ミュージカル『ナイツ・テイル -騎士物語-』大阪公演 18.09.20マチネ

ミュージカル『ナイツテイル』を観に大阪まで遠征してきました。

この作品、ジャニーズの堂本光一くんとミュージカルの元祖プリンス井上芳雄くんがダブル主演ということで、上演が決まった時から非常に大きな話題になってたんですよね。
特に光一くんはこれまで即日完売してしまう舞台『SHOCK』で長いこと主役を張ってましたから、そんな彼が一歩大きく飛び出して本格的ミュージカルに参戦ともなれば、注目度も上がるわけです。

大人気の二人によるダブル主演ってことだったので、チケットの入手は正直諦めてました。なので最初は遠くから話題をつまみ食いするつもりだったんですがww・・・なんと、お友達がチケットの前売りで激戦を勝ち抜いてくれまして!!つまみ食いどころか本食いできることになったわけです(笑)。
当日券も激戦らしいというプラチナチケット、手に入れてくださりありがとうございました

梅田芸術劇場に到着してみると・・・珍しく劇場外に出演者の装飾がされていてビックリしました。当日はかなりの大雨で写真を撮りづらかったんだけど、なんとか主要な2枚はゲットw。

東京では(特に帝国劇場)外の装飾はここ数年普通になってきたようですが、梅芸は殆どこういった装飾はされたことがないんですよ。やはりこれも光一くん効果ってやつだったのでしょうか!?これからの公演もやってくれたらいいのになぁ~なんて。

ちなみに、チケットのもぎりは入口すぐのところにありました。普段は梅芸の中に入って階段上がった先にあるんですが、外にした理由はなんだろう?
噂によると、東京公演の時には抜き打ちで荷物検査もあったらしいので、そういう対策もあるのかもしれません。そもそも、荷物検査しなければならないような事態になることが問題だとは思うんですが(苦笑)、そういったところは人気者の出演となるといろいろ神経質になるのかもしれないです。

 

客席に入ったら特別な時(許可があった日)以外は一切カメラ類は出してはいけません。
観劇するときの最重要事項です。このルールは絶対に守りましょう。

 

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

 

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2018.09.20マチネ公演 in 梅田芸術劇場(大阪)

主なキャスト

  • アーサイト:堂本光一
  • パラモン:井上芳雄
  • エミーリア:音月桂
  • 牢番の娘:上白石萌音
  • シーシアス:岸祐二
  • ジェロルド:大澄賢也
  • ヒポリタ:島田歌穂

アンサンブルさんたちも実力派揃いでした。特に、神田恭平くん中井智彦さん照井裕隆さんは大型ミュージカルでもよく見かける役者さん(ちなみに中井さんは元四季で美女と野獣のビーストなどを演じた実力派です)で、なかなかに良いポジションで頑張っている姿が見れて嬉しかったです

 

あらすじと概要

今回は全く内容をチェックしないままの観劇となりましたので、作品の概要については当日に初めて知りました(笑)。ケアード作品って知ったのも当日だったww

原作は、ウィリアム・シェイクスピアジョン・フレッチャーの共著『二人の貴公子』です。

二人の貴公子
ウィリアム・シェイクスピア

2009年には同じタイトルで宝塚が舞台化しているようですね。

今回は『二人の~』を演出のジョン・ケアードがミュージカル用にアレンジして上演という運びになったそう。ちなみに、これが世界初演だそうです。日本を出発点にしてくれたというのがなんだか嬉しい出来事ですね。

 

あらすじは以下の通りです。

テーベの騎士で従兄弟同士のアーサイト(堂本光一)とパラモン(井上芳雄)。2人は厚い友情を誓い合い、騎士としての誇りと名誉を何よりも大切に生きていた。

戦争により敵国アテネの大公シーシアス(岸祐二)に捕虜として捕えられるも互いに励まし合いながら同じ牢獄で過ごしていた2人は、ある日シーシアスの美しき妹・エミーリア(音月桂)を牢獄の窓から見掛け、同時に恋に落ちてしまう。
だが、アーサイトは追放され、テーベに戻るよう命じられる。アーサイトは、残ったパラモンがエミーリアに近づくのではないかと、一方パラモンは、祖国に戻ったアーサイトが兵を率いて攻め入りエミーリアを奪うのではないかと、互いに敵愾心を抱きながら、愛するエミーリアを必ず手に入れると決心し道を違えて行く。

