劇団四季『The Bridge(ザ・ブリッジ) ~歌の架け橋~』高松公演 2021.08.26

劇団四季のツアー公演『The Bridge(ザ・ブリッジ) ~歌の架け橋~』香川県高松公演を観に行ってきました。東京の四季劇場「春」のこけら落とし公演が行われてから約8か月…ようやく観ることができました。

高松のレグザムホールに行くのは昨年11月に訪れて以来。岡山に引っ越してからは2度目になります。香川に住んでいた頃は自転車で行ってたほど近かったんですが(笑)今では海を渡らなければいけない距離になってしまいましたw。

本当は岡山公演のみに行くつもりだったのですが、なかなか予定が出なかったもので…ちょうど観劇に飢えていた時期でもあり高松公演チケットを確保してしまいました。会員発売初日にちょっと出遅れたんですけど、奇跡的に前方中央寄りが1つだけ余っていてラッキーでしたw。ちなみに、岡山公演もその後予定が出てきたので購入しちゃってます(笑)。

とはいえ、岡山・香川も新型コロナ禍の影響が昨年よりも深刻になっており…都会遠征ではないものの緊張感はグッと高まりました。劇場内も以前よりもだいぶ静かになり、香川の皆さんの意識が一段階上がったのを肌で感じました。

いつもはほぼ満席状態になる高松公演ですが(1日1回公演しかないこともありますが)、今回は前方にもちょいちょい空席が…。今のご時世では仕方がないと思いつつも寂しくもあり…。

劇場横にある玉藻公演も閉鎖されていたし…、ずいぶん世の中変わってしまったなというのを実感。いつまでこんな状況が続くのだろうか。全く先が見えてこない。

そんななか、全国公演を行ってくれる劇団四季には感謝しかないです。なかなか四国まで舞台公演に来てくれる作品ありませんから、なおさらありがたいですよ。Bridgeメンバーは今のところ皆さん休むことなくツアーを続けていて、感染対策にものすごく気を遣っているのが伝わります。中止になってしまう公演も多くなってきましたが、何とか最後まで完走できるよう祈っています。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

スポンサーリンク

2021.08.26ソワレ公演 in レグザムホール大ホール(香川・高松)

出演キャスト

飯野おさみ、立崇なおと、分部惇平、山下啓太、佐久間仁、吉田功太郎、大鹿礼生、帶津翔太、坂元駿

青山弥生、坂井菜穂、小島光葉、松元恵美、原田美欧、川口侑花、林美菜子、牧貴美子、森田美穂

スタッフに注目すると…、振付のところに謝珠栄さんの名前があることにちょっと驚きました。これまでも四季に何度かかかわったこともあるそうですが、ソンダンシリーズで謝さんの名前を観たのは今回が初めてかもしれません。
ちなみに、前回のソンダンシリーズまで演出や振り付けを担当していた加藤敬二さんは2018年に四季を退団しています。加藤さんは将来代表になるんじゃないか?と思ったこともあるくらい四季に染まってた印象が強かったので、辞めたと知った時には驚きましたが…、まぁ、なんか、色々とあったみたいです(汗)。

キャストについてですが…、ここ最近あまり四季の作品を見ていない…というかチェックしていなかったことも影響してか、顔と名前が一致する方が飯野さん、青山さんの四季の重鎮レジェンドと佐久間くんの3人しかいませんでした(汗汗)。なので、「この歌の上手い人は誰だ??」的な視線で観ることが多く、落ち着いて堪能できなかったところもw。
女性キャストでは松元恵美さんをソンダン55で何度も見ていたので分かるかなぁと思っていたのですが…、今回はダンサー枠だったとのことで判別できず(汗)。男性キャストの分部くんも「人間になりたかった猫」で何度も見てたので(洋輔くん出てたので複数見てたww)分かる自信はあったのですが…「この人」と自信をもって判別することができずじまい(汗)。

事前にもっとチェックしていけばよかった…。観劇後にネットで調べまくって必死に摺合せしましたww。

開演前のアナウンスの声の担当は阿久津陽一郎さん。ここで阿久津さんの声を聞くとは思わなかったので意表を突かれてビックリしましたw。ちなみに、客電がついている時の注意事項場内アナウンスを担当しているのは青山弥生さんです。声は四季の開演前によく聞いていましたが、生で青山さんを拝見するのはめちゃめちゃ久しぶりとなります。

スポンサーリンク

主なナンバー

Bridgeは休憩なしの1時間半公演ですが、第1場から第7場までテーマが分かれていてそれぞれ違ったカラーの演出やナンバーで構成されていたのが面白かったです(写真はクリックすると大きくなります)。

