ミュージカル『四月は君の噓』兵庫公演 2022.06.17マチネ/06.18マチネ

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ミュージカル『四月は君の噓 を観に兵庫・西宮まで遠征してきました。

本来であれば2年前の2020年7月に公演が決まっていた作品。原作漫画は読んだことがないのですが、アニメ放送をずっと見ていたのでぜひミュージカルもぜひ行きたいと思い楽しみにしていました。ところが、時代は新型コロナ禍真っただ中となり…無念の全公演中止という憂き目を見ることに(涙)。

その後、作品として少しでも世に残すためにビジュアルブックコンセプトCDがネット通販で発売されました。

コロナ禍になる前に放送されていた音楽番組(FNS歌謡祭)で初めてこの作品の音楽を聴いた時、すごく心が躍ったんですよね。ぜひ全曲聴いてみたい!というテンションは消えず、少し値段は張りましたがw両方ともお買い上げしちゃいました。

ビジュアルブックは本当に写真集のようで、出演者のファンの人だったら絶対に買ったほうがいいと思うほどレベル。インタビュー記事も充実しているし、特典映像も60分とかなり濃厚な内容になっています。ちなみに、メインキャストの寺西拓人くんは両方とも参加していません。

まだ通販でも手に入るようなので(2022年6月現在)興味がありましたら是非に。ちなみに、今公演の劇場でも売っていました。

キャストを集結させるのも大変だろうし、当分日の目を見ることもないのかもしれないとガッカリしていたのですが、2年後という意外と早い時期に上演されることが決定。パンフレットを読んでみると、CD制作の後に2022年公演案が出てアンサンブルの再オーディションも行われていたのだそうです。
コロナ禍で世の中が不安に包まれていた中でも(まだ収まってないけど)ちゃんと未来を見据えて動いていたんだなと、なんだか胸が熱くなりました。公演が実現できて本当に良かった。

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兵庫公演は西宮北口にある兵庫県立芸術文化センター内のKOBELCO大ホールで上演されました。これまでミュージカルというとその奥にある阪急中ホールで行われてきましたが、今回はクラシックやオペラをよく上演している大ホールでの公演です。

最初は、こんな大きなホールにして客入りとか大丈夫なのだろうかとちょっと心配していました(汗)。が、その心配は全くの杞憂に。4階席までほぼびっしり埋まる大盛況っぷり。それはそれは圧巻の光景でした。おそらく、舞台上の役者さんたちも感激したんじゃないかな。

グッズ売り場もスタッフさんが誘導するほどの大行列で、パンフレットを買うまでにちょいと時間がかかってしまったほど。
それから驚いたのが、男性のお客さんがかなり多かったことです。生ちゃんの舞台これまで何本か観てるけど、その中でも特に多いと感じたほどだった。原作やアニメのファンの方も多かったのかもしれない。

コンセプトCDやビジュアルブックは通販で購入して持っていたので今回はパンフレットのみ…と思っていたのですが、小関くんと達成くんの特集が掲載されている「オーサム」を買うと劇場特典のカードが付く…という宣伝文句が目に入りこちらもついお買い上げしてしまった(笑)。

二人ともめっちゃカッコいい!あとでゆっくりインタビュー記事読みたいと思います。

以下、ネタバレを含んだ感想です。クライマックスからラストシーンにかけてだけボカしてますのであしからず。

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2022.06.17マチネ/06.18マチネ公演 in 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール (兵庫・西宮)

主なキャスト

  • 有馬公生:小関裕太(17日マチネ)木村達成(18日マチネ) 
  • 宮園かをり:生田絵梨花
  • 澤部 椿:唯月ふうか
  • 渡 亮太:水田航生(17日マチネ)寺西拓人(18日マチネ)
  • かをりの母:未来優希
  • かをりの父:原慎一郎
  • 審査員:ひのあらた三木麻衣子

