『僕だってヒーローになりたかった』兵庫公演 大千穐楽

放送作家の鈴木おさむさんが6年ぶりに田中圭君とタッグを組んだ舞台『僕だってヒーローになりたかった』を観に西宮まで行ってきました。

最初に田中くんと鈴木さんが一緒にやった舞台「芸人交換日記」がかなり好評だったことを受けての今回の企画だそうです。あの舞台、私は観に行けなかったのですが・・・行った人の話によるとかなり良かったとの事だったんですよね。チケット取ればよかったなと後悔した思い出があります😣。

今回なぜチケットを取ったかというと、昨年舞台『花より男子』を観てファンになった松下優也くんが出ているからということで😜。あの作品がきっかけで朝ドラデビューしたんだよね、優也くん。色々思い出深い・・・。
あまり大々的に舞台PRしていなかった印象があるんですが(私が地方住まいということもあるかもですけど😅)、人気キャストが揃っているというだけあってチケットが取りづらかったようです。当日券も早い段階で完売になっていました。

で、実をいうと・・・遠征当日まで私が観る日が大千穐楽(全ての公演の最終日)だとは知らなかったんですよね(汗)。ちょうど都合のいい日程がこの日だったので「取れてラッキー」みたいに軽く思っていたのですがw、実は一番取りにくいと思われた公演だったと知ってビビりました😱。
大千穐楽公演に行くことはここ最近ぱったり無くなってしまったので(遠征だと特に)、久し振りに気持ちが引き締まりました。最初で最後が大千穐楽っていうのはなんだかちょっと申し訳なさみたいな感覚もあるのですが😅、良い時間を過ごすことができてよかったです。

物販はパンフレット、手提げ袋、クリアファイルくらいだったかな。パンフは必ず買ってるのですが、クリアファイルもほしいところ。と思ったら、劇場入ったらすでに完売してました💦。なかなかカッコいい圭くんの写真だったので手に入らず残念でした・・・。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

 

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2017.07.27マチネ 大千穐楽
in 兵庫芸術文化センター 中ホール(西宮)

主なキャスト

  • 小中正義:田中圭
  • 小中真子:真野恵里菜
  • 坂田龍馬:松下優也(X4)
  • 甲本長官:手塚とおる

圭くん以外は前半違う役柄も担当していました。
基本的に4人劇でしたが、アンサンブルさんたちが良いスパイスで登場していたのも面白かったです。

全体感想

上演は休憩なしの1時間50分。内容をほぼ何もチェックせずに見に行ったのですが、どこでもありそうな日常から非日常へと移っていくまでのドラマが非常にテンポよく進んでいて見応えのある作品だったと思います。笑って、笑って、笑って、不安になって、胸が痛くなって、最後に涙・・・感情の移り変わりはこんな感じでしょうか。

簡単なあらすじです。

小中正義は千葉県の田舎育ちながらも、持ち前の運動神経とルックスの良さで学校では人気者。サッカー部に入部してキーパーのポジションで大いに活躍し注目を浴びる毎日に満足していた。ところがある日入ってきた後輩・大山が自分よりも活躍してしまい、人気の座も奪われ初めての挫折を味わう正義。
激しい嫉妬心を抱いたまま猛烈に勉強し、名門大学に入学した後ベンチャー企業を立ち上げる。ところが、カリスマ社長ともてはやされ調子に乗った正義は傲慢な態度を取るようになり徐々に人が離れていく。優秀な秘書だった真子も正義のワンマンっぷりに辟易し彼の元を去った一人だった。そしてすべてを失った正義は真子がバイトをする定食屋で初めて自分の愚かさを痛感し、彼女に自分の人間教育を依頼することに。
二人三脚で会社を立て直していく過程でやがて二人の間に愛情が芽生え結婚。しかしその矢先にかつて行っていた不正が明るみになり再びどん底へ落ちてしまう正義。そんな彼の前に、「オリンピック後の日本に刺激を与えるための悪役を引き受けないか」甲本官房長官が近づいてくる。人生後がない正義はその役割を引き受け計画通り街を破壊するテロリスト(誰も傷つけないことが大前提)として活動していくことに。正義の悪役っぷりは瞬く間に日本中の話題となるが、そんな時彼の前に、かつてキーパーの座を奪った大山にそっくりな龍馬という男が現れる。正義は悪役、龍馬はヒーローとして筋書き通りのライバル関係で世間を騒がせていく日々が続いたが、事態は思わぬ方向へと舵を切ろうとしていた・・・。

