劇団☆新感線 いのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』大阪公演 2021.11.01マチネ

劇団☆新感線のいのうえ歌舞伎『狐晴明九尾狩』を観に大阪遠征してきました。

夏はコロナ禍がピークだったり都会でビッグイベントが行われたりもあって意図的にチケットを取らないようにしていましたが、9月は本当は大阪にミュージカル遠征する予定になっていたんですよね。でもそれも結局泣く泣くキャンセルせざるを得なくなってしまって…今回ようやく、約3か月ぶりに大阪に行くことができました…(汗)。

劇団☆新感線は立ち上げから41周年ということで『狐晴明~』はその記念公演と銘打たれていました。ただ、今回はそれを狙ってというわけではなくて…、久しぶりに中村倫也くんの生の芝居が見たくなったからというのが大きかった。ミュージカル『RENT』のロジャー役を見てファンになった後、けっこう彼の舞台は観に行っていたのですが、朝ドラでブレイクを果たした後はちょっとご無沙汰になってしまいまして(ドラマの内容は置いといてw、ブレイクしたことは本当に嬉しかった)。
コロナ禍で舞台に飢えていたことと、なんだか無性に倫也くんの生の芝居が見たくなったというのもあって上演が決まってすぐの頃にチケット申し込みをしてみました。

ただ、チケットはかなり早い時期に確保のお知らせが来ていてホッと一安心していたのですが…”オリックス劇場”ということで一抹の不安もありました(苦笑)。で、それが的中。

『キンキ-ブーツ』を観に行った時もそうだったんだけど、この劇場の座席の値段設定が強気すぎます!!

キンキーの時は3階席端っこでS席価格だったことに衝撃受けたんですけど、まぁ、この時はギリギリで確保できたということもあり「仕方ない」という諦めもありました。
が、今回はけっこう早い段階でチケットを取れたのにもかかわらず…あの時とほぼ同じ位置の座席(汗)。距離が遠いうえに(オペラグラスがないと表情判別できず)、見切れもちょいちょい発生。さらに見切れが原因で前の席の人がしょっちゅう前かがみになり視界が遮られてしまうというオマケつき(汗汗)。耐え切れなくなり休憩時間にこっそり劇場係の人に呼びかけ強化をお願いしましたが、それでもあまり効果なかった…。座席に関してだけは非常にストレスがたまりました。

それなのに、1階席最前と同じ価格設定というのは…ちょっと納得いかないです。どうにか見直してもらえないですかねぇ、座席の価格設定。同じチケット代の中での落差が大きすぎる。前々から思ってたけど、ホントにここは改善してほしいです。

苦情的なところはこのくらいで。

グッズはかなり充実していました。パンフレットは相変わらず他の演目に比べると大きめ

今年初めに観に行った「INSPIRE 陰陽師」と比べてもこれだけ大きさが違います。

新感線はパンフにめちゃめちゃ気合入ってるのはいいんですが、A4サイズしか入らないようなバッグを持っていくと入らなくて荷物になっちゃうんですよね(苦笑)。今回はそれを見越して少し大きいサイドバッグを持参して行きました。

それから、戯曲が発売していたので少々お値段張りましたが購入してみました(中島かずきさんのサイン入りが買えた!)。

新感線は作品によって面白いと思うものとそうでないものに分かれるのですが、「いのうえ歌舞伎」は個人的に当たりの時が多い。『狐晴明~』も観る前からハマる予感がしていたのでパンフ、クリアファイルと共にお買い上げしちゃいました。結果、買って正解。前回見に行った新感線の作品は全くハマらずだったので内心ちょっとドキドキしていたのですがw、今回は当たりでホントに良かったです。

以下、ネタバレを含んだ感想になります。

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2021.11.01マチネ  in オリックス劇場(大阪・四ツ橋)

キャスト

  • 安倍晴明:中村倫也
  • タオフーリン:吉岡里帆
  • 尖渦雅:浅利陽介
  • 虹川悪兵太:滝星涼
  • ランフーリン:早乙女友貴
  • 蘆屋道満:千葉哲也
  • 元方院:高田聖子
  • 藤原近頼:粟根まこと
  • 賀茂利風:向井理

メインキャスト以外の出演者がかなり多い作品でしたが、「このキャラはメインでもいいんじゃない!?」と思えるような人物ばかりで熱量がすごかったですね。さすが新感線、層が厚い。

個人的に印象的だったのは、元方院の側近・橘師師を演じた右近健一さん。右近さんは毎回新感線の舞台で大きな爪痕を残されるのですが、今回もめちゃめちゃキャラが濃くて面白かったです(ほとんど顔の白塗り姿だったしw)。ヘビメタ系のシャウトな高音を出してくるセリフ回しも健在。久しぶりには意見したので、なんだか懐かしくなっちゃいました。

それから、晴明の”式神”である白金と牛蔵を演じた山本カナコさんと村木仁さんの存在感も面白かった!!陰日向に晴明を手助けしていくんですけど、どこかトボけた味があって登場するたびにクスリとしてしまうww。ノホホンとしているようで実は有能な式神二人は、この作品にはなくてはならない存在だったと思います。