17日マチネ公演のときに、幼い公生がピアノを弾く場面で音が出ないリアルなトラブルが発生(スタッフさんが慌てる声も客席に聞こえる事態 汗)。
客席にも少し緊張感が走ったのですが、この日演じていた子役の松浦くんは全く動じることなく役に入り込んで無心に鍵盤を叩き続けていました。その姿に思わず胸打たれてグッときてしまった。彼はきっと将来大物になると。歌声もとてもきれいでした(ファルセットが美しかった)。

メインキャストには入っていませんが、井川絵見を演じた元榮菜摘さん相座武士を演じたユーリック武蔵くんも素晴らしかったです。原作ではかなり重要なポジションのキャラだし、今回の舞台でも出番が多かったのでメインでも良かったんじゃないかなと思ったほど。

元榮さんはめちゃめちゃ美人さんでプライドが高そうな絵見を魅力たっぷりに演じてくれました。ピアノを弾く姿も美しかった。
武蔵くんはガタイも大きく歌に迫力があります。公生に対するコンプレックスを大胆かつ繊細に演じていたのがとても印象深かった。アンサンブル出演なので他の役も演じてたけど、トナカイ姿になってたのは可愛くてちょっと笑っちゃったw。

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あらすじと概要

原作は、2011年~2015年まで「少年マガジン」で連載されていた新川直司さんによる漫画です。単行本は全11巻。

アニメ化されたのは2014年秋~2015年(私はこちらをずっと欠かさず見ていました)。翌年の2016年秋には山崎賢人くんと広瀬すずさん主演の実写映画が公開されています。

ちなみに、2014年~2018年にはアニメで使用されたクラシック曲を中心に構成されたコンサートが開催されていました。全国各地を回るほどの盛況さだったようです。

初めて舞台化されたのは2017年(東京と大阪)。この時はミュージカルではない形式で上演されたとのことですが、ピアノとヴァイオリンのシーンは生演奏で表現されたのだとか。今も当時の公式HPが残っていますが、キャストさんたちのビジュアルはかなり原作と近いなという印象です。

そして、2020年の中止を経て満を持して2022年5月からミュージカル版が上演されることになりました。ちなみに、2020年の東京公演上演予定劇場は東京建物Brillia HALLだったようですね。今回の東京公演は日生劇場で行われたとのこと(ブリリアは見づらい席が多いという噂が絶えないので、日生に変わったのは良かったのかも!?)。
6月から7月にかけては高崎、愛知、兵庫、富山、福岡の全国公演も実現。今回私が観劇したのは兵庫公演です。兵庫は3日間4公演行われました。

作詞・作曲はミュージカル界の巨匠・フランク・ワイルドホーン。この作品のために全曲書下ろしたとのこと。共同作詞としてトレイシー・ミラー・シェルカーリー・ロビー・グリーンが名を連ねています。
こちらのチームは日本以外でも中国や韓国でもオリジナルミュージカルを制作したとのこと。ここ最近話題になったのは、上海で上演されたというミュージカル『人間失格』かな。日本文学が日本以外で初演されることになったという、ね。

ミュージカル版の演出は『キューティ・ブロンド』などを手掛けた上田一豪さんです。

簡単なあらすじは以下の通り。

正確無比な演奏で数々のピアノコンクールで優勝した神童・有馬公生は、指導者であった母の死をきっかけにピアノの音が聴こえなくなり、コンクールはおろかピアノに向き合うことからも遠ざかってしまう。その数年後の4月。高校生になった公生は幼なじみの澤部椿を通じ、同い年のヴァイオリニスト・宮園かをりと出会う。ヴァイオリンコンクールでかをりの圧倒的かつ自由な演奏を聴いた公生の世界は、再びカラフルに色付き始める。

かをりは、好意を寄せる渡亮太との仲を椿に取り持ってもらい、渡と椿の幼なじみである公生とも行動を共にするようになる。やがて公生はかをりに好意を抱くようになるが、親友である渡に気を遣ってしまい想いを伝えることができない。そして椿はそんな公生の気持ちに気付き、また自身に芽生えた公生への恋心に思い悩む。

<公式HPより抜粋>

上演時間は約2時間50分(内訳は1幕70分、休憩25分、2幕75分)。

クラシックのことや原作漫画を知らなくても全く問題ないと思います。むしろ知らないほうがスッと作品の世界観に入りやすいかもしれません。公生とかをりの関係を中心に、彼らのキラキラと輝く青春時代を爽やかかつ繊細に描いている作品です。