印象に残ったナンバーなどの感想をいくつか。

第1場 オープニング劇団の原点

宮崎誠さん作曲のオープニングテーマはすごく華やかでワクワクするものだったのですが、それが終わって幕が開くと一気に厳粛な雰囲気になってちょっとビックリしました。

そして舞台上に並ぶ役者さんたちによって読み上げられたのが「ハングリー・キャッツ」という詩。ミュージカル『キャッツ』の初演プログラムに掲載したものだそうで、劇団創立メンバー10人をミュージカルに登場する”猫”たちに例えた内容になっているとのこと。
それは、公演後にパンフを読んで知ったので…、実際に見たときはミュージカル『キャッツ』をベースにしたショーが進んでいくのかと思い込んで見てしまいましたw。それゆえ、自分の想像と違う雰囲気が続いたことに最初はちょっと違和感を覚えてしまった(汗)。

つまり、『キャッツ』の雰囲気で進むのではなく、劇団誕生の歴史から順繰りに追っていく…みたいな、ちょっとお堅い感じからのスタートだったわけです。このあたりが新生ソンダンシリーズとして変わったなと思ったことかな。

スポンサーリンク

第2場 劇場は夢を創りだす

『夢から醒めた夢』の♪遊園地のパレード♪からスタートしたのはとてもよかったと思います。ダンスは皆さんキレがあるし、これからの始まりのワクワク感を演出していました。

個人的には、興味がありながらも見に行くことが叶わなかった『ロボット・イン・ザ・ガーデン』のナンバーが見れたのはとても嬉しかった。ここの演出はほぼ本編と同じだったそうで、これ実際に見たらちょっと泣いたかもしれないと思ってしまいました。いつか本編観に行きたい…!
このナンバー歌ってたのが、おそらく立崇くん。彼はレミゼで見たことがあったと思うのですが、四季に入団していたことは知りませんでした。こんな素敵な歌声なんだ~、と後から名前と顔を一致させてから観劇した次第ですw。

『リトルマーメイド』からは2曲披露。

男性シンガーズが歌う♪アンダー・ザ・シー♪は客席から拍手が自然に湧き上がるほど盛り上がってました。LMは個人的にあまり好きな演目ではなかったので1度しか見ていないのですが(苦笑)、その時にカニのセバスチャンを演じていたのが飯野おさみさんだったんですよねぇ。今回はここに加わってなかったんですが、すごく懐かしくなってしまったw。

そして女性シンガーズが歌ったのが♪パート・オブ・ユア・ワールド♪。男性シンガーズの♪アンダー~♪に被せるようにして歌ってくる演出が面白かったのですが、個人的にはそこに青山弥生さんが入っていたのが非常に印象深かったです。
というのも、たった1回見に行ったLMでタコのアースラを演じていたのが青山さんだったんですよ。なので、青山さんがタコじゃなくてアリエルのナンバー歌っていることが実に新鮮で面白くて(笑)。ええもん、見させていただきました。

第3場 子どもたちに夢を届ける

ここは、劇団四季がライフワークとして上演を続けているファミリーミュージカルの歴史を歌で紡いでいくスタイル。一番最初のファミリーミュージカルは1964年の『はだかの王様』だったんですね。今も時々上演している息の長い作品です(私は観に行ったことはありませんが)。

ファミリーミュージカルで唯一何度も足を運んだ思い出があるのが『人間になりたがった猫』。今回はその中から♪気分ひとつで♪が歌われました。この作品をなぜ集中的に観に行ったかというと…タドベリ先生役として飯田洋輔くんが出演していたから。もう、ほぼ洋輔くん一点集中観劇に徹していた思い出が強いんですけど(笑)、作品も大人が見てもいいセリフがたくさんあって印象深かった。洋輔くんのおかげで良い作品と出会えたと思います。なんか、会いたくなっちゃったなぁ(来年の大阪オペラ座に期待してます)。

スポンサーリンク

第4場 劇場人として生きる

一番心にググっときたのが『アプローズ』の♪アプローズ♪。私がこの曲を初めて聴いたのは劇団四季のCD『ソングアンドダンス-35ステップス-』を購入した時だったのですが、めちゃめちゃ良いナンバーで一瞬で虜になり何度もリピートして聴きまくっていました。四季のソンダンでも何度か登場してくるのですが、今回はかなりじっくりと聴かせてくれる感じになっていて、思わず感極まりそうになってしまった。

「客席の拍手で、心が躍る」

新型コロナ禍でなかなか思うように舞台公演をしづらくなってしまった今、このナンバーの歌詞を聞くとやっぱりものすごく沁みますね。舞台上の役者さんたちと思わず重ねてしまったりして、非常に感慨深いひと時でした。

