ホリプロ主催のミュージカルコンサート『A Happiness for You ハピネスフォーユー』を聴きに東京フォーラムAへ行ってきました。
このコンサートはホリプロ創業65周年を記念して企画され、6月28日と29日の2日間2公演のみの豪華ラインナップとして開催されました。ホリプロ所属のミュージカル役者さんが大集合ということで、これはぜひとも行かなければ!!と。
1日目と2日目ではメニューや出演者が異なるのですが、今回の購入は1日目のみ。ちなみに2日目は韓国からの役者さんも招いての日韓ミュージカル競演を中心としたラインナップというプログラムになっていました。和樹くんとあっきーが共演する2日目も興味津々だったんだけどねぇ…。またの機会にということに。
フォーラムAはかなり大きなホール(約5000人収容)なので後方席だとオペラグラスを使っても倍率によってはちょっと厳しいかなという印象があるのですが、今回はどの席からでも役者の表情が見えるようにと舞台左右にビジョンが設置されリアルタイム映像が流れるという仕組みになっていました。これはなかなかありがたい配慮だったと思います。
事前にホリプロさんから披露する楽曲の一部が紹介されたのですが、それだけ見ても驚くような豪華すぎるラインナップでビックリ!!期待しかありませんでしたよ、本当に!!行けて良かった~~。
以下、ネタバレを含んだ感想になります。
2025年06月28日18時開演 in 東京国際フォーラムA(東京・有楽町)
出演者・上演時間
- 出演者
鹿賀丈史、市村正親、安蘭けい、石川禅、大貫勇輔、小野田龍之介、柿澤勇人、吉柳咲良、笹本玲奈、髙橋颯(WATWING)、田代万里生、濱田めぐみ、宮尾俊太郎、山﨑玲奈、唯月ふうか
- 司会:垣花正(フリーアナウンサー)
- 構成・演出:菅野こうめい
- 上演時間:約2時間(120分)※休憩なし
セットリスト(DAY1 〜Going to The Future〜)
ホリプロ所属の役者さんたちが自分たちが出演した作品の代表ナンバーを歌うといったスタイル中心で、ホリプロ制作ミュージカル以外にも東宝や劇団四季からの楽曲が垣根を越えて披露されたのはとても良かったです。
司会担当は垣花正さん。垣花さんと言えばニッポン放送のラジオ番組MCやMXテレビの「5時に夢中」などのイメージが強かったのですが、経歴をは意見したらホリプロ所属だったんですね。知らなかった。「私の役割は殆どありませんから」と謙遜されていましたが、要所要所でソツの無い進行っぷりが光っていてさすがだなぁと思いました。
30曲近くのナンバーを2時間内に収めるということでトークコーナーは殆どなかった印象。休憩なしノンストップで思う存分トップミュージカルシンガーたちの歌を浴びまくる感じ。どれも本当に素晴らしすぎてあっという間に時間が過ぎ去ったように感じた充実のコンサートだったと思います。
1 Overture
2 『ジキル&ハイド』時が来た
♪石川禅、小野田龍之介、柿澤勇人、高橋颯、田代万里生
男性キャストが一節ずつ歌いながら登場という演出がカッコよかった。トップバッターの禅さんがしっかりと地盤を作って若手の役者さんたちがそれに続き、最後に3代目ジキル&ハイドを継いだカッキーが熱唱で〆てました。このロングトーンが額に青筋立ってるんじゃないかってほどすごくて、歌い終わった後客席にハイテンションで”もっと拍手をくれ――!”みたいに煽ってたのが印象的でした。本公演も楽しみです。
3 『ウエストサイド物語』サムウェア
♪全員
続いて女性キャストの皆さんが美しいドレスを身に纏いしっとりと歌い上げながら登場。そしてジキハイナンバーの時にいなかった男性キャストも登場して全員で歌われたのですが…めちゃめちゃ神聖な美しい響きで思わず涙ぐんでしまいました。
4 『ジーザス・クライスト=スーパースター』ヘロデ王の歌
♪市村正親、吉柳咲良、山崎玲奈、唯月ふうか
5 『ジーザス・クライスト=スーパースター』ゲッセマネの園
♪鹿賀丈史
今回のホリプロコンで一番大きな衝撃を受けたのが、市村さんのヘロデ王と鹿賀さんのジーザスを生で体感できたことです。劇団四季の初演に出演していたお二人の歌はこれまで1976年に発売されたCDでしか聴いたことがなかったのですが(市村さんの囁くように歌うヘロデがめちゃめちゃ記憶に残っている)、まさかここで実際に耳にすることができる日が訪れるとは思いもしませんでしたよ!!超ウルトラ貴重!!これだけでもこのコンサート代の元を取ったといっても過言ではないです。