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全体感想

ここ最近見た日本発のミュージカルのなかで飛びぬけてよかったと思えるほど、ほんっッとに素晴らしかったです!!!最初から最後までずっと心を揺さぶられ続けて…、終わった時にはマスク1枚ダメにするくらい涙が溢れて仕方ありませんでした。この作品を観ることができたこと、とても幸せに思います。

KOBELCOはクラシックコンサートやオペラを主に上演している劇場なので音響が抜群に良い。キャストの皆さんの声がとにかくすごくクリアに聴こえてくるので、ものすごく入り込みやすかったのも大きかったと思います。

事前にCDを購入して聴いていましたが、それとは熱量も雰囲気もまるで違う。実際に舞台の上でを体感した想いのなかで歌うとこんなにも世界観が変わるのかと驚いたほどでした。
なんといっても、

ワイルドホーンの楽曲が全曲素晴らしすぎ…!

正直、こんなにも物語とリンクするナンバー揃いとは思ってなかった。一番印象深かったのはリプライズの巧みさ。物語の随所に後々のエピソードとリンクしているような箇所があるのですが、そこで同じ旋律を使うことによって登場人物の心情がものすごく自然にストレートに心に響いてくる。しかも、楽曲も耳に残りやすい。この構成力が本当に見事としか言いようがなかったです。

また、台詞や歌詞の言葉がどれもとても繊細で美しく心に残りやすいのも印象的。日本の漫画が原作ですが、詩を書いてるのはワイルドホーンさんとトレイシーさん、カーリーさんの海外チームなんですよね。海外のクリエイターが紡いだとは思えないくらい日本的で、登場人物たちの心に繊細に寄り添った印象のフレーズばかり。原作をとても深く読み込んで愛してくれているんだなぁと思いました。

通しで約2時間半の作品でしたが、無駄と思える場面が一つもなかったのが本当に凄い。盆を多用した上田さんの演出もドラマをより立体的に魅せていて実に見事。テンポも非常に良かった。こんなにもすべてが素晴らしいと思えた新作舞台は久しぶりかもしれません。

ちなみに原作では公生やかをりたちは中学3年生として描かれていましたが、今回の舞台では高校3年生に設定されていました。俳優さんたちの実年齢を考えると今回のミュージカルの場合はその方がしっくり受け止めやすかったので私は良かったと思います。

どのシーンもすごく心に残る名場面ばかりで本当は全部について語りたいくらいなのですが、そうするといつ書き終わるか分からないのでww特に心が震えたところについていくつか触れていきたいと思います。

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1幕感想

まずオープニングの入りが素晴らしかった。公生とかをりによる手紙のやり取りから始まるのですが…この時に聴こえてくるピアノの音色が本当に美しくて切なくて…それだけでもウルウルっときてしまい一気に惹きこまれました。ここの掴みが本当に最高だったなぁ。
あと、この手紙の内容はラストシーンとリンクしているんですよね。察しの良い人は冒頭の二人のやり取りを見て最後の景色が見えるかもしれない。この物語は最後の顛末を知りながら見ると本当にめちゃめちゃ泣けます。私はアニメを見て内容を知っていたので、二人が交わす書簡のシーンは本当にグッときました。

舞台の中央に置かれている1台のグランドピアノに座り一心不乱に弾いている幼い公生。その傍らで高校生になった公生が自らの過去を振り返る。ここから一気に物語の世界が進んでいきました。

厳格な母親からピアノのスパルタ教育を受けていた公生は、幼いころから「ヒューマン・メトロノーム」と呼ばれるほど正確な演奏を披露し数々の名誉ある賞を受賞していた。しかし、病弱だった母親は息子の成功を素直に喜ぶことはなく…そのまま帰らぬ人になってしまう。この時のショックでピアノの音が聴こえなくなってしまった公生が苦悩のままに歌う♪僕にピアノが聞こえないなら♪リズミカルな明るいナンバーになっていてちょっと驚きました。
公生本人はピアノが弾けなくなったことや母親への複雑な感情に囚われ続けていてものすごく苦悩しているのに、流れている旋律はライトでポップでカッコイイ。深刻に描かずあえてポップ調のナンバーにしたことで逆にググッと心を掴まれていくような感覚になりました。