もう一つ印象的だったのが、越路吹雪さんのナンバー♪ラストダンスは私に♪。なんとこれを、男性シンガー二人(飯野さん立崇くん)が歌っていたのです。女性ナンバーを男性が歌うシーンはこれまでも何度か見てきましたが、越路吹雪さんの歌では初めてだったのですごく素敵だなぁと思いました。特に、大ベテランの飯野おさみさんが歌うと、めちゃめちゃ味わい深くてダンディーで…ちょっとドキドキしてしまうレベルでした。なんか、すごい贅沢なシーンを見れた気がします。

第5場 平和を祈る

ソンダンシリーズのなかでここまでガッツリ”昭和三部作”のシーンを見たのは初めてだったかもしれません。劇団四季の…というか、浅利慶太さんのライフワークでもあった「戦争と平和」をテーマにしたミュージカル作品。私は、『李香蘭』と『異国の丘』の2作品を観に行きました。『異国~』は石丸幹二さんが主演されている頃にしか行けなかったのですが、『李香蘭』は関東に住んでいた頃は上演が決まるたびに足を運ぶほど好きな作品でした(好き、という感想が当てはまるかどうかは違うかもしれませんが)。

今回とても印象深かったのが、『李香蘭』の♪二つの祖国♪のナンバーからの繋ぎ、締めに『ノートルダムの鐘』の♪いつか♪を持ってきた流れ。ここはけっこう予想外の展開でしたが、平和を祈るというテーマにはドンピシャすぎる演出でとても感動的でした。この構成を思いついたことに拍手を送りたいです。

スポンサーリンク

第6場 人生を謳う

第5場まではどちらかというと、有名なナンバーではなくちょっと玄人好み的なナンバーが多かった印象が強かったのですが、第6場は劇団四季の中でも人気ミュージカルの比較的よく知られたナンバーがたくさん登場してきました。

まず何といっても迫力だったのが、『ライオンキング』の♪サークルオブライフ♪。ソンダンシリーズでは必ずといっていいほど歌われるナンバーではありますが、今回はちょっと特別。
LKは実はあまり好みの作品ではなくて2回しか見ていないのですが(汗)、1回目がちょうど初演された時期だったんですよね。坂本健児さんのシンバと、濱田めぐみさんのナラでした。で、ラフィキを演じていたのが…、青山弥生さんだったのですよ。つまり、あの初演以来の青山さんのラフィキを生で聴く機会に恵まれたわけで…、もうほんと、懐かしいやら感激するやらでテンションが最高潮になりました(笑)。

が、一つだけ気になったことが…。

青山ラフィキはめちゃめちゃ感動的だったんですけど…、後ろのダンサーの皆さんの衣装が60年後半~80年台初頭か!??と思うようなファッションでビックリwww。『マンマ・ミーア』の世界に出てくるキャラかと思っちゃったよ(笑)。
そのことにビビってしまって、青山さんに感動しながらも後ろのチグハグな衣装が気になってしまって100パーセント堪能できなかった(汗)。ちょっとあれは、マッチしなさすぎでしょう~~。

その次の『エビータ』の♪ブエノスアイレス♪はあの衣装でも世界観がまだ違和感少なかったから良かったんですが…、『美女と野獣』の♪人間に戻りたい♪ではやっぱり気になって仕方なかった(笑)。
個性的なファッションを目指したというコンセプトは理解できるんですけど、ちょっと方向性を間違えているのではないかな…と思わずにはいられなかったかも(汗)。派手派手なスーツ着てる男性シンガーさんたちは着こなせていることもあって違和感なかったんですけど、ダンサーの皆さんのあの奇抜というか…古さすら感じさせるデザインはちょっとどうなの!?と、どうしても違和感が拭えなかった(苦笑)。

ナンバーについて戻ると、個人的に『アイーダ』の♪儚い喜び♪が聴けたの嬉しかったなぁ。この作品は数えるのも大変、ってくらい通った思い出深い作品。あれからどうしているだろうか…Nさん(汗)。あの当時は本当に色々と逆風強かったですがww、それでもなぜか私のアンテナには引っかかってめちゃめちゃあの方目当てに通いましたからね(笑)。
客入りがあまり見込めないということらしくしばらく上演されていませんが…、とても良い作品だし珠玉のナンバー粒ぞろいなので、コロナが落ち着いた頃に是非再演してほしいと思っています。

