劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演 2022.09.09マチネ/09.10ソワレ

飯田洋輔くん(ファントム役)について

前回見れたのは7月だったから、約2か月ぶりの再会!!会いたかったよ、洋輔くんーーーー(涙)!!!名古屋猫へはついに行かれなかったので感慨もひとしお…。場合によって今後はこんな風に突発で会いに行くことができなくなるかもしれないので、今回は本当にいつも以上に大事に大事に見ました。

もうほんと…、なんでこんなに私の心をこれでもかというほど揺さぶるんだろう。終わった後もしばらく涙と体の震えが止まらなかった。

洋輔くんファントム、7月に見たときよりもまたさらにギアアップして進化してた気がします。その過程が手にとるように伝わってきて、役に向き合う彼の心意気や想いみたいなものまで感じられるようで嬉しくて嬉しくて…めちゃめちゃ泣きました。ありがとう、洋輔くん(涙)。とても尋常な気持ちで見ることできなかったよ(まぁ、今回に限らずだけどw)。

♪ミラー♪

のっけからの「私の宝物に」のフレーズからファントムの怒りがこれでもかというほど伝わってきて、背中に電気のようなものが走るほどゾクゾクっときました。5月に初めて見た時に比べると、だいぶ感情の昂りを素直に表にグワッと出す歌い方になってきたなぁと。あの最初の怒りの声を聞いただけで私の気持ちは一気に持って行かれてしまう。

そのあとクリスティーヌが♪AoM♪を高らかに歌うわけですが、私もそれと全く同じ気持ちになっておりますw。心の中で舞台の上の鑑の向こうに映る洋輔くんファントムに向かって彼女と一緒に「エンジェル・オブ・ミュージック、私の、大切な方!!」と叫んでますもんww。姿が現れた瞬間なんかは喜びの感情が溢れて涙してるし、傍から見たら相当危ないことになってる気がします(笑)。

♪The Phantom of the Opera♪

ボートを漕いで湖の向こうから現れる時の立ち姿はやっぱりとても美しい。手の動きも滑らかだし神経が行き届いていて、ファントムのクリスティーヌへの静かに昂る想いがひしひしと感じられる。特に音が転調する時に腕をゆっくり回す仕草がすごく滑らかで奇麗で個人的にかなりツボ。ボートからクリスティーヌを下ろそうとするときの手の差し出し方もとても柔らかくスマートです。

クリスティーヌが「Ah」音を歌い出したとたん、目に悦びと興奮の感情が浮かんでくる。「歌え!」と言いながら一緒に口を開けて歌う仕草する洋輔くんファントム、ホント好き。
ハットの飛ばし方も相変わらずキレキレで、今回も2公演ともものすごい勢いで綺麗に舞台袖まで飛んで行きました。あそこ、一度も失敗したところ見たことないしすごい正確だよね。でも、マントの脱ぎ方は以前に比べるとちょっとおざなりになってたかも。前見た時は素早いながらもとても丁寧に畳んでボートにかけていたけれど、今回見たら畳んだ後バサッと置くような感じで意識が完全にクリスティーヌに向かってる雰囲気だった。ここの変化がとても新鮮ですごく良かったです。

それから、最後の「歌え、エンジェルオブミュージック!!」とクリスティーヌに促す場面ではちょっと声が掠れ気味になるほど興奮した様子だったな。ファントムの彼女に対する気持ちの昂ぶりがこれまで以上に強く感じられて見ている私の胸も高鳴りました。クリスに対する気持ちが見るたびにどんどん進化してるよ、洋輔くん!

さらにすごいと思ったのが、クリスティーヌが歌い終わってからすぐの「連れてきた」からの歌いっぷりです。なんって力強い歌声…!!!彼女を隠れ家に招待できたことへの悦びと興奮が今まで以上に手に取るように伝わってきて驚いた。特に土曜日ソワレの迫力はすごかったなぁ。マチソワの時は比較的ソワレのほうが声が出しやすいという話をどこかで聞いたことがあるんですけど、洋輔くんもそれに当てはまるのかもしれません。

♪Music of the Night♪

「私のために歌ってほしい、どうか」のところから気持ちをクールダウンさせて始まる♪MotN♪。その歌声のなんと美しいことよ…!!「優しい」とか「やすらぎ」とか柔らかいイメージの言葉をとても大事に歌っているのが伝わってきて、見ている私の心もどんどん癒されていくのを感じました。