それからもう一つ見事だと思ったのが、オリジナル曲とクラシックが見事に融合して一つの音楽作品として奏でられていたことです。冒頭のこのシーン、幼い公生が最後に弾いていたのはベートーヴェン作曲のピアノ・ソナタ第14番「月光」第3楽章。その旋律がナンバーの中盤から後半に溶け込んでいくような感じになってて。ポップス調の楽曲と切ない音色のクラシック音楽がこんなにも気持ちよく重なるとは!!なんだかそれだけでもものすごく感動してしまった。ワイルドホーンの音楽、本当に恐るべし!!!

そこから時間が進み、とある日の学校の教室のシーンへ。ここで公生の親友で幼馴染の椿や、学校一のモテモテ男子の渡が登場。二人とも明るく元気なキャラクターで、地味で閉じこもりがちな公生の背中をいつも押してくれるような存在です。

公生は仲間の輪に加わることを拒み現状維持を望んでいるのですが、「ピアノはもうやめた」と暗い顔をしていながらも音楽に関わるバイトをしているんですよね。椿はそんな彼の心の中にまだ音楽への未練があることを敏感に感じ取っていました。彼女にとって、それくらい公生の存在が大きいんだろうなというのがこの時点で伝わってきたよ。
だけど素直になれないから「彼女作っちゃいなよ~」って公生をたきつけちゃうんだよなぁw。このやり取りを見ていた渡が、迷惑そうにしている公生に向かって「無理かどうかは女の子が教えてくれるさ」と告げるシーンがあります。この言葉が後半になってものすごく泣けるものに変わるんだよね…。

なかなか外に出ようとしない公生を、「会わせたい人がいるから」と半ば強引に誘い出そうとする椿。その勢いに押されて渋々付き合うことになるわけですが、待ち合わせ場所になかなか現れない椿たちにイライラしていた時に一人の女の子が子供たちの前でピアニカを演奏する姿をみかけます。
凛としながらもなぜか涙を流しながら音を奏でている彼女の姿から目を離せなくなった公生。この時出会ったその人こそ、彼の運命を大きく変えることになる宮園かをりだった。この時に歌われる♪Perfect♪の音色のなんと美しく儚いことよ!!!ショートバージョンではあったけれどあの短い時間だけで一気に心を持って行かれました。かをりのイメージにピッタリと当てはまってる。

結末を知りながらこの場面を見ると、彼女が涙を流していた理由も察するに余りあるところがあるのでめちゃめちゃグッときます。

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かをりが渡に想いを寄せていることを知った椿は、その仲介役を買って出る(公園での待ち合わせはそういうこと)。このシーンの直前まで他の女の子からのメッセージに飛びあがって喜んでいた渡くんでしたが(笑)、美人で明るい笑顔が魅力のかをりを目の前にしてすっかり心を掴まれてしまった様子w。
でもこの場面、後半の内容を知りながら見ると…けっこう残酷だったよなぁと思わずにはいられない(汗)。まぁ、渡くんは人気者だからそこだけは救いかなと思うんだけど。

ヴァイオリンのコンクールに出場するというかをりを観に会場を訪れるシーン。つい数分前まではキラッキラで元気な高校生を演じていたアンサンブルさんたちが、清楚なドレスに身を包んでコンクールの勝利を目指してギラギラとライバル心を燃やす姿に変わっていた。この切り替えが素晴らしかったですね。全く雰囲気が違う。
他を蹴落としてでも上に上ってやるという並々ならぬ彼らの気持ちを歌った♪One Note♪は少しロック調で緊張感を感じさせるカッコいいナンバー。出場者たちの熱気あふれる歌声が圧巻でした。

