『宝塚BOYS』-team SEA- 18.08.08マチネ感想

久しぶりに再演されたストレートプレイ『宝塚BOYS』team SEA バージョンを観に東京遠征してきました。

大阪公演もあるのでそちらも行く予定にしているのですが、今回は東京だけに出演するteamSEAメンバーでのボーイズが観たくて東京まで飛んできてしまいました(笑)。

芸術劇場のプレイハウスロビーは相変わらず綺麗なお花がたくさん並んでいて華やか。

石井くんには「科捜研の女」チームからと、個別に土門さん役の内藤さんからもお花が届いていたのがなんだか嬉しくてほっこりしました。新シリーズが10月から放送されるそうなのでそちらも楽しみです。

他にも人気の舞台役者さんたちが多く出演しているからか個性的なお花が多くて色々写真撮ってしまったw。

特に藤岡くんへのお花はたくさんのひまわりや黄色い花で統一されていてかなり目を惹きました。

物販コーナーも人気で…今回は何と各キャストのブロマイド写真が発売されていました。最初はプログラムだけ購入する予定だったのに…


team SEAのこちらの3キャスト分をお買上げ。特にこの3人が観たくて遠征したこともあるのでね。大判でなかなか本格的。カッコええ😍!

以下の感想はネタバレを含んでいます。ご注意ください。

 

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2018.08.08マチネ公演 in 東京芸術劇場 プレイハウス(池袋)

キャスト(team SEA)

  • 上原金蔵:良知真次
  • 竹内重雄:上山竜治
  • 星野丈治:東山義久
  • 太田川剛:藤岡正明
  • 山田浩二:石井一彰
  • 長谷川好弥:木内健人
  • 竹田幹夫:百名ヒロキ
  • 君原良枝:愛華みれ
  • 池田和也:山西惇

 

あらすじと概要

初演は2007年のル・テアトル銀座公演で、今回のteam SEAが第5期メンバーになります。

私は初演の第1期メンバーから2010年の第3期メンバーまでを観ていますが、第4期メンバーの時だけどういう訳か行かれなかったんですよね(たぶん引越しのバタバタと重なってたのかも 汗)

なので、BOYSとはなんと8年ぶりの再会ということに😳!あれからもうそんなに時が経ってしまったのか…。

参考 最後に見た時の感想はこちら↓

『宝塚BOYS』 10.08.31マチネ感想
ストレートプレイ『宝塚BOYS』舞台感想。2010年8月31日公演。シアタークリエにて上演。出演は、浦井健治、藤岡正明、東山義久、瀧山瑛次、黄川田将也、杉浦太陽、石井一彰、山路和弘、初風諄

本当に大好きな作品なので、できれば短いスパンで上演してほしいところなのですが、今公演が終わった後もまた5-6年空く予定なのだそうです。
それでも、今後もずっと上演を続けてほしい名作中の名作だと思ってます。いつまでも残したいと思える素敵な作品なので、ぜひとも多くの人に観劇してほしい。

 

簡単なあらすじは以下の通りです。

昭和20年秋・・・第二次世界大戦が終わったばかりの激動の時代。

幼い頃から宝塚の舞台に憧れていた若者・上原金蔵。彼は一枚の召集令状で青春を失い、今度は自らの書いた一枚の手紙で、人生を変えようとしていた。

手紙の宛先は宝塚歌劇団創始者・小林一三。

内容は宝塚歌劇団への男性登用を訴えるものだった。
折よく小林一三も、いずれは男子も含めた本格的な“国民劇”を、と考えていたのだ。

そうして集まったメンバーは、上原をはじめ、電気屋の竹内重雄、宝塚のオーケストラメンバーだった太田川剛、旅芸人の息子・長谷川好弥、闇市の愚連隊だった山田浩二、現役のダンサー・星野丈治、と個性豊かな面々だった。

宝塚歌劇男子部第一期生として集められた彼らではあるが、劇団内、観客などの大半が男子部に反対。
前途多難が予想される彼らの担当者として歌劇団から、池田和也が派遣されていた。

