ミュージカル『RENT』12.11.29ソワレ

本来ならばこの日がラスト「RENT」の予定でした。私が思うところの今公演ベストキャストだったので。思いもかけず通うことになった今季RENTもついに残すところあと1回となりました。

 

たぶんこの日も満員御礼札出てたんじゃないのかな。多少は空席も見えたようですが、チケットは全部売れていたという話も聞きましたし。客席の熱気も前日と同様とても熱かったです!RENTってナンバーがロックな感じなので盛り上がりやすいんですよね。

 

で、この日は始まる前からちょっとしたトラブルが。

ミュージシャンの皆さんも配置について、あとは中村ロジャーが出てきて賀来マークと仲間たちが後から出てくる…って段階のみという空気になっていたのですが、なかなか倫也くんが出てこない(汗)。
あれよあれよという間に2階部分のミュージシャンコーナーがバタバタしだして。一度は位置についていた皆さんが席を離れたので何かあったんだろうなと思いました。

しばらくすると場内アナウンスがあったんですが、どうやら機材の調整が上手くいかなかったらしい。スタッフさんたちが必死になって懐中電灯照らしてチェックしてました。
そして何の前触れもなく、中村ロジャーが出てきて物語スタートw。だいたい15分弱くらい遅れて無事に舞台始まりました。
このまま機材故障で上演中止になったらどうしようかと思いましたが(汗)無事に始まってよかったです。

カーテンコールも盛り上がりました!2回目くらいの時にはスタンディングになって、上木さんを中心に牛のエルシーポーズで「むぅぅぅぅ!!」って叫んでたり(笑)。なんかすごい熱い一体感があって本当に最後まで素晴らしいRENTでしたっ。

 

主なキャスト

マーク:賀来賢人、ロジャー:中村倫也、ミミ:jennifer、エンジェル:田中ロウマ、モーリーン:上木彩矢、コリンズ:TAKE(Skoop on somebody)、ジョアンヌ:西国原礼子、ベニー:Spi、アンサンブル:海宝直人 ほか

 

 

以下、ネタバレ含んだ感想です。

 

楽も近く、東京でのそれぞれのコンビも見納めになりつつあるということもあり、とても熱のこもった良い舞台でした。これだけリピートして観るとそれぞれの役者さんへの愛着も深まりますしね。

舞台が始まる前からトラブルが発生したこの日の公演でしたが、いくつかのハプニングも発生しまして。どうも私が観劇する日はそういう時に当たることが多いなw。

 

まずは1幕、ロジャーがミミのろうそくに火をつけるシーン…中村くん2回目の時にうまくろうそくに火をつけることができなくてミミに消される前に何とか再チャレンジでつけてましたw。いつもあのシーンは「よく上手いことろうそくに火をつけられるな」と感心して見てたんですけど、失敗バージョンは初めて見ました。

 

2幕でモーリーンとジョアンヌが大喧嘩する前のシーン。モーリーンが自分独自のパフォーマンスをしたいとゴネるわけですが、ジョアンヌは自分の考えたお堅い文章を言わせようとしてます。

で、ジョアンヌが「サイバーアーツとスポンサーアーツは云々」って言い始めなければいけないところをなぜかそのあとの「クリスマスイブに鎮火することを願っております」ってところから始めようとしちゃって(笑)。「クリスマスイブ…」って言っちゃった後に言いなおすこともできず撃沈するレイチェルさんww。「この文章のどこが言いにくいのよっ」って文句のセリフも出てこずに一人自己嫌悪に沈んでてwww。すると上木モーリーンが「へへーん、噛んでやんのっ」とツッコミ入れたものだからリピーターの皆さんは大爆笑(笑)。いやはや、上木さん、ナイスアドリブって思っちゃったよ。
このセリフにジョアンヌが噛みつくみたいな形でそのあと自然に軌道修正。でもちょっとセリフ間違えた影響からか、レイチェルさんのほうが分が悪かったように見えてしまったかも(笑)。

 