テーベへ戻る道中で、アーサイトは森の楽団を率いるダンス指導者ジェロルド(大澄賢也)に出会う。エミーリアの誕生祝賀の稽古をしている一座に名を偽りダンサーとして加わった彼は、再びエミーリアに出会うチャンスを得る。その頃パラモンは、食事の世話をしてくれる牢番の娘(上白石萌音)の手引きにより牢獄を脱出する。牢番の娘は脱獄という危険を冒すほどパラモンを愛していたが、ふとした瞬間にパラモンが去ってしまい、ショックのあまり正気を失ってしまう。

エミーリアに再会したアーサイトは、シーシアスが愛するヒポリタ(島田歌穂)の計らいも有り周囲には正体を隠して彼女に仕えることになったが、シーシアスやエミーリア達と狩猟に出かけた森で、無二の友であり今や恋敵となったパラモンと出会う。

艱難辛苦を経て再会した2人は、どちらがエミーリアを得るにふさわしいか男か、愛と名誉そして生死を賭けて決闘を挑むのだった―。

公式HPより引用

 

観劇の直前にパンフレットでシェイクスピア原作ものと知ってちょっと身構えた私。どうもあまり好きな分野じゃないんですよねぇ…。
ただ、以前井上芳雄くん主演のチェコ初ミュージカル『ハムレット』を観た時は本当にすごく良かったので(再演待ってるんですが…!!)、シェイクスピアも音楽に乗せればけっこう面白いんじゃないかという期待も同時に出てきました。

ただもう一つの懸念材料が、ジョン・ケアード演出作品ということで。この人の作品はハマればものすごく好きな分野に入るんですが(レ・ミゼラブルなど)、ダメなやつはトコトン受け付けないっていうのがあって…(苦笑)。ちょっとトラウマに近いくらいダメだと思ったやつが『ベガーズ・オペラ』なんですよねぇ。後にも先にも耐えられずに2幕前で帰ったのはあれだけw
ベガーズと同じテイストだったらどうしよう・・・っていう不安は正直ありました。

で、蓋を開けてみたら・・・心配は杞憂に終わり、なかなかに楽しい観劇となりました。

「ナイツ・テイル(騎士物語)」というタイトルだけ見るとなんだかちょっとシリアスなイメージが湧いてきたのですが、実際のところは途中からほぼコメディ作品だったなというのが大まかな印象です。

最初はちょっとシリアスモードで始まるんですが(独裁者との戦争エピソードが入ってくるので)、戦争が終わった後はほぼほぼ、おバカな色男二人が激しい思い込みで一人の女性を巡ってあーだこーだ争うって感じww。もう見ていて、なんでそんなことが命を懸けた大勝負にまで発展するんだよ!といった感じでツッコミどころがけっこう多い(笑)。
そもそもパラモンは殆どエミーリアと接していないわけで、それでよくあそこまで気持ちが燃え上がれるなとビックリしたww

そういうところも含めてこの作品は楽しむものかもしれないです。古典作品のコメディとして見ると、”当時の人はこういうところに可笑しみを覚えてたのかな…”とか思えてなかなかに興味深いのではないかと。

シェイクスピアっていうと、悲劇か喜劇かで作品を分けられることが多いですが、これはおそらく「喜劇」の部類に入る。テイスト的には『十二夜』みたいな雰囲気があったかな。
これは入れ替わり劇ではないんですが、ちょっとしたすれ違いという場面が後半に挟まってくるのでなんとなく『十二夜』が過ってしまった。特にラストシーンは同じ匂いを感じたかも。

