劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』大阪公演を観に行ってきました。
オペラ座の怪人は2023年4月29日で日本上演35周年という節目を迎えました。これまでは個人的に毎年外せない予定があって記念日観劇が叶わなかったのですが、今年は30日にも35周年特別カーテンコールが実施されるというアナウンスがあったので初めて”その時”に立ち会うべくチケット確保しました。1週間前まではちらほら空席があったものの、当日には全席売り切れ状態に。
前日に観劇した人の情報によると、キャストボードや記念パネルなどの撮影列が殺人的混雑っぷりで開演前に間に合わない人もいたらしいとのことだったので(汗)30日はいつもよりも早めに劇場入り。それでも、開場約20分前には入口前に行列ができており…約5分前あたりになると劇場スペースからはみ出すほどの人でびっくり仰天!あれよあれよと増えていくお客さんの数にビビりまくってしまった(汗)。
35周年記念としてチケットのもぎりをした後に特製のカードをいただきました。
ここに洋輔くんの姿があるの…胸アツだったよ(ちょっと”欠席した子”っぽいデザインだったけどw)。
劇場入ってすぐのところのパネル前には可愛い祝い花が。
海外から届いたのかな。とても素敵なメッセージカードも添えてありました。
ここの撮影にまず時間を費やしたのでロビーに上がるタイミングが遅れてしまい(汗)、1階席ロビーに到着したときにはすでに二重のキャスボ行列ができていたという…!!さらにあれよあれよという間に三重、四重と列は重なり…私の順番が回ってくる頃には七重か八重になっていてこれまたびっくり仰天(汗汗)。ここまですごいキャスボ行列を見たのは初めてかもしれない…。
その後すぐに記念パネルの撮影列へ。こちらは前日に観劇した折に撮影して並ばなかった人も多かったらしく意外と早めに順番が回ってきましたが、それでもかなりの大行列が連なっていました。でもこれは絶対に抑えておきたいやつ。なにせ、記念ウィークに出演しているキャスト全員の生サインが記されていますからね。ここに洋輔くんの名前があったのも嬉しかった。
最初は後ろの方に早く順番をと気持ちが焦ってしまい写真がボケ気味になってしまったのですが、休憩中と終演後にも劇場入り口すぐのところに移動して設置してくれていたのでなんとか再チャレンジすることができました。
大阪では35周年記念ウィーク限定で「オペラ座の怪人」PR動画やポスターが2カ所で展開されていました。ちょうど観劇した4月30日までだったのでギリギリ(汗)。
大丸前の地下道は短いながらも人通りがけっこう多くて撮影するのに難儀しました(汗)。
JR大阪駅の改札外の巨大看板は映像が流れるようになっていてエンドレスで「オペラ座の怪人」PR動画が。そこに映し出されるファントムは飯田洋輔くんが演じているものが殆どで(その週にキャスティングされてた影響もあるのかな)、私にとってはいつまでもその場所に留まりたいほど天国のような空間でございました。無意識にでも多くの人の耳に彼の歌声が届いていたら良いなぁと。
以下、超ネタバレを含んだ感想になります。
劇団四季ミュージカル『オペラ座の怪人』感想一覧
2023.04.30マチネ公演 in 大阪四季劇場(大阪・西梅田)
主なキャスト
- オペラ座の怪人:飯田洋輔
- クリスティーヌ・ダーエ: 藤原遙香
- ラウル・シャニュイ子爵: 光田健一
- カルロッタ・ジュディチェルリ:河村彩
- メグ・ジリー: 黒柳安奈
- マダム・ジリー:秋本みな子
- ムッシュー・アンドレ:増田守人
- ムッシュー・フィルマン:佐藤圭一
- ウバルド・ピアンジ:永井崇多宏
- ムッシュー・レイエ:見付祐一
- ムッシュー・ルフェーブル:勅使瓦武志
- ブケー: 田辺容
【男性アンサンブル】
高井治、川畑和寛、長友デビッド洋輔、安田楓汰、新井克、吉田蓮、貞松響
【女性アンサンブル】
杉山由衣、結城湊海、清水智紗子、小山百合恵、徳山稚子、荒巻くるみ、佐野奏実、小田島礼奈、鮫嶋美里、石橋杏実、林明梨、中川奈々美
