ミュージカル『ジキル&ハイド』大阪公演 2023.04.22マチネ -石丸幹二さん最終日-

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ミュージカル『ジキル&ハイド』を観に大阪まで行ってきました。

先月(3月)東京公演で新しくキャスティングされた柿澤勇人くんのジキハイを観てきましたが、今回は石丸幹二さんがジキハイを演じる最後の公演という事で見届けようと気合入れてチケット入手いたしました。

※2023年3月公演の感想はこちら↓

梅芸を訪れるのはなんと昨年10月以来なので約半年ぶり。ちょいちょい観劇予定こなしてきましたが、梅芸の演目にはしばらく来てなかったんだなとちょっと自分でも驚きました(汗)。

梅芸の物販は近年はチケットもぎり前の広いスペースで行われるようになりましたね。こちらの方が行列にも余裕ができていいと思います。グッズは東京公演の時にゲットできていたので今回はスルーで。

客層的には意外と男性の方が多かったなという印象。エマ役が桜井玲香さんだったのでその影響も大きかったのかも。私の前列もずらっと男性のお客さんが座っていらっしゃって。ただ私は座高が低いので段差が薄いちょっと見えづらくなる危険性が高い(汗)。今回もちょっとそれに近いような状況でして…でもこればかりは運もあるので致し方なかったかなと。個人的には、座高が高そうな方には少しでいいので後ろに配慮した姿勢を取っていただくとありがたいです(なかなか気づけないものだと思いますが)。

以下、かなりのネタバレを含んだ感想になります。

これまでのジキル&ハイド感想はこちら↓

※2016年感想はこちら

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2023.04.22 マチネ公演 in 梅田芸術劇場メインホール(大阪・梅田)

※概要とあらすじについては2018年公演感想の記事を参照してください。

上演時間は約2時間55分になります。内訳は、1幕が1時間25分(85分)、休憩25分、2幕が1時間5分(65分)です。

主なキャスト

  • ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド:石丸幹二
  • ルーシー・ハリス:笹本玲奈
  • エマ・カルー:桜井玲香
  • ジョン・アターソン:石井一孝
  • サイモン・ストライド:畠中洋
  • 執事プール:佐藤誓
  • ダンヴァース・カルー卿:栗原英雄
  • ベイジングストーク大司教:宮川浩
  • サベージ伯爵:川口竜也
  • グロソップ将軍:伊藤俊彦
  • プループス卿:松之木天辺
  • ビーコンズフィールド侯爵夫人:塩田朋子

麻田キョウヤ、岡施孜、上條駿、川島大典彩橋みゆ、真記子、町屋美咲、松永トモカ、三木麻衣子、玲実くれあ

スウィング:川口大地舩山智香子

指揮:田尻真高

大阪公演からは塩田クターさんではなく田尻さんが指揮者担当だったようですね。塩田さんに負けず劣らず躍動感のある素晴らしい音楽を届けてくださいました。

全体感想・キャスト感想<1幕>

キャストはルーシーの笹本玲奈さん以外は東京都は別バージョンだったので(真彩希帆さんのルーシーも見てみたかったけど)、だいぶ印象が変わりました。3月に観たカッキー版の時は全体的に若々しく勢いのある印象が強かったのですが、今回の石丸版キャストメンバーはものすごい濃密な”大人のドラマ”といった感じで。非常に重厚感あふれる舞台だったと思います。

それから、個人的にはそれとは別にすごく思い入れの深いキャストさんが揃っていらっしゃって。宮川浩さん石井一孝さん畠中洋さんが同じ舞台に立っていることだけでもう本当に嬉しかった。
というのも、このお三方は私がミュージカル観劇にハマったばかりの頃特に注目した役者さんだったのです(初めて舞台を見て衝撃を受けた役者さんは宮川さんでした)。舞台にハマったばかりの気持ちが蘇ってきたようでところどころ胸が熱くなりました。宮川さん、石井さん、畠中さんはまさに私のミュージカル観劇の歴史の原点と言っても過言ではないので。あれから約26年ですが、こうして皆さんまだまだ舞台の第一線で活躍されていて本当に素晴らしいなと改めて感じ入りましたね。

♪ 闇の中で♪~♪知りたい♪

精神病棟で束縛された生活を余儀なくされている父親をなんとか救いたい一心のジキル博士がその想いを激白するナンバー。石丸さんバージョンになってから♪知りたい♪が追加されたのですが、初期の短縮バージョンに慣れ親しむ期間のほうが長かったので未だにちょっと「長いな」と感じることがあったのですが、今回はすごく濃密なシーンに思えて見応えを感じることができました。
特に、父親を抱きしめようとしながらもすり抜けられたシーンはジキルの何とも言えないやるせない心の痛みがリアルに伝わってきてめちゃめちゃ切なかった(涙)。この流れからの♪知りたい♪だったのでいつも以上にジキルの切羽詰まった思いが伝わってきた気がします。何よりも石丸さんの圧倒的な説得力ある歌唱が本当に素晴らしかった!

