ミュージカル『RENT』10.10.14ソワレ

シアタークリエで2年ぶりに再演されているミュージカル『RENT』を観に行ってきました。

 

この日はマチネに四季のソンダンを観に行っていたので…ハシゴ観劇(笑)。ただ、ソンダン終わってから時間にちょっと余裕があったので新鮮な気持ちで楽しむことができました。

私がこの作品と出会ったのは2006年のミュージカル映画『RENT』です。
この映画に出会う前から『RENT』の存在は知っていたんですよね。ジョナサン・ラーソンが自らの生命をかけて作り出したミュージカルでオフからブロードウェイに進出した作品だということもリアルタイムで知りました。

その後日本版も作られ、ミュージカル友達から「すごくいいから行ってみないか」とオススメされていたんですが当時の私はロックミュージカルというものにいささか抵抗があって気にはなりながらもスルーしてしまったんです。今から思うと本当に惜しいことしたと思います。

と、言うのも、この日本版初演には四季で今活躍してる渡辺正さん(当時は忠士さん)がロジャーでTMNのウツとダブルで出演していたので…。あぁ、見たかった!もしかしたらナベさんにとって一番いい時代だったかもしれない。

ちなみにその後再演された日本版「RENT」では泉見洋平くんも出演してて…彼もこの作品でミュージカル界に飛び込み転機になったそうです。

で、この映画を06年に観に行ったわけですが…ボロ泣きしたんですよね。なんだろう…魂が震えたっていうか、涙が止まらなかった。その時初めて友達にオススメされていた時に観に行かなかったことを後悔しました(苦笑)。

その後08年に再演されたシアタークリエの「RENT」でようやく生のミュージカルのRENTを観ることができまして大感激したのを昨日のように覚えています。

いろんな意味で、自分の中ではけっこう特別な作品でもある『RENT』。クリエ版から2年、新たなキャストで再び上演が決まりとても嬉しかったです。

この日のチケットは軽食とお土産つきというかなりお得な特典がついてまして。ハチミツのジャムをもらってしまった。夕飯も購入せずに食べられたしお得チケット最高(笑)。

座席もやや後ろ気味ではあるもののこの劇場はどこからでもけっこう観やすいので十分堪能することができました。それにしても、ソワレだというのにお客さんの入りがかなりよかったですねぇ。マチネの劇場とはかなり雰囲気の違う活気のある客席にちょっと羨ましさすら感じたりして(苦笑)。ノリも非常によく、激しいロックナンバーのあとにはかなり盛り上がっていました。

セットの雰囲気とかは基本的に変わってなかったですね。
真ん中にマークやロジャーたちの簡素な部屋があって、下手側にミュージックバンドが配置されてます。奥には折りたたみ式になってる長い階段があって舞台上部に扉がある。これは2幕のある重要なシーンでかなり印象的に使われています。

2年前に観た時はちょっとそっけないセットだなと思ったんですが、今回はあまり違和感を感じませんでした。舞台の空間とかも上手く使ってるなと思えたし。

でも音響だけはやはりちょっと微妙…。バンドの大音量音楽に歌い手の声が消されてしまいそうになるシーンは今年もやっぱりちょこちょこあったのが残念。

それでも、やっぱり素晴らしかったミュージカル『RENT』。楽曲に魂がこもっているといいますか…激しいロックナンバーからバラード系のナンバーまで実に多種多様に溢れています。どの曲も聴いていると胸が熱くなるものばかり。

ロックミュージカルを敬遠している人もこの作品は何かしら心に響くものがあると思うのでぜひ観に行ってみてほしいなと思います。

主なキャスト
マーク:福士誠治、ロジャー:Ryohei、コリンズ:米倉利紀、ミミ:ソニン、エンジェル:田中ロウマ、ジョアンヌ:Shiho、モーリーン:キタキマユ、ベニー:白川侑二朗安崎求 ほか

 

以下、ネタバレ込みのキャスト感想などです。

キャスト表の下に『撮影のカメラが入っている』との但し書きが?後ろに一台あったのは気がついたんだけど他にはなかったな。映像化するのかなと思ってワクワクしたけど、それはやっぱり無理かも!?