そのあとの「煌めく」のあたりから徐々に感情の盛り上がりを感じさせるのですが、一番印象深かったのは目の輝きです。クリスティーヌを見つめているその目が、これまで見た中で一番キラキラと輝いて見えた。
でもそれは少女漫画に出てくるような恋する青年のものではなくて、クリスティーヌしか見えないといったような盲目的で少し危険な思想を感じさせるようなもので…。彼の中ではもう二人だけの幸せな未来しか見えていないかのよう。表現が難しいんだけど、このシーンの時の洋輔くんファントムの目の表情が本当に私の心に刺さったんですよね。それがとても嬉しくて、やっぱり泣けてきてしまいました。

「君は私のもの」とクリスティーヌを後ろから抱きしめる場面、すごく大切に大切に歌ってるのが伝わります。彼女を傷つけないようそっと宝箱にしまい込むような感じ。歌の感情表現がどんどん進化してる。抱きしめている時の洋輔くんファントムはとてもとても穏やかで幸せそうだった。

ダミー人形にビックリしてクリスが失神してしまった場面は、やっぱり今回も「どうしようっ」という動揺の色が濃く出てて萌えww。あのシーンは洋輔くんが一番アタフタしてるように見えてホッコリしちゃうんだよねぇ。
そして彼女にマントを掛ける時のきめ細やかな仕草も本当に素敵。顔にかかりすぎないようにフチの部分を優しく折り曲げる心遣いがなんだか彼らしさが滲み出ていて私は大好きです。そしてその顔を見つめる表情も優しさと戸惑いが入り混じったかのようで…めちゃめちゃ切なくて泣けました(涙)。

作曲しているシーン、オルガンを弾いてる時はかなり興奮した様子で体全体で音楽を奏でている感じ。鍵盤を叩き終わると、上からアイディアの髪が降りてくるのを目を閉じて待っているようで…ピカーンと思い浮かんだ瞬間は目をランランと輝かせ悦に入ったような表情をしてた。洋輔くん、感情が昂ってくると下唇をちょこっと噛む事が多いんだけど、その仕草が私はすごく好きなんだよね。
譜面に向かっている時は一心不乱という感じではなく、一音一音丁寧に向き合ってるような印象。たまに書いたところを手で消して書き直すような細かい動きも入れてました。そういう神経質なファントムの一面もしっかり演じててなんかグッときちゃったよ。

クリスティーヌに仮面を剥がされた瞬間は「ぐわぁーー!!」とすごい叫び声をあげる洋輔くんファントム。岩城さんや清水くんと比べてもけっこう大胆にあの瞬間を演じてるなと思います。心の中の感情を表にガッと出すことが多いので分かりやすいし、感情移入しやすいんだよね。演じ方の癖みたいなものもあると思うんだけど、洋輔くんはファントムの心の動きを素直に出すことが多いと思います。
それから、怒りのあまりクリスティーヌに素顔を晒しながら「これが見たいのか!?ちくしょう!!」と叫ぶシーン。大阪初登場あたりの時期に見た時は「ちくしょう」の台詞回しが少し柔らかめかなと思うこともあったんですが(後々冷静になって思い返したときですけどw)、今ではその言葉がファントムの怒りと悲しみの中から自然に出てきたものに聞こえる。台詞というよりも、その場の感情に任せて出た言葉って感じ。このあたりも洋輔くん、本当に進化したなぁと思えてグッときてしまったよ。

「地獄へ行け!!呪われろ!!」とうずくまる場面、「呪われろ」のフレーズの最後ところを少し伸ばし気味にして歌うことがこれまで多かったように思うのですが、今回見たら伸ばしの部分がほとんど気にならなくなってた。語尾を伸ばしがちになるのは洋輔くんの癖かもしれないなってずっと思っていたんだけど(私はそれも愛しく思えて好きだったけどw)、その部分が気にならなくなった感じ…というか、ファントムとして自然体で言葉を発しているように見えたんですよね。これもすごい進化だなって思った。

