新作ミュージカル『怪人と探偵』兵庫公演 2019.10.03マチネ

神奈川公演を経て兵庫にやってきた新作ミュージカル『怪人と探偵』を観に遠征してきました。

今回のチケットを取った決め手は、アッキーと和樹くんの共演という楽しみな組み合わせだったからです。二人とも大好きな俳優さんなのでとても楽しみにしていました。

ちなみに、私が観に行ったのは兵庫公演の初日でしたが、その時すでに全公演分の当日券は完売とのことでした。兵庫公演はたった6公演しかありませんが、それにしてもすごい人気です。

が、実はアッキーと和樹くん出演の情報以外は全くといいほどチェックしてなくて(汗)二人以外の出演者については当日パンフレットを購入して知ったくらい「無」の状態。ストーリーはもちろんのこと、これが新作ミュージカルで白井晃さん演出ということも知りませんでした(すみません 汗)。

なので勝手に「海外系のお話」なんてイメージしていたもので、パンフで初めて「怪人=怪人二十面相、探偵=明智小五郎」という江戸川乱歩のレトロな日本が舞台だと知って面喰いました(笑)。始まる前にこれくらいの情報は知ることができてよかったw。

以下、ネタバレ含んだ感想です。

 

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2019.10.03 マチネ  in 兵庫芸術文化センター 阪急中ホール(兵庫・西宮)

主なキャスト

  • 怪人二十面相/安住竜太郎:中川晃教
  • 明智小五郎:加藤和樹
  • 北小路リリカ/田口慶子:大原櫻子
  • 小林芳雄:水田航生
  • 花崎マユミ:フランク莉奈
  • 北小路邦麿:今拓哉
  • 邦麿の妻:樹里咲穂
  • 松吉・楢崎平吉/有川マコト
  • 灰色の服を着た巨漢/森田守:山岸門人
  • 羽柴壮二:中山義紘
  • 大野敏夫:石賀和輝
  • ねこ夫人/浪江はな:高橋由美子
  • 中村警部:六角精児

中村警部の部下役で劇団Patchの中山義紘くんが出演していたのは嬉しかったです。BK制作の朝ドラにもちょいちょい出演していますが(多分今回も登場するんじゃないかと期待してるw)、生の舞台を一度見てみたかったんですよね。溌溂と動き回っていたし歌も上手かったです。


上演時間は大体2時間40分くらい。あとで感想のほうにも書く予定ですが、1幕はもう少しスタイリッシュにしてもいいかもなぁというのが正直なところです。

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あらすじと概要

原案は日本を代表するミステリー作家の江戸川乱歩『怪人二十面相』です。

二十面相や対決する探偵の明智小五郎は登場してきますが、それ以外の設定や登場人物など、そしてストーリーは全くのオリジナルになります。

脚本、作詞・楽曲プロデュースを担当したのは劇団新感線や数多くの舞台で作詞を提供してきている森雪之丞さん。舞台のテーマ音楽を担当したのはあの東京スカパラダイスオーケストラです。スカパラらしい管楽器の音色が作品にさらなる活気を与えていました。

演出は俳優でもある白井晃さん。白井さんは神奈川芸術劇場(KAAT)の芸術劇場芸術監督になられているようですね。知らなかった!

簡単なあらすじは以下の通り。

昭和34年(1959年)東京麻布。

元子爵北小路家の令嬢・リリカと安住財閥御曹司・竜太郎の婚約発表の日、北小路家の大広間では、華やかな仮面舞踏会が催されていた。パーティの最中、不思議なことに、誰も気づかぬうち、大広間の柱時計には怪人二十面相の犯行予告状が貼り付けられる。

『3日後10時北小路家の家宝「パンドーラの翼」を頂戴する』

指定の日時、二十面相の犯行を阻止するために、探偵・明智小五郎が北小路邸を訪れる。明智を一目見た北小路家の令嬢のリリカは明らかにショックを受ける。
明智も動揺を抑えている。実はリリカには暗い過去があり、明智とリリカには深いつながりがあったのだ。

