ミュージカル『ジキル&ハイド』2005年12月公演

2005年12月10日マチネ

観劇好きな友人と『ジキル&ハイド』観に行ってきました。大好きな作品で初演・再演と観てたので今回もチケット購入した時からすごく楽しみにしてました。ちなみにチケット購入したのが4月の『レミゼ』観劇の時・・・、ロビーで先行発売してたんですよ。あの当時は「こんな先のことまだわからないけどとりあえず買っちゃえ」と今回一緒に観劇した友人と突発的に購入したんですが(笑)「♪時が来た~」のは本当に早かったって感じでお互いに顔合わせて笑ってしまった。そんな早期に購入しただけあって座席は前からも後ろからもほぼ中央の絶好位置。そういえば日生劇場って改装したんですよね。トイレもすごいきれいだったし、客席も整然として座り心地もよかったです。

さて久々の「ジキハイ」ですが、久しぶりに観てますます大好きになりましたよ!

素晴らしかった!

曲も改めて聞くと本当に粒ぞろいの名曲が散りばめられているし、それにキャスト陣のレベルがとても高くて安定しています。レミゼやエリザなどに比べると出演者は多いほうではないのに、あのド迫力のナンバーを響かせてくれてもう大感動!やっぱりこの作品好きだなぁ。

初演ではジキルとハイドの違いを出そうとしすぎてハイドの歌がほとんど良く分からなかった鹿賀さんでしたが(笑)、その心配はもうなしですね。3回目ということもあり既に役を自分のものにされてました。それにあの歌声の響かせ具合がすごい!!改めて鹿賀さんの歌声に酔ったって感じですね。

マルシアさんのルーシーも最高です!あのセクシー&ド迫力ヴォイスはさらに洗練されており彼女の歌声には何度も感動させられました。一緒に観に行った友人(ジキハイ初観劇)はマルシアだけが苦手だと言っていたのですが終演後には「彼女を見る目が変わった」と絶賛していたほどでしたし。マルシアはファンテよりもルーシーのほうが断然好きですね。あ、それから、マルシアさんのソロシーンを見たとき・・・なんとなく先日亡くなった本田美奈子さんの姿がダブって見えた気がしました・・・。きっと、本当に舞台にいるのかもしれませんね。

嫌味なストライドから昇格したアターソン役の石川禅さん。役作りがとても面白かったです。初演は段田さんがちょっと情けな系、再演の池田成志さんがけっこう遊び人系だったのに対し、禅さんはユーモアありの可愛い系って感じです(笑)。飄々としてて台詞回しもすごい軽いんで楽に観れるって印象ですね。あんな友達が欲しいと思ってしまったなぁ。

そのストライド後任に今回配役されたのが宮川浩さん。大ファンなので宮川ストライドが中央にきて歌ったりしているシーンはなんだかすごく嬉しかったです。禅さんがクールなストライドだったのに対して宮川さんは威圧的で熱いストライドとても迫力があり最高でした。宮川さんと禅さんっていつも役柄がダブルだったり後任だったりとすごい繋がりがあるんですよね~。今回同じ舞台に立つのは「サイゴン」の初演以来かと思ったのですが、「レミゼ」でも一度同じ舞台に立っていたらしいです(宮川さんも忘れてたらしい 笑)。この二人が対峙するシーンはなんだかとても貴重で見応えがあるものに思えました。

鈴木蘭々さんは知念さんの代役としてエマに抜擢されました。たしか前の舞台も誰かの代役で出演し高い評価を得ていたということですが、もともと実力のある人だと思うのでこの出演を機会に頑張って欲しい女優さんです。で、蘭々さんのエマ、すごい美人できれい!あの高貴な雰囲気が役に合ってて知念エマよりも鹿賀ジキルとのバランスが非常によかったです(知念さんだと親子に見えたんで 爆)。ただ、まだちょっと慣れないのか台詞回しや動きが段取り通りって感じになっているのが残念。それから歌声ですが、低く地声の部分はけっこうきれいなんだけど高音になると擦れ声が入ったりしてちょっと苦しそうですね。過去にはCD発売もしている彼女ですので今後もう少し頑張って欲しいところです。

「ジキハイ」はあと2回観に行きます!これからもっとよくなっていきそうなので楽しみ!

