ミュージカル『ファントム』 2008.02.20マチネ

先週に引き続き2度目のミュージカル『ファントム』を青山劇場へ観に行ってきました。

※1回目の観劇感想↓

シャンドン伯爵は今回ルカスとパク・トンハくんのダブルキャストだったのでこれは両方観ておかないと、とチケット2枚確保してました(笑)。というわけで、今回の伯爵はパク・トンハくんです。ちなみにルカスは楽を迎えてしまったようです。

今日は少し遅れて始まる15分前くらいに劇場に着いたのですが・・・なんとそこには入場するための大行列が。開場してすぐの行列というのはいつものことですが、開演15分前でも外に行列ができているのを見たのは今回が初めてです。チケットも完売・2回立ち見席も満席らしいですし・・・改めて大沢たかおさんの人気のすごさを実感しました。去年の前売ではけっこうあっさりチケット取れたんだけどねぇ(苦笑)。

ちなみに客席には山本耕史くんが来ていました。普通に素のままやってきて座ってましたが、いや~・・・お顔が大変キレイでございました。開演前にはアンサンブルの人たちが客席の間をウロウロしているんですが、耕史くんだと分かったキャストさんの何人かがチョッカイ出してて面白かったです(笑)。

以下、追記に舞台の感想(ネタバレも)・キャスト感想など書きます。

 

スポンサーリンク

さて今回2回目ということでストーリーも頭に入っているし少し冷静に観てみようかなと…。

前日には宝塚の舞台も映像でちょこっと復習して見比べたんですけど…う~ん、やっぱり私は今回の大沢たかおさんバージョンのほうが好きだった。ヅカだとファントムダンサーなるものが出てくるみたいなのであまりファントムの孤独が伝わらなかったんですよね(苦笑)。

まぁ、こればかりは完全に好みの問題です。たぶん、宝塚版のファントムがすごく好きな方は今回の舞台は肌に合わないんじゃないでしょうか。私はどうしても宝塚が肌に合わないというのもあるんで…この意見は参考にしないほうがいいと思います(←だったら書くな 爆)

で、冷静に見れたのか・・・ですが・・・50パーセントくらい完全に邪念が入りました(爆)。前回よりも前方の席に座ったからか・・・大沢たかおさんの素晴らしいバランスの取れた姿がやたら気になって・・・この人ってこんなにスタイル抜群のカッコイイ人だったのかとしばし呆然。そのためどうしても思考が大沢さんに向きがちになってしまった。ヤバイ・・・ファンになってしまうかも(笑)。

とりあえず邪念を除いての個人的な感想ですが・・・私はこの作品がやっぱりとても好きです。もしかしたら大沢たかおファンじゃない、ふつうのミュージカルファンとしてのこの意見は少数派かもしれません(苦笑)。たしかにツッコミどころ色々あるんですけど、それでもやっぱり好きなんですよね、この作品。出演者も含めて。なんか終わった後にジワジワと感動がくるみたいな…。

音楽・・・これがまず最大の決め手

1回目に見た時も書きましたが、とにかくモーリー・イェストンの音楽が私のフィーリングにものすごく合うんですよ。ドラマチックで流れるようなあの旋律が身体中を巡り回るって感じかなぁ。特にファントムのソロは本当に好きですね。

それからファントムとクリスティーヌのデュエットも素晴らしいです。前回観劇した時にバレンタインイベントで大沢ファントムとデュエットした『You are music』は今回特に胸に響いたかも。なんか自分が歌っているような感覚になってしまった(←アホ 笑)

『オペラ座の怪人』のアンドリュー・ロイドウェバーの音楽も大好きですが、エリック(=ファントム)の物語として見るならばモーリー・イェストンの美しい旋律が流れるこの『ファントム』のほうが個人的には好みかもしれません。

スポンサーリンク

ツッコミどころもいくつか。

舞台全体の演出についてですが・・・たしかにロープを使ってのアクションがあったり火花が飛んだり派手な部分もあるんですけど、たまに空間をうまく使っていないような気がしたのが残念です。多くのアンサンブルが集まるシーンとか、なんかみんな窮屈そうなんですよ(苦笑)。だからあまり華やかさみたいなものが伝わってこない。

それと客席を使った演出ですが・・・前回はちょっと後ろのほうの席で観たので臨場感があって面白いと思いました。が、今回少し前方の席で観てみると・・・後ろを振り返らないと分からない部分が多くてちょっと疲れる(苦笑)。その間に舞台上にも人を何人か出すとかあればいいんですけど、もぬけの殻なんですよ。

次のシーンの準備をしているから仕方がないのかもしれないんですが、もう少し工夫したほうが良かったんじゃないかなぁと思いました。前方の人たちは何が後ろで起こってるのか分からないと思いますよ、あれ。

もうひとつ気になるのがクリスティーヌ役の徳永えりちゃんです。

可愛いし頑張っているのはよく分かる。声質もそんなに悪くないです。が・・・、歌うのに精一杯で細かい演技のほうまでは頭が回らないのか全て一本調子に聞こえてしまうのが残念!初舞台でいっぱいいっぱいなんだろうけれども、田舎娘からオペラ歌手になっていくまでの変化がほとんど感じられないんですよ。それに音がハズれ気味なのも気になる…。