こちらが長蛇の列に並んで撮影したキャスボ。29日のときよりはマシだったそうですが、なにはともあれ無事に撮影できてよかった(汗)。先週からアンサンブルさんに多少の動きがあったようですね。男性9枠には貞松君が久しぶりに入ってきました。
全体感想・キャスト感想
今から28年前の1995年12月に観た『オペラ座の怪人』が私と劇団四季の出会いでした。あの頃はまだ日生劇場で上演されていたんですよね。
1995年~1999年までのオペラ座観劇感想↓
私にとって「オペラ座~」は四季を知るきっかけとなった作品でもあるので、節目でもある35周年という記念の日はなんだかとても感慨深いです。今回観劇した4月30日は、厳密に言えば35周年から次に向けての第一歩となる日。出演されていたキャストやスタッフの皆さんの中にも特別な感情があったかもしれません。
オークションの場面から舞台上に現れたシャンデリアが激しい光を放ち弧を描いて天井へ昇っていく、それと同時に舞台上ではクリスティーヌがまだファントムと出会っていない時間へと一気に遡っていく。もう何度も見ているこの光景ですが、改めてすごくダイナミックな演出だなぁと胸が熱くなりました。今は亡きハロルド・プリンスさんの演出は今の時代も全く色褪せることはありません。
♪ハンニバル♪
河村カルロッタのドヤ顔での冒頭の迫力ある歌声も絶好調。得意満面の笑みでそれに続く永井ピアンジはやっぱり今回も可愛くて癒し。この♪ハンニバル♪シーンでの永井さんは感情表現がとても豊かでコロコロ表情が変わるのでいつも目で追ってしまいます。
支配人の増田アンドレが河村カルロッタにうっとりしてるのを見ると我がことのように嬉しそうな顔するのに、佐藤フィルマンからつれない態度を取られると「あいつ失礼だろう!」と勅使河原ルフェーブルに食って掛かってプンスカしちゃう、とかねw。でも何より永井ピアンジはカルロッタのことが大好きっていうオーラが全開してるのがホント最高なんですよ!
見付レイエはここ最近の中で一番神経質な雰囲気だったかも。ピアンジの「ローム」の最初の発音を注意しに飛び込んでくるところからめっちゃイラついてたしw。カルロッタの圧をかけられ彼女のソロを聞かせることになっちゃうシーンでも「ホントはそんな時間取りたくないんだけどさ」みたいな心の声が聴こえてくるような表情してて面白かったw。
田辺ブケーはいつも太々しい態度が印象的なのですが、この日は特に態度がデカくてww「居たとすりゃあの化け物さ!」と皆を脅すときのテンションがワンランク上がってたように見えて面白かったです(逃げ惑うダンサーを見ていつも以上に笑ってたしねw)。
♪Think of me♪~♪エンジェル・オブ・ミュージック♪
藤原クリスティーヌは2月に観て以来だったのですが、凛とした美しい歌声がとても素晴らしくラウルと一緒に彼女に見惚れてしまいました。昨年6月に初めて観た時からさらに歌も存在感も進化してる気がします。そんな彼女に魅入られてしまった光田ラウル、ボックス席でのオペラグラスを覗いたあとの「ブラァーヴァー!!」がいつも以上に力入っているように聞こえてきた。恋の喜びに心が跳ねたって感じかな。クリスティーヌとの明るい未来しか見えてないって雰囲気が印象的。
カーテンコールでの指揮者さんは3月以来の貞松君。彼が演じるとすごくスマートでイケメンな指揮者に見えます(あまり大きなリアクションはしない派なのでねw)。
秋本ジリー夫人は見事に歌い上げたクリスティーヌに対して柔らかい母性愛を見せるのですが、ダメ出ししてるダンサーの女の子たちにもそれと同じ愛情を注いでいるように感じるんですよね。口調は確かに厳しいんだけど、彼女たちの為を思ってるからという気持ちが透けて見える気がしてちょっとホッコリします。
黒柳メグは溌溂として可愛い歌声がとても印象的。クリスティーヌに対して常にオープンに接していて微笑ましいです。心を開き合った親友同士って雰囲気を出してるのが良いなと。
♪リトル・ロッテ♪
楽屋へ向かう時の光田ラウル、最初は支配人’sの話に合わせてる雰囲気だったけど楽屋口が近づくと「早く一人にしてくれ」オーラが滲み出てくるのが面白いw。でもオーラは出してるけど露骨にそれを見せないところが紳士的だなぁとも思います(ここの反応は演じる役者さんによってけっこう違う)。
