ミュージカル『カム・フロム・アウェイ』東京公演 2024年3月27日マチネ感想

日生劇場60周年記念公演のミュージカル『COME FROM AWAY ~カム フロム アウェイ~』(2回目)を観に行ってきました。

観劇したのは「世界演劇の日」と呼ばれている日。そのタイミングでこの作品を観る機会を得ることができて本当に良かったとしみじみ感じ入りました。

前回は2階席でしたが、今回は1階席の…めちゃめちゃ前方席!あまりに近くて奥行きがほとんど見えなかったので(時々役者さんの姿も見えなくなるほどだった 苦笑)、一度全体を観ていたのは正解だったなと。

1回目観劇の時は相当ボロ泣きしてしまったのですが、内容を把握したうえでの2回目はもう少し落ち着いて見れるかもしれないと予想しながら劇場入り。
ところが…、まさかの前回を上回る勢いで号泣(汗)。役者さんたちとの距離が近かったこともあり、舞台上から発せられるエネルギーや想いの強さに完全に飲み込まれボロボロ涙が零れ落ちる緊急事態に。ラスト付近はなんかもう嗚咽近いくらいまでいってしまってた(汗)。

なんかもう、本当に、色んな気持ちが体中駆け巡りましたわ…。

以下ネタバレを含んだ感想になります。

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2024年3月27日マチネ公演 in 日生劇場(東京・日比谷)

※概要(原案・上演時間など)とあらすじについては3月20日公演感想記事を参照

上演時間は休憩ナシの1時間40分(100分)です。

キャスト(五十音順)

  • 安蘭けい:ダイアン&その他
  • 石川禅:ニック&その他
  • 浦井健治:ケビンT&その他
  • 加藤和樹:ボブ&その他
  • 咲妃みゆ:ジャニス&その他
  • シルビア・グラブ:ボニー&その他/ビバリー&その他カバー
  • 田代万里生:ケビンJ&その他
  • 橋本さとし:クロード&その他
  • 濱田めぐみ:ビバリー&その他
  • 森公美子:ハンナ&その他
  • 柚希礼音:ビューラ&その他
  • 吉原光夫:オズ&その他

<スタンバイ>

上條駿、栗山絵美、湊陽奈、安福毅

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全体・キャスト感想 その1

前回観劇したときのトークショーで舞台上の「木」について言及があったので、今回は開始前からマジマジと見つめてしまった(トークレポはコチラ)。特に上手奥にある2本の”ちぎれた”木。あれは、凄惨な事件で消え去った世界貿易センタービル(ツインタワー)を表現しています。
この物語は9.11から起因したもう一つの真実を描いているので、事件について直接的に語られることはありません。でも、あの2本の折れて割れた木が観る者にずっと”それ”を訴え続けているような気がしました。そう思うだけでなんだかとても胸が苦しくなった…。

出演者の皆さんはこれまで多くの舞台作品で中心に立つことが多いメンバー揃い。とても個性的だしパワーやオーラも半端ない人たちしかいない。それなのに、今回のミュージカルでは誰一人突出している人がいなかったんですよね。あれだけのスターが勢揃いしてるのに飛び抜けて光を放ってる人が誰もいない。これが本当に凄いと思ってて。
『カムフロムアウェイ』は12人の役者が約100人を演じることになっていますが、そこに登場するのはすぐ隣りにいるようなごく普通の人物ばかり。”特別”な人が登場しない。皆さん同じラインの上に立っていて、お互いに支え合い補い合いながらそこに生きていた。だからこそ、観ているこちらは親近感を覚え想いを重ね感情移入することができたのかもしれないなと感じました。

あともうひとつ凄いと思ったのが、役者さんたちの演じ分けです。一人で相当数の人数を演じセットの移動も行います。他の作品ではアンサンブルさん枠が担当するようなことを全て12人が引き受けてる感じ。こんなミュージカル、ほかではお目にかかれない。
ニューファンドランド島のガンダーに住む人々と、緊急着陸した飛行機に乗り合わせた約7000人の乗客・乗員を、瞬時に切り替え息つく暇もなく目まぐるしく演じ分けていく。これ、相当稽古を積んでいなければ「自分がどの人物を演じているのか」分からなくなるのでは。百戦錬磨の12人とはいえ、あれだけのテンポで違う人物を次々と演じ分けていくのは本当に大変だったと思います(大変なんてレベルじゃないだろうけど)。