匍匐前進で必死にクリスティーヌの元へ這いつくばっていく場面。これまでは「おぉ、クリスティーヌ」のところでクリスの顔を見つめてすぐに顔をそらす、みたいな動きが多かったように思うのですが、今回見たらほとんどクリスティーヌに視線を合わせないまま背中を向けてうずくまって泣いてました…(涙)。ここのリアクションは岩城さんのときとちょっと似てきたなと。
「密かに美しいものを…」と歌いながら彼女に必死にすがろうとするものの、一番接近したところでその顔を直視できずに蹲ってしまう姿はものすごく切ないし泣けます…。今回は特にファントムの哀しみが背中に滲み出ていて見てて苦しくなるれべるっだったよ(涙)。

仮面を返してもらった瞬間少し驚いたような表情をして慌ててそれをつけるのですが、あの時もしかしたら束の間、クリスティーヌが自分を受け入れてくれたのではないかという期待を抱いたのかもしれないよなぁ。思わず彼女の頬に手を触れようとしたときの表情がそんな雰囲気に見えたので…。
でも寸でのところで下唇を噛み苦しそうに視線をそらせ強引にクリスの手を取ってた…。あのときの表情もすごく切なくてグッときたよ(涙)。触れたい気持ちを必死に押し殺したんだろうなっていうのが伝わってきて…その心情を思うと何だか私まで苦しくなってしまう…。

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♪イル・ムート♪

「ボックスの5番は開けておけといったはずだ!!」と舞台上部のアーチに姿を表して叫ぶ場面、あの時めちゃめちゃ苛立ってたよなぁ。そしてカルロッタの声がカエル声になったときの場面。アーチの部分に肘を乗せながら笑う姿は冷酷で非情な雰囲気が漂ってる。洋輔くんファントムの笑い声って、高速の「Hahahahaha」って感じなのですごい悪魔的に聞こえるんですよね。最初に聴いたときはビックリしたんだけど、今でもやっぱり「彼の中にこんな悪魔の一面もあったのか」と驚かされる。

♪All I Ask of You♪

天使像から現れた瞬間の洋輔くんファントムのなんと深い哀しみの表情!!!!もう、それを見ただけで心が締め付けられるように苦しくなって酸欠状態寸前みたいになってしまった。もう…ほんっと辛そうで哀しそうで、今にもその姿が消えてなくなってしまうのではないかと思うほどで…。クリスティーヌの名前を呼ぶ時なんか、掠れ声になってて今にも姿が消え行ってしまうのではないかというレベル。

さらにクリスティーヌとラウルの歌の幻聴が聞こえてくる場面、哀しみと震えながら必死にその手を耳に当てに行ってて…表情はもう感情が整理できないって感じでもがき苦しんでるようだった。その感情が頂点に達した時に怒りに変わりシャンデリアを落とすところまでいってしまうわけですが、この流れがとても自然に思えました。

・・・なんて、ちょっと冷静に分析したりしてますけど、現地にいた時の私はそれどころではなくて(汗)、客電がついた後も涙は出るし動悸はするし上手く息ができなくなるしと、大変な状況になってしまってましたw。演じてる洋輔くんのファントムとしての気持ちが私の心の中にリンクしちゃったような感覚(汗)。尋常ではないテンションで見てるからなおさらなのかもしれんw。
だけどなんか、そういうところで共鳴できていると感じるのは苦しさもあるけど嬉しくもあったりで…だから何度も会いに行きたくなってしまうのかもしれないかなぁ(もう何言ってるか自分でもよう分からんww)。

♪マスカレード♪

”レッド・デス”の洋輔くん、表情は骸骨マスクで見えないけれど立ち姿に迫力があります。なんだか見るたびに貫録が増してるように感じるんだよね(全くの個人的感想ですがw)。「ドンファンの勝利」の楽譜を投げる時、最初の頃はコントロールして上手く収まるように投げてるように見える時もあったけど、ここ最近は感情のままにぶん投げるような雰囲気に変わってきたように思います。そんなワイルドさが増した洋輔くんファントムを観れるのも嬉しい。

