『銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠』東京公演 2019.04.28マチネ

舞台『銀河鉄道999 さよならメーテル~僕の永遠』を観るため、東京の明治座まで行ってきました。

この前日までは大阪で『ハル』『ライムライト』を観劇してまして…翌日すぐに東京へ向かうというハードスケジュールとなってしまいました(汗)。

『銀河鉄道~』も大阪での公演が決まっていたので最初はそちらに駆けつける予定だったのですが、とある予定とまる被りしてしまったため大阪公演は手放しまして(苦笑)。
DVDも出るだろうし、今回は諦めようと思ったのですが…調べてみたら無理をすれば東京で見れることが判明してしまいましてww行っちゃいました、東京(笑)。ちなみに、観劇後はすぐとんぼ返りで四国に帰還しましたw。我ながら、大阪→東京→香川をよく1日で移動したなと。まるで銀河鉄道の旅のようだったww。

明治座は何年ぶりの訪問だろうか…。あまりにも久しぶりで覚えてない(汗)。時代劇で来ていたことが多かったと思うので、こういった現代モノ系(というのともまた違う気がするけど)で見るのは初めてだったかもしれません。

こういった幟が劇場の外にはためくのも『和』の劇場ならではの光景です。

明治座のロビーはお土産の露店がズラリと並んでいて、店員さんの売ったるで的な圧がけっこうすごいww。舞台グッズ売り場に並んでいても「これ味見してみて!」っておっちゃんが漬物差し出してきましたのでね(笑)。美味しかったけど、グッズ代しか用意してないのでゴメンナサイしました。

東京公演も残り2つということもあってかグッズの売り切れが続出。ちょっと興味があったランダムのブロマイドも私が並んでいる間に売り切れとなってしまいました。
そんななかで今回驚いたのが・・・台本が売っていたことです!!


最初は買う予定に入れてなかったんだけど「東京分は残りわずか」という売り文句に心惹かれ購入してしまった(笑)。でも舞台の…しかもミュージカルの台本はかなり貴重だし、買えてよかったです。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

 

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2019.04.28 マチネ  in 明治座(東京)

主なキャスト

  • 星野鉄郎:中川晃教
  • メーテル:伊波杏樹
  • 機械伯爵:前山剛久
  • リューズ:矢沢洋子
  • クレア:美山加恋
  • 車掌:お宮の松
  • ドクター・バン:塚原大助(声のみ)
  • クイーン・エメラルダス:凰稀かなめ
  • キャプテン・ハーロック:平方元基
  • プロメシューム:松下由樹(特別出演)

あらすじ

松本零士先生不朽の名作『銀河鉄道999』。劇場版が公開されてから40年になるそうです。その記念として舞台版が誕生したわけですが、今回の作品は2018年上演版の続編となります。前作を見た時に「え?ここで終わり?」となっていたので、ちゃんと完結まで舞台で描かれることになってよかったです。

※2018年上演版の感想↓

今回は「オペラ」という飾り文句はついていませんが、ミュージカルであることは変わってないです。歌われるナンバー数も多かった。

簡単なあらすじは以下の通り。

機械の体になって永遠の命を手に入れるため、人間狩りで殺された母の仇を討つため、謎の美女メーテルから999号のパスをもらい、一緒に旅立った星野鉄郎。要塞時間城へ辿り着き、母を殺した機械伯爵への復讐を遂げた。

鉄郎は、様々な出会い、生身の人間や機械化人たちとの触れ合いによって、限りある生命の美しさに気づき、機械の体をタダでくれるという星を破壊してしまいたいと、新たな想いを抱く。旅を続ける鉄郎を終着駅・惑星大アンドロメダで待っていたのは、機械帝国の女王であり、クイーン・エメラルダスとメーテルの母であるプロメシュームだった―。

公式HPより引用

続編では、クイーン・エメラルダスとメーテル、そしてその母であるプロメシュームとの関係に比重を置いていました。
私は原作も読んでないしアニメもまともに見たことがなくて「舞台」からの知識しかないんですが(汗)、全人類を機械化しようと目論むプロメシュームに対して娘であるエメラルダスやメーテルがどう立ち向かい、そこに鉄郎がどうかかわっていくのかといったドラマは非常に見応えがありました。