 

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全体感想

まずセットですが、舞台中央奥の方に竹材か木材かで組み立てられ作られた巨大な船がデデーーーンとあってその迫力にビックリ。かなり圧倒される大きさでした。
この船は時にはパラモンとアーサイトの牢屋にも変わったりしてなかなかに面白い役目を果たしています。その他は、出番待ちの”役者”たちの待機場所とかになってたかなww。

オーケストラはここ最近では珍しくオケピに配置(近頃は客席を広くするためか舞台奥にオケがいることが多いので)されていたのですが、変わってるなと思ったのは指揮者が舞台上手側にかなり寄った位置からタクトを振っていたことです。普通はど真ん中にいるのですが、今回は斜め上からオケをまとめていました。しかも、頭がいつもより一つ上に出ていて舞台上の人からもよく見える感じでしたね。

こういう指揮者の配置になったのはおそらく、舞台上の巨大船の上部に配置されていた和楽器担当の皆さん(ちゃんと作品の世界観に合う衣装を着てました)に見えるようにという意図もあったんじゃないかと思います。
今回、特に強調したい場面(たとえば殺陣とか、主に躍動感を表現したシーン)は和楽器がふんだんに使われていて、和と洋が融合された厚みのある印象的な音楽が多くて面白かったんですよね。シェイクスピア作品って案外『和』のテイストがピタリとハマったりするなぁと思いました。

舞台奥の巨大な船以外は基本的にセットはほぼなくて、舞台中央の盆の部分は森を表現することが多く、シンプルな樹木が数本並んで回る程度。
で、この森の表現なんですが・・・今までに見たことないような「樹木」「花」のスタイルが出てきてすごく面白かったです。舞台下に磁石でも仕込んでいるのか、役者さんが舞台に向かって「花」を投げると見事にそこにくっついて地面から咲いているように見えるようになる。「樹木」も然り。どちらも地面に接する部分が細くなってて、よくあれでピタっとまっすぐ立つようになるなぁ~~とドラマよりも小道具に感心してしまうことも多かった(笑)。

森の表現といえば、印象的だったのが動物の表現
迷い込んだり、逃げ場所を探している人の助けとなるために動物が登場してくるのですが、これをダンサーさんが見事な動きで表現するんです!特に道先案内をしてくれる「鹿」を演じるダンサーさんの動きは一見の価値ありだと思いました。素晴らしい上半身の肉体美が、本物の鹿の体に見えてくるくらいリアル。
ダンサーさんの繊細な動きで動物を表現することによって、森全体が神秘的で安らかな場所のように思えてくるんですよね。あの演出は本当に素晴らしいと思いました。

音楽はけっこう壮大でカッコいいものが多かったです。耳に残るくらい分かりやすいナンバーというのは正直なかったんですけど、シェイクスピア劇をより入りやすくドラマチックに魅せる効果は十分にあったんじゃないかなと。
ヒーローのテーマ曲みたいなものや、恋心を切なくドラマチックに歌い上げるバラードなど色んなタイプの音楽が出てきて面白かったです。CD化されたらぜひ買って聴きたいくらいでした

ストーリーは、最初にちょこっと書いた通りけっこう単純なコメディ系。私よりも前に観劇した友達が「ちょっと分かりにくかった」という感想を言っていたので、最初はどうだろうと思ったのですが、意外ととっつきやすく笑う場面も多かったので個人的には楽しかったなという印象です。

ただ、最初の出だしはちょっと初めてだと分かりづらいっていうのはあるかも。

突然戦いの場面とかがガーーっと出てくるのはいいんですが、なんだかどこか緊張感のない雰囲気もあったりして(苦笑)、これはいったいどういった気持で見るものなんだ!?みたいな戸惑いはたしかに最初ありました。
で、ちょっと首をかしげながらもプロローグを見ていったら・・・「あ~、そういうことなのか」と納得。つまり、劇中劇のようなスタイルの舞台だっていうことだったんです。最近でいうと、劇団四季の『ノートルダムの鐘』みたいな感じかな。