最初のうちはどこかにありそうな正義の栄光と転落のエピソードで、どちらかというと笑いが多めな展開でした。アゲアゲで来てたのにテングになりすぎて転落っていうストーリーもありがちなんですが(笑)、ここはプロローグ的エピソードなのでかなりのスピードで一気に描かれていて演じる役者さん(特に田中くん)は相当のエネルギーを使ってましたね😲。
で、転落したあとに定食屋で真子と再会した時のエピソードが・・・なんかすごくキュンとくるものがあってめちゃめちゃ萌えました☺。なんだこの、少女マンガで私がドンピシャ来そうな展開は!!と見ながら心の中で悶えてた私www。二人が結ばれるまでのエピソードもどちらかというとプロローグ的な部分なので早かったんですけど、個人的にここがものすごく濃く感じられて好きなシーンでしたね。

で、明るい展開から徐々に怪しい展開へ。ここで本格的に出てきた手塚さん演じる甲本官房長官がやたらグレーなオーラを放っててとにかく怪しい(笑)。しかも、オリンピックが終わってロス状態になった日本に刺激を与えるため「悪役」として様々な有名カ所を爆破させてほしいっていう依頼をしてくるっていう設定が・・・すごい飛躍した展開だったなと😅。ここから一気にありそうな世界からあり得なさそうな世界に急展開ですからね。ちょっとビックリしましたw。
だけど、こういうあり得なさそうな世界が突然降って湧いてきても惹きこまれてしまうのが舞台のいいところだなと。それに登場人物たちの会話劇がテンポ良くてとにかく面白い。それに見ているうちに何だか「ありえないだろう」と思った展開が「ひょっとして将来こういう展開が来ることもあるかも」と思わされていくっていうのがすごいなと思いましたね。なんかちょいちょい現代の社会のありようを風刺したようなセリフが出てきたりしたのでなおさら・・・。

それにしても、この日の田中くん、手塚さん、優也くんの3人のやり取りはめっちゃ飛ばしてたな(笑)。特に手塚さんが田中くんにツッコミ入れまくるシーンでは「おまえCMやってるからっていい気になるなよ~!」とことあるごとにCMネタで攻撃しまくりww😅。田中くんもしまいには「羨ましいだろう~~」みたいに挑発しまくっててwすごい応酬になってた(笑)。
さらには後半本格的に合流した龍馬役の優也くんも「俺にも1つ分けろ~!」とか突っかかってww劇中ライバル関係だったこともあって二人の張合いもすごくて大笑いしてしまいました😝。

あと爆笑したのが、WUJ(正義の悪の組織名でウェイクアップジャパンの略w)の手下のコードネームを決めたり、揃いの羽織の後ろに描く文字を決めたりするシーン。特に背中の文字の候補を2文字で考えろと言われたときの、アンサンブルさんたちの出した「とある2文字」があまりにもタイムリーすぎてわたしゃ思わず吹きまくったよwwww😝。とてもこのブログの中では言えないんですけど、それは単語じゃなくて人名を二つに分けたやつで・・・。ちょうどこの時期「その方」がネット上を震撼させる(私は半分笑ったけどw)ことで世間をにぎわせてましてね・・・(もうこれ以上恐くて言えない😓)
それを見た手塚さん演じる甲本の一言が「それここで出しちゃダメなやつ!!ここ最近毎日○○○○(某WS)でやってるし~!!」とwwww。もう爆笑でしょ、これ!で、それを聞いた田中くんが知らなかったみたいで「え、そうなんですか?」みたいに素で手塚さんに確認する一幕もありww。あ~~、笑ったよ、あの場面!!
ちなみにそのあともヤバイ2文字が出てきたんですけど・・・これについてはもっと言えないので自重します😅。

もうそのあとのワチャワチャっぷりも、予定調和なんだか千穐楽ゆえのアドリブなのか分からない飛ばし方ですごかったw。私はこれが最初で最後なのでいつもやってたネタとか全然わからないもんで💦。
甲本と正義が意見ぶつけてガンガンやりあうシーンでは、倒れた正義を足蹴にする甲本っていうのがあり。これは台本通りだと思うんだけど、手塚さん、めっちゃ張り切って足を上げすぎて最初靴が脱げちゃってあわてて履き直してww。客席大爆笑だったんですが、そのあとテンションがさらに上がったからか何度も足を振り上げおろしの繰り返しで蹴飛ばすというよりむしろ運動してる状態になっちゃってwww。優也くんも笑っちゃうしおそらく倒れてた田中くんも笑ってただろうし、それを正面で目撃して次にセリフ言わなきゃいけない真野ちゃんは必死に抑えようとしながらも耐えきれない感じで逃げるように舞台袖入っていきましたよwww😅。もう、ほんと、あのシーンはカオスだったわ~~(笑)。