♪墓場♪

十字架の中からスッと現れる時の洋輔くんファントム、本当に気配を消した中から出てくるのでとても神々しく見える。現れた瞬間から私の意識はぐんぐん飛躍してしまいいつの間にか大号泣。両手を広げながらクリスティーヌを招き入れようとする洋輔くんファントムの姿に向かって「震えているのよ、その心!!」と思わず心の中で歌わずにはいられないというアブナイ人になってた(汗)。
なんかもう、あの歌声と姿を目の当たりにしただけで引き寄せられまくって歌いたい衝動がものすごい沸き起こってきちゃったんだよなぁ。休憩時間の間に何とか気持ちリセットしたはずだけど、墓場シーンからまたどんどんテンションが昂っちゃって心の中が色んな感情で大混雑状態にww。

まさに私の心が墓場に吸い寄せられようとしたその時ww、ラウルの「やめろ、この偽者やめろ!」という叫び声が聞こえてきてハッと我に返った(笑)。
ラウルの前では余裕のある自分を見せようと尊大な態度に出るわけですが、冷酷であざ笑うような表情を浮かべていてついさっきまで天使のような神々しさがあったとは思えない別人っぷり。「お前なんかにクリスティーヌの愛を勝ち取ることができるものか!」と罵られた後から怒りと憎しみの感情がどんどん高まっていったのもすごく伝わってくる。“この世の者”ではないような雰囲気だったのが、ラウルを前にして”牙をむく人間”へと豹変するって感じ。ここの切り替えがすごく印象深かったです。

火の玉攻撃の時の洋輔くんファントムはもうホントにわる~~い笑顔浮かべててw。かなり的確にラウルに向かって火の玉飛ばしてた。これまでは8発くらいだったけど、土曜日観たら9発は飛んでたなw。最後のほうは連射状態だったしねw。本気でラウルを焼き殺そうとするような勢いがあって「おぉっっ」と思っちゃった。
でも、クリスティーヌがラウルと一緒に去ってしまうと悟った時には表情に大きな焦りの色が見えてた…。自分の元へ来てくれると信じラウルを攻撃してたのに、それとは逆の結果になったことに大きく傷ついたような雰囲気で、「行くなぁ!!」と縋るように叫ぶ姿はやっぱり涙無くしては見れなかった(泣)。

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♪The Point of No Return♪

最初のほうは全身黒フードを被った状態なので表情はうかがい知ることができないのですが、クリスティーヌに向かい歌い始めた瞬間から彼女に対する想いがマグマのように湧き出ているのが手に取るように伝わってきました。なんていうんだろう…、身体全体が彼女を欲していて今にもガバッと攫いたくなるような衝動を必死に抑えてるって感じ。歌が進むにつれてどんどん肩で息をしている様子が見えたし、あの舞台上で歌っていることでかろうじて自制できてるんだろうなと。

椅子に座った後、何とか気持ちを落ち着けようと必死にこらえてるように見えるんだけど、クリスティーヌがすぐ近くに座った時に理性が飛んで一度だけその頬にそっと触れようとしてしまう。
それに対して彼女がとても妖艶な表情でキスをしようとしてきた時(劇中劇としての段取りがそうだったと思われます)、初めての経験ゆえに動揺のほうが大きく出てしまい思わず顔をそむけてしまった。この時の背け方がめちゃめちゃ切なくて…顔は見えないけれどどう対応していいのか分からずに混乱してしまってる様子がこれでもかってほど伝わってきたよ(涙)。

このあとクリスティーヌが不思議な顔をしながらも芝居を続け席を離れるわけですが、彼女がいなくなった椅子の上で俯きながら必死に昂り動揺した心を鎮めようと耐えまくってる洋輔くんファントム…。落ち着かせようとしても、指先が微妙に動きまくってて…それだけで彼の心の中がもう限界に近いんだなと悟ってしまう。ファントムの激しく揺れ動く気持ちを、その手指の動きがものすごく雄弁に語ってた(涙)。その姿を見ただけでもう、涙止まんないよ…。

そして、クリスティーヌが後ろから手を絡め抱きついてきたときに耐えていたものが一気にはじけ飛び縋るように頬を摺り寄せてしまう。もう絶対にこの手を放したくないといった執念にも似た哀しい溢れる想いがとにかく切なくて…。
ファントムに気づいたクリスティーヌが必死にもがいて舞台中央まで来た時、彼の中では彼女が自分の気持ちを受け入れてくれると信じ込んでるようにも見えちゃうんだよね。だから、突然ベールを剥がされ正体を晒した彼女の行動に激しいショックを受けてしまう。この時洋輔くんファントム、ものすごい目をまん丸くして口を大きく開けたままフリーズしちゃうんだよね…。他のファントム役者さんよりも後ろを向くタイミングがちょっと遅いのがまた泣けるんだよ(涙)。