物語の舞台は80年代後半から90年代初頭にかけてのアメリカ・ニューヨーク。

貧しい生活環境のなかで共同生活をしているマークロジャー。そんな彼らに容赦なく家賃(レント)の支払を要求してくるベニー。ベニーはかつては彼らと同じ境遇だったものの裕福なお嬢さんと結婚してから対立する関係になってしまっている。

マークは映像作家を夢見てひたすら8ミリのカメラを回し続ける。ロジャーは曲作りに行き詰っているが、彼はエイズ感染というハンデも背負っている。
その日一日を生きていくために、様々な事情を抱えながら必死に前を向こうとしている若者達。
ドラッグに溺れエイズへの恐怖に震えているミミ、エイズを抱えながらも明るく前向きに生きているエンジェルと彼に恋する同じ境遇のコリンズ。マークを振って女性弁護士のジョアンヌと恋するモーリーン。混沌とした時代の中で彼らは寄り添いあい、時に激しくぶつかりながら生きる。

題材としてはけっこうヘヴィなのですが、全編に流れるロック音楽がそれら一つ一つのことを組み込み熱く観ている者の心に届けてくれます。それぞれのナンバーにキャラクター達の心情が見事に埋め込まれていて聞くたびにこみ上げるものを感じるのです。ジョナサン・ラーソンが魂をこめて作った作品だと、今回観て改めて思いました。

まず最初に出てくるロックナンバー「RENT」。その日一日を暮らしていくのも大変な時に家賃の請求をされロジャーとマークが憤りの気持ちをこめて歌うのですが…すごい迫力です。彼らの怒りの気持ちがこのナンバーの中に叩き込まれている。聞いていて本当にゾクゾクきます!

コリンズと出会ったエンジェルが前向きに生きていく力強さを感じるナンバー「Today 4 You」も非常に印象的です。ここはエンジェルの扮装も注目で、今回は彼が出てきたときは拍手も出て大いに盛り上がっていました。軽くポップなナンバーですがエンジェルの逞しさも感じられる一曲。
「Tango: Maureen」はモーリーンを巡ってなぜかライバル同志になってしまったマークとジョアンヌの奇妙な関係をタンゴで表現したナンバー。2年前に観た時はマーク役の森山未来くんがなかなか面白い見せ所を作っていたのですが、今回は真面目で熱いキャラの福士君のマークでちょっと違う雰囲気。ここは前回アドリブも起こり客席からも笑いが起こってたんですけど、福士君にはまだその余裕はないかな(笑)。後半が楽しみではありますが。他にもたくさんいい曲揃いなんですが、その中でも特に涙が溢れて仕方ないのが「Another Day」「Seasons Of Love」。この2曲はもう音楽が流れ始めた時点で胸が熱くなってこみ上げて仕方なかったです。どちらも、今を生きることへの熱い想いがこめられたナンバーで、彼らの強いメッセージが痛いほど伝わってくるんですよね。特に2巻く頭で出演者全員で歌われる「シーズンズオブラブ」は名曲中の名曲だと思います。この曲を聴いていると今生きていることのありがたさをシミジミと感じる…。それからラストシーン。けっこうビックリなどんでん返しがあるんですが(笑)、この最後を締めくくる「Finale B」がこれまた魂が震えるような素晴らしい曲で!「アナザーデイ」のリプライズ的な歌なんですけど、マークの今までの映像が流れていたりエンジェルが現れたり…もう視覚的にも感極まってたまりません(涙)。ボロ泣きしました…。
ただ、欲を言うならば…もう少しだけマークの映像を濃く映してほしいかなと。映画でこの映像を見た時に号泣したので。

今回の『RENT』はあと2回観る予定なのでキャスト感想はちょっと軽めに。

 

再演が決まって一番驚いたキャスティングが福士誠治くんのマークでした。

福士くんがミュージカルに初挑戦するってだけでもビックリなのですが、その作品が「RENT」でしかも主人公のマーク!!福士くんは朝ドラを見てからすごく注目している俳優さんなんですが、正直、最初は不安に思ってました。お芝居はとても魅力あるけど歌は堂なんだろうか?とか。