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2005年12月21日マチネ

本日2度目の『ジキルとハイド』観劇してきました。『12人のやさしい日本人』チケットの先行に全てハズレたとき、じゃあ「ジキハイ」入れようかなというかなりアバウトな気持ちでゲットしたチケットだったんですけど(爆)、グランドサークル一番前の真ん中という非常に見やすい席で、遮るもののない中じっくり堪能することが出来ました。グランドサークル席に座ったのなんて何年ぶりかなぁ・・・。薬師丸さんと岡さんのミュージカル『シュガー』観に行って以来かも(古っっ)。

やっぱりこのミュージカル素晴らしいです。前回観たときよりも皆さんさらに力が入ったとてもいい歌・お芝居を魅せてくれました。特にエマの鈴木蘭々ちゃんがかなり良くなってます。以前は段取り通りの演技といった感じが否めなかったのですが、今回はセリフと動きが非常に自然で好印象。一昔前(笑)にテレビで見せていた元気娘といったイメージではなく、しっとりと聡明なイギリス美人って感じで・・・彼女も役者としてまた一つ大きく成長したんだなぁと感慨深かったですねぇ。これであと一歩歌声にハリが出てくれれば最高なんだけど。

鹿賀さんのジキルとハイド演じ分けも今回だいぶ確立されてきたのではないでしょうか。力みすぎていた初演よりも歌詞が聞き取れるようになったし、上手い具合に『善』と『悪』を使い分けていますね。それに歌声の伸びがすごいんですよ。ドラマチックなナンバーがなおさら感動的に響いてホント素晴らしかったです。

ウルウルきちゃうほど感動したのはやっぱりマルシアさんのルーシー。セクシーに、可愛く、はかなく・・・とにかく否が上にも彼女に感情移入しまくってしまうんですよ。蘭々エマとのデュエットも素敵でウルウルしまくったし、『新しい生活』のソロナンバーも胸にジーンと突き刺さるような感動がありました。

禅さんと宮川さんが並ぶシーンはやっぱり今回も大注目しちゃったかも(笑)。この二人が々舞台に並ぶことって滅多になかったですからねぇ。なんか二人でいるだけで嬉しかったりするんですよ。やっている役柄は正反対の両極端なので、対峙するシーンはそれはそれは迫力あります!それに、お二人ともアンサンブルのナンバーに入っていてもしっかり歌声が分かるように聞こえてくるんですよね。これは本当にすごいこと。ちなみに、ストライド以外に街の人や客としても出演している宮川さん。お子さまには見せられない様なシーンをいくつか演じてますが(笑)、初演と再演の禅さんはどうだったかなぁと思わず考えてしまった(←ちゃんとチェックしとけばよかった 爆)。

来週あと1回、母を連れて行ってきます。果たして母の感想は!?

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2005年12月26日ソワレ

「ジキハイ」初観劇の母親と26日ソワレ観劇してきました(レポが遅れてスミマセン)。初演・再演と観てきましたが、今回の再々演は本当にまた素晴らしい出来で私個人としては何気に3回目となってしまいました(笑)。キャストの日替わりがあるわけでもないのにこう「観たい」と思わせてしまうこの作品の素晴らしさ…間違いなく今年の心に残る作品で3本指に入りますね。

鹿賀さん

今回またさらに進化したジキルとハイドを見せてもらいました。初演からの移り変わりを見てきましたが、個人的には歌詞も聞き取りやすくジキルとハイドの役の違いを巧く表していた今回がベストです。以前は泣けるまではいかなかったのに、今回はジキルとハイドが混同して自己破壊に至ってしまった演技を見て思わず目が潤んでしまったくらいです。母も一番印象に残ったようで、幕が降りてからイの一番に拍手してました。ほんと、連れて行ってよかった。歌声の伸びも抜群だし、「クスッ」とさせるところの間も絶妙です。これからもライフワークとして頑張ってほしいですね。