どちらかというと、前作よりもアグレッシブで見どころの多い舞台だったと思います。

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全体感想

明治座で見るのは超久しぶりだったのですが、今回は席運がちょっと悪くて(苦笑)。前に座高の高い男性が座っていたため、舞台の3分の1が見えないままの観劇となってしまった…。こればかりはどうしようもないんですよねぇ。東京まで出てきたのに…とは思いましたが、大阪観劇が座席運に恵まれすぎていたので仕方がないと諦めました(汗)。

明治座という大きな空間を使っていたこともあって、映像の迫力がすごかったです!なんか舞台版の銀英伝を思い出してしまった。もしかしたらあれよりも最新鋭のものを見たって感じ。客席の方もライトが舞ってたりして、見ている方も鉄郎たちと一緒に銀河の旅に出ているような感覚にさせられました。あの臨場感は前作を越えてるなと思いました。

それから、999の車内の見せ方が前作よりも立体感が出ていて良かったです。座席が自由自在に動くことによって999が銀河を駆け抜けていく感覚が伝わってくる。前作は固定されていることが多かったのでちょっと寂しいなと思うこともあったんですよね。そこが改善されてダイナミックな演出に変わっていたのがすごく良かったです。

セットでビックリしたのが、冒頭で巨大な999の先頭車両が舞台上に登場したことです!あれは思わず目を見開いちゃいましたw。汽笛の煙も吹いてたし、すごいリアルだしカッコよかったです。今回はかなりお金かけてるんじゃないのかなぁ。

そして特筆したいのが歌のカッコよさ!!ビッグナンバー的なものはなかったと思うのですが、ノリが良いポップでワクワクするような曲が多くて本当に楽しかった。コーラスが入った時の迫力もすごかったですしね。あのナンバーを聴いて「今回もDVD予約しよう」って思ったくらいw。
メーテルが歌う曲はバラードが多かったけれど、それも心に訴えかけるような素敵な楽曲ばかりでした。今回は本当に前回にも増してナンバーが素晴らしかった。

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ストーリーは鉄郎が機械伯爵を滅ぼした後から始まりますが、冒頭ではプロメシュームとエメラルダスの対立のドラマが導入部分として出てきました。エメラルダスがなぜ女海賊として旅をすることになったのかが描かれています。
私は原作もアニメもまともに見たことがなくて知識は舞台オンリーなのでw、こういうドラマを入れてもらえると分かりやすいしストーリーに入っていきやすかった。機械化人間の世界が絶対だと信じる母・プロメシュームに対し、それを望まない人々の権利も認めるべきだと主張する娘・エメラルダス。最初はなんとか言葉で説得しようと必死になっていたエメラルダスでしたが、プロメシュームはいっさいそれに耳を貸すことはなかった。

母を消せば争いの種は消える…でも、この時はエメラルダスには母に手をかけることができなかった。そのことに絶望し、彼女は女海賊の道を歩むことになったわけです。

一方、鉄郎は機械伯爵との死闘を経て「この世から機械人間の存在をすべて消し去りたい」と強く願うようになる。最初は機械の体を手に入れて母の敵を討つと強く誓っていたはずの彼が、今では限りある命があるからこそ人間は美しいという考えに思い至り、機械を忌み嫌うようになった。鉄郎のこういった心の進歩もハッキリ描かれていたのが良かったです。

終着駅の機械化母星にたどり着くまで、鉄郎たちはまた様々な星を知り、多くの体験を重ねていきます。
この旅の中の演出で面白かったのが、無重力状態になるシーン。車掌さんと鉄郎がフワフワと宙を舞っているような演出が出て来るんですが、あれって下から支えがあるにしてもけっこうチャレンジな動きしてたと思う。車掌さんはちょっとおっかなびっくりっぽかったけど、鉄郎は無邪気に浮遊してるのを楽しんでる感じだったなw。アッキーの身体能力あってこそかも。