そんな中、ヴァイオリン部門で演奏するかをりの順番が回ってくる。ライバルを蹴落とさんとする人が多いなか、彼女だけはそれとは全く違うオーラを纏っていて…壇上に登った彼女は神々しく清楚な光に包まれているようだった。かをりはコンクールの結果に全く興味がなくて、「自分」を表現する場だと捉えていたのです。
最初は譜面通りに演奏を始めたかをりが、ある瞬間にギアを入れ替えて独自のリズムとアレンジで弾き始めたとたんに一気に周囲の空気が変わる。コンクールにあるまじき行動に審査員や参加者たちは憤慨しますが、その演奏はやがて多くの人の心にとてつもないインパクトと感動を残していくことになりました。

この場面のかをり、本当に楽しそうにヴァイオリンを弾いていてキラッキラ輝いてるんですよね。結末を知っていた私には、それがまるで”生きる証”を残そうとしているようにも見えて…思わず涙が溢れてしまいました(泣)。さらにこの演奏シーンでかをりが歌うのが♪Perfect♪のフルバージョン。これがもうほんっとにドラマチックすぎて…!!!思い出しただけでも心が震えてしまう。
そんな彼女の演奏する姿から目を離すことができなかった公生でしたが、私もそれと同じ気持ちだった。猛烈に弾きこまれるものがありました。

演奏に感動した子供から花束を受け取るかをりを少し離れた場所から見つめている公生。両親からもたくさんの愛情を注がれ、椿や渡といった友達にも囲まれている彼女に複雑な気持を抱いてしまう。かつては光の中心にいた公生だっただけに、自分が戻れない場所にいる光り輝いていたかをりを羨ましく思ってしまう気持ちは分かる気がします。
その気持ちと同時に彼の中で彼女は「憧れ」の存在として息づくわけで、そんな繊細な想いが込められている♪映画みたいに♪は私の心にすごく沁みわたっていきました。かをりに憧れながらも手が届かない存在だと諦めたように「僕はただの友人A」と歌うフレーズがめっちゃ切ないんだよねぇ…。

公生に気が付いて「私の演奏どうだった?」と尋ねるかをり。そんな彼女に戸惑いながら「男の子が急いで花を買って渡したくなるような演奏」と独特の表現で評価する公生のシーンもとても印象深かったです。かをりにとってこの言葉は何よりも嬉しかったと思うんだけど、この時は彼が自分に興味を持ってくれたことに気づいてないので素直に喜べない。それがまた切ない…。

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球技大会のシーンにも色々なドラマが。お調子者で女の子に大人気のキャラだった渡がサッカーの試合にありったけの情熱を注いでいる。彼が本気でサッカーと向き合い頑張っていることがひしひしと伝わってきました。この時に歌われる♪The beautiful Game♪のナンバーが爽やかでポップ調でめちゃめちゃ良い!!青春を懸命に生きる若い子たちの躍動感がこれでもかというほど胸に響いてきます。タイトルに”Beautiful”とつけてるのも良いんだよねぇ。たとえ負けたとしても、あの瞬間は彼らにとってはかけがえのない”美しい”時だったと思うもの。

そして椿のソフトボール部も残念ながら負けてしまった。渡と同じく「自分のせいで負けた」と罪悪感に襲われてる彼女を、公生は優しく受け止めてくれる。椿の気持ちが彼に大きく傾いたのもあの瞬間だっただろうね。

その同じ日、かをりは渡の代打「友人A」として公生をデートに誘いました。公生は戸惑いながらもその役割をこなそうとするのですが、憧れの人を前にしてどのように振舞えばいいのか分からない。一方のかをりも、せっかく一緒に楽しい時間を過ごしたいのになかなか乗ってきてくれない公生にもどかしさを感じてしまう。
そんな二人の心情を歌う♪君がわからない♪のナンバーがこれまたすごく楽しい雰囲気で聴き心地がとても良い!!音が上がったり下がったりする箇所が多いので歌う方はかなり苦戦したと思いますが(汗)、小関くんも達成くんも生ちゃんも見事に歌いこなしていてすごいなぁと思っちゃった。