池田は彼らに厳しく言い放つ。

「”清く正しく美しく”の歌劇団内では、生徒といっさい口をきいてはならない。」

「訓練期間は2年。その間、実力を認められるものは2年を待たずに仕事を与える。」

男子部のメンバーはいつか大劇場の舞台に立てることを信じ、声楽・バレエ・・・と慣れないレッスン明け暮れる日々が始まった。

彼らは歌う、「モン・パリ」「おお宝塚」「すみれの花咲く頃」・・・・・・。

瞬く間に一年が過ぎ去り、待ちに待った出演依頼が。
しかしそれは・・・馬の足。
男子部の存在を否定するかのような事件も起こり、彼らの心中は激しく揺れ動く。
そんな中、新人・竹田幹夫が入って来る。

​月日は流れて行く。

やり切れない想いをかかえながらも、相変わらず日々のレッスンに励む男子部の面々。
しかし、彼らの出番は相変わらずの馬の足と陰コーラス。プログラムに名前すら載らない。
それどころか、男子部反対の声はますます高まり、孤立無援の状況。

そんな彼らをいつも温かく見守ってくれるのは、寮でまかないの世話をしてくれる君原佳枝だけだ。

そんなある日、とうとう宝塚男女合同公演の計画が持ち上がった。
喜びにわく彼らだったが・・・・・・。

公式HPより引用

 

激しい戦火を潜り抜け生き残った彼らが、女の園であった宝塚へ入団し悩み苦しみながらも仲間との絆を深めながら青春の時を刻んでいくストーリー。
宝塚に男子部があったというのはフィクションではなく本当にあった出来事です。戦後間もない時期から約9年間、彼らは様々な弊害にぶつかりながらも必死に前を向こうとしていました。

原作は辻則彦さんの『男たちの宝塚』になります(今はもう販売してないのかも)

ちなみに私はマンガを持ってます。こちらももう売ってないかな?図書館などで探せばあるかも。

このストーリーの何が一番心に響くかというと、メンバーみんなが戦争に翻弄された過去を持っているということです。一人一人個性があってドタバタ喜劇的なシーンもたくさんあるんだけど、そのすべての出来事が彼らにとってはかけがえのない大切な時間なんだって思ってこの舞台を見ると、本当に泣けて泣けて仕方なくなるんです…😢。
始めはバラバラだったメンバーの気持ちが、時が経つにつれて同じ目標を見据えた大切な仲間へと移り変わっていくドラマも実に繊細に描かれていて感動的。

戦地で散っていった仲間への想い、心を失った家族への想い、未だ帰らぬ親への想い・・・

笑顔の裏に秘めた彼らの気持ちに自分の心がリンクした時、どうしようもなく涙があふれてくる・・・そんな作品だと思います。

現在当時の宝塚に在籍していた男子メンバーでお元気なのは確認できるだけで3人いらっしゃるそうです。私が観に行った8年前にいらっしゃったメンバーの方も数人お亡くなりになったと知り、寂しい気持ちになってしまった😢。
どうかこの『宝塚BOYS』が、今ご存命の皆様の元気の源になりますように・・・。

参考 過去の『宝塚BOYS』観劇感想↓

宝塚BOYS
「宝塚BOYS」の記事一覧です。

 

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全体感想

8年ぶりの『宝塚BOYS』観劇になったわけですが、実はその時の第3期メンバーの記憶がほとんど残っていない(汗)。この第3期からメンバーが総入れ替えになったこともあって、1期と2期への思い入れがものすごく強かったことから実はちょっと物足りなく思ってしまった部分も正直あったんですよね。
1期と2期はほぼ同じメンバーで上演され、さらには昭和の香りのする年代のキャストも多かったのでそちらのほうが記憶に濃かった。今回久しぶりに観て過った過去のメンバーは1期と2期のキャストの人ばかりだったりしました😅。第3期で覚えてたのは、藤岡くんと石井くんが出演してたなぁ…くらい(すみません!)。若いメンバーでのBOYSに当時の昭和を感じることができず馴染めなかったというのが正直あった。

そんなこともあったりで、実は今回の第5期メンバー(SEA)を観る前はちょっと不安もあったんですよね。年代的には第3期と重なるものもあったので…またあの時のようにちょっと物足りなく思えたらどうしよう、みたいな。

でも、蓋を開けてみたら・・・号泣に次ぐ号泣で😭😭。素晴らしかったです、SEAの皆さん!!3期の記憶がほぼ薄まってた藤岡くんや石井くんも、今回はくっきりと記憶に刻まれる熱演でございました。戦後昭和の空気、ちゃんと伝わってきたよ!!