これで一番の問題となるのがエリックの母親ヴェラドーヴァの声と瓜二つだという設定です。ヴェラドーヴァを歌っているのが(影しか出てこないので歌のみの出演ですが)元宝塚トップの姿月あさとさんで・・・素晴らしい安定した歌声を披露してくださってるんで・・・えりちゃんがそのレベルには達していないわけで・・・。

だからストーリーに信憑性が感じられなくなってしまうんです。エリックがなぜ彼女に惹かれたのかもドラマとしてあまり感じられなかったのも残念。初舞台のえりちゃんにこれを求めるのはだったかもしれないなぁ…。もう少し歌える人をキャスティングできなかったんだろうか(苦笑)。この部分で不満に思っている人はけっこう多いと思います。すこしキツイ意見を書いてしまいましたが…声質はいいんだから、もう一度1からヴォイストレーニングして頑張ってほしいです。

スポンサーリンク

しかし、このツッコミを払拭できるこのミュージカルの魅力が音楽ともうひとつ・・・。大沢たかおさんの存在です。

なんかこの舞台見ると大沢さんのことを好きになってしまいそうで怖い(爆)。そのくらい素晴らしい演技を見せてくれるんですよ。
それと歌。前回はちょっと喉に疲れを感じたのでもしかしたら楽近くになったら枯れちゃってるかも・・・と心配していたのですが、それは杞憂に終わり見事な声量で歌いきってくれてました。

歌はやはり決して上手いわけではありません。オペラ座のファントムでクリスティーヌに歌を教える先生として、あの歌唱力では納得がいかないという意見も尤もだと思います。が、何故か私好きなんですよ・・・大沢さんの堂々とした歌いっぷりが。ファン以外でこんなこと言うのはかなり少数派だと思うんですけど(爆)、ものすごく頑張って歌いこんだんだろうなというのがヒシヒシと伝わってきてそれだけでも感動してしまう。

それになんか・・・前回よりも歌声が安定してきたように感じたんですよね。少しずつだけど進化してると思います。内野トートが少しずつ少しずつ音程が整うようになってきて感動したあのときの感覚と似ている気がする(正直、歌唱力の最初としては内野さんのほうがビックリするほど酷かったんで 苦笑)

立ち姿も美しいし、衣装もよく似合ってる。マントの使い方もかなり豪快でカッコイイ(前回は踏んづけてたけど今回は大丈夫だったようです 笑)。それになんといってもエリックの心情表現がものすごく深くて素晴らしいです。特に2幕のクリスティーヌに顔を見られ逃げられてしまったあとの嘆きのシーンはちょっと涙なくしては見れません。あの搾り出すような声にはどうしようもない哀しみと絶望がいやというほど込められていて見ていて胸が痛くなります。

今まで映像での大沢さんの演技は何度か見ていましたが、今回の舞台を見て初めて「この人の演技力はすごい」と感動しました。発声もいいし・・・歌もさらにトレーニングすればもっと安定すると思う。立ち姿も美しいし・・・すごい舞台向いているんじゃないのかな。
それにしても大沢さんって高いところ平気なんですね。あの役は高所恐怖症だったら絶対無理だと思う(笑)。

そうそう、トンハくんのシャンドン伯爵のことも少し。前回はルカスのキラキラ王子様系伯爵で目の保養をさせていただきましたが、トンハくんの伯爵もすごい合っていたと思います。どちらかというと『オペラ座の怪人』に出てくるラウルっぽい雰囲気かな。育ちのいいお坊ちゃまといった印象でなかなか良かったです。それにセリフが聞き取りやすかった(笑)。やっぱり日本の舞台をトンハくんのほうが多く踏んでますしアジアの役者さんですから・・・舞台全体のバランスとしても合っていたかも。

スポンサーリンク

最後にカーテンコールについて。それぞれのキャストが出てきてみんな平等に拍手していたんですが、大沢たかおさんが素顔で登場されて一番大きな拍手を・・・と思った瞬間・・・私の周りにいた人たちが一斉に「きゃぁぁぁ~!!」と大興奮して立ち上がったのでビックリして呆気にとられてしまいました(苦笑)。まるでジャニーズを見るかのようなテンションの上がりっぷりでとてもいつもの舞台のカーテンコールとは思えない。

あれよあれよと言う間にオールスタンディング状態になって客席がお祭り騒ぎみたいに盛り上っててビックリ仰天(汗)。

大沢ファントムにはとても感動したのでまずは大きな拍手をしてそのあと何度かのカーテンコールで立ってもいいかな・・・なんてのんきに構えていた私はすっかり出遅れてしまって立ち上がるどころかまともに拍手することすらできなかった。人々の隙間から大沢さんをひっそり拝んでおりました…。大沢さん、スミマセン!いつもと違うカーテンコールの雰囲気に呑まれた私が悪いんです(苦笑)。本当はすごい拍手したかったんだけどなぁ…。大沢たかおさんってこんなに熱狂的なファンがたくさんいるんだ・・・と本当にビックリいたしました。

次回は明後日の千秋楽です。今日以上にものすごいカーテンコールになると思うので今度はビビらないように拍手したいと思います。

error: Content is protected !!