中村くんのトラブルがもう一つ。

Finaleに向かう、あの冒頭の再現になる1年後のシーン。ロジャーがギターならしマークが歌いだすのですが、途中でギターの音が出てこなくなっちゃって賀来マークはアカペラで殆ど歌う羽目に(汗)。中村くんも何度かギターをジャカジャカ鳴らそうと頑張ってて、後半部分にようやくまた音が戻るって感じになりました。 シーンは違うけど中村ロジャーのギターが調子悪くなるの見るのこれで2度目だったな。

 

そしてもう一丁ハプニング。

FinaleBのミミが蘇った後の大団円。私はいつもあそこでガン泣きしてしまっているんですが(汗)最後の「No Day But Today」と歌い上げるところで誰か一人一拍置かずに飛び出してる声が聞こえてきてw。
目の前かすむくらい泣いてるので誰かは気付かなかったんですが、何やらロウマくんとTAKEさんが苦笑いしている(笑)。

カテコの時にも二人で吹き出しそうになってたりして、私は最初ロウマくんがやらかしちゃったのかな?と思ったのですが、後から聞いたところ、どうやらTAKEさんが飛び出しちゃってたみたいでロウマくんが後ろから引っ張って教えてあげてたらしいですww。TAKEさんがミスするなんて珍しい~。泣きながらも「?」って思ったんですけどw、それでも感動は変わらず。それさえも温かく思えるRENTが好きですっ!

 

マーク@賀来賢人くん

見るごとに熱が上がってきて魅力的なマークになっていると思います。笑っていながらも時折寂しそうな表情を浮かべているのが印象的。以前はこういった一面があまり感じられなかったのですごく進化したなぁと思います。誰よりも仲間のことを大切に想っているからこそ、エンジェルの死に大きな衝撃を受けてしまうんですよね。それはいずれ周りが死んでしまって自分だけ生き残ることを恐れているから…。そんなマークの孤独を感じることができるうになってきた。

 

ミミ@jenniferさん

前回公演の時には普通に「いいな」くらいにしか思わなかったんだけど、今回の公演でjenniferのミミが以下に素晴らしいかを実感!芝居が深いです!!ミミの心の奥底に潜んでいる葛藤やら孤独やらが手に取るように伝わってくるんですよね。それだけに♪Without You♪や♪Goodbye Love♪は本当に泣けます(涙)。胸をかきむしるような苦しみ、ロジャーがそばにいなければ壊れてしまうようなミミの繊細さ、薬から逃げたくて仕方ないのに止められないもどかしさ、一つ一つの感情がこれでもかってくらいに押し寄せてくる。表情もすごく良いし、本当に今回これで見納めになってしまうのが残念だなぁ。できれば楽も彼女のミミで観たかったです。

 

エンジェル@田中ロウマくん

先日観劇した時に足を負傷してしまったと聞いていたのでとても心配ではありましたが、RENTの激しいシーンから積極的に動いていて全くそれを感じさせません!まさにプロですね。本当に役者ってすごいなと。舞台の上を走り抜ける時には多少足を引きずっているのですが、それでも周囲にはあまり気づかれない程度。なんとか兵庫公演楽まで頑張ってほしいです。

 ロウマくんのエンジェルは本当に慈愛に満ちていて癒されます。あのホワッて感じの語り口調で近寄られたら、コリンズだけじゃなくてもついていきたくなってしまうw。「NO、なんて言わせない」ってセリフの言い回しも可愛くてセクシーです。TAKEコリンズ、思わず唇に手を当ててニンマリしてましたしww。とにかくコリンズに対する愛の深さはピカイチですね。ヨウスケくんとは違ったなんていうか、大人っぽい恋愛って感じかな。色んなことに達観してるみたいな人間的大きさや深さを感じます。コリンズがそんなエンジェルの愛に包まれたいっていう気持ちになったの分かるなぁ。そして仲間たちもそんなエンジェルの光を浴びていたいって思う気持ちも。