そしてまたその後ろ姿が哀しいのなんの…。ぽつーーんと取り残されて立ち尽くす少年のよう…(涙)。泣きたくなる気持ちをあの時必死に抑えてるんだと思うと、見てる私の方がもう泣けて泣けて仕方ないよ…。
「どんな時でも、二人の誓いは」と♪AIAOY♪を歌い出すシーン、その声はもう祈りにしか聞こえなかった。一言一言にクリスティーヌへの想いを込めて、どうかどうかこの気持ちを受け止めてほしいと祈る気持ちを伝えようとしているのが手に取るように分かる(涙)。彼女の指に指輪をはめる時の仕草があまりにも優しくて頼りなくて…あんなん涙無しには見れないよ!

そしてありったけの想いを歌う「共に、どこまでも二人で」のフレーズ。この「二人で」のところをものすごく大事に大事に紡いでた(涙)。そこから繋がる「君が全て」がすべて言い終わらないうちにすべてをはぎ取られてしまうわけですから…悲しくて悲しくて仕方なかったよ…。
剥がされた直後の洋輔くんファントム、今まで見た中で一番動揺してた。色んな感情が襲ってきて拳銃持った警官が現れてるのにどう振舞っていいのか分からずただ叫び唸り声を上げながら泣きそうになってて…あれはホント辛かった(涙)。あのまま撃たれて死んじゃうんじゃないかと心配になるくらいだったよ。

怪人の隠れ家

今回のクライマックスの場面は、私自身が後半ほぼ泣き崩れるような状況に陥るくらい尋常な気持ちで観ることができなかった。いつも号泣してるんだけど、この日はそれ以上というか…よく声を殺せたなと自分でも思ってしまうほどの嗚咽状態に。なので記憶がちょっと飛んでます(汗)。思い出せるところだけ…。

隠れ家に戻ってきたときの洋輔くんファントム、めちゃめちゃ荒ぶっててクリスティーヌをすごい勢いで投げ飛ばさん勢いだった。それくらい彼の精神状態が尋常ではないんだなというのが伝わってくる。
そのあとクリスから「飢えた悪魔の餌食の私」と激しく罵られるわけですが、その言葉を聞いた瞬間にすごい悲愴な表情を浮かべてるんですよ…。もうそれがあまりにも哀しすぎて辛くてねぇ…。「それが私をこうした」と歌う時なんか、まるで消え入りそうな声で…ショックのあまり涙で声が枯れてたよ…。その姿がほんっとに胸に迫ってきて、ここらあたりから息がしづらくなってた私(汗)。

さらに自分の生い立ちを語る場面、もう一言一言すごく苦しそうに歌ってる…。言葉を紡ぐのもやっとという感じで、それでも泣き声になりそうになるのを必死に抑えながら伝えようとする姿にもう…私の涙腺が大決壊(号泣)。なんって哀しいんだよ、洋輔くんファントムーーー!!!これまで見た中で一番泣いてたんじゃないだろうか、この場面…。

「醜さは顔にはないわ」と訴えるクリスの声に耳を貸さずウェディングベールを掛ける場面。金曜マチネの時には落ちそうになってるのをすごく一生懸命直そうとする姿がちょっと可愛かった。土曜ソワレの時にはちゃんと掛かってて、少し離れたところから「これでいいかな」って感じに落ち着かない様子で手を動かしながら全体像を確認。この場面でこういう細かい仕草入れてくるの、洋輔くんならではなんだよね。
ブーケを渡すときは以前はちょっと笑みを浮かべていたけど、今回は「ほら、これ持って!」と心に余裕のないような表情してた。あれを見た時に、彼の心の限界はすぐそこまで来てるんだなって悟ったよ…。