と、たぶん楽ならではな爆笑シーンが続いたりしたんですけど、後半に行くにしたがってどんどんシリアスな展開になっていきます。あんなに笑ったのが嘘のよう・・・って感じで、あぁ、鈴木おさむも罪な作り方するなぁと思ってしまった。
その後、正義が「悪役」になった本当の目的が明らかになるわけですが・・・真意を知らないまま彼は最後の任務へ向かおうとするんです。その前に正義は真子と最期の会話をする。
「この仕事が終わったら戻ってくる。そうしたら生まれてくる子供と3人で一緒に暮らそう」
二人は本当にその未来が来ることを信じての会話だっただけに見ている方は居たたまれなくて、つらくて、切なくて、そののちに来るであろう理不尽な結末を予感して涙が止まりませんでした😭。

さらに、最後にはもう一つの切ない真実があって・・・。それが龍馬の過去。それまでけっこうオチャラケた一面を多く見せて笑いを誘っていただけに、彼の真実が明るみになる場面は非常にショッキングでした😫。ヒーロー役だったはずの龍馬が実はダークサイドに落ちていて・・・正義はその苦しみを理解した時に彼に自分のすべてを賭けて熱い言葉をぶつけます。この時の優也くんと田中くんのヒリヒリするような息詰まるやり取りが本当に圧巻で…ぼろぼろ涙が止まらなかったな😭。

全体の流れとしては、
少年漫画→少女マンガ→アクションマンガ→ギャグ漫画→人間ドラマ
こんな印象だったかも。ドラマ的な面白い部分が巧い具合に詰まっていて、あり得なさそうながらも納得してしまう、受け止めてしまうだけの説得力をもつ見応えある舞台だったと思います。

 

キャスト別感想

田中圭くん

舞台で田中圭くんを見るのはこれが2度目ですが、前回はどちらかというと終始感情を抑えた役柄だったので(ちなみに銀英伝の若き日のヤン役でした)あまり印象に残らなかったんですよね。
それだけに、今回の激しいセリフ量と運動量が入り混じった芝居を見て「田中圭くんは舞台でここまで熱くなれる人だったのか!」とビックリしたのと同時にとても感激しました。よくぞあのセリフ量をこなしたなと。それにハンパない運動量(一人芝居的な動きも求められてたシーンあったので)や激しい感情の出し方…すごいの一言でした😃。とにかくすべてが全力です!あんな全身全力の田中圭くん見たの初めてじゃないだろうか。さすがに声はところどころ枯れ気味ではありましたが、それでもサウナに入っているかのごとくの大汗をかきながらめちゃめちゃ頑張ってました。ツッコミ入れられて全力で返してたのも熱くて面白かったけどw、やっぱりラストシーンで龍馬に言葉を投げかけるシーンは衝撃的でものすごく印象に残りましたよ…!魂の台詞でしたね、あれは!

今回、鈴木おさむさんが久しぶりに田中くんとタッグを組んで当て書きして作った作品との事でしたが、ほんと、見事にハマってて驚きました。鈴木さんは田中くんのことよく見てるんだなって思ったし。たぶん、この舞台を観た後、みんな、田中圭くんのことが愛しく思えたんじゃないかなと。私はものすごく愛しくなってしまったので。
またぜひ彼の舞台を観に行きたいなと思いました。

真野恵里菜さん

終始テンションが高くテッペンまで行ってしまう勢いがあった男性キャストの中で、一人しっかりシャンとして舞台にあり続けた印象が強かった真野ちゃん。彼女の舞台はミュージカル『グランドホテル』で見て以来でしたが、その後朝ドラも経験したりしてさらにお芝居の核がしっかりしたなぁと思いました。
今回の舞台の中では正義のしっかり者の妻という役ではありましたが、ストーリーテラー的な役割もあったりしてとても難しかったと思います。妻として夫の不安定な状況を心配しつつも必死に彼を理解しようとする姿は涙ぐましいものがあったし、ところどころで「回想する妻」的な一面を見せる場面では舞台を引き締める存在であったり。

ただ一つだけ気になったのが発声だったかな。他のキャストが舞台発声をきっちりやっていたので、そのなかで真野ちゃんの声だけがちょっと埋もれてしまった感があったのだけが残念でした。でもまた舞台チャレンジして慣れていってほしいところです。

松下優也くん

昨年の舞台『花より男子』を観てからすっかりその華のある舞台姿のファンになったわけですが、その後は朝ドラに起用されたりX4の歌手生活が充実したりと大活躍ですよね。優也くんの舞台は「暁のヨナ」以来になるので本当に久しぶりでした。
最初に出てきた正義が勝手にライバル視した後輩キーパーの大山役ですが、めっちゃ爽やか青年でキラッキラして眩しかった~~😆。さらに長い手を広げてゴール守る仕草とか、そういうの一つとってもダンスが得意なこともあってすごく型が美しいんですよね。改めて惚れ惚れしました。