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旅の途中のエピソードで一番印象的だったのは、時間軸のズレによって999が2台となり鏡のように同じ人物が出現するって感じになった場面。メーテルや車掌さんは同じキャラとして登場していたように見えたけど、鉄郎と同じ行動をしていた青年は同じようで別人だった。
彼の名前はハミル。機械人間によって妹を殺害された悲しみと怒りを持った青年でした。鉄郎は機械伯爵に母親を殺されている過去があることから、境遇が似ていた2人は意気投合します。しかし、時の闇に落ちてしまった鉄郎は過去へタイムスリップした形となり、そこで倒したはずの機械伯爵とリューズに再会してしまう。

今回は機械伯爵打倒後のストーリーということでしたが、登場人物リストに入っていたのでどこで出てくるのかと気になってたんですよね。なるほど、この過去に戻ったシーンで出てくるのかと納得。
ちなみに、このシーンでリューズが歌っていた歌はアニメ版に出てきたものなのだそうです。

ここで語られるのが、機械伯爵の過去。貧しい人たちにも機械の体を提供したいという志を持って機械母星から戻った伯爵でしたが、その世界は人間たちに支配されていて機械化された人たちが虐げられていた。
すでに機械の体になっていた伯爵はその現状に絶望し、人間への復讐心の塊となってしまったと。彼にも哀しい過去があったわけです。しかし、その復讐のせいで今度は多くの人間が苦しんでいる。

そして、前作のクライマックスで描かれていた鉄郎と機械伯爵の対決の場面へ。鉄郎が機械伯爵の額を再び撃ち抜くと時は止まり、いつの間にか鉄郎だけが999に戻ってきていた。
この機械伯爵とハミルは実は同じ役者(前山くん)が演じていたので、鉄郎があの時伯爵を消滅させたのと同時にハミルも消えたんだろうなと思いました。鉄郎はそのことを悟り、駆けつけてきたハーロックの胸の中で涙を流します。

せっかく親友になれたと思ったハミルを失わせる結果になってしまったわけで…このシーンはとても切なかった。前作のトチローとの別れを思い出したな…。鉄郎は残り、ハミルは消えてしまった。その悲しみで潰れそうになる鉄郎を見たメーテルが「鉄郎は自分のことでは泣かないけど、人のためには涙を流す」と呟いたセリフがとても印象的でした。

前作を見なかった人への補完という意味でも、この場面を組み込んだのはよかったと思います。

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そして、いよいよメーテルの謎が明かされるクライマックス。鉄郎との旅が終わりに近づくにつれてなぜメーテルは浮かない表情を深めていたのか。
終着駅に到着した時、鉄郎は囚われの身となり機械化母星プロメシュームのネジにされそうになってしまう。実はメーテルは今までも自らの星・プロメシュームのために「ネジ」となる少年を連れてくる役割を担っていた。鉄郎も、そのうちの一人だったのです。

購入した台本を読んでみると、あのハミルもネジにされたと書いてありました。あの時の999に乗っていった彼はすでに「ネジ」にされてしまっていたのかと思うと切なくてたまらないよ・・・。

その真実に失望する鉄郎でしたが、今のメーテルは鉄郎と旅をしたことでこれまでの自分とは違う行動をとる決意をしていた。すなわち、鉄郎を助けるということ。母親であるプロメシュームに逆らっても鉄郎を守りたかったメーテルにグッと来た…。

そして、母と対峙するメーテルの前に姉のエメラルダスも駆けつける。冒頭では母を滅ぼすことに躊躇い逃げ出してしまったエメラルダスは、今度はどのような行動に出るのか…。
その結末は哀しくも美しいシーンとなっていてとても切なかったです…。

全てが終わった時、メーテルと鉄郎の別れの時が訪れます。

私、銀河鉄道999では泣くことはないと思いながら観てきたのですが…あのラストシーンは泣いた…かなり泣いた…まさかのボロ泣き。カテコになるまで涙が止まらなかったよ(涙)。本当に感動しました。

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