さらに、一つのシーンでとても感情が高ぶるようなキャラクターを演じた直後にそれとは全く違う立場の人物を演じなければいけない、なんてこともあったりして。一人の人物を演じて感情を切り替えるのだって相当気力と体力振り絞るだろうに、複数の人物の感情を瞬時に入れ替えなければならないなんて…!しかもそれを成立させてしまうなんて…!!もう本当に衝撃でしかありませんよ。
特に万里生くんモリクミさん。このお二人はものすごい感情のアップダウンを見事に演じ分けてた。心底感動しました。

以下、印象に残った場面や役者さんについて。

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冒頭に全員で歌われる♪Welcome to the Rock♪は活気と生命力に溢れた力強いナンバー。
まず最初に物語の舞台となるカナダのニューファンドランド島のガンダーで暮らす人々の”日常”がこの曲に乗って語られていくのですが、第一声を発するさとしさんが本当に素晴らしかったです。出だしの言葉を聞いただけで一気にこの作品の世界観に惹き込まれていく感覚がすごくありました。吸引力がほんとすごい。

素朴な島のごく普通の人たちのありふれた生活。それが、あの日、2001年9月11日に突然急変する。彼らはその”事実”をいつも聴いていたラジオで最初に把握し、これから起こるであろう”現実”を受け止めるべく手探りながらも「できること」を準備していきます。
日常の中に突然降って湧いたようにやってきた”非日常”の光景がリアルに胸に迫ってきました。あの当時の島の人達の困惑が手に取るように伝わってきたし情景がありありと浮かんできて…、ホント役者さんたちの「伝える力」がすごいなと。

飛行機に乗り合わせていた人たちは漠然と「なにか恐ろしいことが起きているらしい」ということを察しはしましたが、詳しいことは何も分からないままだった。”当時は携帯電話を持っている人も限られていた”という台詞がとても印象深い。2000年代初期の頃はたしかにそんな世の中だったものなぁ…。
それからもうひとつ印象深かったのがパイロットが飛行機をガンダー国際空港に着陸させようとする場面。めぐさん扮する女性パイロットのビバリー「空港にはイワシの大群のように飛行機が停められていてどこに降りていいのかわからない」と困惑する。その光景が私の眼の前にも物凄くリアルに浮かんできてゾッとしてしまった。普段は数機しか降り立たないガンダーにそんなに大量の飛行機が降りていたのかと思うと…。当時のパイロットさんたちは本当に無我夢中だったのだろうなとその苦労に思いを馳せました。

島の人達が受け入れ準備でアタフタしてる間(町長とバス運転手の間のストライキ問題がその時ばかりは一時休戦となっていたことも初めて知った)、飛行機の乗客たちは何時間もその中に拘束されていました。何もやることがないし、座ったままの姿勢で体力的にも消耗が激しい。状況がよくわからないなかでの缶詰状態…、どれだけ心細く精神的苦痛だったかと思うと観てるこちらも本当にいたたまれない。なんか、コロナが始まった当初のクルーズ船缶詰のニュースを思い出してしまった…。

乗客たちのストレスがピークに達し多くの人が不安に襲われる中、客室乗務員たちは少しでもそれを軽減するためにお酒を出したり映画を何本も流したりする。この映画のエピソードの中で某作品もエントリーされてたっていうのが苦笑い。あんな状況で”あの”作品は通常のテンションで見れないよねぇ、みたいな(汗)。精神的にハイになってしまった女性客がメインテーマ熱唱するシーンはちょっと面白かったw。
このパニックで騒ぎ出してしまう女性を柚希さんが演じていたんですが、劇中で「ダサい女」扱いされててビックリw。あのピカピカなスターオーラを放っていた方がそれを一切感じさせない「ちょっと困った一般女性」にしか見えないなんて。こんな作品この先お目にかかれないのではないかとすら。そういった意味でもすごく貴重。

そんなストレスと混乱とハイテンションが渦巻く機内で、ちょっとした癒しになるやり取りが行われるシーンがあります。安蘭さん演じるダイアン禅さん演じるニック。二人は途中から隣同士に座ることになるのですが、禅さんニックが安蘭さんダイアンに一生懸命話しかけるシーンがなんだかすごく可愛らしく、救いでもありました。きっとこの二人にはこの先なにか起こるかも、といった希望が芽生えた瞬間でもあったかな。