デートで訪れたスイーツ屋さんにはピアノが置いてあって、かをりは強引に公生に弾いてほしいとせがみます。これまでピアノから距離を置き続けてきた公生はなんとか拒もうと努力しますが、結局はその頼みを断れなくなってしまい「キラキラ星なら」と渋々弾き始めることに。
最初はうまくいっていましたが、ある瞬間突然頭の中にメトロノームのリズムが刻まれていく。その瞬間、過去のトラウマが襲い掛かってきてピアノの音が聴こえなくなってしまった公生は逃げるように立ち去ってしまった。その姿が本当に痛々しくて切なかったよ…。本当はピアノと向き合いたい気持ちが心の奥深いところにあるのに、どうしても過去から逃げられないんだよね…。

慌てて追いかけたかをりは、公生がピアノを弾けなくなり苦しんでいることを知ります。「君に言っても分からないよね」と諦めたように告げる公生に対して、「何かを失う苦しみは私にもわかる」と答えるかをり。この言葉は事情を知ったうえで聞くとものすごく重い…。
ウジウジしている公生に「甘ったれるな!!」と喝を入れ強引にピアノと向き合わせようとするかをり。この場面は少しコミカルに描かれていますが、あの時どんな想いで彼を焚きつけていたのかと思うと心がチクリと痛くなります…。

それでも公生は「僕にはピアノを弾く資格がない」と頑なに心を閉ざそうとする。その背景には「僕が母さんを殺してしまった」という暗い罪悪感があった…。厳しいスパルタ教育や、いくら努力しても認めてくれない母に限界を感じた時、幼かった公生は思わず酷い言葉をぶつけてしまった。その直後に母親が亡くなってしまったことが、彼の心にとてつもない大きな暗い影を残してしまったのです(涙)。
本当はお母さんに元気になってもらいたい一心でピアノと向き合っていたのに、自分の放った酷い一言の直後に失ってしまうなんて…本当に哀しすぎるよね。そりゃトラウマにもなるよ…。

でもかをりはそんな事情を聞きながらも「本当に好きな人にだったら、殺されても構わない。たとえ死んだってその人のためだったら何でもできる、」と意味深なことを告げる。この時彼女は、公生の母の気持ちと自分の気持ちをリンクさせていたのかもしれないな…。

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同じ頃、椿はかつて隣の家から公生の弾くピアノの音色が聴こえてきたことに想いを馳せていました。またあの音楽を聴きたいと歌う椿の♪月の光♪のナンバーがとても切ない。この時点で彼女は公生を求めてるんだろうなというのが伝わってきた。「ピアノを辞めるなら納得してからにしてほしい」と告げた言葉もとても印象的でした。彼を想ってるからこそ出る言葉だよね。

一方の公生はというと、雨が降り出したことで仕方なくかをりを家に招き入れていた。隣の家でこんなことが起こっているのを知らない椿ちゃんがなお切ない…。

かをりは使われていないピアノがある部屋に思わず足を踏み入れる。「ごめんね」と呟きながらピアノにたまった埃を静かに払うシーンがとても物悲しく見えてウルッときてしまった。もしかしたら、自分の今の状況と重ね合わせてみていたのかもしれないと思うとなおさらね…(涙)。
さらに♪ひとりぼっちのピアノ♪の旋律がものすごく泣けるんですよ…。特に「恋しくても近づけない」というフレーズが切なくて切なくて…。公生の気持ちに全く気付いてないのが本当にもどかしい。二人とも同じ気持ちを抱いてるのにすれ違ってるなんて…。

この時かをりは、ピアノの上に置かれていたクライスラー作曲の『愛の悲しみ』の楽譜に目が留まる。そこにやって来た公生に「次のコンクールで私のヴァイオリンの伴奏をやってもらうことに決めたから」と強引に決めつけてしまう。「僕はピアノが弾けないのに!」と抗議する彼の声も全く気にせずそのまま帰ってしまった。なんだかんだで押し切られてしまう公生はなんだか情けないけれども可愛い。