で、歌はあまり上手いほうではなかったです(笑)。でも下手でもない。ちゃんと音符に載った歌い方をしているし歌唱力としては可もなく不可もなくって感じ。

しかし、彼にはコレまで培ってきた演技力があるわけで。それが見事に投影されていてハマっていました!特にマークが自らのあり方に苦悩する時の芝居が最高によかった。ストーリーテラー的な役割もあって、生き生きと演じていたのがとても印象的でした。それに、声がとても聞き取りやすかったというのもポイント高いです。歌詞がほとんどストレートに客席まで伝わってる。福士くん、あんな良い声持ってたんだ~と。まだちょっと固さも見られるようですが、どんどんよくなっていく予感がします。次回が楽しみです。 

 

ロジャー役のRyoheiさんは2年前にも観ていますが、あの時よりもかなり深いお芝居でとても良かったと思います!当時は歌に関して好き嫌いが分かれていましたが、私は好きでしたよ。今回もすごく熱いロックを聞かせてくれててとてもよかったです!それにロジャーの内面のお芝居が前回よりもとても分かりやすくなってた気がします。彼の心の闇みたいなものがすごく見えたので。そんなRyoheiさんのロジャーとはこれが最初で最後…。ちょっと残念だなぁ。

 

ミミのソニンちゃん、彼女はこの役柄に決まった時すごくハマるだろうなぁと思ったんですが…個人的にかなりドンピシャでした。素晴らしいプロポーションはキワドイ服装でも映えてて女の私でもドキリとしてしまう。それに歌声もとても色気があり魅力的でよかったです。ただ「Out Tonight」の歌詞がちょっと聞き取りづらかったのが残念かな。まぁ、音響のせいもあるけどね。2幕のミミの繊細なお芝居も非常に印象的。彼女の苦しみがとてもリアルに伝わってきました。

今回お初となる田中ロウマ君のエンジェル!あのちょっとマッチョな体格にソフトでしなやかな動きのミスマッチ度が見るものを惹き付けますねぇ。決して美人なエンジェルとは言えないんですけど(笑)可愛いです。ずっと観ていると女の子に思えてくるから不思議。今回はずっと彼のエンジェルなので楽しみ。

2年前にとても印象的だった米倉利紀さんのコリンズ。相変わらず素敵な美声で惚れ惚れいたします。繊細にとても丁寧に演じていたのが印象的。特にエンジェルを想って熱唱するシーンでの涙は感動的でこちらもウルウルとしてしまった。エンジェルへの愛がますます深まった米倉さんのコリンズ、今後も楽しみです。

 

ジョアンヌ役のShihoさんは圧倒的な歌唱力で魅了してくれます!彼女、本当に歌が上手い!「シーズンズオブラブ」のソロの部分なんか彼女の歌で心が震えますよ。モーリーンと言い争いをするときのナンバーもとても面白くてよかったです。

 

モーリーンのキタキマユさん。彼女の見せ場は「Over The Moon」ですが、なんとなく弱いかなぁ。個性があまり出ていないような(汗)。歌唱力はあるんですけどね、そこが残念。客席に呼びかける「ムーーー」の反応もそんなこんなでイマイチでした(笑)。それにしてもナイスプロポーション!美尻でございました(笑)。

 

ベニーの白川侑二朗くん、ついこの前まで純烈というグループで”涙の銀座線”というムード歌謡を歌ってましたな(笑)。そのヴォーカルを任されているほど、彼の歌唱力は非常に高いと思います。威圧的なベニーだけどどこか孤独もあって…そんなサジ加減もすごくよかった。

ピンポイントで出てくるのが勿体ない安崎求さんをはじめ、そのほかも実力派が揃ってます。若さが溢れていて勢いのあるいい舞台でした。

10月は「RETNT」関連のイベントが盛りだくさんのようです。が、私はそれのどのイベントにも参加できず(苦笑)。ちょっと残念な気分。11月にも何かないかな…。まぁ、自分の観劇する日には当たらないだろうけど(汗)。