それから、もう一つ印象深かったのがダンヴァース卿のジキル博士に向けた視線。今まではあまり気にしてこなかったのですが、先日栗原さんのジキハイトークショーを聞いて今回ちょっと注目して見ました。すると…栗原ダンヴァースは常軌を逸し始めたジキルの様子を見て明らかに危険視するかのような表情を浮かべてた!!これは新しい発見。これまで見てきたダンヴァースとは違う印象が植え付けられたような気がしました。

♪嘘の仮面♪

人間はだれしも「善悪の仮面」を付けていると歌うこの場面、これから先に登場する登場人物がほぼ全員出てきて歌う圧巻のシーン(ジキル博士だけはいません)で見るたびにゾクゾクします。”外面ばかりでは真実が見えてこない”といった歌詞とかすごい強烈に響いてくるんですよね。人間の本質を鋭く抉るような言葉が次々に飛び出してくるんだけど、これを重厚でスリリングなあの楽曲に乗せてくるわけですから、見るたびにすごい感情が昂ってしまう。ワイルドホーン、してやったりみたいなw。

個人的には畠中ストライドが歌う後半の「騙されるな!!」のところがめっちゃ痺れます!!あの歌声は本当にグサッと突き刺さる。そしてその直後に宮川ベイジングストーク「表向きで」と被せてきて、もうこの流れが最高!!

理事会シーン

最初の参加者たちのざわつきが前回観たとき以上に騒がしかったような気が(笑)。石丸ジキル最後の理事会参加という事もあってか皆さん気合入ってたのかもしれないですね。のっけからジキル博士への敵意剥き出しでまるで彼の意見を受け入れるつもりがないことがリアルに伝わってきた。まぁ、ジキルの「人間の善と悪を分離する」という研究内容は人類道徳の点から見ても明らかに許容範囲を大きく逸脱してるのでそういう反応になる気持ちは分かるんだけどね。

そんなザワツキのなかでジキルが淡々と研究について発表していく様子はなんだか見ていてちょっと恐ろしさも感じたかもしれない。でもこの日観た石丸さん、けっこう理事会メンバーにいらだった様子で、悪意の表情剥き出しにしてきた畠中ストライドに対し皮肉っぽいセリフ回しで対抗してたなw。あの時の「ストライド”さん”」の言い方がけっこうツボだったw。

この理事会の間、宮川ベイジングストークたちがジキルの存在を消す勢いで批判しまくってたのに対し栗原ダンヴァースはグッとこらえてることが殆ど。でもその表情には「ジキルよ、もうこれ以上はやめてくれ」といった感情が浮かんでいるようで…、最後は「棄権」という選択をしたけれど「NO」を突きつけてもおかしくなかったなと思いました。

理事会メンバーたちが自分の話に聞く耳すら持たなかったことに大きく失望したジキル博士。この時から石丸ジキルにはハイドの側面が芽生えたことを予感させるような雰囲気を感じましたね。そんな彼に「奴らは権力者だから仕方ない」となだめる石井アターソン(♪真実を追えば♪) 。
個人的には、久しぶりに石丸さんと石井さんが共演(しかも親友同士)するシーンを見れたことがとても嬉しかったです。

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♪ありのままの♪

理事会が終わった日の午後にジキルとエマの婚約パーティが開催されるわけですが、あの修羅場のような出来事があった直後にこんな華やかなイベントが行われるなんてといつも見るたびに複雑な心境になってしまいます(笑)。しかも招待客の中にジキル博士の研究を侮辱しまくった理事会メンバーが勢揃いしてるという最悪さw。エマのお父さんがダンヴァース卿だから仕方ないって感じなんでしょうけど、ジキル的には顔も見たくない連中が来てるわけだから心中穏やかじゃないよな(汗)。

案の定、パーティ会場でもジキルについて罵詈雑言を吹聴しまくってる理事会メンバーだった皆さん(ダンヴァースを覗く)。この中で一番厄介なのがエマに片想いしてるストライドの存在。このシーンの時の畠中さんの酔いっぷりの芝居がこれまた絶妙なんですよねw。エマがジキルを選んだことが悔しすぎて浴びるように酒を飲んでるのが一目瞭然。これに対して石井アターソンはあまり制御できてなかったようなw(上川アターソンはけっこううまい具合になだめてた印象があったのでw)。