藤原クリスと光田ラウルの♪リトル・ロッテ♪はなんだかとても柔らかく温かい歌声って感じでとても癒されました。すごく優しい時間が流れてる雰囲気がよかったなぁ。「本当にエンジェルオブミュージックは来てくれたわ!」と顔を輝かせるクリスティーヌに対する光田ラウルの「そうか」っていう優しい相槌も好きです。
♪ブリマ・ドンナ♪
支配人室へ行く前のブケーの悪ふざけの場面、田辺さんがめちゃめちゃ悪い顔してダンサーのみんなを怖がらせて面白がってるのが印象的。この直後にマダム・ジリーから「地獄の手が迫る」と恐ろしい顔で睨みつけられるんですが、それに対する田辺ブケーの太々しい態度ったらなかったですよww。2-3回は「チッ」って吐き捨ててわっる~い顔してましたからね(笑)。
佐藤フィルマン、この日の新聞読みは前回以上にウキウキなテンションが高くて面白かった。新聞の飛ばし方が自由奔放でwwどれも高く上がってすぐ近くにブーメランで落ちてくるって感じでした(笑)。ほんとに芸術よりも儲け主義っていうのが伝わってきます。
それに対して芸術が大好きな増田アンドレは記事の内容に本気で腹を立てて、「何だいったい!?」の歌い方にもいつも以上に熱がこもっていましたw。それを佐藤フィルマンが楽天的に「おい落ち着け」となだめてて、二人のテンションの差が顕著に出てましたねw。
この後ファントムからの手紙を持ったラウルがやって来るのですが、それを書いたことを疑われてイライラしちゃった佐藤フィルマンがすごい形相で「とんでもありませんっ」て否定しちゃうんですよね。これ言っちゃった後にラウルから「あ!?」みたいに睨まれて思わず「しまった」とばかりに急にチンマリして「(手紙を)お見せください」って態度変えるのが面白かったww。相手は子爵様ですからね、本来あんな尊大な態度しちゃいけないわけで(笑)。
あまりのカルロッタの怒りっぷりにさすがの佐藤フィルマンも増田アンドレとおだてる側に回るのが可愛くて良いw。この時の二人の息はピッタリなのでとても見ていて心地いいです。さらに永井ピアンジがカルロッタがヨイショされまくってることを自分のように嬉しそうにニコニコしながら歌ってるのがめっちゃツボ。あの表情は本当に癒しです。
♪イル・ムート♪
セラフィーモ役を演じてる藤原クリスがめちゃめちゃ可愛かったなぁ。それを穏やかに見つめる光田ラウルの優しい眼差しも魅力的です。
バレエシーンの時、いつもよりもダンサーさんたちのヒソヒソ声がよく聴こえてきて頼緊迫感が増して見えました。見えないはずのものがあんなに大きく映ってるわけだから、そりゃ動揺しちゃうよね~(汗)。
ブケーが●されちゃった直後の場面、佐藤フィルマンの慌てっぷりテンションがまたすごいw。怯えるっていうよりも、この混乱した事態をどうやって納めたらいいんだーーー!みたいな焦りのほうが強くて「お前がまず落ち着け」と言いたくなるようなワタワタっぷりで面白かったですww。
♪All I Ask of You♪
藤原クリスの透き通るような美しい歌声がすごく心に響いてきてとても心打たれました。ファントムの存在に怯えながらも、彼を拒みきれない感情もあって混乱している気持ちがストレートに伝わってきてとても良かったです。そんな彼女の姿を目の当たりにしたら、光田ラウルも不安でどう向き合えばいいのか戸惑ってしまうのわかるなぁと。
恐怖心がピークに達したクリスがラウルに救いを求め胸に飛び込んでいく。そんな彼女を全身で受け止め「愛している」とストレートに気持ちを伝えるラウル。不安な時にあんな優しく愛を囁かれたらそちらに恋愛モードが傾いてしまうのも仕方ないかなぁと思いながら最近見てしまいますね。以前はすごく幼い恋愛に見えたクリスとラウルだったけど、ここ最近はそれ以上の関係に思えるようになったかもしれません。でも、ラウルの方が一途度は高いってところが不安要素なんですけどね(汗)。
♪マスカレード♪
冒頭の増田アンドレと佐藤フィルマンが背中合わせになる場面、顔を見合わせるまでの怯えっぷりが前回よりも増してたように見えて面白かったですw。特に佐藤さんはビビりすぎて頭に上げたはずの仮面が顔の方に落ちてきちゃってたほど(←すぐに上に直してましたけど 笑)。