舞台の演出、セットは基本的に前回観た時と同じ。「馬」も健在で…なんか私までタイムスリップした気持ちになっちゃって本当に嬉しかった。同じ演目でも年月が経つとセットや演出が変わる舞台が多いのですが、この作品だけは変わらず初期の空気感のままそこに居続けてくれる。こういう作品もあって良いと思います。
特にBOYSたちの宿舎のセットが同じものだったのが嬉しくて、あ~~、再会できたよ~~!と…なんかそれだけでウルウルきてしまった

ちなみに宝塚の女子生徒たちは出てきません。時々聞こえてくる賑やかな声と歌声が音声だけで流れてくる演出。
なので、観ている方も宝塚男子部と同じような気持ちになってくるんですよね。高嶺の花というか、憧れても届かない存在というか…。それ故によけいに感情移入して彼らを応援したくなってしまう。このあたりの創り方も実に絶妙だなぁと改めて感心しました。

あと、この舞台は基本的にはストプレですが、男子部メンバーが苦境に立たされるシーンでは自らを元気づけようとする意味で宝塚の有名な歌が何度も登場してきます。その歌が彼らの折れそうな心を何度も救うし、離れそうになる絆も繋ぎとめたりする。
この「歌」の存在がとにかく大きい。戦争で傷ついた心から必死に立ち上がって前を向こうとしているBOYSたちの姿があまりにもイジらしくて愛しくて・・・思い出すだけで涙ぐんでしまいます😢。

きっと、当時の実在の男子部の皆さんもこうして頑張ってきたんだろうなぁと思いを馳せながら改めて感情移入していました。
こういう、観客の心をさりげなくグッと掴んでいく鈴木裕美さんの演出が本当に素晴らしい。ほとんど初演の頃と変わっていない演出なのに確実にしっかりと観る人の心を鷲掴みしてくる。

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特に泣けたシーンを幾つか。

まずは冒頭です。
「宝塚に男子部を」と小林一三に直訴の手紙を書いたのは上原ですが、彼がなぜその手紙を書くに至ったかというのが最初の短いシーンの中にすべて含まれているんです。
人間魚雷と呼ばれた海の特攻隊「回天」に所属していた上原は、生と死が隣り合わせな極限状態にあった時に終戦を迎え心に大きな傷を負う。そんな彼の耳に入ってきたのが宝塚歌劇団の歌声だったわけです。

その音楽が、上原の心にどれだけ大きな救いとなって響いていたかというのが冒頭のシーンの中に凝縮して詰まっているんですよね。もともと宝塚に興味があったならばなおさら、新しく生まれ変わるためのステージとしてその世界に飛び込みたいという衝動に駆られた気持ちがものすごく伝わってきて…気が付いたら落涙してました、わたし😢。

上原に続いてやってくるメンバーたちもみんなとても個性的。キャラがそれぞれはっきりしているので見ている方は知らず知らずのうちに彼らに感情移入してしまう。屈託ない笑顔を振りまく者や、硬派な雰囲気の者、オチャラケがちなムードメーカーに、真面目で礼儀正しい者・・・彼らのワチャワチャした感じが実に可愛らしくてなんだか愛しいのです。

そして特別枠として入ってくるクールキャラの星野。彼だけはショービジネスの経験者であるが故に、レベルが全く追いつかない他のメンバーを最初は見下してる。いつでも辞めてやる体制を取ってるのに、なぜかいつの間にか彼らの輪に馴染んでいっちゃうところがまた愛しいんだよなぁ。今でいうところのツンデレキャラ
星野が彼らに馴染んでいく過程も個人的にはすごく好きな場面だったりします。

恋文事件は『宝塚BOYS』の中でも印象的なシーンです。
男子部は団員と接することを一切禁止されていましたが、そんな中で男子部から届いたという恋文が出てきてしまって大騒ぎ。約束を破ったら舞台に立つチャンス(結局は馬の脚役なんですが)すら消されてしまうため、それぞれが疑心暗鬼になって犯人捜しをするのですが一向に誰も手を上げない。