コックピットでは機長のビバリーが夫と電話で会話をしているのですが、この内容がめちゃめちゃ切ない…というか辛くてねぇ(涙)。あの事件のことを聞いた彼女が知ってしまったあまりにも悲しい真実に、観ているこちらも大きなショックを受けボロボロ涙がこぼれてしまった…。「親しい人じゃなかったけれど、ついさっきロンドンで会ったばかりなのに」という歌詞は特に胸を裂く。本当に辛かった(涙)。
さらに、泣き出しそうな気持ちを必死に抑えたビバリーが電話の向こうの夫に心配かけまいと「私は大丈夫」と平静を装う姿にも号泣。このときのめぐさんの表情が本当に泣けたのです…。

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やっと飛行機から出してもらえた乗客・乗員たちがまず最初に向かったのは「電話」のある場所だった。一刻も早く親しい人に自分が無事であること、そしてカナダの小さな島で待機を命じられていることを知らせたかった。伝える手段がまだ”携帯”が主流じゃない時代ならではの光景だなと。

窮屈な機内から出れたものの、ある青年はさらに辛い思いを抱えることになります。万里生くんが演じていたエジプト人のアリ。あの凄惨な事件を起こした人種と同じだという冷たい視線を向けられてしまう。彼は事件と全く関係ないのに、中東の人というだけで周囲から刺すような眼差しを向けられてしまった…。
あの当時、そういった差別の目を向けられる人がたくさんいたことを思い出しました。疑いの目を向けてしまう人たちの気持ちもわかる。相手が無関係の人だって頭では分かろうとするけど「もしかしたら」という恐怖もこみ上げる。こういうことから生まれる人種の分断は今も変わらず存在するので、アリの存在はものすごく考えさせられました。

不安と恐怖の中、乗客たちは島の人達が用意したバスに乗ってそれぞれの緊急避難先へと運ばれていきます。どこへ連れて行かれるのかも分からずただただ恐怖に押しつぶされそうな乗客たちが歌う♪Darkness and Trees♪は観ているこちらも不安でいっぱいになってしまうナンバーだったな…。
そんななか、彼らの気持ちを少しでも和らげようとバスの運転手たちは明るく豪胆に振る舞う。面白かったのが、ヘラジカ通過シーン。数秒間のセリフがない場面となるのですが、このときの運転手役のモリクミさん光夫さん、そして後ろに座ってる乗客たちのなんとも言えない表情がとても滑稽でちょっと笑ってしまいましたw。ここはすごくコミカルだし救いの場面ですね。

違うバスに乗り合わせているアフリカ人の夫妻。和樹くんモリクミさんが演じてて。不安がる妻の肩を抱き寄せながら必死に守ろうとする和樹くん夫の姿がとても印象深かった。この二人が夫婦役っていうのもすごく新鮮。
浦井くん演じるバスの運転手が、言葉が通じないながらも夫妻が持っていた聖書のある一説を読んで安心させた場面もとても感動的。一つの小さな手がかりで心が繋がる奇跡に胸熱くなりました。

飛行機の人たちが到着するまでの間、島の人達が外国語ができる人たちを掻き集めるシーンもすごく印象深かったです。ありとあらゆる国から言語の違う人間が一気にやってくるわけで、そりゃ必要になるわなと。こんな苦労もあったのかと気付かされたな。
面白かったのが、光夫さんが演じた”スペイン語ができる人”。もうめちゃめちゃノリノリでまさに「ラテンの人」(笑)。光夫さんの弾けっぷりが最高でしたww。

気づきといえばもうひとつ。飛行機には人間だけではなく「動物たち」も乗り合わせていたということ。人間も長時間飛行機にすし詰めにされてストレスを感じていたと思いますが、それ以上にキツイ思いをしていたのは貨物室に閉じ込められていた動物たちだったと思います。
立ち入りが制限されている中、「自分を好きに罰すればいい」と動物保護に走ったのがシルビアさんが演じた動物愛護協会のボニー。一匹一匹に向ける眼差しや言葉がとても温かくグッと来るところがたくさんありました。奥さんに振り回される禅さん演じる旦那さんも、なんだかんだ言いながらも彼女を支える優しさに溢れててホッコリしたな。ちなみに、動物の声は浦井くん咲妃さんが担当されててめっちゃ可愛らしかったです(特に咲妃さん)。

宿泊先に到着して、乗客乗員一同はついに9.11に起こった事件を知る♪Darkness and Trees♪のシーン。絶句しながらただ画面を眺めている彼らを見ながら島の人達が「彼らは今まで何も知らなかったのだ」と思い知らされるシーンはとても辛くて切なくて涙が止まりませんでした…。あのときに初めて”外から来た人たち(come from aways)”の力にならなければという実感が生まれたのではないだろうか。

