見ていたので色々と伝わるものも多く快適な環境だったと思います。2回目になると初回見えなかった景色も心の沁みてきたりしてより深く作品を楽しめました。

ちなみに、千穐楽ということで演出の藤田俊太郎さんの姿も劇場にありました。藤田さんは写真の通りの方なので結構わかりやすい。

今回は海人と一茶の関係について感じたことを綴っていきたいと思います。あくまでも、私個人が感じたことなのであしからず(本当は違うかもしれない解釈とかけっこうあるかもです 汗)。

改めて全体像を見て感じたのは、”海人の自分探しの物語”だったなということ。制作陣の作品意図としては”創作の苦しみと達成感の悦び”をテーマにしているとありますが、私個人としてはそれよりも”海人と家族”といったパーソナルな部分のほうが強く印象に残ったんですよね。

たしかに、小林一茶が俳句を紡ぎだしていくことと海人の楽曲制作への過程といった部分が重なるシーンもあるのですが、ストーリー全体を通してみると一茶はけっこう俳句をスムーズに創作している印象が強い。海人は一茶の冒険に寄り添う形で存在していますが(架空の世界ではありますが)、楽曲を創りたいという意志よりも亡き父や母のことを知りたいといった気持ちに大きくシフトしていたように思えたんですよね。
だから、”俳句”と海人の繋がりみたいなものが作品の中で希薄に感じてしまったのかもしれない。一茶は後に有名となる句が閃いていくつか紙に書き留めていくのですが、”句”そのものはドラマとして存在感が足りないかなと。海人は一茶の俳句で大きなインスピレーションを得ることもなかったですしね。

「露の世は露の世ながらさりながら」という小林一茶の俳句は早い段階から一つの大きなテーマのように登場します。海人のバズった楽曲♪TALK TALK TOKYO♪の冒頭にもこの句が登場するのですが(海人の曲は小林一茶の俳句を英語に翻訳した歌詞を使っているという設定)、ストーリー全体に与えていた影響はあまり大きいようには感じられませんでした。

最終的に海人が新しい楽曲を閃いたのは、彼の中でトラウマのようにモヤモヤと燻っていた父と母の本当の想いを受け入れることができたからじゃないのかなと。彼が新曲にたどり着く大きな役割を担ったのが、母が遺した”小林一茶の空白の10年に関する論文”です。
つまり、劇中に登場している若き日の小林一茶は、海人の母親が創り出したものということになります。それを具現化したのが今回描かれている小林一茶のフランス冒険記。その架空の世界の論文に海人が入り込み”傍観者”として一茶を見守っていくことで、彼は知らず知らず母の想いを感じていったのではないかなと。

シーンとしてグッと来たのは、1幕ラストで海人が幼き日の自分を回想し苦悩のあまり悪夢を見てしまう場面。俳句の仕事をしていた両親は幼い息子が初めて創作した句に才能を感じ歓喜する。その体験がいつしか、幼き日の小林一茶が初めて創作した俳句と重なっていく。幼い頃は無邪気に親の期待を喜んでいた海人でしたが、現代の彼にとって”俳句”は大きなプレッシャーの存在でもあり家族に対するトラウマでもある。
ごちゃごちゃの感情の中、夢の中で海人は苦しみの涙を浮かべながら「俳句は嫌いだ」とぶちまける。その瞬間、虚構の世界に生きる小林一茶は海人の声をはっきりと認識するんですよね。ここまで二人はお互いに”見えない存在”として描かれていましたが、海人の叫びに一茶が初めて反応する。その時の二人の対比の演出がとても印象深い。個人的にとても好きなシーンの一つです。

2幕に入ると、海人は一茶の”代役”のような存在として彼のいる世界に登場する演出がちょいちょい登場します。このあたりはサラッと見ていると理解が難しいシーンになっているなとも感じましたが、回数重ねてみるとその意味が腑に落ちてきます。

海人は”俳句”によって家族の関係が壊れてしまったと思い込んでいて、それが心のトラウマになってもいる。特に、俳句の仕事で家を空けることが多かった母に対し「家庭を顧みなかった親」という恨みにも似た感情を抱いてしまっている(父親が亡くなった日にもいなかったことが大きな心の傷に…)。しかし、それと同時に両親がどのように俳句と向き合っていたのか、家族をどう思っていたのかということを知りたいという気持ちもずっと抱えてきたと思うんですよね。
海人は母の綴った”一茶のフランス冒険記”を仮定した論文を読み込んでいくうちに、母の想いを感じ取っていったんじゃないかなと。その理解が深まるにつれ、いつしか海人が一茶の存在する世界に”生きる”といった表現に繋がったのではないかなと思いました(なかなか文章で言い表すのは難しいんですが…汗)。

フランスに生きる一茶は弱き者の立場に寄り添って革命に協力する。その中で彼は「痩せ蛙、負けるな一茶、これにあり」という句を詠みます。これが運命を切り開こうとするフランスの人たちの背中を大きく押していくことになる。同じタイミングで海人は、心の傷を抱えながらもダンスを支えにしている少年・レミーの希望となる言葉をかけその背中を押します。あの言葉が出たのは海人にとって大きな進歩だったなと。そう導いたのは、きっと母の論文に影響されたからじゃないかなと思えるんですよね。
自分が紡ぎだす言葉は、誰かの背中を押して力になることができる。母が描き出した一茶の姿から海人はそんなメッセージを読み取ったのではないだろうか。