その顛末が、実は宝塚歌劇の団員女子による嫌がらせだったと判明するわけですが…、その事実に「自分たちは受け入れられる存在ではないんだ」と肩を落としてしまう男子メンバーがあまりにも不憫すぎて泣けるんですよね😭。
さらに、一度は彼らを疑ってしまった担当の池田が信じてやれなかったことを悔いて謝りに来たときに一緒に想いを共にするのも泣けるんです…。この事件で、心が皆一つになったんじゃないのかなと思えるような重要な場面だったと思います。

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そしてこの流れの中でもう一つ泣けるのが、山田の告白…。彼はこれまで自分の経歴を偽って虚勢を張ってきましたが、闇市で出会った竹田が新規加入してきたことで全てを語らなければならなくなる。
最初は笑いながら聞いてたんだけど、真相が最後に明らかになるときには皆言葉を失ってしまう。あの話は涙なくしては聞けない…😭😭。そして竹田は復員してこない父親への不安にさいなまれるわけで…、この一連の場面はタオルハンカチがないと乗り切れないほど涙があふれて仕方なかったです😭😭。

訓練期間を過ぎて年月が経っても舞台にまともに立てるチャンスが無い中で、ついに本格的な話が来たとき彼らは大はしゃぎで稽古に挑む。舞台に立って芝居をして歌うということは、彼らにとって戦争の傷跡から前を向くための唯一の希望の光だったわけですから、子供のように目を輝かせて稽古をする姿は胸打たれるものがあります。

その稽古に付き合う君原さんの存在もここで一気に大きくなる。これまでは落ち込んだ男子部メンバーを陰で優しく励まし続けてきましたが、その裏には君原の過去の経験も関わっていたことが明らかになるんですよね。この作品の中で、『宝塚の生き字引』である君原さんの存在は欠かせません。彼女がいたからBOYSたちは挫けそうになっても何度も立ちあがれているのでね…。

だけど、その稽古場にはあるメンバーがいなくて…。彼を想いながら皆で稽古するシーンはまた涙涙だった😭。

そこまで持ち上げられながらも結局具体化できないことが判明して…そこから突き落とされた男子部メンバーの絶望感がもう、あまりにも残酷で涙なしには見られない。
っていうか、この先またさらに悲しい出来事もあったりで・・・持って行ったタオルハンカチが絞れるくらいになるまで涙止まりませんでした😭😭。

クライマックスに華やかな『宝塚』再現シーンがあるんですけど、今回も私はやっぱり涙をぬぐい拭いになってまともに手拍子出来なかったな…。それくらい、彼らに対する思い入れがものすごく深かった。

泣けるシーンばっかりを挙げてきましたが、笑えるシーンも実はたくさんあります。宝塚の芸名を考える場面とかは可愛すぎて笑っちゃいますww。あれ、実際に演じてる役者さんたちが考えてるんですよね。藤岡くん演じる太田川の「一番星金太郎」が一番インパクトあって可愛くて萌えた😊。

あと、山田と竹田による「馬の足」レッスンシーンも面白いです。あれ、中に入ってやるの相当大変だと思うんですけどね。だけど、馬の動きがやけにリアルで可愛くてww二人ともめっちゃ頑張ったなぁとホッコリしちゃいました。
そのための厳しいレッスンしてるのが、初代「馬」担当の長谷川っていうのも笑えるんですよねw。

だけど、笑えるシーンも含めて本当に一人一人がものすごく愛しくて仕方ないんです。心に大きな傷を負っていながらも、亡くなった人のためにも前を向いて生きようと必死に奮闘するからこそのものなのでね…。
今回はすべてのメンバーにどっぷりと感情移入して観ることができました。

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キャスト別感想

良知真次くん(上原金蔵)

良知くんは見た目がとても華やかなので、最初は「戦争から帰ってきた男」の雰囲気を感じられるか少し心配していたのですが・・・それは全くの杞憂に終わりました。全身全霊で上原の想いを真っ直ぐに熱く表現する良知くんの姿に何度も胸打たれました。
どちらかというとこれまではクール系キャラで観ることが多かったのですが、こんなにも愚直に真っ直ぐなキャラでもハマるんだなぁと新たな発見。不器用でリーダーに指名されてもオロオロしてしまったりと、すごく人間味あふれる上原だったなぁ。どんなことにも一生懸命に向き合って仲間と接してきたからこそあの絆が生まれたんだっていう説得力がすごく感じられました。