10時を告げる鐘の音と共に、予告通り怪人二十面相が現れ、「パンドーラの翼」は爆発、明智は負傷し、二十面相がリリカを連れ去ってしまう・・・

公式HPより引用

公式のあらすじは第一幕のみで二幕については触れていません。まぁ、それを書いてしまうと物語の意外性が薄れてしまう可能性大だからかと思いますが。

以下の感想では、その部分にも触れていますのでご了承ください。

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全体感想

まず全体を通して思ったのが、一幕が惜しい!ってことです。

冒頭で二十面相がトリックを使って警備の手をかいくぐって宝石のネックレスを盗み出す場面があるのですが、大勢の出演者が舞台の上で警備のために右往左往しながら「ティック・ティック・タック♪」と時計の音をテーマにした曲を歌いながら躍動します。
その見せ方は面白かったし、これから何が起こるのか楽しみという興味も掻き立てられました。ちょっと『ジキル&ハイド』の「事件、事件♪」のシーンにも似てる感じ。

曲調も難しそうな転調があったりするのですが、皆さん巧く歌いこなしていてすごいなと思ったし、これは結構頭に残りました。

が…、この右往左往しまくるシーンがちょっと長すぎた気がするんですよね(汗)。いったいこの歌詞何番まであるんだ!?みたいなw。なかなか犯行に至る瞬間が訪れなくてちょっと途中で飽きみたいな感情も…。
ドタバタするのは舞台に活気があって面白みもあるんですが、ある一定の時間を超えてしまうと観ているほうはちょっと疲れてしまう。

で、犯行時間が過ぎて宝石が無事だとわかるのですが、ちょっとした言葉のやり取りがきっかけで見事に持ち去られてしまう。この時の演出は派手で面白かった。
さらには和樹くんが演じる明智が警官に扮装してさりげなく登場したり、アッキー演じる怪人二十面相がさっそうと現れたりとわくわくする仕掛けもありました。

が、そこに至るまでがちょっと長く感じてしまったために「わぁ、カッコいい!」っていう感想よりかは「やっと主役が出てきた…」といった安堵の気持ちのほうが大きかった気がする(笑)。
舞台の動かし方やアンサンブルさんたちのさりげないシフトチェンジなど面白い点もたくさんあったけど、シーンとしてもう少しスタイリッシュにしたほうがいいんじゃないかなって思いました。

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このあと、櫻子さん演じる令嬢リリカが登場して婚約披露パーティのシーンへ行くのですが、その前のリリカのソロもちょっと長かったかなぁ。しっとりとしたいいバラードなんだけど、物語とのリンクがあまり感じられなかったし…やはり長く感じてしまった(汗)。2番くらいまでに抑えてほしいかも。

アッキー演じる竜太郎との婚約披露パーティは派手で面白かった。その場にシルクハットとタキシード姿の怪人の分身みたいなキャラも紛れ込んでて、歌詞の中でも「マスカレード♪」なんてのもあったのでちょっと『オペラ座の怪人』を重ねてしまったよ(笑)。雪之丞さん、もしや、ちょっと意識したのではw!?

ここで面白かったのは六角さん演じる中村警部がテンション上げ上げで「僕はミュージカルが大好きだ~~」みたいに叫んでた場面。歌のうまさはちょっと微妙ですがw、「ミュージカルやれて嬉しい!」みたいな気持ちは伝わってきたので微笑ましく思ってしまいました。

それにしても、怪人と同一キャストのアッキーが全く違った竜太郎というキャラでリリカの婚約者として現れたのはちょっと驚いた。え!?これどういう展開!?みたいなw。そういう意外性みたいな仕掛けは舞台的にとても面白い。

ただ、そのあとのナンバーやシーンが…やはり一つ一つ長かったかも(汗)。曲はとても良いんだけど、1つのナンバーに取ってる時間が長くて間延びしてるように思えてしまったんですよね。
あと、シーンとシーンのつながりの流れがちょっと悪いかなとも。テンポは一見良さそうに見えるんだけど、ナンバーが長いというのもあって終わると「ここでいったん区切り」みたいに感じてしまったんです。もっと一つのナンバーの歌う時間を短縮して物語にスピード感を出したほうがいいんじゃないかなって思いました。

そんな中、一幕の中で一番印象に残ってるのが竜太郎とリリカ、明智の関係性を見せるシーンです。

対面するや否や突然明智とリリカは動揺してしまい「二人の間には何かあるな」と感じさせる。明智は「思い出してはいけないのだろうか♪」と歌うので(ここもちょっと長かったけど)ただならぬ仲じゃないかというのは想像できるのですが、はっきりとはわからない状況。
竜太郎はその事情を知らないので、リリカにぞっこん状態で彼女を固く抱きしめて愛を歌います。その様子を離れた場所から切なげな表情で見つめる和樹くん演じる明智が最高に良かった!!!あれは切ないっ!!ここでテンション復活した(笑)。