そんな空気の中でもエマは毅然としながら「ヘンリーと結婚するのはこの私」と言い放ちジキルへの変わらぬ愛を宣言する。桜井エマはとても凛としていて可愛らしい外見のなかにしっかりとした自分というのを持ってるなという印象。ちょっと強気なところもあってお嬢様だけどお転婆娘的なところもあるのかなといった感じ。
そんなシッカリ者の桜井エマに穏やかな愛情を注ぐ石丸ジキル。実際の石丸さんと玲香ちゃんでは親子に近い年の差があると思うのですが(汗)、ちょっと年の差があるくらいの良いカップルに見えたのが良かったです。二人のナンバーも思いやりに溢れてて素敵だったし、何より玲香ちゃんの歌唱力や表現力が以前よりもアップしてるなと思えたのがとても良かった。

そんなラブラブな二人の様子をエマの父親であるダンヴァース卿は微笑ましく見つめてはいるのですが、その反面彼の常軌を逸した研究姿勢に大きな不安を抱いてるのも事実で…。ジキルがアターソンとその場を離れた後に娘の今後についての複雑な心境を打ち明けてしまう(♪別れ♪) 。栗原ダンヴァースは冒頭からジキルに対して複雑な感情を抱いていたのが読み取れるので、このシーンでの説得力がすごくありました。娘を溺愛する父親だからこそ抱いた自然な感情だよなぁというのが腑に落ちる。このあたりの栗さんのお芝居が本当に繊細で素晴らしい。

♪連れてきて♪

見るたびに毎回思うんですけど、婚約披露パーティが終わった直後に馴染みの娼婦宿にジキルを誘うアターソンってどうよww。ジキルは全く気乗りしてないんだけど、アターソンは宿のお姉ちゃんにちょっと誘惑されただけでもうメロメロ状態だし(笑)オトコってしょうもないなぁ~とw。このシーンの時の石井さんの弾けっぷり、好きだったww。ジキルを元気づけたいって気持ちも本当だけど、自分が生きたいって気持ちも相当強いよね(笑)。

ルーシーは前回と同じく玲奈ちゃんだったのですが、あれからまたさらに妖艶さがアップしていてドキドキ圧巻のショーでした!笹本ルーシーって色気のなかに哀愁が滲んでるのがすごく印象深いんですよね。成熟しきっていない女性というか…。なんだか見てるだけで切なくなってしまう。
♪連れてきて♪のショーでは階段を上がった2階から身を乗り出して逆さまにぶら下がってる女性アンサンブルさんがいて、毎回手に汗握りながらあの姿見てました。すごいバランス感覚!!

ショーが始まったばかりの頃は困惑した表情であまり興味を見せていなかったジキルでしたが、クライマックスに差し掛かった頃にはルーシーのパフォーマンスにいつの間にか目を奪われている。どうしてか分からないけど惹きつけられて仕方がないといった様子でじっと彼女を見つめる石丸ジキルが非常に印象深かったです。ハイドのルーシーへの執着の原点を見たような気がした。

ショーの最中にもう一つ気になるのはジキルの後ろに座ってヤンヤヤンヤ盛り上げてる男性陣。この中に畠中さんも交じってるんですけど(ストライド以外の男性客役でw)その時のノリノリっぷりがめっちゃすごい(笑)。あれを見るといつも少し吹き出しそうになっちゃうww。

ショーが終わったルーシーが他の男性とは雰囲気の違うジキルに興味を持つ場面も印象的。誘っても固辞する彼の姿を見て「そんな気分じゃないのね」と諦めたように歌う姿が切ない。だけど、その直後に「自分で試す」と何気なく言った言葉がジキルに大きなインスピレーションを与えるわけで。「大いに役に立った」と喜ぶ彼の姿に自分の存在意義を初めて感じたルーシーの気持ちを思うとすごいグッとくるものがありました。

それにしても、今回も宮川スパイダーの悪の迫力がすごかったな~!売れっ子のルーシーにも容赦なし。背筋が冷たくなるような怖さ満点でございました。あんな扱い受けてたら、ルーシーやほかの女の子たちも逃げたくても逃げられないよなぁ(涙)。

♪時が来た♪

自宅に戻ったジキルは自らを実験台として”人間の善と悪”を分離させる薬を飲むことにする。その時に至るまでの高揚感を歌うナンバーが♪時が来た♪ なのですが…、最初は石丸ジキル最後の雄姿をじっくり見ようとオペラグラスごしに見ていたんですけど、曲が盛り上がるにつれてそれを持つことすらいつの間にか放棄してしまうほどの大きな胸の高鳴りに支配されていきました。いやもう、圧巻という一言では片づけられないような…まさに魂を揺さぶるようなすごい熱唱でしたよ、石丸さん!!

