舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』2023年11月08日 マチネ

2幕

2幕開いたときのダークダンスは何回見てもかっこいい。光と闇をうまく使った演出が最高です。

スコーピウスがアンブリッジ校長に尋問される場面。香寿さん2役目のアンブリッジ、めっちゃ声が可愛らしくてビックリ!ここ最近は威厳のある女性役で見ることが多かったので高くてちょっとお茶目な雰囲気で登場した姿はなんとも魅力的で新鮮でした。ここから次第に彼女の本性を表していくわけですから…見ていてゾクゾクしますよ。表向きと本音とのギャップがすごいっ!
そんなアンブリッジに翻弄されるスコーピウス。西野くんは門田くんよりもちょっとクールでダークな雰囲気を前面に出してる印象が強かったですね。スコピ、闇に染まっちゃったのか!?とハラハラするレベルだったw。でもそれがまたカッコいいんですわ!!西野スコピ、闇に対応する芝居が上手いっ。

スコーピウスがスネイプ先生に会いに行く場面。篠原スネイプ先生、どっしりと落ち着いた雰囲気がとてもダンディでカッコいい。最初冷淡に接するところでも知的な雰囲気がプンプン漂っているのが印象深い。
この会話の中で色々とスコーピウスは”変わってしまった世界”の原因を悟ることになるのですが、ここのくだりは最近予習をしてなかったのでまたちょっとついていくのが大変だった(汗)。ただ、スネイプが「オーグリー様に言いつけるぞ」というセリフを言っていたことに今回気がついて。あぁ、このあとの展開のアレはここのことかと今更ながら初めてガッテンしましたw。

スコーピウスが別の世界線に生きるハーマイオニーとロンに会う場面。最初は超男前に強い姿だけを見せていた玲奈ちゃんハーマイオニーが、違う世界線での自分の運命を聞かされたときの慌てふためきっぷりがめっちゃ可愛かったですw。そしてそれに迎合する竪山ロンの動揺っぷりも最高ww。それをニンマリしながら見てる西野くんも面白かった〜。
スコピを助けるためにスネイプたちが協力しに行く場面は打って変わってシリアス。そして、”愛する者へ”の気持ちが溢れ出ている感動シーンでもあります。ハーマイオニーとロン、スネイプの秘めた深い愛・・・、そしてスコーピウスのアルバスへの想い。彼らの真っ直ぐな愛情がこの物語を大きく動かす要素でもあるんだよなと思うと非常に感慨深いものがありました。

スコーピウスが元の世界に戻る場面はそれぞれの最初の再会場面が面白い。西野スコピの興奮っぷりからのドラコを見た瞬間の「パ……ぱ…」の我に返る表情がめっちゃ可愛かった。それに対して朝陽くんドラコは突然現れた息子とどう向き合っていいのか戸惑いを隠せなくてオロオロしてる。西野スコピもどう反応していいか分からなくて…この親子の不器用さがなんとも言えず愛しい。

マクゴナガル校長からアルバスたちが親子揃って説教される場面。香寿さん、アンブリッジ校長のときとまるで違う凛とした雰囲気でビックリ。もしかしたら二役演じられてることに気が付かない方もいるのではないかというレベル。子どもたちだけでなく、親にも(特にハリー)厳しくも愛のこもった想いを告げる姿がとても印象深かったです。
このあと、ハーマイオニーとローズが対面するのですが…このシーンの温かさがジーンと来るんですよね。玲奈ちゃんハーマイオニーはすごくすごく愛しそうに娘を抱きしめてて思わず涙が溢れてしまいました。短い親子の場面ではあるけど、お互いがお互いを想う気持ちは痛いほど伝わってきましたよ(涙)。

ハリーはようやくアルバスと向き合えてもなかなかうまく接することができない。藤田アルバスは藤木ハリーに対して本当にけっこう強めに反抗してくるので、親子仲をうまく構築できず戸惑う父親像がいつもよりもクッキリ出ていたなぁという印象。「冒険せざるを得なかったんだ!!」と思わず叫んでしまう藤木ハリーのシーンでは”本当はもっと落ち着いて息子と話がしたいのに”といったもどかしさがリアルに感じられたような気がしました。
それでも、ハリーが「お前がいなくなって怖い思いをした」と素直な気持ちを吐き出したことでアルバスの空気が少し変わる。この息子の気持ちの微妙な変化を藤田くんはとても繊細に演じていたと思います。

ようやく誰に気兼ねせず二人で会えることになったアルバスとスコーピウスの場面。二度と会えないかもしれないという絶望的な状況を体験したからか、西野スコーピウスがめちゃめちゃ嬉しそうにアルバスと会話してる姿がなんだか見ていてホッコリしました。
そこにやってくるデルフィー。スコーピウスの体験談を耳にしたあとの宝意デルフィーの表情の変化が何度見てもゾクゾクする。今までよりもまた一段と残虐性が増してたんじゃないでしょうか!?ここであのときの”オーグリー様”が繋がってくるんですよね。このあとアルバスとスコーピウスは”ある悲劇”を目撃させられてしまうわけで…。アルバスは特に、父親と同じ運命を辿ってるんだなと想うとなんとも言えない気持ちにさせられます。

スポンサーリンク

そして”第3の課題”にタイムスリップする場面。ここはもう何回見ても…というか、回数を重ねてみれば見るほど切なすぎて涙が止まらないんですよね。アルバスとスコーピウスはここで初めて救おうとしていた人物、セドリックと出会う。
最初は偉大な父親への反抗心からその計画を実行しようとしていたアルバスでしたが、様々な経験を経て人を思いやる気持ちを学びました。そんな彼が最後にセドリックを引き止めて告げる言葉が…もう本当に切なくて切なくてボロ泣き(涙)。このあと彼に訪れる運命を知ってしまっているだけに、ほんと辛いんだけど…、だけど、あの言葉を聞けたことは唯一の救いだったかもしれないなと思わずにはいられません。