そして本役となった龍馬。正義の対極的存在として登場するわけですが、ちょっとだけオネェっぽいテイストを含んだ色っぽさがあってドキリとさせられました。さらに組織の中でだけはバリバリの関西弁で(笑)。優也くんはたしか西宮出身ですからまさに地元での超ネイティブ発言連発がやたら貴重に感じられたりして😜。
最初のうちはオチャラケ的なキャラで突然高い声出して正義を挑発してきたりエキセントリックな存在感で客席を大いに沸かせてて面白かったです。クールな見た目と印象があるけど優也くんって関西人でもあるからけっこうコメディ的芝居がハマるんですよね。だけど次第にダークな一面が顔をのぞかせてきて…ヘラヘラしながらとても残酷なことを命令する場面とかは見ていてものすごくゾクっとさせられました。特に目がすごい印象深かった!!笑いながらも殺意を含んだあの目…!!いやぁ、あれはほんと怖かったよ😱。
そこからの流れで、あの最後の告白と崩壊…。真実の姿が明らかになった時の芝居が圧巻でもう見ていて胸が痛んで仕方ありませんでした…。

やっぱり優也くんの芝居好きだなぁ~。今回ガッツリ見れて本当によかったです。サラサラヘアーも衝撃的だった(笑)。

手塚とおるさん

手塚さんの舞台を観るのは本当に何年ぶり?っていうくらい久し振り。最近はテレビで見かけることが増えましたからね(半沢効果かなw)。でもやっぱりこの人は舞台だといかんなくその個性が発揮されるなぁと改めて思いました。

今回の舞台で一番テッペンまでテンション上げてぶっ飛んでたの、たぶん手塚さんだったと思う(笑)。全体感想の中にもいくつかエピソード書きましたけど、実はそのほかにもありましてw。
優也くん演じる龍馬が世間に登場するのを紹介するみたいなシーンがあったのですが、完全にイっちゃったような表情で意気揚々と優也くんを指し示したかと思ったら突然セットに躓いて後ろ向きにひっくりかえってしまってみんなビックリ💦。ところがそれがハプニングだと思わせないような立ち直りっぷりですぐに芝居つづけてて、でもチョイチョイ躓いたセットの方にチラチラ目を向けててww。それを目の当たりにした田中くんや優也くんが芝居の中で「大丈夫ですか!?」と口々に気にしていながらも笑いがこみあげてきちゃって大変(笑)。転んでしまった手塚さんの方が恥ずかしさがあったらしく必死にそのことをなかったことにしようとさらにテンション上げてたものだから、田中くんが次の台詞言えずに笑い堪えてたなんてこともありました😝。去り際も躓いた方向をチラッチラ見ながら「おっかしいなぁ」みたいな表情して袖に下がって行ったりww、もう、あのシーンは本当に面白かった😜。

そんなぶっ飛びなところが強烈に印象に残った手塚さんでしたがw、クライマックスからラストに向かうところで甲本の本当の野望が明らかになってからはゾクゾクっとさせるような表情を連発😱。たとえ自らが望んでいた展開にならないと分かっても、その野望実現のために容認してしまう一面があるところとか、見ていて本当に怖かったです。
そういう芝居のメリハリをつけてくるところがさすがだなと思いました。

後述

大千穐楽ということもあって何かカーテンコールで挨拶があるかなとは思ったのですが、それは今回はなかったです。ただ、2回目のカーテンコールから客席がオールスタンディングになってすごく熱く盛り上がり、結局5回くらい出てきてくれたかな。
4回目が開くときは最初田中くんだけが出てきたのですが、他のメンバーがなかなか出てこなくてw舞台袖に向かって田中くんが必死に「出てきてよ~」みたいに手招きしまくってたのが可愛かった😁。慌てて出てきた優也くんは衣装を脱ぎ掛けてたところだったよ(笑)。

真野ちゃんは3回目のあたりで感極まって涙をぬぐってたし、田中くんは出てくるたびに深々とお辞儀をしつつ両手を合わせて何度も客席に感謝の気持ちを伝えていたのがとても印象的でした。

優也くんは終わった後インスタを更新してくれましたが、皆とてもいい表情でとても充実していたことがうかがえて嬉しかったです。

真野ちゃんも千穐楽後に今回の舞台について熱く語ってくれていますね。

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終演後、DVD予約販売をしていたので購入してきました。秋に届くのが楽しみです😊

 

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