ミュージカル『ファントム』 2010.11.17マチネ

再演が決まったと知らせを受けてから約1年間ずっとずっと楽しみにしていたミュージカル『ファントム』観劇。東京公演は3回目の今回がラストになります。本当に時が経つのはあっという間…。待ち続けた時間は長かったけど過ぎ去っていくのは早いものだなぁとちょっと寂しい気持ちになりました。

この日はとにかく寒くて(苦笑)秋を通り越していきなり冬みたいな気候。公演が終わって外に出てみると…


こんな風にイルミネーションされててまるでクリスマスみたいな雰囲気でした。

今回少し劇場に早く着いたのでチラッと物販コーナーを見てみるとかなり空いている。もしや大沢さんのカレンダーも手に入るかも!?と期待を抱いていくと…けっこう余裕で積まれてるじゃないですか(笑)。

ということで、ついに手に入りました、大沢たかおさんのカレンダー!大きさがかなり大きくてビックリ。大沢さんのカレンダーを購入した人にだけはそれようの袋をもらえました(他のグッズは袋がありません)。この日は休憩時間も売っていたし、意外と余裕があったのかも。

さらにラッキーなことに…どうやら今週あたりから写真つきのプログラムが出たらしい!ということでそちらも購入できました。でもなぁ、写真が後半につくと分かっていたら最初買わないで我慢したのに(苦笑)。まぁ、綺麗なパンフレットだから2冊あってもいいけど。

舞台写真はけっこう小さめのものが多いのですが、その代わりけっこう色んなシーンが使われてます。欲を言えばあともう2ページくらい欲しかったわ~…。大沢ファントムの舞台写真集とか出ないかなぁとか。まぁ、初演の時に出ちゃいましたからね。

で、客席ですが…今回は前回とは打って変わってとてもいい環境で『ファントム』に集中することができました。これが東京マイ楽公演になるので本当によかった。しかも…かなり下手寄りではありながらも…最初に観た席よりもさらに前進したところでして…あんな間近で舞台の大沢さんを見れることなんて今後まずありえないわ。

本当にいろんな意味ですごく恵まれた観劇になりました。おかげさまで…泣きましたよ~…。過去2回以上に号泣しながら観てしまった(涙)。大沢ファントムはこの日も最高のファントムだったし、さらには奇跡的に(?)杏ちゃんの歌唱力が以前よりもちょっとマシになってた。全体的に良くまとまった個人的にかなり最高の舞台でした。

カーテンコールの時の力の抜けた大沢さんの笑顔がとっても印象的。共演者の皆さんにもパチパチ手を叩いたりしててみんなといい関係を築いてるんだろうなぁと思いました。杏ちゃんの肩をさりげなくポンと叩いてたのも印象的だったな。いつもやってるのかな?

大沢さんのあの笑顔見るとホントに癒されますよ。ついさっきまで鬼気迫る表情を見せていたのが嘘みたい。やっぱりすごい役者だなぁと思う。

主なキャスト
ファントム(エリック):大沢たかお、クリスティーン・ダエー:、フィリップ・シャンドン伯爵:海宝直人、カルロッタ:樹里咲穂、ゲラール・キャリエール:篠井英介、アラン・ショレー:石橋祐、ルドゥ警部:中村まこと、ジャン・クロード:永島克 ほか

以下、超ネタバレ感想になります。いつも以上に熱く書いてるので長いです。

 

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今回は東京マイ楽だったのでシーンごとの感想を書いていこうと思います。

Melody De Paris

クリスティーンが自作の歌を売り歩いている時のナンバー。ワルツ調の音楽で一度聞いただけでもけっこう頭の中に残るような分かりやすいメロディーで大好きなんですが…如何せん、杏クリスティーンの歌声がねぇ(苦笑)。

ただ、この日は、どうしたことか、過去2回よりもけっこう安定していました。上手いとは言いませんが(爆)腹立たしいほどの下手さというレベルからはちょっと脱してるかもと思いました。このブログでやたらケチョンケチョンに書いたからなのか、杏ちゃんが頑張って特訓したからなのか!?音楽の天使の羽くらいは落ちてきたかもとか思ったりして(笑)。

しかしながら、フィリップと出会ったあとの歌がいただけません(苦笑)。あそこの不安定さはやはり手に汗握らなければ聞いていられなかったよ…。

一方の海宝フィリップは”お金持ちのお坊ちゃま”的でクリスティーンを見つめている視線すら可愛い(笑)。「素晴らしい…歌声だ」ってセリフに間ができちゃったのは単に噛んでしまったからか?それとも杏クリスティーンの歌に違った意味で圧倒されたからなのか?