マルシアさん

初演に見たときにあの迫力ヴォイスにただ圧倒されてしまったのですが、再演、再々演と観てきてさらにルーシーの内面的な「可愛さ」「はかなさ」がさらに深まっていてとても感動的でした。マルシアさんの歌声になんだか魂が宿っているというか・・・こちらの心にストレートに訴えかける何かがありますよね。「新しい生活」のナンバーは今まで聞いた中でも一番の感動を与えてくれました。かなりきたよ~…。前日の公演でこのナンバーの歌詞を間違えてしまいかなり落ち込んでいたという噂を聞いていたのですが、この日はキッチリじっくり聞かせてくれましたよ。カーテンコールの投げキスも可愛かったです。

鈴木蘭々ちゃん

あのテレビで不思議系元気娘だった彼女が、こんなにしっとりとした美しい女性を演じられるなんて!今までの歴代エマのなかでは一番のロンドン美人で好感度ナンバーワンでした。知念ちゃんの代役として配役され、満足した準備も出来なかったであろう中ほんとうによく頑張っていたと思います。演技的にはホント一番好きでしたね付け加えるならばやはり歌声かなぁ。この舞台って本当に舞台で訓練されている実力派のパワーある歌声キャストが多かったのでどうしてもソロとかになるとか細く聞こえてしまうのが残念!とっても素敵なエマなので次の公演の時にはもっと進化した彼女が観たいです。

禅さん

クールで冷酷なストライドから一転、なんとも陽気で気配り上手な友人アターソンに!最初の語り部分はとても重々しく入っていたのにジキルと接する時のあの無防備な親しみやすさ…このあたりの演技のメリハリがキッチリ効いているのはやはりさすが禅さん。ジキルとエマの婚約パーティーの時の禅さんが一番可愛くて好きだったなぁ。人付き合いが下手なジキルに思いっきり気を遣いながらあくせくしている姿がめちゃくちゃ可愛かった

「あんな友人がほしい」

と思ったのは私だけではないはず(笑)。そんなアターソンがラストでジキルに起こした行動はなんだかとても切なくて胸が痛みました。くどいといわれることもあるようですが(笑)、私はそんな舞台の禅さんがとても好きです。帰りに母は禅さんのファンクラブ案内のチラシを見て「え!?この人があの弁護士の人?」と驚いてたのが笑えました(笑)。ちなみにもって帰ってました、あのチラシ(笑)。

宮川さん

禅さんに代わってサイモン・ストライドに配役された宮川さん。久しぶりの東宝舞台での宮川さんを観るのはやはりとても嬉しかったなぁ。今回の役柄はジキルを嫌味たっぷりに皮肉りまくるのですが、冷たくあしらっていた禅さんとは違い、ガンガン攻めてくるような威圧感ある宮川さんらしいストライドはこの舞台のなかで確実にスパイスになっていました。群衆の中でもきっちりと聞こえてくる宮川さんの歌声…これがものすごく心地いいんだよなぁ~。特に禅さんとおなじパートを歌っているシーンが個人的にものすごく好きでした。あの二人の歌声が重なった瞬間がものすごいパンチが効いてて…「あ~お二人の声が同時に聞けるなんて幸せ~」と私は完全に『萌え』世界に浸っておりました(笑)。宮川さんの個人的に好きだったシーンは「エマ」の呼び方と「騙されるな」のソロとラストの死にっぷりだったかな。そういえば、この日はジキルの折ったステッキが客席にまで転がっていったっけ。

というわけで、今回もかなり充実した「ジキルとハイド」観劇となりました。ネームバリューで選ばれるキャストが多い中、この舞台は本物の実力者が揃っていた本当に見応えのある素晴らしい作品だったと思います。歌詞のひとつひとつがキッチリ歌いこまれていてとても分かりやすいし迫力がある。また近いうちに絶対再演してほしい1作です。

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