市村ヘロデはとーーってもお茶目で、舞台上段から歌い始めた後に下の方で椅子に座っている鹿賀ジーザスに「ひさしぶり♪」と挨拶(笑)。そのあとも鹿賀さんの背後からバックハグしたりしてて、市村さんの鹿賀さんラブな気持ちが伝わってきてとても微笑ましかったです。
そして鹿賀ジーザス!!このナンバーは特に難易度が高く、近年の四季ジーザス俳優たちは圧巻のロングトーンで魅了するので年齢を重ねられた鹿賀さんは大丈夫かなと少し心配はありました。ところが、もはやそれを超越されていて…。たしかにロングトーンはありませんでしたが、それ以上に鹿賀さんからこれでもかというほど伝わってくるジーザスの壮絶な生きざまに衝撃以外の言葉がありませんでした…!!!圧巻以上のものがそこにはあった。これを生で聴けたなんて…生きててよかったと本当に思いました。
6 『ジェイミー』乗り越えるの
♪石川禅、高橋颯
7 『ジェイミー』誰も知らない
♪安蘭けい、石川禅、高橋颯、唯月ふうか
8 『ジェイミー』我が子
♪安蘭けい
ミュージカル『ジェイミー』は7月からの再演が決まっている作品で直近に迫っているということもあり3曲披露されていました。私はまだ観たことがないし、今回も迷った挙句に断念してしまったのですが(お財布事情がちょっと…涙)魅力的な楽曲揃いで俄然興味を掻き立てられました。
禅さんは圧巻の女装姿であのナンバーを歌うのかあぁ、とか、安蘭さんのお母さん役はこれ絶対泣けるやつだよ(ミセンと重なるものも)、とか、躍動しまくる颯くんやふうかちゃんの愛らしさもいいなぁ、とか。次に再演されたら今度こそ足を運びたいです。颯君、最後張り切りすぎたからかコケそうになっちゃって心配しましたが、恥ずかしそうに笑いながら元気に捌けていったので安心しました。
9 『デスノート THE MUSICAL』命の価値
♪唯月ふうか
10 『デスノート THE MUSICAL』愚かな愛
♪濱田めぐみ
「デスノート」も今年再演が発表されている作品。もう4演目くらいになるのかな?私はキャストが入れ替わった3演目の時にチケット購入して行くのを楽しみにしていたのですが、コロナ禍にぶち当たって中止になってしまい未だに観ることができずにいます(汗)。ワイルドホーンさんの楽曲だし、今度こそお財布事情が許せば1回だけでも行きたいなと。ふうかちゃんとメグさんのドラマチックな歌いっぷりが本当に素晴らしかったのでね。
11 『ロミオ&ジュリエット』エメ
♪柿澤勇人、吉柳咲良
12 『ジキル&ハイド』対決
♪鹿賀丈史、柿澤勇人
ロミジュリからは1幕ラストと2幕ラストで感動的に歌われるナンバー♪エメ♪。カッキーのロミオ、久しぶりに観たけどまだまだイケそうだよって思えるくらいカッコよかった。柔らかい表情も良いし、咲良さんとのデュエットのハーモニーもとても美しかったです。最後二人で可愛くグータッチしてたのも萌えた。
そしてこれまた超レアな組み合わせだと思ったのがジキハイの♪対決♪。これ実際の舞台では一人の役者が二役を同時に演じて歌うという超ハイカロリーな難曲なのですが、今回は何とジキルを鹿賀さんが担当し、ハイドをカッキーが演じるという貴重なものを見ることができました!!鹿賀さんのジキハイは初演から卒業されるまでずっと見続けてきたので、なんだかとても感慨深かったなぁ。
で、途中から鹿賀さんが突然「お前は鹿賀だ!!(本来は「俺だ」)」とカッキーに挑戦状のようにアドリブ飛ばしてきて(笑)。それに対してカッキー最初はビビってた様子でしたがすぐに切り替えて「柿澤だ!!!」と応戦(本来は「ジキルだ」)www。鹿賀さんはさらにカッキーを「鹿賀」にするべくグイグイ迫りまくって、必死にカッキーが自分を死守するように柿澤を主張しながらのアドリブやってみたいな(笑)。ジキハイの対決じゃなくて、鹿賀と柿澤の対決になっててめっちゃ面白かったですwwww。
このあと垣花さんがやって来てこのやり取りについてツッコミ入れたりしてわちゃわちゃトークw。鹿賀さんがイジりまくりカッキーが超タジタジになっちゃうという構図がとにかく面白かった(笑)。鹿賀さんはカッキーのことを可愛がってるんだろうなって思ったし、カッキーも鹿賀さんのことをすごくリスペクトしてるんだなぁというのも伝わってきてなんだかとても微笑ましいやり取りでした。カッキーがタジタジになる姿っていうのも貴重だったな(笑)。
13 『ピーター・パン』ネバーランド
♪吉柳咲良、山崎玲奈
14 『メリー・ポピンズ』凧を揚げよう
♪大貫勇輔、小野田龍之介
15 『メリー・ポピンズ』チム・チム・チェリー〜ステップ・イン・タイム