翌日、島の人達が用意してくれた電話でそれぞれが大切な人に”今いる場所”と”無事”を伝える♪Phoning Home♪の場面。ここで特に印象深いのが禅さん演じるニックモリクミさん演じるハンナです。
ハンナは連絡が取れない息子を案じさらに不安を募らせる。2回目にこのシーンを見ると、めちゃめちゃ泣けます。飛行機に乗ったばかりの時は息子に悪態ついてただけになおさらね…。ニックは会社に自分の無事を知らせるけれど想定外の反応が返ってくるわけで…。彼の孤独や寂しさが痛みとして伝わってきて泣けました(涙)。

咲妃さんが演じた島の新人レポーターのジャニスが不慣れな状況に言葉をつまらせてしまうシーンは可愛かった。「鹿の肉」の言い方みたいなやつ、そこに戸惑って思わずした向いちゃう姿のなんと愛らしかったことよw!

キャラ的にもう一人面白かったのがめぐさんが妄想でデレデレになってしまうほどカッコいい和樹くんのパイロット。ちょっとキザでクールだけど色んな面でセクスィーな完璧男子でw。あれは女子的にめろめろになっちゃう気持わかるわ〜と(笑)。和樹くんもノリノリで演じてて面白かったよw。

万里生くん演じるエジプト人のアリが島の名物料理に困惑してしまうシーンも印象深かった。彼はイスラム教徒だから食べられるものが限られてて違うものを提供してほしいんですよね。だけどそれをうまく伝えられなくて「私が厨房に行ってはだめですか?」と訴える。このセリフの本当の意味はストーリー後半に明らかになりますが、この時点ではお互い困惑するだけっていう光景がちょっと面白かったです。
でも、柚希さんが演じるビューラはみんなに敬遠されていたアリに対しても公平に優しく接してて。本当はどこかにちょっと恐怖心みたいなのもあったかもしれないけど、それを表に出さず彼に誠実に向き合う優しさに胸が熱くなりました(涙)。

乗客乗員達の生活を支えるためには食事が不可欠です。ただ島の名物を提供するのではなく、宗教に応じたメニューを用意しなければいけない。そういった苦労があったこともこの作品の中で初めて気付かされました。そのために彼らは寝る時間を削って料理を研究しもてなし続けていた。その気持ちを思うだけでも本当に泣けて仕方なかったです。
しかもこのミュージカルではそこをクローズアップしすぎず、「こんなこともありましたよ」的なエピソードとしてさり気なく触れてるんですよね。だからなおさら心に沁みたのかもしれません。

次第に島の人たちは個別に自宅へ避難者たちを招待するようになった。このエピソードでちょっと面白かったのがさとしさん演じる町長さん和樹くん演じるアメリカ人のボブのやり取り。さとし町長は戸惑うボブにお構いなしといった感じでありとあらゆるもてなしをしてくれる。それに対して「お財布の心配をしなければ」と最初は不審感しか感じられなかったボブ。
目を白黒させてオロオロしながらも、ただ流されるままに町長のもてなしを受けざるを得ない状況になってた和樹くんボブがとても可愛らしかったw。でも、全く知らない人物から無償のもてなしを受けるって冷静に考えてみればちょっと怖いって思っちゃいますよね。すごく正直な反応だったと思います。

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気晴らしに万里生ケビン浦井ケビンのゲイコンビと飛行機で親しくなった禅さんニック安蘭さんダイアンが散歩するシーンも面白かった。二人はなんだかちょっとギスギスした雰囲気で(特に万里生ケビンが機嫌悪いw)、ニックとダイアンと一緒に行動するのも嫌がってる。こういうやりとりもなんだか人間臭い。
一方のニックはダイアンが実は離婚経験者で息子がいることを初めて知る。彼女にほのかに想いを寄せ始めていたニックがそれを聞いて思わずテンションが上がっちゃうのがなんだか分かりやすくて可愛かったです(笑)。

ちなみにWケビンはゲイであることを内緒にしていたのですが、島の人たちの雰囲気に気がほぐれた浦井ケビンがうっかり素性を明かしてしまいます。言ってしまった後に「しまった」と身構える二人でしたが、そんな彼らに対し島の人たちはアッケラカンとしながら「私の知り合いもそうなのよ」と次々にカミングアウトしてくる。呆気にとられポカンとするWケビンが面白かったww。
でも、すごくセンセティブなことをこんな風に大きな心で受け止めてもらえたことは、二人にとってすごく救いになったんじゃないかなと思いました。島の人たちの優しい大らかさになんだか胸がホッコリ温かくなったな。