クリスがラウルに婚約の話を隠すように言った後別れ別れになってしまう場面。藤原クリスは一人になった時にちょっと不安げな表情を残しながら踊ってるんですよね。この半年ラウルとの関係が上手くいっていたんだなと感じさせるシーンでもありました。光田ラウルはマダム・ジリーに邪魔されてちょっとムッとするけど、クリスとはぐれた後ジリー夫人にけっこうじっくりと行方を尋ねてるのが印象的です(岸くんや達郎くんはこの時ジリー夫人とあまり話そうとはしないので)。ラウルと再会した時の藤原クリスはキラキラ笑顔がとても晴れやかで可愛らしかった。
♪支配人室2♪~稽古場
マスカレードでファントムを目の当たりにしてしまった支配人’sは1幕の時とは違ってかなーり怯えまくってるw。佐藤フィルマンは特にビビりまくってて手紙を増田アンドレに渡すときもめっちゃ力入ってるのが面白い(笑)。
カルロッタがクリスティーヌに嫉妬心を募らせてメラメラする場面、二人がバチバチになるところはけっこうな迫力がありました。カルロッタから疑いの目を向けられた時の藤原クリスの怒りモードがけっこう高いので、フィルマンが止めなければ掴み合いになったんじゃないかなとすらw。
でもこの直後にクリスが「私やりたくない」と主役放棄の意思を示した時、カルロッタとピアンジがニンマリするんですよねw。二人で目を合わせて「なぁ~んだ」ってほくそ笑んでるのがなんだか可愛らしくもあって個人的に好きなシーン。クリスが拒絶したら主役回ってくるって確信してますからねw。
ファントムからの手紙の場面、ピアンジへの「せめて痩せてくれなくては」のところは増田ピアンジがちょっと揶揄するようなリアクションして佐藤フィルマンがちょっと鼻で笑う、みたいな反応になってましたw。
ラウルがファントムを仕留める方法を思いついた場面、ここでは秋本ジリー夫人の必死の制止が非常に印象深いです。唯一昔からファントムの存在を知っているだけあって、誰よりもその恐ろしさを知っている夫人。「とっても敵わないの!!」と必死にラウルたちを説得してる時の秋本さんの切羽詰まった表情がすごかった。恐ろしいことが起こるといった予感に怯える気持ちが大きかったとはおもうけれど、その一方でファントムに害を及ぼしたくないといった気持ちも少し交じっているのでは…とも感じました。秋本さんのマダムジリーはところどころで母性が垣間見えていたのでね。
それでもラウルは計画を断固実行すると言い張って聞く耳を持たない。これまで紳士的だった光田ラウルがここで急にギラついた戦闘モードに入るんですよね。その豹変っぷりはゾクっとさせるものがあります。必死に止めようとするクリスティーヌの言葉も耳に入らずただ「大丈夫だからっ」と諭してその場を離れてしまうし。穏やかだった彼が急にそんなことになったら、そりゃクリスも混乱するよなと(汗)。
お稽古シーンでも永井ピアンジのドヤ笑顔が私の癒しw。隣のカルロッタから歌う場所を教えてもらってニコニコしながら堂々と歌ったものの、すぐにレイエから音程の違いを指摘されちゃう。それでもどこが悪いのか理解できなくて、何度もドヤ顔で間違った音程を歌いまくる姿が可愛くて仕方ないです(笑)。
最後のピアノが鳴り出す直前、カルロッタが「どの音程で歌えばいいの!?」と迫られた見付レイエはその時の歌声に耳を塞ぐといったリアクションですね。個人的には「それ!!」とやってほしいんだけどw。
♪墓場(Wishing You Were Somehow Here Again)♪
藤原クリスティーヌ、いなくなってしまった父親を恋しく思う気持ちがストレートに歌声に沁み出ていてとても感動的でした(お墓の方を向きながらすすり泣く声が聞こえてきたのは特にグッと来たた 涙)。本当に澄み渡った美しい鈴の鳴るような歌声なんですよねぇ。とても聴き心地が良いし、クリスの心情も繊細に表現されていて本当に素晴らしいと思います。
ここから先はただ熱いだけの主観入りまくりな飯田洋輔くんファントムの感想になります。笑って読めるような心の広い方は次のページへどうぞ。