”役者”がバーーって大勢集まって、主要なキャラ以外は一人で何役もこなしていくし、出番待ちをしている姿とかも客席側に見せている。プロローグでは「これから私たちが上演する物語をどうぞ楽しんで」って感じの説明的なものなんだろうなと数分後に合点しました(プロローグはけっこう長めなので 笑)

でもまぁ、それにしてもちょっとゴタゴタした雰囲気だったなというのは否めないかなぁ~。正直、歌穂さんが演じるヒポリタがどういう経緯で岸さん演じるシーシアスに捕らわれちゃったのかがスピーディー過ぎてよく分からなかった(苦笑)。まぁ、その部分は分からなくてもストーリー的にはあまり関係なかったからよかったんですがw。
ヒポリタとシーシアスは、ディズニーミュージカル『アイーダ』のアイーダとラダメスの関係に似ている気がしましたね。だけど、決定的に違うのはラスト。ヒポリタとシーシアスの場面は基本的にはシリアス路線なんですけど、ストーリー後半から二人に信頼関係が出てきてどんどん明るい雰囲気へと転調していきます。このあたりが面白かった。

パラモンとアーサイトは従兄弟同士なんだけど、それ以上の信頼関係で固く結ばれててまるで双子のように息の合った存在でした。これ、従兄弟じゃなくて普通に兄弟設定でもいいのにって思ってしまったくらい(笑)。
何があっても関係性が崩れないと思えるほど息ピッタリだったし、いつもお互いの気持ちを尊重し合っていたにもかかわらず・・・一人の女性に同時に一目惚れしたことで呆気なく友情が崩れてしまうところが面白かったな。これ、字面だけ読むとドロドロの悲劇に行きそうな展開に思われるかもしれないんですが、実際は子供のケンカみたいでww、お互いにどれだけ彼女を好きかを自慢しまくる場面などは「こいつら中身は単純でアホやな~~~~」と思わず脱力して笑っちゃう感じなんですよw

しかも、見初めるのが戦に負けて牢屋に閉じ込められてる時っていうのがなんとも滑稽。ついさっきまで「運命共同体だ!」みたいに絆を確かめ合っていたのに、エミーリアを見初めた瞬間から自分が一番!って想いに変わってしまう。なんか、人間って…というか、この場合は「男って」っていうべきなのか・・・複雑なようで意外と単純な生き物なんだなぁと見てる方は脱力でしたねw。
私は観劇前まではこの作品にシリアスなイメージを抱いていたのでw、実際に見たギャップがなんとも予想外過ぎて感情の行き場が最初ちょっと大変でした

それにしても、芳雄パラモンと光一アーサイトの「自分の方が自慢」の場面はかなりテンポよくネタ感満載で面白かったなw。実際の二人の仲の良さが垣間見れるシーンでもあったと思うんですが、光一くんファン的に「背が足りない」みたいな台詞は大丈夫なのかな?とちょっと心配にも(汗)。
あの場面、面白いんだけど、笑っていいものかどうなのか迷っちゃったよ

そしてこの”子供のケンカ”は最終的になぜか命を懸けた勝負へと突き進んで行っちゃうわけで。見ているこちらとしては、「え!??そんなことであんな信頼関係のあった相手を殺せるの!??」とちょっとビックリ。なんか急に飛躍しちゃったよ!みたいな戸惑いが
そもそも、エミーリアを巡る二人の争いって言っても・・・彼女はほとんど直接は関わっていないっていうのがなんとも(苦笑)。自分たちだけで勝手に燃え上がっちゃってる印象が強くて、真剣勝負だとか言われても見てる方はなんかピンとこないんですよね。まぁ、でも、最初に彼女と接する機会を得たアーサイトのほうが実際は分があって望みありな状況なので、パラモンは気の毒だったりするんですが