♪Contact♪は圧巻です!あのダンス。そして悩める若者たちの中心で自分の最期の力を振り絞り愛を与えぬこうとする姿・・・。本当に泣けます(涙)。静かに仲間たちの後ろへ消えていく姿に涙が止まりませんでした…。やっぱりロウマくんのエンジェルは最高だ!
そういえば、最初の頃に出てきた人形、前日もこの日も出てこなかったな。

 

モーリーン@上木彩矢さん

この日の上木モーリーンも超男前でめっちゃカッコよかったです!この方本当に土屋アンナさんにそっくりですわw。で、前日はちょっと不発気味だったライヴシーンでしたが、この日はなんだかさらにテンション上がってたみたいで見学している設定のロウマくんエンジェルが何度も思わず声に出して吹き出して笑ってましたww。そのくらい飛ばしてたんですよ。クールな中村ロジャーもちょっと笑いそうになってたしw。
で、例の「むぅぅぅ」の客席大合唱のシーンになると…やはりこの日も最初は声が上がらなかったんですが、煽り方が前日よりさらに盛り盛りでして(笑)それにつられるように客席も徐々にボルテージが上がっていき最後は劇場中が牛の鳴き声で満ち溢れておりましたww。
「Thank you」っていう上木モーリーンの言い方も超可愛いんですよね。
ジョアンヌとのカップリングについてなのですが、これに関しては両方男っぽいところがあるのでw観ていてしっくりくるのはソニンの方かなぁと思います。上木モーリーンは自由人ではあるんだけど本当にサッパリしていて「俺についてこい」みたいなイメージなので支配したがるジョアンヌとなんとなくキャラが被ってるように見えちゃうんですよね。でも単体での上木モーリーンはカッコよくて大好きでした。

 

コリンズ@TAKEさん

ラストでフライングしちゃったようですがw、全体的にはとても安定感のあるコリンズです。ロウマエンジェルとの穏やかな愛を育んでいるかのような雰囲気がすごく好き。♪I'll Cover You♪での二人のラブラブっぷりを見ているだけでも泣けるし…。大人の恋愛って雰囲気なんですよね。弱りゆくエンジェルを介抱するとき、戸惑いながらも必死に瀬奈かさすったりしている姿が本当に泣けます…。
そしてあの「終わった…」の言い方が…涙が溢れて仕方ないのを必死に抑えるような感じで(涙)。
マークの弔辞の時に「彼は」って言いかけるシーンがあるのですが、その時に柱にしがみついて泣いてたTAKEコリンズはフッとマークの方に視線を移すんですよね。で、「彼女は」って語りなおしたときにとても優しそうな笑顔を向けてた。あの表情もすごく良かったです。エンジェルの人権を尊重してくれたことが何よりうれしかったんだろうなと思って…。♪I'll Cover Youリプライズ♪は魂の歌声って感じで涙なくしては聞けません(涙)。

 

ジョアンヌ@西国原礼子さん

最初の頃よりもずいぶん歌声にパンチが効いてきててすごく良くなったと思います。私気づかなかったんですけど、レイチェルさんって…元SDN48のメンバーだったんですね!芹那が活躍してるのは知ってたけど他のメンバーがどうなったのかは知らなかったので、こんなところに元SDNだった人が!とビックリしましたw。

この日はセリフをとちってしまって♪Take me or leave me♪ではちょっとモーリーンに押し込まれ気味だったかなw。でも迫力のボイスで楽しませてもらいました。

 

ベニー@Spiくん

Spiくんも最初に観たときよりもセリフが聞き取りやすくなったし歌にも張りが出てきたと思います。グラさんかけた姿は迫力でベニーの冷酷さみたいな部分が見えて雰囲気もすごく良いし、キャラ的には合ってるなぁと。ミミとのことでロジャーを挑発するシーンなんかはベニーの嫌らしさが出ていてますますロジャーに肩入れしたくなっちゃいますねw。

 

ロジャー@中村倫也くん

この日も大いに泣かされました(涙)。中村ロジャーって自分の心の中にある感情をけっこう惜しみなく表に出してるんですよね。それでいてすごく繊細。まるでガラス細工みたいな心で今にもバラバラに壊れてしまいそうな危うさがある。なので、すごく感情移入がしやすい。中村ロジャーが苦しんでいるシーンを見るとこちらまで息苦しくなるような感覚に襲われてしまい自然に涙が溢れてしまうんですよ。ここまで見ている者の心を掴む芝居をする倫也くんって本当にすごいなと思います。