Phantom’s Entrance

初演とは違ってボロの衣装で初登場の大沢ファントム。階段の下で座り込んでいる姿から彼の抱えている心の闇が感じられます…。ここの歌声、過去2回見てきた中で一番安定してたかもしれない。それからブケーを襲う時のあの動きがやたらリアルなんですよね。

あれは表の世界を知らない人間の動きだなって分かる。孤独と狂気のなかでの殺人がなんだかとても痛々しく見えます…。こういう繊細な芝居が大沢たかおさんは本当に上手いと思う。冒頭から私泣きそうになりましたし…。

Dressing for the night

上流階級の人たちが華やかに歌い踊るシーン、ここの明るいナンバーも大好きです。一番目を惹くのはやっぱり阿部よしつぐ君ですかねぇ。かなり至近距離で見たんですけど…やっぱり綺麗な顔してるよ。谷原章介さんに似てる。凛とした姿がお金持ちの紳士って感じで素敵でした。

で、そんな彼らを上の暗闇からファントムが覗き見ているんですが、初演よりもハッキリとファントムの存在を表す演出になってます。「パリ、闇の町」って彼は歌ってて…それがなんとも切ないのです。

このあとキャリエールは新たな支配人となるショレーとカルロッタからその座を追われてしまう。登場した時からラブな雰囲気が漂っている二人がなんだか微笑ましくもある。解任宣告されたキャリエールが貴族達に冷静にと話しかけてるんですが、篠井さんのたたずまいは本当に美しかったです。

Where in the World

キャリエールが支配人を解約されたことに対して怒り狂うファントム。この時もまだボロの衣装なんですけど…体全体から負のオーラを出しまくっている大沢ファントムの姿がとにかく切なくて胸が痛みます。

張り裂けそうな声で「私はどうなる!?」とキャリエールを責め立てる大沢ファントムの後姿からは孤独と不安が痛いほど感じられるのです。カルロッタの歌に気が狂いそうになる芝居もものすごいリアリティ。全身全霊でファントムの感情を表現している大沢さんは本当に私が望んでいる以上の芝居で応えてくれている

その孤独と恐怖と寂しさが入り混じった感情で歌うこのナンバー…。初演の時よりもさらに一段とエリックの深い孤独が表現されていて本当に素晴らしいです。だいぶ歌詞は変わりましたけど、大好きなんですよね、このナンバー。今回は歌声が揺れることもなく、暗闇から必死に光を求めるエリックの心情を見事に歌い上げてくれました。上手い歌ではないんだけど、心打たれるんですよ…。

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This Place is Mine

新しく支配人になったカルロッタがオペラ座は私のものと歌うソロナンバーですが、やっぱり樹里さんが上手いです!カルロッタのギラギラした強さと「仕事きついわ」と歌う時のちょっとコケティシュな可愛さとが入り混じっていて見ていて本当に楽しめます。何よりも歌っている樹里さんがとっても楽しそうなんですよ。本当にオペラ座がカルロッタの手に入ったのね、みたいに納得させられちゃうほどの説得力ある歌唱にただただ拍手です!「オペラ座を私のものよ」と曲が転調するシーンの迫力もすごかった!

そのあとはショレーさんとラブラブ。ショレーさんはカルロッタにメロメロで彼女の言うなりになってるのが可愛い(笑)。でもこの日の石橋@ショレーさん、ちょっとセリフが言いにくそうだったかも!?

笑えるのは案内されてきたクリスティーンの歌の稽古をつけさせてくれと頼まれ一度は断ったのにフィリップの紹介だと知るや否やころっと態度を豹変させるカルロッタとショレーさんのシーン。ここの間がお二人ともとても上手い。杏ちゃんのクリスティーンは前回よりもこのシーンちょっと大人しくなって落ち着いてきたかもしれません。そのほうがいいかも。

Home

カルロッタの付き人になったクリスティーンが夢見心地で歌うナンバー。とっても旋律がきれいで大好きなナンバーなんですが…これまで過去2回は杏クリスティーンのあまりにも容認しがたい歌に手に汗を握ってハラハラし通しとなってしまった私(苦笑)。頼むから、もう少しだけでもマシに歌ってくれよ…という私の願いがちょぴっと届いたのか…以前よりかは手に汗握らずに聞けるようになってました。

前回は音の外しっぷりも声の出し方も最悪だったんですけど…そこからはちょっと上達したみたいな気がする。高音部分への入りは相変わらずだったんですけど…(苦笑)それでも以前よりもマシだったと思います。この調子で少しずつ上げていってほしい。