そして海人はついに新曲を完成させる。その傍らでルイーズが見守って支えているのですが、二人の恋愛といった要素はやはり今回見てもピンとこなかったかなぁ(汗)。
一茶と革命の中心人物であるテレーズとの関係のほうが丁寧に描かれているので、一つの”恋愛物語”として受け止めやすいと思います。ただ、この作品の中では”恋愛”は大きなテーマには入ってこないので、深く感情移入するといった感じではなかったかな。そこを期待して観るとちょっと肩透かしを食らうかもしれない。

強く印象に残るのが、一茶がテレーズへの想いを断ち切れずに日本へ帰るチャンスをフイにしてフランスに残ろうとする場面。このシーンで海人は「一茶、だめだ!!」と叫ぶ。一茶は再び海人の声をはっきりと認識します。
1幕ラストの時には”俳句を否定”する海人の声を聴いた一茶が、2幕クライマックスでは「日本に戻って俳句を作るべきだ」という海人の声、つまり”俳句を肯定する声”を聴くんですよね。二人が初めてお互いをはっきりと認識する場面はとても印象深い。

海人と一茶が「一つの言葉は世界を変える力を、苦しみに立ち向かう勇気を持っている」と歌うシーンはとても感動的です。一茶は自分の為すべきことを海人の言葉で気づかされ、海人は再び歩き出す一茶の力強さに母の想いを感じ取る。トラウマとして苦しんできたことが浄化されるように泣き崩れる海人と、それを見守る父と母の姿は本当に感動的で心を揺さぶられました。

今回の感想は海人と一茶との繋がりのシーンに焦点を当てて書いてみましたが、正直、とてもナイーブな場面が散りばめられているので文章にするのはかなり難しいです(苦笑)。ただ、複数回観ていくと、彼らの繊細な心のコアな部分が胸に沁みこんできてグッとくることが多い。そういった意味でも、『ISSA in Paris』という作品は”スルメ型”ミュージカルなのかもしれないなと思いました。

主演の海宝くん岡宮くんをはじめキャストの皆さんの細やかなお芝居と歌は本当に素晴らしくより深まりを感じました。特に二人が涙する2幕のクライマックスシーンは必見。めちゃめちゃ感情移入してボロ泣きさせられてしまった。

今回初めましてだった中河内雅貴くんのラファエルは、熱さの中にもどっしりと構えた落ち着き見たいな部分が感じられてとても魅力的でした。あと、冒頭の海人のバンド仲間としてギターを弾いて歌う姿は超カッコいい!!必見!!

それから、アンサンブルさんたち一人一人にもシーンによっては大きな役割が与えられているのもこの作品のいいところだなと思いました。ソロもあったり、メインに関わる長いセリフもあったり。早替えも多い中まさに縦横無尽の大活躍。個人的には、元劇団四季の斎藤准一郎くんにめっちゃ注目しました。けっこう出番が多いのでファンの方は嬉しいのではないかなと。
それから、♪TALK TALK TOKYO♪シーンでのダンサーさんのアグレッシブな動きにも注目です。キレッキレだしめっちゃカッコいい!!

次回観劇予定は大阪です。ナンバーやシーンごとの感想はその時にもう少し書きたいと思います。

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後述(カーテンコール)

東京千穐楽ということで、2回のカーテンコールの後に代表して海宝くんからご挨拶がありました。

ちなみに、上手側にいたアンサンブルさんお二人が挨拶あること知らなくて完全にはけてしまいw、海宝くんの掴みの挨拶が始まる頃に慌てて舞台上に戻ってくるというハプニングがありました(笑)。お疲れのところ、残ってくださりホントありがとうございます。
あと面白かったのが、一度帰ろうとしたレミー役の星くんに海宝くんが「楽だから挨拶しなきゃいけないからちょっと待ってて」とやんわり引き留めてたのも可愛かったww。

東京千穐楽を迎えられたことに関しては「まだ夢の中にいるような感覚」と話していたのが印象的です。この前のトークショーの時も、今回は全くの新作なので稽古場での”産みの苦しみ”の苦労もかなりあったと話していましたからね。猶更感慨深いものがあったんじゃないかなと思いました。

「心が折れることもなく、妥協もせず、ただ見てくれるお客さんに良いものを届けたいという一念でここまで頑張ってきた」というニュアンスの挨拶をしていた海宝くんにグッときました。客入りといった現実的なところでは苦労も多かったであろう作品ですが、そんななかでもこれを選び劇場に足を運んでくれた人に対しての感謝の気持ちは一入のものがあったと思います。

まだ大阪公演と名古屋公演があるということで、そちらにも来てほしい気持ちをダダ洩れさせてた海宝くん。「現代の世界では”新幹線”という文明の利器があるので、大阪がすごく近いんですよ!」とか「名古屋なんかもっと近い!」とか力説しまくってたのが面白かった(笑)。
最後、隣にいた来夢くんに「最後こんな挨拶でよかったのかな?」と不安をこぼしていた海宝くんw。そんな彼に「全然OKですよ!!」と超太鼓判を押してた来夢くん。そんな二人の熱い絆も感じられた千穐楽カテコでした。

私は大阪公演2回観る予定です(マチソワでww)。少しでも多くのお客様が入りますように。

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