藤岡正明くん(太田川剛)

8年前に見た時は竹内役だった藤岡くんですが…その頃の記憶がほとんど残ってない(汗)。今度DVDで確認してみようって思ってしまうほど😅。ごめん!藤岡くん!
だけど、今回の太田川はものすごいキャラが立っていてめちゃめちゃ愛しかったですよ!ムードメーカーとしての立ち位置もハッキリしてたし、なんとか自己主張を前面に出したくて必死になってる姿も面白いんだけどイジらしくて何度も感情移入してしまいました。特にクライマックスシーンでの涙はもう見ているこちらもボロボロになるほど😭。

この公演の少し前に「TENTH」の舞台に出ていた藤岡くんでしたが、その時にちょっと声の調子が…みたいに思ったんですよね。その理由がこの舞台観て納得。この舞台稽古の最中よくRENT歌ってくれたよ!と思っちゃいましたよ。

『TEHTH』兵庫公演 18.08.01
シアタークリエ開館10周年記念公演『TENTH』兵庫公演の感想。兵庫芸術文化センター阪急中ホールにて2018年08月01日マチネ公演を観劇。主なキャストは、石丸幹二、畠中洋、マルシア、樹里咲穂、初風諄、伊礼彼方、村井良大、jenifer、藤岡正明

上山竜治くん(竹内重雄)

竹内は1期と2期では主人公だったのですが、どちらかというとあまり前に出ないキャラで存在感を出すのが難しいなと思っていたんです。が、上山くんは実にハキハキと生真面目で真っ直ぐな竹内を演じてくれてとても印象に残りました。特に歌うシーンになると率先して大きな声を出してみんなを鼓舞しようとしているところがものすごく良かった!
竹内は後半のクライマックスで今まで仕舞い込んできた想いをがーっと吐き出す場面があるんですけど、上山くんの芝居が本当に熱がこもってて涙なくしては見れませんでした😭。

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木内健人くん(長谷川好弥)

木内くんはたぶん初めて見る役者さんだと思うんですが、旅役者経験者である長谷川を時にコミカルに、時に切なく表現してくれてめちゃめちゃ印象に残りました。特に旅芸人を再現するシーンなんかはかなりリアリティがあって、思わず心の中で「上手い!」って叫んでしまったほど。
皆を明るく引っ張っていく存在感が光っていたのもよかった。その裏に秘めた辛い思い出から何とか這い上がろうとする気持ちが見え隠れしてて何度もグッときました。

百名ヒロキくん(竹田幹夫)

百名くんは今年初めのミュージカル『マタ・ハリ』でキャスティングされていましたが、大阪公演は出演がなかったので今回が初めてになります。最後に入団してくる一番年下の竹田をチャーミングに熱演。弟っぽさがそこかしこに滲み出てて、あぁ、これなら宝塚女子が惹かれちゃったのわかるなぁと。それに悔しがる長谷川とのシーンはかなり面白かった😁。兄貴分の山田との信頼関係も熱く、何度もホッコリさせられました。
そんな竹田が、後半に哀しい出来事と直面して泣き崩れる場面は涙なくしては見られません😭。あの泣きの芝居は本当に迫真で私も号泣でした…。

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石井一彰くん(山田浩二)

石井くんも8年前に「竹田」で観ているのですが・・・藤岡くんと同じくこちらもほとんど記憶に残っておらず(汗)。石井くんだったらこの中では竹内キャラかなぁなんて思ったりしていたのですが、その予想を斜め上に行った山田役でビックリしました。
もう、ほんと、大熱演で!!特に山田は顔芸がけっこう出てくるんですけどww、顔真っ赤にしながら怒鳴ったりしてて可愛いったらありゃしなかったよ😁。さらにダンスの時の動きの硬さもめっちゃ面白かった(笑)。石井くんがこんなコミカルな動きの芝居を魅せられるとは、なんか新しい発見で嬉しかった。
硬派なんだけど、実はとても心が優しくて人の陰口などが大嫌いな山田。「俺の拳の届かないところで言え!」と諌めるシーンが何度かあるんですが、その台詞の中に彼の真実の一面がしっかりと感じられて胸打たれました。石井くんが本来持ってる優しさみたいな部分が山田のキャラに反映されてるなと思える場面がたくさんあって、配役されたのを納得。後半に行くにしたがって何度も泣かされました😭。

