ミュージカル「ファントム」が梅田芸術劇場で大千穐楽を迎えました。
私は大沢たかおさんの初演と再演(宝塚版はテレビで)を観ていますが、もう、本当にこの作品のファンでして。しかしながら、今回の「ファントム」は正直、行くかどうかギリギリまで悩みました。
なぜかといいますと・・・
あまりにも私の中で大沢ファントムの衝撃が大きすぎたからです。関東に住んでいた頃大阪まで遠征して千穐楽を見届けたとき、あまりの感動に感極まりすぎて劇場前から動けなくなったほどだったので・・・。未だに約20年の観劇人生の中で大沢ファントムは確実に3本の指に入ります。
※初演と再演の感想(リンクは08年1回目)↓
そこまで思い入れの深いエリック役を今回は城田優くんが演じるということで。歌は確実に大沢さんよりも上手いことは分かってたし、芝居もきっといいものを魅せてくれると思ってましたが・・・あの忘れがたい記憶を上書きしたくなくて・・・行くのは辞めようと一度は決めてました。
が・・・
ふと輸入CD聞いてしまったら・・・
純粋に『ファントム』という作品にもう一度会いたくなってしまいまして、1回だけ行こうと思い立ったわけですw。私・・・ALWよりも音楽もストーリーもこちらのイェストン版のほうが好きなんですよね。
そんなわけで、その最後の1回がたまたま大千穐楽だったというわけです。いきなり最初が最後ということでちょっと後ろめたいような気持ではありましたがw。
ここからは大千穐楽のカーテンコールについて少し。
ちなみに、本編の感想は都合により書けませんでした(汗)。2019年バージョンで改めて…。
本編が終わって最初のカーテンコールの時、城田君がラストに出てきてものすごく長い間客席に頭を下げていた姿が非常に感動的でした。あの姿から、城田君がいかにこの舞台に賭けてきたのかがものすごく伝わってきましたね。
客席総立ちの中、2回目のカーテンコールの時にキャストを代表して城田君から挨拶がありました。まず最初に出てきた言葉は
「感無量で話す言葉が見つかりません」
でしたね。もう本当に燃え尽きたというか、出しきったというか、放心状態のようになっていた城田君。それでもやっとの想いで挨拶を始めたんですが・・・自分を支えてくれたキャストの仲間たちへの感謝の言葉を述べた後にもう感極まってしまって後が続かず・・・
しばらく肩を震わせて号泣。
これは本当に見ていてもらい泣きしました。本当に良いカンパニーだったんだなと。客席からは温かい拍手が沸き起こり、城田君の隣にいた日野くんが背中をさすってあげたりして・・・すごく素敵な光景だった。
なんとか持ち直した城田君はこの作品が本当に好きだったことと、来てくれた人への感謝の言葉を語って締めてました。
その間、山下リオちゃんやマルシアさんも号泣状態でした。
オケの最後の演奏がおわっても総立ちの客席の拍手は鳴りやまず、再度出てきたキャスト。この時は城田君も笑顔で、袖に入る寸前にリオちゃんをお姫様抱っこしていて可愛かった。
それでも鳴りやまず再びキャストさん登場。呼ばれると思ってなかったらしい吉田栄作さんは半分衣裳脱ぎ掛けていたらしくww慌てて着直しながら出てきて笑えました。
ここでは主要キャストさんからの挨拶がありました。
まずはフィリップを演じた日野真一郎くん。彼はLE VELVETSのメンバーとして活躍していますが(ネットのお友達が大ファンなので名前だけは知ってました)、ミュージカルは今回が初出演だったとか。
「ミュージカルが大好きで出ることが夢でした。実際は何もかもが初めてで戸惑うことばかりで」
と感慨深そうに語ってました。で、「みんなの足を引っ張っちゃいけない」って思ったというくだりでもう耐えきれなくなって肩を震わせて号泣してしまった日野くん・・・。その姿を見てまたまたもらい泣きしちゃったよ。本当にすごいプレッシャーあったんだろうね。
泣き崩れる日野くんを客席の温かい拍手が包んでいてこれまた感動的な光景。涙しながら一生懸命感謝の言葉を語っている姿がとても初々しくてよかったです。
そんな日野くんを城田君がぎゅっと抱きしめてました。
カルロッタを演じたマルシアさんはもう最初からボロボロ泣いてたんですが、挨拶の時も大泣きでしたね。
「役の魂が宿って、またこうして抜けて行ってしまうのが本当に寂しくて・・・」
と名残惜しそうに語ってました。今後自分がカルロッタ役をやることはないかもしれないけど、この作品はいつまでも愛していきたいというようなコメントをしていたのが印象的でした。
皆が涙する中、キャリエールを演じた吉田栄作さんだけは冷静に感謝のコメント。一度衣裳を脱ぎかかったので音声が籠もり気味になってましたが(たぶんマイクの関係w)、この舞台に立てたことをとても幸せに思いますと話していました。
クリスティーヌを演じた山下リオちゃんはもう話す前から涙しそうで。そんな姿にリオちゃんのファンと思しき人が客席から「がんばれ!」と熱い応援w。するとリオちゃんが「まだ何もしゃべってない」とツッコミ入れてたのが笑えましたww。
しかしながら、話し始めたらやっぱり涙が止まらない状態となりボロボロに。レッスンの日々を思い出してしまったのか話してる途中で
「だめだ~~~」
って後ろの方に下がって号泣しちゃって。初舞台だったし本当に大変だったんだろうなと。そんな彼女を客席も温かく見守ってました。そんな自分を支えてくれたキャストに話が及んでまた涙するリオちゃん。客席からの熱い応援を受けてなんとか最後まで挨拶できて良かった~。
最後の最後に城田君の〆の挨拶。この時はかなり落ち着いてましたね。
『ファントム』という作品への愛を熱く語ってましたね。自分が出ていなくても観に行きたいと言ってくれたのが嬉しい。
そして、袖に入る前に
「今後もこの作品に関わったスタッフやキャストの舞台があると思うので、ミュージカルやストレートプレイなど観に来てください」
とメッセージを送ってくれた城田君。その、舞台愛溢れる最後のコメントがとっても嬉しかったよ。
ありがとう、城田君!!
そんなこんなで、2014年版の『ファントム』は幕を閉じたのでした。
ちなみに大沢ファントムの時のカテコでもキャストの挨拶があって(あの時は全員話したっけ)、あのときもすごく良いカンパニーだなって思ったな。『ファントム』という作品にはそういう力があるのかもしれません。