最終的に仲間同士の勝負は決行されるんですが、理由はどうあれ、この時のシーンはかなりカッコいいです!二人の殺陣はスマートだしキレがあって本当に惚れ惚れ。特に芳雄くんの殺陣はダイナミックで見ごたえがありました。
この戦いの結末の持って行き方は、個人的にすごく好きです。うん、やっぱりそうなるよね!みたいな爽快感がありましたね。やっと目が覚めたんだな、みたいなねww。

ここからラストシーンまでは、あれよあれよとハッピーなことが目白押し(笑)。観終わった後はかなり気分良く素直に「楽しかったな~」と言えるまとめ方になっていると思います。

全体的には快活なミュージカルで観やすかった印象でしたが、唯一「これはシェイクスピア演劇だ」と感じさせたのがセリフ回しです。もう、あの言い回しはこの中では外せなかったんでしょうかね。シェイクスピア味を残したかったが故なんだろうなと、自分の中では納得させたつもりではあるんですが・・・初めての人は違和感は持つような気はします。

一言で済みそうなセリフにも様々な装飾を付加していつの間にか長台詞になったりw。
特に、パラモンとアーサイトが互いを呼ぶシーンでのやたら大層な形容詞がつくあのセリフ回しは慣れないと「普通に呼べよ!」ってツッコミたくなると思いますw

でも、基本的にはかなり噛み砕いたようなセリフ回しが多くて分かりやすいと思えたので、初めての人もとっつきやすいかもしれません。やたら言葉がたくさん出てくるスタイルは『シェイクスピア独特』って納得させてしまえば普通に楽しめるんじゃないでしょうか。

 

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主なキャスト別感想

堂本光一くん(アーサイト役)

光一くんを生で見たのは初めてでしたが・・・いや~、遠目から見ても美形だっていうのがものすごくよく分かりましたよ。たしかもう三十代後半なんですよね!?いやはや、それであの若さと美貌は素晴らしい!プロ意識が高い子なんだろうなと思いました。顔つきがハッキリしてるし美形なので舞台映えもします。これまで『SHOCK』で培ってきた”魅せる”芝居というのも今回のミュージカルの中でいかんなく発揮されていました。

お芝居に関してですが、とても堂々としていたしセリフ回しも良くて声も聴き取りやすかった。キラキラ輝くオーラも健在で、殆ど交流していたとは思えないwエミーリアが思わず心奪われてしまったというのも納得でした。

ただ・・・気になった点も少々あります。

まず、歌ですが・・・Kinki Kidsの初期のころから比べると光一くん、上手くなったなぁという印象はたしかにありました。でも、ミュージカルの舞台の中で見ると・・・どうしても埋もれてしまう感が否めなかった。周りが百戦錬磨のミュージカル畑の役者さんばかりだったというのもあったと思うんですが、声量が一人だけ落ちてしまうんですよね。発声に深みがないっていうのかなぁ。
今回外部ミュージカルに初めて参戦してすごく頑張っているというのは伝わってきたし、悪いわけじゃないんだけど、その部分の違和感だけは最後まで抜けなかったというのが正直なところでした。

あと、妙な癖のある歌い方をすることがあって。なんか変な部分にアクセントついてる時がちょいちょいあったのが気になりました。あれはもう少し意識して直した方がいいかも…って思ってしまった。

それともう一つ、ダンス。ジャニーズなのでこの部分は大丈夫だろうと思っていたんですが、舞台経験豊富なダンサーさんと一緒に踊る時になると、どうしても半テンポくらい遅れているように見えてしまったんですよね。最初はそういう演出かもと思って見ていたのですが、そう感じる時が2-3回あったので・・・。
相当ハイレベルなところに飛び込んでしまったかなぁという印象だったかなぁ。

そんな細かいところが少し気になってしまいましたが、全体的には華もあるし芳雄くんとのコンビもバッチリだったしで良かったところの方が多かったです。

 

井上芳雄くん(パラモン役)