そしてあっという間に訪れる二次予選当日。かをりとの約束を果たすことに怖気づいた公生は会場に行くことができない。それでもその居場所を突き止めて無理にでも連れ出そうとするかをりは、頑なに心を閉ざそうとする公生に対し「君は弾けないんじゃなくて弾かないんだ!」と責める。それはあまりにも図星を突きすぎていて…堪らず「怖いんだ」と本音を打ち明けてしまう公生が切ない(涙)。また音が聴こえなくなったら、今度こそ自分は孤独になってしまうと告げる彼にかをりは「私がいる」と明るく告げました。その言葉はとても澄んだ美しい響きで、公生の心に差す一筋の光の道のようだった。

「くじけそうな私を支えてください」と涙をこらえながら頭を下げて懇願するかをり…。この時の彼女の心情を想うと泣けて泣けて仕方なかったです(涙)。私は結末を知ったうえで見ているので、その時の気持ちが痛いほど分かってしまったんですよね…。
自分の運命を知っているからこそ、どうしても公生と一緒に音を奏でたいと思ったんだよね…。最高の思い出をどうしても彼と一緒に自分の中に刻みたかったんだという気持ちだったはず。そう思うともう堪らなくて涙が止まらなかった。

頭を下げて頼んでくる彼女の想いに突き動かされた公生は、ピアノの伴奏をすることを引き受けることに決めました。
あとから駆けつけた椿と渡にそのことを報告した時、「無理かどうかは女の子が教えてくれた」と告げた公生。1幕最初のほうでワイワイしながら渡が言った言葉が、こんなにも素敵な響きとなって再登場するとは!!それだけでもすごい感動してしまう。

急いで自転車をかっ飛ばして会場へ向かう4人(誰の自転車か分からないんだけどww)。風を切るなかで歌われるナンバー♪Speed of Sound♪がこれまた素晴らしい躍動感あふれる楽曲!!会場へ急ぐ4人の姿がさらに光り輝いて眩しく見えて…気が付いたら号泣してた(涙)。なんだか分かんないけど、猛烈にこみ上げるものがあって涙が止まらなかった。そのくらい力のある素晴らしいシーンでした。

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そしていよいよ本番。ライバルたちが目を光らせるなか、最初は順調にかをりの演奏に合わせて伴奏していた公生でしたが、次第に頭の中にメトロノームのリズムが響いてきてピアノの音が聴こえなくなってしまう。やっぱり自分には無理なのだと途中で演奏することを諦め嘆く公生に、同じく演奏を止めたかをりは優しく微笑みながら諭すように歌い出します。
一度演奏をストップしたらコンクールでは評価してもらえない。そのことを知りながらも彼女は彼と正面から向き合うことを選んだ。それだけでもう心が震えて涙涙なのですが…、この時に歌われるかをりの♪旅に出よう♪のナンバーがあまりにも美しすぎてさらに涙腺を刺激してきました(涙)。

どんなに辛いことがあっても必ず光が導いてくれるはずだから、「もう一度一緒に旅に出ようよ」と包み込むように、それでいて凛とした声で歌い励まし続けるかをり。その姿と歌声はもう、涙なしには見れない…!!
本番で音が聴こえなくなり絶望していた公生の表情が、彼女の歌を聞いているうちにどんどん背中を押されるように向き合わなければという前向きなものへと変わっていく。その想いを汲み取ったかをりは少し微笑んでもう一度客席に向き直ります。この時告げたのは…

「アゲイン」

静かに、それでいて力強いこの言葉に公生はどれだけ勇気をもらっただろうか。彼女の奏でるヴァイオリンの音色に導かれるように再び音を紡ぎ出していく。次第に彼の中に音楽と触れ合うことへの悦びが溢れていく。もしかしたらこの瞬間がかをりにとって一番の幸せのピークだったかもしれないね。「二人でもう一度旅に出よう」と喜びに満ちた声で歌う姿に号泣…。
音楽を通じて二人の気持ちが見事なハーモニーを奏でる幸せの瞬間。でも、その直後に暗い影が忍び寄ってくるわけで…一幕のラストはかなり衝撃的でした。

長くなっちゃったので2幕感想以下は次のページにて(なかなか短く書けないなぁ 汗)。

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