♪大貫勇輔、小野田龍之介、宮野俊太郎
この3曲はホリプロ制作作品の中でも家族向けといった印象が強いですね。この3曲は、ホリプロ所属になったという音楽家の中島ノブユキさんによるピアノ(編曲も担当されています)で披露されました。中島さんといえば大河ドラマ『八重の桜』の音楽を担当された方!この方の奏でる音楽は本当に素敵『八重~』のサントラ全部持ってます。今回も本当に素晴らしい演奏でした。現在はパリに在住されているそうで、このコンサートのために来日されたようですね。
そして圧巻だったのが♪ステップインタイム♪。大貫くんと宮尾さんによる超絶ダンス競演!!この二人は「北斗の拳ミュージカル」や『ハリーポッター』で拝見しましたが、ここまで本格的なダンス競演を見るのが初めてだったのでめちゃめちゃ痺れました!!!来てよかった!!!
16 『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』最後の真実
♪山崎玲奈
17 『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』願いを託して
♪小野田龍之介
18 『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』心の翼
♪大貫勇輔、小野田龍之介、宮野俊太郎、山崎玲奈
ここからはまた通常スタイルに戻って。やっぱりアタタミュ、良い曲揃いだよなぁと実感。あと、当時リンを演じてた山崎玲奈ちゃんがめっちゃ大人っぽくなっててビックリです。♪心の翼♪の時にラオウ役の宮尾さんも一緒に交じってたのも胸アツだったなぁ。アタタミュ、また再演してほしいです!!
19 『ガイズ&ドールズ』座れ、船が揺れる
♪大貫勇輔、小野田龍之介、吉柳咲良、高橋颯、田代万里生、宮野俊太郎、山崎玲奈、唯月ふうか
このナンバーは万里生くんが主役(笑)。「皆さん少し座るのが疲れてきたんじゃないですか?」ということで客席も一緒に巻き込んでのパフォーマンスとなりました。歌の途中で合図があって、それに併せて見る側が立って裏拍での手拍子を打ち、また合図で座るみたいなことの繰り返しw。
私もノリノリで参加しましたが、1階通路席には大貫くんやふうかちゃんたちがわらわらと降りてきて客席に「座ってー」とか「立って立って!」とか楽しそうに盛り上げてましたね。ちなみに私の席の近くの通路には宮尾さんがけっこう来てて、最後にカメラに向かってポージングしながらドヤ顔してたのがめっちゃカッコよくて萌えました(笑)。
20 『レ・ミゼラブル』ワン・デイ・モア
♪全員
そして今回もう一つ鳥肌急に感動したのが、事前プログラムにはなかった出演者全員によるレミゼの♪ワンデイモア♪大合唱です。垣花さんが現れ「このメンバーのレミゼ、出来そうですよね?」と客席に問いかけると当然みんなワァッと盛り上がりw。まさかねぇ、と思いつつもあれよあれよにやってもらいましょう!という流れに。
鹿賀さんにはバルジャンをぜひ!みたいになったのですが、鹿賀さんが「俺はここジャベールやることになってるから」と(笑)。するとつい先日の公演までジャベを演じてた小野田くんが「ここはもう、大先輩の鹿賀さんにジャベを譲りますっ」という流れになってwww。さらに禅さんには「かつてマリウスやってましたよね?」という話が飛び、「俺、ついこの前61になったばっかりだよ!?」と謙遜しまくり(笑)。すると、ふうかちゃんが「以前やった時は恋に破れる役(エポ)だったから今回禅さんと一緒にコゼット歌いたい」ってことになって。それを見て皆が「まるで親子なカップル」とツッコミしてたの笑ったww。
最後にバルジャンどうするかということになると、なぜか万里生くんに話が集中。「僕、レミゼとは縁もゆかりもないんですけど!?」と動揺しまくりながらもやる気が見える万里生くんに鹿賀さんが「お前のイメージじゃないけど、この際もうやっちゃいなよ」みたいに勧めててみんな爆笑(笑)。
配役的には以下の通り。
バルジャン=万里生くん、ジャベール=鹿賀さん、マリウス=禅さん、コゼット=ふうかちゃん、アンジョルラス=小野田くん、エポニーヌ=笹本玲奈ちゃん、テナルディエ夫人=安蘭けいさん、そしてなんとテナルディエ役に市村正親さん!!役がない皆さんはアンサンブル担当。
なんじゃこの伝説の凄いメンバー構成は!!!!いやぁ、もう、圧巻すぎて感動のあまり震えましたよ!!特に禅さん!!61とは思えない若々しい声色!!あの、私が狂ったようにレミゼ通いしてた当時の禅マリウスが蘇ったと大感動。ほんと、すごいよ禅さんっ!!