石井くんのBOYS目当てっていう名目が大きかった今回の観劇だけど、本当に出会えてよかったなと思います。

東山義久くん(星野丈治)

東山くんも8年前に同じ役で観ているのですが、1期と2期の吉野圭吾さんのイメージが強すぎてしまってやはりあまり記憶に残らなかったんですよね。
ところが、今回はあの時のことが嘘のように星野がBOYSの中でひときわ輝いて見えました!!何といっても、あのツンデレな芝居がめちゃめちゃ最高😂😂。最初の方は本当に他のメンバーを見下していたのに、共に苦しい時を過ごすにしたがって彼らと感情を重ねていくんですよね。そのジワジワと浸食されていく過程がとても繊細ですごく良かった。それ故に、2幕で脚本が上がってきた時仲間たちの輪に加わって一緒に笑ってる姿を見た時は思わず涙がこぼれてしまったほどでした。
最後にもう限界だと劇団を去ろうとした星野ですが、ある仲間のことが気になって結局は同じ時を過ごす。彼の中で、それほど仲間たちの存在が大きくなっていたんだと思うと本当に泣けて仕方なかったです。

ダンスの動きはさすがとしか言いようがないです!8年前に見た時よりも確実に存在感が増してた!!今なら全然吉野さんに引けを取らない星野役だと思います。

愛華みれさん(君原佳枝)

これまで君原を演じてきた初風さんが本当に母性の塊のような…聖母のような存在だったので、その印象が強烈に残っていたこともあり少し物足りなさも覚えたのですが、それでも、男子部の心を陰からずっと支える懐の大きさと優しさには何度も涙が溢れました。

一度大病されたときは心配しましたが、こうして元気に舞台に立たれている愛華さんを観ると本当に嬉しく思います。今後の再演での更なる進化も見てみたいです。

山西惇さん(池田和也)

池田役も、これまでずっと見てきた山路和弘さんの印象がものすごく強烈だったので、最初は少し薄いかなぁという印象もあったのですが、物語が進んでいくにつれて男子部のメンバーたちと想いを重ねていく姿はとても印象的で素敵でした。
山路さんはツンデレ的な印象が強かったですが、山西さんはツンデレ度はけっこう弱くて・・・どちらかというと最初から男子部メンバーたちと視線を同じくして共に戦う戦友みたいな雰囲気を出していたように感じました。それゆえに、クライマックスで男子部メンバーたちと涙の合唱をする場面の山西さん演じる池田には号泣させられました😭。

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後述

ものすごく久し振りの『宝塚BOYS』観劇となりましたが、作品の持つ力強さはあの頃とちっとも変ってなくて本当に感激しました😭。SEAメンバーたちの結束力もストレートに伝わってきたし、すごくいいものを観させてもらったなぁと。
この観劇日の時はちょうど台風が迫りくる環境だったのですが(それを予感して前乗りしてて正解でした 汗)、SEAメンバーの熱演が見れて本当によかったです。

泣かせる舞台、としての位置づけではない作品だと思うんですが・・・私はどうしても心が震えて仕方ない。タオルハンカチ持参で思わず嗚咽してしまう数少ない作品の一つです。ぜひとも今後も上演を続けてほしい。

次は大阪でteam SKYメンバーのBOYSを観劇予定です。

今公演の終演後には楽しいトークショーがありました。そのおかげで、涙でかなり崩れまくった顔のまま帰らずに済みましたww。そちらのレポは次の記事にて。

『宝塚BOYS』-team SEA- 18.08.08 アフタートークショー
『宝塚BOYS』team SEA 東京芸術劇場 プレイハウスにて上演。2018年8月8日マチネ公演後に行われたアフタートークショーのレポートです。出演は良知真次くん、藤岡正明くん、上山竜治くん、木内健人くん、百名ヒロキくん、石井一彰くん、東山義久くん。
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