で、結局「パンドーラの翼」は”二十面相”に持ち去られる瞬間に北小路の思惑で爆発w。なんかちょっと漫画チックだなと思いましたが、明智がそれによって目をやられてしまったのがドキドキさせられました。
ここで、竜太郎はなぜ無事だったんだろう?という疑問と、そもそも二十面相はアッキーが演じてなかったっけ!?という謎が残る。で、そのまま二幕へ。

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一幕ではちょっと間延びした印象があって残念に思うこともちょいちょいあったのですが、二幕では物語が一気にガーーーっと動いていったこともあって退屈するところがほとんどなかったです。なんか、まるで別物みたいになってた気がするw。一幕ついていけなくても二幕で十分堪能できるとすら思った。

リリカは”怪人二十面相”に連れ去られてしまい、竜太郎は必死に彼女の行方を捜す。
目をやられた明智はしばらく動けない状態なのですが、そのベッドの脇で竜太郎が勢い余って何度か彼の上に乗っかって困惑させる場面があります。あの時はコメディみたいなシーンで二人のやり取りに笑いも起こっていたのですが、今から考えると、あれは、「わざと」だったなと確信できる(笑)。

で、ちょっとわからなかったのが、リリカが連れ去られた場所が奇妙なサーカス団だったということ。これ見て既視感あるなぁと思ったら…『ラブ・ネバー・ダイ』のファンタズマのシーンだったw。あれとちょっと雰囲気似てました。
でもなんでリリカがサーカス団に売られてナイフ芸の餌食にさせられてるのかちょっとわかりづらかったかも。っていうか、この時点で怪人二十面相の存在そのものもよくわからなかったっていうのもあるんですが(笑)。

竜太郎はなんとか彼女を見つけ出して助けるのですが、二人とも怪しいサーカス団に囚われてしまい牢獄へ。このときも竜太郎は純粋にリリカのことを想い続けているので、その先の展開がなかなか読めないっていうのがありましたね。
逆に、違う牢に囚われてしまったリリカは一人になって明智のことを思い出してしまっていました。ここでようやく、明智とリリカの因縁について歌で語られることになります。

離れた場所で明智とリリカの心が繋がりかかっていると思わせる演出はぐっとくるものがありました。
が、リリカの親を明智が「殺す」という結果になったとして恨むっていうのはちょっと強引すぎるかなとも(汗)。そもそもリリカの父親は人殺しという大罪を犯しているので、自首しようとしたら明智に居場所発見されて自殺してしまい母親も後を追った…という設定で明智小五郎が恨まれるのはちょっと気の毒だなと思ってしまった(苦笑)。
まぁ、事件の当事者になればその時その時の感情はあるとも思いますけどね。ちょっと説得力には欠けたかも。

でも、当時幼かったリリカは施設に預けられたときに自分に優しく愛情もって接してくれた明智に恋心を抱いてしまっていました。途中までは自分の親とのかかわりを知らなかったものの、少女から大人へと成長したときに真実を知ってしまい感情にブレが生じてしまう。
つまりは、愛してはいけない人を愛してしまった…っていうメロドラマ的展開w

さらに明智もリリカに接していくうち、成長した彼女に対して同じく恋心抱いてしまっているんですよね。つまり二人は両想いなのに「事件」のことがあって素直になれなかった。
明智さんはかなり年齢の離れた女の子に恋をしたことになるわけで、これって…

『ガラスの仮面』のマヤと真澄の関係に似てるんじゃないか!??

私の一番好きな設定のやつやんwww。それに気づいたとき、テンション上がりました(笑)。

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のちに再会した竜太郎にリリカはすべてを告白して「今は竜太郎だけを愛していきたいから私の中から明智の存在を消して」と懇願します。その時は優しく愛情深く彼女を抱きしめた竜太郎でしたが…次第に態度が急変!

で、やっぱりだったか、竜太郎!!という衝撃の展開に。

もしかしたら…っていう想いは見ていてずっとあったのですが、あまりにも竜太郎が純粋で一途にリリカを愛しているように見えてしまったのでやはり驚きは大きかったです。これはアッキーにしてやられましたね!