親切な町長夫妻の家に泊めてもらっていたボブは緊張感が未だに抜けない感じでしたが、バーベキュー大会のための準備をやらされることになってその意識が少しずつ変化していきます。他の家のグリルも持ってこいと言われめっちゃビビる和樹ボブ(ビビりっぷりが最高だったww)。ついにその現場を知らない人に目撃された時には「撃たれる」と覚悟を決めるのですが、「茶でも飲んで行きなよ」と逆にもてなしを受ける経験をします。
今までそんなふうに自分を受け入れてくれる人に出会ったことがなかったボブは衝撃を受け、そして島の人たちに対する意識も変わり始めた。「財布の心配をするのをやめた」という彼の最後の一言がとても印象深かったです。

一方、息子と連絡がつかず気が気ではないハンナ。彼女は「なぜ私はここにいるのだろう」と泣きそうな声で♪I Am Here♪を歌う。モリクミさんの今にも泣きだしてしまいそうな表情に見ているこちらは思わず落涙してしまった。ハンナ、心が引き裂かれるような気持だっただろうに…。これ本当に2回目に見ると余計に泣けるんですよね(涙)。
そんな彼女の傍に優しく寄り添っていたのが柚希さんビューラ。「私にできることはジョークを言って気を紛らわせてあげることだけ」と言って優しく笑う。このジョークは全くハンナには受けないんだけどw、それでも気持ちはちゃんと伝わってて…。ハンナとビューラのシーンはもう全部泣いた。

トークで禅さんが「自分は出てないんだけど毎回必ず涙が出てしまう場面」と言っていた♪Prayer♪の場面。素朴な音楽の出だしが温かくてすごくジーンときます。教会でハンナは息子の無事を祈りろうそくを立て、ビューラもそれにそっと寄り添い従う。他のみんなもそれぞれ911の犠牲者に想いを馳せながら静かに祈りを捧げるのです。本当に美しく切ない場面だった…。
ここで印象深いのがエジプト人のアリ。周りからの冷たい視線にさらされていた彼は好きな時間に祈りを捧げることができないでいました。そんな彼を見ていたある島の人が、こっそりと「この時間は図書館に人がいないのでそこでどうぞ」と促してくれる。そのさりげない温かい優しさにまた涙が止まりませんでした(泣)。

しかし、なかなか出発できないことに対して乗員も乗客もストレスの限界に近づいていた。そんな時、コミュニティセンターでパーティが企画されることに(♪In The Bar / Heave Away♪)。皆すべての憂いを忘れたかのように思い切り楽しみます。このシーンではミュージシャンたちも舞台中心に集まってきてキャストに交じってそれぞれの民族楽器を鳴らし大いに盛がる。

特に印象深い楽器は”アグリースティック”。これ鳴らしてるミュージシャンの方(BUN Imaiさん)が可愛らしいイケメンの方で思わず見入ってしまいました。 ミュージシャンと役者が一緒に大盛り上がりするシーンは見ているこちらも思わず手拍子してしまうほど楽しめます。

ちなみに、このパーティの食事を提供するっていうシーンの時にアリの正体が明かされます。それを知ったビューラが喜び勇んで彼を厨房に案内する姿が印象的でした。

で、そのあとの「タラ」の場面♪Screech In♪)。この時の皆の”すっぱそうな”表情がそれぞれ可愛らしくて最高ww。浦井ケビンは楽しんでるのに万里生ケビンはヘソ曲げてしまうっていうのがもう、見ていて「なんでやねん」とツッコミ入れたくなっちゃうんだよねww。
それから安蘭ダイアンと禅さんニックにも”まさか”の進展が!!あの時の禅さんの表情がもう最高すぎて(笑)。っていうか、禅さんのロマンスシーンをガッツリ見れるというのがとても新鮮でとても嬉しかった。

お祭り騒ぎの後に歌われるのがパイロットのビバリーによる♪Me and the Sky♪。この作品の中に登場する数少ないビッグソロのひとつ(っていうか、これだけだったかも)。めぐさんのドラマチックな歌いっぷりがもう本当に素晴らしすぎて鳥肌ものですよ!歌い上げるパワーに、というよりかは、「伝わる力」っていうのかな。歌詞の一つ一つから情景が鮮明に映し出されていく。ビバリーがどれだけ”パイロット”という職業にリスペクトを抱き愛しているかが手に取るように伝わってきて本当に感動しました。

長くなってしまったので続きは次のページで。

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