ラウルがやって来た時にクリスティーヌの片腕を乱暴に捻りあげるのは洋輔くんファントムの特徴。最初に観たときは「あの穏やかでホワッとした雰囲気の洋輔くんがこんな荒々しい芝居をするとは!」とビックリしたんだけど、今ではすっかり定番として見れるようになりました。この時、愛するクリスティーヌにものすごい悪魔のような形相を向けてるんだよね…。
最初はラウルからどんな罵りの言葉を受けても「余裕のある自分」を見せようと、途中から足を組んだりしてる。だけど、座り方がどんどん落ち着きがなくなっていってずり落ちるんじゃないかくらいの角度までいっちゃってるのが哀しい…。「情け知らず」の言葉をぶつけられた時にすごく傷ついたような、そこから沸き起こる苛立ちのような複雑な表情を浮かべて「情けなど知らない!」と言い返してたな。あれも泣けた…。

ラウルの首にロープを巻いた時、恐ろしい勢いで笑い声をあげてた。彼にぶつける感情はあの時もう憎しみと嫉妬しかないといった感じ。だけど、脅しているようで心がずっと悲鳴を上げ続けているようにも見えて…もう、ほんとに堪らなかったよ(涙)。ラウルを人質にしてクリスティーヌに圧をかけまくってるんだけど、彼の心が軋み続け精神が崩壊していく様がこれでもかというほど伝わってくる。ファントムの心の悲鳴を全身全霊で叫んでいる洋輔くんの姿を見て…、オペラグラスも持てなくなるほど泣きました(号泣)。

「昔は心捧げた」とクリスティーヌが訴えた時、彼女の顔をしばし見つめるんですが…あの時、一瞬だけ「それなら僕の気持ちを受け止めてよ」と訴えかけるような表情してたように思えたんです。そこから「許さない…」までの間が切なくて切なくてたまらなかった…。
さらに「選べ!!」と叫んだあと顔を背ける場面ですが…クリスに背を向けて立ちすくんでる姿が孤独すぎてもうホント…哀しくて悲しくて哀しくて…心抉られる想いだったよ(号泣)。クリスティーヌの「絶望に生きた哀れなあなた」というフレーズがよりリアルに胸に迫ってきて苦しくてたまりませんでした…。

キスをされた直後は、以前は「無」といった印象がとても強かったんだけど、今回見たらその表情に戸惑いの色がかすかに浮かんでいるように思えました。唇にそっと手を当てた時にそれまでとは違う毒気の抜けた柔らかな表情があって…。
ラウルの呻き声でハッと我に返った後は厳しい表情でツカツカと蝋燭を持ちながら彼の元へ。未だに残る激しい嫉妬心と格闘しつつも、「やめて」というクリスティーヌの無言の首振りを見て「うわぁ!!」と叫びながらロープを切る。切るまでの心の葛藤を洋輔くんすごく繊細に演じてて本当に泣けます…。

二人を逃がすとき、最初の「行け」はすごい投げやりな感じで言ってたな。感情の整理が整わないままに出た言葉って感じだった。でも、呆然と立ち尽くしてみているクリスティーヌとラウルが目に入ってしまった後の二度目の「行け、行ってくれ、お願いだ!!」はまるで血を吐くような叫び声上げてて…そのあとガックリと崩れ落ちてた…。もう見ていて苦しくて苦しくてたまらなかったよ(号泣)。

さらに猿のオルゴールを前に♪マスカレード♪を歌う場面、あの完璧な歌唱力を誇る洋輔くんが涙で声が揺れに揺れまくってるではないですか…(涙)。しかも、「この人生」のあとに耐えきれなくなって「うぅっ」と声を殺し泣き崩れてるわけで…、もう私も訳が分からないくらい大号泣(涙)。その蹲った姿のなんと哀しいことよ…。芝居とは思えないレベルだよ、あれは…。
そこにクリスティーヌが現れるのですが、気配を感じた瞬間に少しだけ希望の光が差したような表情になるんですよね…。それがまた切なさを増大させるわけで…(涙)。彼女から指輪を受け取る時の「I LOVE YOU」は完全に涙声で今にも泣きだしてしまいそうな感じになってた…。本音では別れたくないっていう気持ちがひしひしと伝わってきて…、去っていこうとするクリスティーヌの手をギリギリまで放そうとしていなかったのがもうホント堪らなかったよ(号泣)。