本物の”怪人二十面相”の本性を現したあとはブラックな素顔が全開(笑)。観ていてすがすがしいほどの歪みっぷりでww、竜太郎を演じていたその演技力の高さにビビったほどだった。

と、そこへ明智がやってきて「慶子」と彼女を呼ぶ。リリカの本名は田口慶子で、北小路家では家族というよりも「詐欺師仲間」として暗躍していたわけです。もともとは華族だった北小路夫妻の没落っぷりもすごいですけどねw。

彼女のすべてを受け入れ、自分の正直な気持ちを告白する明智。ガラかめの真澄にもその強引さが欲しいぞww(早く原作を描けw)!!
しかし、それを許さず無理やり彼女との結婚の儀式を行おうとする二十面相。彼も竜太郎に扮している間に「リリカ=慶子」に恋をしてしまったとのことですが、それが真実の愛なのかはちょっと疑う余地ありというところ。何せ彼はかなり歪んだものを持ってるので、彼と一緒になってもリリカは幸せになれないよなぁと思ってしまう。

で、二人は激しくバトルを繰り広げるわけですが、こんなにも感情むき出しにしてぶつかり合うシーンが来るとは思ってなかったのでちょっとびっくりしました。
が、そのあともっとびっくりする展開がww。

一度は明智と慶子の固い絆に触れて彼女をあきらめた二十面相。ここですごい幸せで平和な空気が訪れるのですが、ハッピーエンドかと思った瞬間に明智に片思いをしていたマユミがまさかの横槍!!
でも、二幕冒頭で彼女のコメディシーンを存分に見せられていたこともあり、私も含めて観ていた観客は「またここで彼女を介入させてちょっとしたコメディになるんだな」という気持ちにさせられて笑い声すら起こっていました(私も少し吹き出してたほど)。その瞬間…

息をのむ出来事が勃発!!!

笑ってた客席が一気に凍った瞬間でしたww。いや~~~、あれは予想できなかったわ。びっくりした。

その後、諦めをつけたはずの二十面相が逆上して考えを翻して明智と殴り合いの大激闘を繰り広げる!さらにアジトには火が放たれて大炎上!!あれを見たとき、二人は絶対助からないだろうなって思ったよ(汗)。

その流れからのあのラストシーン。最後の最後まで意外性を見せてくれました。え!?そうだったの!?みたいなww。いやいや、ありえないだろうっていうツッコミたくなる場面もあったり(笑)。そして最後の最後は明確な答えは出さないままグレーで終わるっていう、ね。
でも、そういうのもこの作品の色なのかもしれないな、と納得できるものはありました。

二幕はすごく面白い展開が多かったので、再演するときはぜひとも一幕のブラッシュアップをお願いしたいところです。

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主なキャスト感想

中川晃教くん(怪人二十面相/竜太郎役)

最初さっそうと登場した怪人二十面相なアッキーを観たとき、カッコいいなと思ったのですが…ひげがあまり似合ってないなとも(笑)。まぁ、怪人二十面相といえば髭のイメージあるのでそうしたんだと思うんですけどね。でも面白かったけどw。

それにしても、竜太郎と二十面相との二つのキャラの演じ分けが見事でした!アッキーの演技力に脱帽です。もしかして同一人物なのかなとは思いながら見ていましたが、それでも「やっぱり違う人物なのかもしれない」って信じてしまうシーンが何度もありました。
竜太郎は純粋で優しく懐が大きい。まさに理想の男性像のようなキャラ。それに対して二十面相は強引で傲慢で愛情に対しても歪んだ想いしかもっていないキャラ。あんなにダークな役柄のアッキー、見たことなかったかも。ものすごく新鮮でした。あんな狂気の芝居もできるんだなぁと感動すらしましたね。

歌はもう完璧です!本当に巧いし、気持ちもちゃんと乗ってる。どこも不安なところがない歌いっぷりがとにかく素晴らしかったです。

加藤和樹くん(明智小五郎役)

和樹くんも登場した時からとにかくカッコよかった!特に警官に化けた姿からスーツ姿のスマートな明智に変化するシーンとかは思わず見とれてしまうほど。立ち姿も美しいし、冷静沈着なクールなキャラクターがこれでもかってほどハマってました。