♪RENT♪の時のあの攻撃的な目がとても印象的。大きな獣に睨まれながらも反抗してる小動物みたいな雰囲気w。眼光鋭いんだけどその瞳の奥には怯えた感情も入ってて…みたいな。あれに毎回ゾクッとさせられます。

そして♪One song glory♪…命の火が消える前に何とか歌を作りたいという焦りの気持ちが痛いほど伝わってきて泣けます…。このナンバーで涙が溢れたの、倫也くんが初めて。扉をたたく音に「なんだよっ」って苛立つセリフもすごく真に迫っている。

♪Another Day♪は中村ロジャーを見ているだけで号泣ですよ(涙)。ミミの必死の説得に心が嫌というほど揺さぶられているんだけど、必死になってその感情を振り払おうとしてる。壊れそうで泣きそうになってるあの表情見たら…もうたまらず涙が止まらなくなって大変なことに…。観てるこっちも泣きたくなる表情してる。

そのあと♪Will I♪のナンバーが満ち溢れ、外へと出ていくロジャー。そこに至るまでの過程も実に繊細に演じていると思います。
ミミを食事に誘ったはいいけれどもなかなか彼女の顔をまともに見れないロジャー。そんな時に彼女もエイズだと知り急速に心につかえていた重しのようなものが外れる。そしてミミの愛に飛び込んでいくロジャー。ここのシーンも唐突感がなく自然体に見えます。この日もかなり熱いキスを交わしてました(全然小さくないよ、と突っ込んだのはここだけの話ww)

2幕はベニーが現れる前までは本当にミミとラブラブのロジャー。すごくリラックスした表情で可愛いんだよなぁ中村ロジャー。で、ベニーの挑発に見事に乗せられてつい「関係ない、俺の女じゃない」って言ってしまう。いつもはここのシーンで舞台の端の方まで走っていたのですが、この日は中央付近で止まってたな。そこから二人の関係は徐々に崩れていって…でもやっぱりミミがいない生活はロジャーには耐えられない。

♪Without You♪でエンジェルが寝ていたベッドに横になった時の中村ロジャーの壊れそうな胸が張り裂けそうになるようなあの表情見てたら涙が止まらなかったよ(涙)。まるで親に捨てられた子供のようだった…。
そしてさらに泣けるのが、ミミが弱っていく姿を見たくないと旅に出る決意をするシーン。彼女への想いが強すぎて、ベニーに嫉妬している自分も苦しいしさらには弱っていく彼女を目の当たりにできるほど心の余裕がない。苦しくて苦しくて逃げ出したくなるロジャーの気持ちが痛いほど伝わる。マークから目を逸らして「もう耐えられない」って泣くシーンは涙なくして見られません(涙)。ミミと鉢合わせしてしまった後も怯えるように立ち去ってしまうし…ホント泣けるよ…。

旅に出た後、ミミの声が聞こえると歌う♪What you own♪も素晴らしい。最初の時の様に攻撃的な目はしているんだけど、そこには怯えた感情は入ってなくてなんだか吹っ切れたような感じ。大切なものが何か気づいたという開眼したような表情してます。そして弱り切ったミミを目の当たりにして…泣きそうになりながらも必死に彼女を励まし続ける姿に号泣(涙)。一度事切れた彼女をボロボロ泣きながらギューっと抱きしめるあの表情にまたさらに号泣(涙)。

それだけに、蘇った時のビックリしながらも必死に彼女の様子を見入ってる中村ロジャーの姿は感動的で可愛くて愛しい。

もう本当に、中村くんのロジャーは見どころだらけですっっ!!!

そんな倫也くんのロジャーを見れるのもついにあと1回。心して見守りたいと思います。

 

※千穐楽行く予定でしたが、やんごとなき理由によりこれが最後となりました…。

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