それにしても杏ちゃんは綺麗で可愛いよなぁ…。けっこう近かったのでしみじみと見惚れてしまった。それだけにもったいないわ、ホントに。

その歌声を聞いて感動に浸っているファントム(←あくまで劇中での話です 笑)。その佇まいが…大沢ファントムとってもいいんですよ!クリスティーンの歌声に魂が癒されているようなそんな空気が感じられるのです。クリスティーンと合わせて♪Home♪を歌うんですが、大沢さんは最後までしっかりと声を伸ばしていてとてもよかった。杏クリスティーンはまだそこまで至りませんが…。

そして二人は師弟関係となりファントムがクリスティーンをレッスンするんですが、大沢さんの歌が初演よりもかなり上達しているのでちゃんと音楽の先生に見えてます。この歌レッスンをしてる時の杏クリスティーンが一番安心して見ていられるかも(笑)。私はこのシーンは大沢ファントムの夢中になってレッスンしてる姿に注目してるんですけどね。完全にのめりこんでいるのが分かるんですよ。彼の周りにはもうクリスティーン意外見えてないって感じで。手先まで神経が行き届いているので見た目もとても美しい。

その脇でカルロッタの初オペラが失敗に終わったと話してるシーンがあるんですが、この時のルドゥ警部の緊張感のなさが笑えて面白いです(笑)。

Phantom Fugue

ブケーを殺されたと知った人々がファントムを捕まえろと狂気めいて歌うシーン。ここのナンバーも緊迫感溢れながらも美しい旋律で好きなんですよね。今回かなり近くで皆さん見ましたが…かなり鬼気迫った表情で迫力がありました!角川裕明さんの目力が特によかったわ~。舞台上で人々がファントムを捕らえろと歌っているのをファントムは下手の上から見つめているって言うのがなんとも切ないです。大沢ファントムの去り際のマントの翻しっぷりがとても綺麗でカッコイイ。

で、ここが終わった時点で謎の5分休憩(苦笑)。さすがに3回目なのでちょっと慣れてきたかも…。

You are Music

レッスンを終えて出てくる二人。この時の大沢ファントムのなんとも切なげな立ち姿が泣けてくるんですよね…。レッスンを終えたところでファントムの中にクリスティーンへの特別な感情が芽生えてしまい戸惑っているのが伝わってくる。クリスティーンが歌っている後ろで彼女に触れようとしても触れられない…みたいなあのちょっと怯えたような彼の仕草が切ない。こういった細かな心情表現がやっぱりグッとくるよ、大沢さん。

ちなみにこのナンバー終わった後って拍手来ないんですよね(苦笑)。二人が去っていくシーンがなんだかちょっと寂しそうで…。やっぱり歌唱力のせいなのかな。少なくとも私は大沢さんには拍手送りたいですが一人でたたく勇気はないw。

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The Bistro

フィリップが開催する歌のコンテストシーン。海宝くんのフィリップがようやくここで再登場してくるんですが、以前よりも子爵の雰囲気が出ていてとても良かったです。クリスティーンに対する熱い恋心を秘めてる青年として溌剌としていてカッコイイ。

歌のコンテストの口火を切るのがカルロッタなんですが、樹里さんが見事にカルロッタらしい歌声を披露!あのくらい派手に歌ったほうが彼女の自尊心が前面に出ていていいと思う。そしてフィリップに半ば強引に前に出されたクリスティーンが次に歌うんですが、最初は緊張して歌えない。

でも、オケピの中からスッとファントムが現れて彼女をリードするんです。クリスティーンはファントムに導かれ次第に自分の歌を堂々と披露するわけですが…ここも杏クリスティーン、以前よりも少し良くなっていたように思えました。高音は相変わらず悲鳴に聞こえちゃうんだけど(苦笑)前回よりも声の出し方が安定してました。

安定してきたクリスティーンの歌声に安心したようにそっとオケピの奥へ消えていくファントム…。その時の大沢さんの表情が見えたんですが、とっても穏やかな顔してました。彼女が脚光を浴びるのは彼にとって至福の時だったんだろうなと思えてちょっとジーンときてしまった。

クリスティーンの歌にビビったショレーさんやルドゥ警部。この二人のスローモーションな動きがめちゃくちゃ楽しい。ショレーさん、今回2回転くらい華麗に回ってましたよ(笑)。ルドゥ警部のパーティーでのダンスも面白かったなぁ。すごく妙な動きしてて女性客のアンサンブルさんたちが怪訝そうな顔しながら真似してた(笑)。