そんな彼が慶子にだけはクールになれないわけで…。少女のころから見守っている彼女に恋心を抱いてしまったと張り裂けそうな想いになりながら歌うシーンはかなりグッと来たし…思い切り萌えました(笑)。和樹くん、真澄様もできそうだよww。
感想にも書いたけど、アッキー演じる竜太郎とリリカが抱き合うのを離れた位置から背を向けて「思い出してはいけないのだろうか♪」と歌う場面は切なさ爆発!!萌え心を思い切りくすぐられましたよw。

今度和樹くんは「ファントム」でエリックを演じることになるのですが、絶対ハマる!という確信めいた気持ちが湧きました。とても楽しみです。

大原櫻子さん(リリカ/田口慶子)

大原さんは映画のオーディションで選ばれた後歌手として活動する印象のほうが強かったので、ミュージカルという印象はこれまでほとんどありませんでした。が、この前の朝ドラの芝居もよかったし、「ミス・サイゴン」のキム役にも決まったので期待していいのかもって思っていました。それだけに、今回初めて生で彼女の舞台姿を観れたのはとてもよかった。

リリカ=慶子はとても複雑な背景を背負っている女の子なのですが、一幕の最初のほうはそういう生い立ちを一切感じさせない明るさがありました。なので、明智と遭遇してしまった後一気に不幸系なキャラになっていくのは少し違和感があったかも。
でも、二幕に入ってからの気持ちの揺れを表現する歌いっぷりはとてもよかったです。竜太郎一筋に想いたいけど、どうしても明智への恋心が捨てきれない切なさがひしひしと伝わってきました。

歌も上手いし歌詞もとても聞き取りやすい。舞台としての発声も問題なかったと思うし、もしかしたら彼女は舞台に向いてるのかもしれない。「ミス・サイゴン」での彼女もぜひ見てみたいと思いました。

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小林役の水田航生くんは冒頭のシーンからスマートな立ち姿とハンサムな顔つきでひときわ目を惹きました。もともとダンスが巧い役者さんなので身のこなし方もさすが!マユミとの関係についてももっと掘り下げて描いてほしかったなと思ったな。明智の助手という以上のキャラだと感じられたので。

マユミを演じたフランク莉奈さんですが、パンフレットで確認するまで彼女が演じていたことに気が付かなかった!どうりで歌も上手いし身のこなしも軽やかなはずです。二幕の冒頭でのコケティッシュなお芝居がなんとも可愛く魅力的で思わず笑ってしまった。
こちらもキャラクターとしてもっと掘り下げて描けばもっと良いシーンが作れたのになぁという惜しい気持ちになりました。

今拓哉さん&樹里咲穂さんが演じた北小路夫妻は終始軽やかでコミカルでとても面白かったです。二人ノアのテンションが、物語に花を添えていたと思います。今さんは最初仮面をつけて登場してきたとき、ちょっと声が岡幸二郎さんに似てるなって思っちゃいました。

ねこ夫人と浪江はなを演じた高橋由美子さんですが、帰ってからパンフレットを観て演じていたのが彼女と知ってびっくりしました(笑)。メイクのこともありましたが、高橋さんだったことに全く気が付かなかった!
数年前にちょっとトラブル起こして以来舞台でも見かけなくなってしまいましたが(苦笑)、やっぱり登場すると華があるし貫禄もあるし巧い女優さんだなと思います。

中村警部を演じた六角精児さんはさすがの存在感でしたね。何よりもこの舞台を楽しんでいるというのが終始伝わってきたのがよかった。独特のお芝居で舞台にいいスパイスを与えていたし、ちょっとルパン三世の銭形警部的なエッセンスも感じられてとても面白かったです。

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後述

こういった日本発の日本が舞台のミュージカルが上演されるっていうのは嬉しいです。なかなか増えてこないのはもどかしい気もするのですが、これを続けていっていつか世界にも認められる作品が出てくればいいなと思っています。

『怪人と探偵』も色々惜しいところはありましたが、再演するときには改善されてまた素敵な作品として生まれ変わる可能性もあるんじゃないかなと。その日を楽しみに待ちたいと思います。主要キャストは変わらないでほしいな~~。アッキーと和樹くんのコンビ最高だったので!

余談ですが、観劇した日は神戸でラグビーが行われていて、街中にアイルランドの緑の服を着た海外の方たちをちらほら見かけました。ファンゾーンもあるし、皆さん日本を楽しんでくれたらいいなと微笑ましく思っちゃいました。

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