♪時が~♪はジキハイの中でも一番盛り上がるナンバーなのでいつも魅入られてはいるのですが…、オペラグラスを持つことすらできなくなるほどこの日の石丸ジキルの熱量はものすごいものがありました。もう長くこの作品を観てきていますが、このシーンであそこまで胸が震えたの初めてかもしれない。途中から知らず知らず涙が溢れて終わる頃にはもうボロ泣き。特に「最後だぞ、運命の試練」「この日を忘れないぞ」のところは石丸さん自身もすごく力を入れて歌ってて…あのフレーズ聞いただけで胸が大きく高鳴って大号泣してしまった(涙)。
ナンバーが終わった直後はスタンディングオベーションが起きるんじゃないかってくらいの、劇場中が揺れるような大拍手に包まれ本当に凄い光景だった。私も泣きながら手が痛くなるほど拍手した!数秒間のショーストップ状態となったほど。こういったシーンにはなかなかお目にかかれないので、この日に観に来れて本当に良かったなと心底思いました。

少し落ち着いたところで石丸ジキル博士最後の実験。飲み始めた時の「しょっぱい!!」の反応が今まで見てきた中で一番キツいしょっぱさって感じだったなww。それから、恍惚感のところがすごい猟奇的なんだけどユニークな動きになってて。ゴリラのように胸をゴンゴン叩きまくってるのを見たときはビックリしたよ(笑)。ペンもめちゃめちゃサディスティックな表情で嘗め回してたし、今までになかった変身前リアクションに色々驚かされましたw。これが最後になるなんて惜しいわ~w。

そしてハイドに変身。石丸さんのハイドは真面目で朴訥としたジキルとは正反対の人格なんだけれど、荒れ狂っていてもなぜか全く別の人間が出てきたっていう感覚はなくて。ジキル博士の心の奥深くに眠っていたマグマのような激しい感情が呼び覚まされて表に出てきてしまったという印象が強い。一人の人間の”善と悪”がものすごくリアルに見えてきたというか。この演じ分けの繊細さが本当に石丸さん素晴らしいなと思いました。
町で出会ったルーシーへの執着がこれまたすごかったですねぇ(♪生きている  ♪)。でも、”どん底”での二人の微妙な距離感の場面を見た後だったのでこのシーンも唐突感がなかった。彼はあの時確かにルーシーに惹かれたんだなと。その感情に気づく前に押し殺したんだけど、ハイドという感情が生まれたことによってそれと一緒に出てきてしまったんじゃないだろうか。

♪あんな人が♪

ハイドから突然ひどい仕打ちを受けたルーシーは、もらった名刺を頼りにジキル博士の元を訪ねる。この時ふと気づいたんですが、ルーシーの胸元にいくつか赤い痣ができてて…。前に見た時は席が遠かったこともあってかちょっと気づかなかった。たしか前回公演の時にはなかったと思うのですが、あれってつまり、ルーシーの職業柄からくる痣ってことなんでしょうか(汗)。個人的にはそこまでリアルにしなくてもいいんじゃないかなとは思うんですけど(苦笑)。

ルーシーの背中の傷跡がハイドにやられたものだと知ったジキルは強い罪悪感を抱き心の底から彼女に謝罪するのですが、彼女はその言葉の意味を知らない。このすれ違いが本当に何とも言えず切ないんですよねぇ…。ジキル博士の時にはルーシーへの恋心を全く自覚していないわけだし、でもルーシーは彼からの優しい言葉に感動してますますジキルへの想いを募らせてしまう。
それゆえに、彼女が喜びに溢れながら♪あんな人が♪を歌うシーンは涙なしには見られません。玲奈ちゃんの歌いっぷりがこれまた泣けるんですよ。絶望の中で見つけた希望の光に歓喜してる気持ちが伝わってきて…それが報われない未来が見えてるだけにホント切ない(涙)。

そんな彼女が歌う後ろで着々と労働者たちがある準備をしてる。なのでこの場面、切なくて泣きながらも次のベイジングストーク大司教様の末路へのカウントダウンが始まったなという緊張感も感じてしまう面白いシーンでもありますw。

そして1幕ラストの♪生きている (リプライズ) ♪ 石丸ハイドの狂気が爆発!!宮川スパイダーに紹介してもらった娼婦さんとイチャイチャしまくってる宮川ベイジングストーク大司教様ww、今回も見事にその毒牙に引っかかりました。あれは演出的にも一番派手だしかなり気を遣わないと危ないシーンでもあるのでいつも手に汗握りながら見てしまいます。宮川さん、毎回本当にお疲れ様でした(汗)。

長くなったので2幕感想他は次のページにて(毎度長文ですみません 汗)。

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