これまで数多くの芳雄くんの舞台を見てきましたが、光一くんと一緒の舞台に立っている彼は実に楽しそうで今まで以上に生き生きしているように思えました。今回の舞台は気心知れた光一くんとだったということで、待ちに待っていたという喜びがお芝居からもビリビリと伝わってきました。

歌はもう全く不安なし。それどころか、これまで以上に声量が上がって安定感も抜群といった感じでしたね。やっぱり舞台で何度も主役を張ってきたこともあって、貫録がありました。芳雄くんはエリザのデビューからずっと見ている役者さんなので、こういう成長した姿を見ると嬉しくなります。

アーサイトを演じる光一くんとの会話のやりとりは、芳雄くんが全体的にリードしていた印象。彼が率先して光一くんの会話のテンションを引き出しているように見えました。このところコメディ系の番組(グリブラとか)に出演していることもあって、セリフに様々な感情が盛り込まれていて聞いているだけでも面白い。
そんなコメディ的やり取りもすごく良かったんだけど、個人的にはクライマックスでアーサイトと対峙したシーンで抑えつけていた感情が露わになる芝居がすごく印象に残りました。あの表情とかは決行グッときたなぁ~。

 

音月桂さん(エミーリア役)

音月さんはハンサムな騎士2人から一目惚れされる絶世の美女であり、かつ敵将の妹という役柄だったのですが、個人的には、ちょっとその華やかさに欠けるかなぁ~といった印象があったかも。

音月さんは宝塚のトップで活躍された方だし、美形で素敵な女優さんなんですが・・・聡明さの雰囲気はものすごく伝わってくるんだけど、見た目で「美形の男性が心奪われてしまう存在」という説得力にはちょっと地味かなぁって。二人を惹きつけ、決闘までさせてしまうような引力が今ひとつ足りない気がしてしまって、アーサイトやパラモンがエミーリアの獲り合いをし始めた時もちょっとピンとこなかったのが正直な感想です。

ただ、歌は安定感があってとても綺麗に歌いこなしていたし、笑顔も可愛かったです。美女というよりかはふんわりかつ知的なお姉さんといったほうがしっくりきたかも。

 

上白石萌音さん(牢番の娘役)

萌音ちゃんといえば、印象深いのが映画『舞妓はレディ』でオーディションを勝ち抜いて主役に抜擢されたことですが、最近でいうとやはりアニメ映画『君の名は』の主人公・三葉の声ですよね。リアルかつ素朴な女子高生の声が見事にハマってました。
たしか、『君の名は』のサントラアルバムでは歌も歌っていて、それを聞いたときにすごく心地いいなぁと思ったんだった。

そんな彼女が今回ヒロイン的存在として出演。正直、歌もお芝居もとても初々しくて圧倒的な存在感・・・とは言えなかったんですが、健気なお芝居が役柄にものすごくハマってて見ていて惹きこまれました。特に、パラモンへの想いを自覚して森の中で彼への愛を切々と歌い上げるシーンはものすごく印象に残りましたね。
実は、今回の作品の中で最も感情移入したキャラが萌音ちゃんが演じた”牢番の娘”だったりしたんですよ。なんか見ていてすごく応援したくなる女の子で。役柄と彼女のリンクっぷりが素晴らしかったです。

ちなみに、萌音ちゃんの役柄だけ固有名詞になっていないのは理由があります。物語の後半からその名前がちゃんと出てくるんですが、途中まではただの”牢番の娘”なのであの表記になっていると思われます。
だけど、私はかなり早い時期に「そうじゃないかな~~」とは勘づいてしまったんですけどね(笑)。

 

岸祐二さん(シーシアス役)

正直、岸さんがあんなに貫禄のある存在感を舞台上で発揮するとは思っていなかったのでちょっとビックリしました!体も大きく作りこんできていたし、なにより太くよく響く歌声は劇場中を支配しているようでしたよ。
あの迫力の存在感ならば、強大な敵を討ち破るというのも納得です。