そしてクリスティーンはオペラ「タイターニア」で主役の座を射止めることに。そのざわめきの中アンサンブルさんたちが袖に入っていくのですが、この時ウェイター役だった角川さんが盛んに周りのお客さんに「タイターニアってどんな作品!?」としつこく聞きまくっていながらも無視されてる姿が滑稽で笑えました(←最後はお尻プリプリさせておねだりしてた 笑)

Who Could Ever Have Dreamed Up You

クリスティーンにフィリップが告白するシーンですが、やっぱり海宝君の歌は安定感があっていいですねぇ。爽やかでかわいいし、それにちゃんとミュージカルの動きをしている。一つ一つの動きが実に滑らかで自然に見えるんですよ。このあたりが古川くんとの経験の差ってやつなのかもしれないなぁ。世間知らずっぽいボンボンな雰囲気があるんですけど、とても優しくて熱いハートを持ってる海宝フィリップが好きだ。

「伯爵、ちょっと待って」と歌う杏クリスティーンも…以前聞いた歌声よりもちょっと聞ける歌になってた。前はここのズレが酷くてねぇ(苦笑)。このくらいならいいかなって思えるかも。

で、この二人のラブラブシーンの後半くらいにファントムが上のほうに現れて…見ちゃうんですよね(涙)。二人が去ったあと懐からクリスティーンに渡すはずだった花束を出して茫然自失になりながらそれを落とす…哀し過ぎる(涙)。ほんの短いシーンでなんのセリフもないんだけど、大沢ファントムからはショックと哀しみで押しつぶされそうな気持ちが痛いほど伝わってくるんですよ…。ここも泣きそうになります。

やっぱりすごいよ、大沢たかおさん!

Titania

オペラ「タイターニア」当日、緊張するクリスティーンにさらに追い討ちかけるように調合した喉を潰すドリンクを飲ませようとするカルロッタ。そこに持っていくまでのずる賢さがなんとも面白い。あのわざとらしい言動にクリスティーンは見事に乗っちゃってドリンク飲んでしまいますしね(笑)。樹里カルロッタのしてやったり顔が最高だった!

しかし、それをファントムは見ていたんですよね。ドリンクのカップの匂いを確かめる時の仕草がなんとも美しい大沢ファントム…。

幕が開く前の金持ち連中たちの会話も楽しかったです。阿部よしつぐくんたちのカップルは最初はケンカしてたのにキス一つで仲直りして去っていき…それを後ろのカップルが「若いって羨ましい」とボヤイていたのが笑えました。

さらにチケットを手に入れたいお客を演じてる角川さんが最高!最初に見たときは「安く譲ってもらえた」、2回目に見たときは「チケット拾った~」とスキップ(笑)、そして今回はなんと「タキシードと交換してもらえた!」とシャツ一枚パンツ姿で下手から飛び出してきたじゃないかい(笑)。あれは笑ったよ~。これって日替わりなのかな?しかし、今後これ以上のリアクションが角川さんできるのか!?大阪でも期待してます(笑)。

で、始まるオペラなんですが…クリスティーン、カルロッタから薬盛られてかえってよかったね…と何人の人が思っていることか(苦笑)。本番オペラであの歌声はヤバイですからねぇ。今回はまぁ、前回よりかは…良かったかもですが。歌えなくなったクリスティーンに一番に駆けつけるフィリップ。その熱さが海宝君、いいわ!

それ以上に天上からロープでシャーっと降りてくる大沢ファントムのカッコよさ!!降りてくる時のなんともスマートなことか。魅せ方を心得た降り方をしてますよ。そのあと狂ったように刀をふるいまくるんですが、その狂気がすごいんですよ。本当に周りの人を斬り殺してしまうんじゃない勝手ほど荒れ狂っててゾクっとします。大沢ファントムから目が離せない。

そしてそのままクリスティーンを連れ去ってしまう。杏クリスティーンを抱きかかえる大沢ファントム…絵になるわぁ…。「もう二度と離すものか、この人を!」と最後に歌い上げる大沢ファントムにまたグッときてしまう。彼の人生からクリスティーンは切り離せない存在になってしまったんだなと…それが悲劇を招くと分かっているだけに辛い。

それにしてもここの歌い上げも大沢さん見事ですよ。ミュージカル役者みたいな上手い歌ではないけれども、私の心を鷲掴みにしますから。ものすごく感情移入できるんだよなぁ。

もう少し続きます。