21 『ラブ・ネバー・ダイ』愛は死なず
♪笹本玲奈
22 『カムフロムアウェイ』Me And The Sky(私と空)
♪濱田めぐみ
23 『サンセット大通り』As If We Never Said Goodbye
♪安蘭けい
24 『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』アンヌと腕を
♪田代万里生、吉柳咲良
ここからはホリプロが誇るDIVAたちのソロナンバーが続きました。ラブネバを熱唱する玲奈ちゃん、サンセットのノーマを熱唱する安蘭さん、万里生くんと咲良さんによるラカージュのデュエットも素敵だった。
個人的に一番震えたのは、メグさんによる♪私と空♪。カムフロムアウェイは2回観に行きましたが、2度ともめぐさんのこのナンバーでボロ泣きさせられたのを思い出したよ…。今回も本当に圧巻すぎる歌いっぷりで。何がすごいって、歌の中にしっかりドラマが息づいていることですよ。ありありと情景が浮かんでくるメグさんの歌って本当にミュージカル界の宝だと思う。素晴らしかったです。
25 『ラ・カージュ・オ・フォール 籠の中の道化たち』ありのままの私
♪市村正親
ミュージカル系コンサートに市村さんが出演されると必ずと言っていいほど歌われるのが、このラカージュの♪ありのままの私♪です。以前、市村座を観に行ったときに市村さんがこのナンバーについてものすごく熱く語ったのを思い出しました。今回も本当に素晴らしいドラマ性のある歌いっぷりで、とてもこの歌を大事にされているんだなぁというのがヒシヒシと伝わってきてグッときてしまいました。
26 『生きる』青空に祈った
♪鹿賀丈史
27 『生きる』二度目の誕生日
♪市村正親、吉柳咲良、山崎玲奈、唯月ふうか
このミュージカルは黒澤明監督の映画「生きる」を原作としたオリジナル作品。ホリプロとしてはとても力が入っているということで最後に2曲歌われました。この作品、とても興味があるのですが…個人的にまだこの内容を受け入れられるだけの心の余裕がなくてまだ観に行けてないんですよね。なので、今回初めて楽曲を聴けて良かったです。
28 『メリー・ポピンズ』どんなことだってできる
♪全員
アンコールという形で全員で歌ったのがメリポピの♪どんなことだってできる♪でした。メリポピも再演が決まっているということで、ホリプロさん的には推していきたいところですよね。めちゃめちゃ盛り上がって、最後とても楽しい気持ちで締めくくることができました。
\\ ㊗2DAYS 終了🥂//
Thanks Musical Concert
『A Happiness for You #ハピネスフォーユー』
in 東京国際フォーラム ホールAおかげさまで全公演を終了いたしました!
ご来場いただきました皆様、
誠にありがとうございました✨ pic.twitter.com/WoIGQWQ3Nk— ホリプロステージ|舞台制作&チケット販売 (@horipro_stage) June 29, 2025
ハピネス…というか、衝撃と鳥肌が押し寄せてくるような夢のような一夜でした。伝説を目撃した気持ちになった。観に行けて本当に良かったです!!カンパニーの皆様、素晴らしいパフォーマンスをありがとうございました!