それからもう一つ印象深かったのが『ウィキッド』の♪自由を求めて♪。主人公のエルファバが1幕ラストに高らかと歌い上げて心を鷲掴みされること必至の凄いナンバーなのですが、今回これを男性シンガー2人が担当!立崇くんと、山下くんだったようですが(あとから調べて判明w)…すっばらしい熱唱でございました!!男性シンガーが歌う♪自由~♪もめちゃめちゃ素敵だなぁと新たな発見。歌詞も男性的に変えてたしポップス調でカッコよかったです。
そういえば、かつてトークショーの時に洋輔くんがこのナンバー歌いたがってたなぁと思い出してしまいました(何かと浮かんできちゃうんだよね、洋輔くんの事。全然会えてないからなおさら…)。

山下くん、今回初めまして(だと思う)なのですが、めっちゃ汗がキラッキラしておりました。ダンスも全力投球で、回転するときなどはスプリンクラー状態!舞台界の汗かき役者さんをまた一人発掘してしまいましたw。

スポンサーリンク

第7場 明日をみつめる

毎回ソンダンシリーズに登場するナンバーが、『キャッツ』の♪メモリー♪です。ミュージカルをよく知らない人でもこのナンバーだけは聴いたことがあるのでは、と思うほど有名な一曲なので必ずといっていいほど歌われてますね。
ただ、前回シリーズまでは♪メモリー♪の演出がほぼ全く変わらず状態で飽きがきていたというのも事実でした(苦笑)。なぜか演出担当していた加藤さんは、女性シンガーと後ろで踊る女性ダンサーをセットで見せるのが定番だったんだよなぁ。

ところが、今回はじっくりと女性シンガー(たぶん坂井さん)が聴かせる演出になっていたので落ち着いてみることができました。今後もこのスタイルでお願いしたいです。

♪メモリー♪のあとに飯野おさみさんと出演役者さんによる「ハングリー・キャッツ」の後半部分の詩の朗読が入りました。『キャッツ』繋がりでここの流れはとてもよかったと思います。

そして、希望を抱かせるような雰囲気になったところで『コーラスライン』フィナーレの♪ワン♪。客席からも自然と手拍子が沸き起こり楽しい雰囲気になりました。このナンバーもソンダンシリーズでよく登場しますが、ダンスと歌の華やかな雰囲気なのでラストに持ってくると盛り上がって良いですよね。

このまま楽しい盛り上がった雰囲気で終わるなぁ…と思っていたら、最後の最後に飯野おさみさんや青山弥生さん、ほか数人の役者さんたちから客席に向けての挨拶がありました。そのなかで

「今の不安な世の中の中で、お客様と出会えたこと、支援していただけたことに心から感謝します」

という趣旨の言葉があって…、それを耳にしたらなんか感極まってしまって思わず涙がこぼれてしまいました(涙)。すごい、言葉に実感こもってたんだよねぇ…(立崇くんだったかな)。

劇場に来る私たちも不安な気持ちはぬぐえないけど、ツアーで回りながら舞台に立ち続けている役者の皆さんはもしかしたらその何倍も不安な想いを抱いているかもしれない。それでも、舞台からお客さんに会えることは幸せだと言ってくれる。なんかそう思ったら泣けちゃって…。ただただ、来てくれてありがとうございます!という想いでいっぱいになりました。

この流れで『ユタと不思議な仲間たち』の♪生きているって素晴らしい♪ですよ。しかも冒頭はアカペラで歌われてて…、もうこれ、泣くしかないでしょ(涙)。生きているから劇場へ足を運べる。生きているから、皆さんに会える。生きているから、感動を分かち合える。舞台って素晴らしいなと改めて実感した時間でもありました。

そして、ラストのアンコールは『マンマ・ミーア』から♪ダンシング・クイーン♪。客席もスタンディング状態で大きな手拍子をしながら舞台の上の役者さんたちを盛り上げてて、笑顔たくさんのクライマックスとなりました!

後述

演出が変わったことでこれまでのソンダンシリーズとは雰囲気が変わった部分も多く新鮮な感動がたくさんありました。後半の衣装とかにはちょっとビックリして微妙な気持ちにさせられることもありましたがww(結局ラストまであの衣装だった…)、全体的には楽しめました。

どちらかというと、これまでのソンダンではあまり取り上げられてこなかったナンバーが多めだった印象が強かったかな。なのでミュージカル初心者の方には少し敷居が高いと感じることもあるかもしれません。ただ、選曲はとてもよかったのでこれをきっかけに色んな作品に興味を持ってもらえることがあればいいなとも思いました。

9月に岡山でも公演があるので、もう一度見に行ける予定になっています。どうやらキャストも大幅に変わるようなので楽しみ。今度はもう少し事前にチェックしてから行くようにします(汗)。

ちなみに、立崇くん山下くんは今回とても好印象だったので本舞台作品でも見てみたいなと思いました。あと、香川で飯野さん青山さんという四季の重鎮お二人の共演を見れたことはとても貴重だったなと。来てくださったことに感謝です。