また、強さだけではなく常識人で物事を冷静に判断できる知的さも持ち合わせているシーシアスを繊細に表現していたのも印象深かったです。
ヒポリタは強引に奪った姫ではありましたが、とても深く愛していてさりげない優しさで包み込んでいる様子がいじらしくてちょっとキュンときてしまったよw。いつも彼女のことを優先的に想っているシーシアスに何度も感情移入させられました。女性からしたら理想の男性像なんじゃないでしょうか。頑なだったヒポリタの心が徐々に彼に見せられていくのも納得の演技力でした。

 

大澄賢也さん(ジェロルド役)

久しぶりに賢也さんの舞台を見たのですが、相変わらずええ肉体しておいででしたわw。ダンスをするシーンが多かったので、まさに本領発揮の役柄というところでしょうか。しかも、ちょっと一癖ありそうな雰囲気を漂わせているのも賢也さんならでは。

賢也さんというと、これまで舞台ではどちらかというと悪役…というか、何か裏で画策していそうな雰囲気の役柄で見ることが多かったので今回もそうかな?みたいに思ったんですが、この作品では癖はあれども善良サイドのキャラでしたね(笑)。逆に新鮮だったかも!?
私はてっきり一番最初に出てきた極悪の司令官役かと思っちゃったよww。

 

島田歌穂さん(ヒポリタ役)

やっぱり歌穂さんの存在感は圧巻ですね!!そこに立っているだけでも周りにいる人間を自分の世界観に持って行くような力すら感じました。

ヒポリタはシーシアスに強引に恋人にされてしまう女性ですが、常に気高く誇りを見失わない強さを備え持っています。相手に従ってはいるものの、自分自身を貶めるようなことだけは絶対にしないしさせない。そんな強さが常に感じられて・・・歌穂さんの演じるヒポリタはとにかく男前でカッコいいのです!!
シーシアスに対しては最初は本当に頑なに心を開こうとしなかったんだけど、彼の人柄を感じていくにつれてその牙城が徐々に取り払われていきます。最後のほうまで決して彼に媚びるような行動はしなかったのですが、接する態度は最初の頃とはだいぶ変わっているんですよね。このあたりの微妙な心の動きの芝居とかは本当にさすがでございました。

また、シーシアスの妹のエミーリアに対してはものすごくソフトで柔らかい雰囲気で接しています。まるで自分の本当の妹のように可愛がっていて、悩みなども親身になって聞いている。
お兄さんに対するものとはだいぶ違う態度だったりするんですがww、そういう優しさといった一面もちゃんとしっかり見せてくるところが素晴らしいなと思いました。

歌も芝居も完璧です!また歌穂さんの舞台を見たいな~。

 

後述

今回はどこにも動画が出ていないのがちょっと残念。やっぱり光一くんが出演してるってことで権利関係とかあるんだろうか。

ちなみに、舞台オリジナルグッズは意外にもパンフレットトートバッグのみ。もっと色々と作ったのかと思っていたのでちょっと驚いてしまった。
私は毎回必ず公演前にパンフレットを購入するんですが、やけに今回は値段が高いなと思ったら…かなりデカいサイズだった。かつて東宝が「周囲に宣伝するため」と称してわざと大きいパンフを制作していた時代がありましたが、あれと同じくらいのやつで(苦笑)A4サイズのバッグに入らなくてちょっと焦りました(予備のバッグ持っててよかったw)

まぁ、それだけの大きさだけはあって写真は迫力あって綺麗なんですけどね。でもパンフはやはりA4サイズが一番ちょうどいいよ

 

シェイクスピア演劇はストレートプレイだとどうしても独特のセリフ回しとかで苦手意識が出てしまうものですが、ミュージカルにするとグッと身近な存在に近づくものだなと今回改めて思いました。
楽曲もカッコよかったし、また再演されたら観に行きたいかも。

あと…ミュージカル『ハムレット』もなんとか再演してほしい!!チェコ発のミュージカルでしたがめちゃめちゃ楽曲好みだったので。

意外とシェイクスピア演劇はロック系の派手目な音楽がハマる作品が多いのかもしれないですね。