アルバスとスコーピウスが駅で時代を尋ねる場面。ここはいつも車掌さんの不思議な言葉に笑ってしまうんですよねww。今回よく耳を澄ませてみたら…「エジンバラ」「時刻表」ってワードが聞こえてきた…ような気がする(笑)。車掌さん役によって言葉のチョイスが変わるのかも?このシーンでアルバスが「分かった!」と喜んでる脇でスコーピウスが「今ので?」と不思議そうなポカン顔してるのが個人的にツボだったりしますww。

ハリーがダンブルドアの肖像画と2度目の会話をする場面。行方知れずになったアルバスを心配するあまり、藤木ハリーは突っかかるときの声も泣きそうになってた。激しい言い合いをする中でお互いにお互いを思い合っていたことを悟った二人。「言ってくれたらここまで傷つかなかった」というハリーの言葉が切なく響いてくる…。気持ちはやっぱりちゃんと言葉にして伝えないといけないのかなって思います。だけどそれが一番難しいこともあるんだよね…。親の愛情を知らないまま大人になった不器用なハリーは特に。
ようやく素直にダンブルドアの肖像画に「愛している」ことを告げたハリー。このときの涙声の藤木さんに思わずもらい泣き…。「知っているよ」と優しく微笑み静かに去っていく篠原ダンブルドアの姿も泣けた。

ハリーの元にやってきたドラコが彼の様子を心配してか少しジョークを語る場面。「こういう話をするのは苦手なんだ」と告げるときの朝陽くんドラコ、めっちゃ照れて動揺してたのが可愛くて萌えた!もう本当に彼も不器用そのもので愛しい!!
本物のタイムターナーを見せたあとにドラコが親子関係を語るシーンも本当にグッときます。妻のことを心から愛していたこと、そんな彼女が残してくれた大切な息子・スコーピウスを一刻も早く見つけたいと焦る気持ち、彼の心のなかに広がる様々な感情が手に取るように伝わってくる。「息子たちを見つけなければ!」と切羽詰まるように叫んだ朝陽くんドラコに泣きました(涙)。

アルバスとスコーピウスが”ある場所”にたどり着いて運命の人と出会う場面。ここも本当に毎回涙が出る。彼らの姿を見たことがアルバスの父親に対する気持ちを大きく変えたのではないかなと思えてならないんですよね。ここのシーンは見ていて本当に色んな感情湧いてくる。
ついにハリーたちが息子と再会できる場面。この時初めてアルバスは素直に親に甘えることができた。そしてドラコとスコーピウス。朝陽くんドラコがどんなにかスコーピウスを愛していたのかがものすごくストレートに伝わってきた。あの抱きしめたときの手の温もりの優しさが本当に泣ける…!!

このあと彼らは最後の戦いに挑むことになるわけですが…、改めて、デルフィーの悲しみと切なさが胸に迫ってくる想いがしましたね。この物語の中で一番報われない哀しさを背負っていたのはやはり彼女かもしれない…。残虐性がどんどん増していたデルフィーだったけど、その根底には”愛に飢えた”本当の姿があったわけで。
そんな彼女の言葉にハリーたちが告げる言葉はとてつもなく重い。今の時代にも重なるとても大切な言葉。誰もがそれを実行していたら哀しい戦争は起こらないかもしれないのにと感じずにはいられません。

そして、あの、この物語最大のといっていいかもしれない悲劇の場面…。藤木ハリーはホロホロと涙を流していたかと思うとゆっくりと力を失ってその場にへたり込んでて…その姿が哀しくて哀しくて仕方なかった(号泣)。そんな彼を見守る家族、そして仲間たち…。ここはとにかく全てが泣けます、本当に。

その後、様々な経験を経たスコーピウスは勇気を出して一歩を踏み出す。「あれは哀れみの目だ!!」って興奮してアルバスに語るシーンはちょっとクスリと笑ってしまうけど、でも彼にとってはすごく大きな意義があって。そしてちょっとだけそれが報われたりして。そんな彼が最後にアルバスと向き合いある行動に出る場面はとても感動的で涙が出ます(泣)。二人の新しい友情にバンザイ!

そしてハリーとアルバスにも新しい展開が訪れる。最初は開いていた二人の歩く距離が時間を追うごとに少しずつ縮まっていく感じがとても温かい。藤木ハリーは、アルバスと普通に話ができることへの喜びが今まで見てきた中で一番顕著に現れていたように感じました。本当に嬉しそうな無邪気な笑顔浮かべててねぇ…。ここに至るまで親子関係で散々苦しんで空回りしてる姿を見てきたこともあってとても感動的です。

ラストシーン、少し躊躇いながらも嬉しさを隠しきれずしっかりと息子の肩を抱きしめる藤木ハリーに泣きました(涙)。

スポンサーリンク

後述

藤木さんは今回のみでしたが、父親としてうまく接することができないハリーを繊細に演じられていてとても感動的でした。アルバスと良い関係でいたいのにそれができないことへのもどかしさや苛立ちなど、感情表現もとてもわかりやすかったと思います。

他の新しいキャストの方のお芝居も本当に素晴らしく、また新たな舞台ハリポタに出会えたことが嬉しかった。改めてダイナミックな演出とシンプルな愛情物語が絶妙にマッチした素晴らしい作品であることを再確認しました。次回は12月に大貫くんハリーを観に行く予定。また違った化学反応が見れそうで楽しみです。

舞台ハリポタ感想一覧

error: Content is protected !!