返ってきた指輪にそっとキスをした後椅子に戻ろうとした時に、クリスティーヌが脱ぎ捨てたベールが目に留まる。その時、堪えようとしていた彼女への想いが再び泉のように湧き出たような表情で泣きそうになりながらかき集め抱きしめてたな…。消え入りそうな声で「クリスティーヌ…」と涙する洋輔くんファントムが、もう本当に、愛しくて愛しくて愛しくてたまらなかったです…。

いやぁ…、たぶん、過去一で泣いたかもしれん。10日は『ミス・サイゴン』マチネ観劇で有り得ないくらい泣いたのに、ソワレの洋輔くんファントムでその倍の涙を流すことになろうとは(汗)。人の体の涙ってどのくらいあるんだろうと思ったよww。

観に行くたびに私の期待を大きく超える進化を見せてくれる洋輔くん。ファントム役もきっと、ここからさらにどんどん深みを増していくことと思います。出会えてよかったと心から思える役者。本当に大好きだよ…。

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後述

9日マチネは1階席ほぼ団体の学生さんだったので、カーテンコールがすごく独特の空気に包まれていました。
終演後はストーリーのラストに驚いた子も多かったみたいで、拍手よりもどよめきの声のほうが聞こえてきたほど(後ろの方からはファントムの結末にショックを受けて「えぇ…」と思わず声が出てしまう子もいました)。最初のほうは一般客エリアからの拍手音が大きく響いて両サイドからはまばら…みたいな感じだったのでちょっとハラハラしてしまったんだけど、それほどみんなこの作品を一生懸命観てくれていたってことなんだろうなとも思えてほっこりしました。途中から拍手の音も増えてきてホッとはしたんですけどねw。

そして3回目くらいのカーテンコール。
いつもはここでほとんどのお客さんがスタンディングになるんですが、これだけ団体さんが多いとどうなるんだろうとちょっと不安に思っていたところ…中央の一般客エリアの皆さんが率先してババッと立ち上がってくれたので私もそれに合わせて立つことができました。こういう時のスタンディングって、気持ちはものすごくあるものの周りの空気が気になったりしてタイミングが難しいんですよね(←推しがいるのにダメな私 汗)。

で、最初は一般客エリアだけが総立ち状態で他のエリアは殆どが座っているという光景だったのですがw、4回目くらいの時に何人かの生徒さんが目を輝かせながらポロポロと率先して立ち上がりながら拍手してくれていたんです。私はそれが本当に嬉しくて…本編じゃないのに涙が溢れてしまった。最後にお手振りとなったときには後ろの方から黄色い歓声まで上がるという、普段の観劇ではお目にかかれない空間になっていたのも良い経験でしたw。

すべてが終わった後に「すごい感動した!」と興奮気味に友達と語り合う声も聞こえてきたりして、胸いっぱいの気持ちにさせられてしまった。洋輔くんの…、カンパニーの皆さんの魂のこもった芝居が確実に届いた子も確かにいたんだなと。ホント嬉しかった。そこからほんの一握りでもいいから、今後舞台に興味を持ってくれる生徒さんが現れてくれたらいいなと思いました。

観劇慣れしていない団体さんが多い回だと、色々問題が起こることもあるので個人的にはちょっと避けたいところではあるのですが(場合によっては上演中の話声だったり、椅子蹴られたりとか、諸々よくあるので 汗)、この日は嬉しい光景を目にすることもできたので結果的には良かったかなと。
でもやっぱり、10日ソワレは団体が入っていないこともあって心理的に落ち着いて観られたというのはあるんですけどね。

次回は12月を予定していますが、洋輔くんの出演予定によっては…月末に強引に予定ねじ込むかもしれませんw。会える時には会いに行きたいので…。
ところがその翌週に突然キャスト変更があり、洋輔くんを含め殆どのキャストさんが総入れ替えとなってしまっていました(汗)。もしかしたらあの流行病がまた…と思うと心配でなりません。会いに行けたのは奇跡だったんだな…。岩城さんは1週明けてすぐの登板になりますからかなりハードなはず(ほかにも同じ立場の役者さんもいらっしゃるはず…)。どうか皆様健康で乗り切ることができますように(祈)。洋輔くんも何事もありませんように……。また元気に舞台で躍動してる姿に会えると信じて待ってるからね!!

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