それから、渦雅のライバル・又蔵将監を演じた河野まさとさんも非常に印象深かった。っていうか、彼はメインキャストにしてもよかったのでは!?と思うくらい。作品の中でも重要なポジションだったし、常に渦雅にライバル意識剥き出しにしてるところがなんだか人間らしくもあり、シーンが進むにつれてどんどん黒く染まっていく様はとてもリアルで見応えがありました。

あと、悪兵太の仲間・段八役の吉田メタルさんの姿があったのも嬉しかった!というのも、なぜか私数年前に「仮面ライダー鎧武」をずっと見ておりましてww、その時のメタルさんの印象がめちゃめちゃ濃かったんですよね。そういえば新感線の劇団員の方だったなぁと思い出しました。

ただ、橋本じゅんさんが出演されてなかったのはちょっと寂しかったかも。じゅんさん、最近ドラマのほうがお忙しくなりましたからね。また新感線の舞台にも出演してほしいです。

他のキャストの皆さんもホント素晴らしい躍動感あふれる熱演でした。やっぱり新感線の役者さんたちはレベルが高いと思います。あれだけの熱量やテンションでのマスクをつけたお稽古はさぞ大変だったのでは(汗)。

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あらすじと概要

劇団☆新感線の主宰であるいのうえひでのりさんの名前を取って”いのうえ歌舞伎”と呼ばれている人気シリーズ。その多くの脚本を手掛けているのが座付き作家でもある中島かずきさんです。主に歴史や神話をモチーフにした作品を上演していることから”歌舞伎”という名前がついているのではないかなと。

私が一番初めに”いのうえ歌舞伎”に触れたのは森田剛くん主演の『IZO』でした。田辺誠一さんが出演しているということで観に行きましたが、めちゃめちゃ面白くてすぐにDVDの購入予約を入れたことを覚えています(作家は青木豪さんでした)。さらにそのあと見た上川隆也さん・堺雅人さん主演の『蛮幽記』も好みにピタリとはまったんですよね。
あと、”いのうえ歌舞伎”のジャンルには入らないんですが、天草四郎を扱ったロックミュージカル『SHIROH』も大好きでこれは何度もリピートしました。

時々好みにハマらないものもありましたが(五右衛門ロックはあまり好きじゃなかった 苦笑)、今回の「陰陽師」をテーマにした作品は個人的好みに合う予感があって。結果的に見事的中で、既にDVD出してほしいと熱望するほどです。これはまた再演してほしいかも。

簡単なあらすじは以下の通り。

ときは平安時代の中頃。貴族たちが雅な宮廷生活を送る京の都。
そこで宮廷陰陽師として仕える安倍晴明(あべのせいめい/中村倫也)。 人並み外れた陰陽道の才能ゆえに「人と狐の間に生まれた」と噂され、“狐晴明”と呼ばれている。

ある夜、九つの尾を持つ凶星が流れるのを見た彼は急いで参内する。 それは唐の滅亡以降、大陸を戦乱に陥れた九尾の妖狐が日の本に渡ってきた印であった。しかし、宮廷からうとましく思われている彼は退けられ、九尾の妖狐退治は大陸で学問を修めて戻った陰陽師宗家の跡取り、賀茂利風(かものとしかぜ/向井 理)に命じられる。

だが、すでに九尾の妖狐は利風を倒し、その身体を乗っ取り内裏に侵入していた。

<公式HPより抜粋>

劇団☆新感線の舞台に行くと、開幕直前に必ずヘヴィ系ロック音楽が流れます(ジューダスプリーストの「HEAVY DUTY/DEFENDERS OF THE FAITH」)。かなりの大音量で突然聴こえてくるので、全く知らずに行くとドキッとさせられてしまうかもしれません。私も最初ビックリしましたw。今回、久しぶりに聴いて”あぁ、新感線の舞台に来たんだなぁ”となんだか懐かしい気持ちになってしまいました。

ちなみに、カーテンコールの時に流れてくるのもジューダスプリーストの音楽で「PARENTAL GUIDNCE」。こちらも新感線の舞台ではお決まりになっています。

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全体感想

劇団☆新感線の舞台を観たのは2016年の「ヴァン!バン!バ~ン!」以来なんと5年ぶり。なぜこの舞台を観に行ったかと思い返してみたら…、中村倫也くんが出てるからっていう理由だった。奇しくも今回も全く同じような理由で新感線を観に来たことになりますw。
しかし、あの時はキャストは豪華だったにもかかわらず作品自体に全くハマることができず…、途中で記憶を失ってしまった苦い経験が…(汗)。あの作品の脚本、クドカンさんだったんですよねぇ…。やっぱり好みに合わなかったとガックリしながら帰ったのを思い出す(苦笑)。

新感線を観たのはそこが最後であまり良い思い出がなかったことから(汗)、正直またハマれなかったらどうしようという一抹の不安はありました。ただ、今回は作家さんが中島かずきさんだったので大丈夫だろうという気持ちの方が大きかったかな。それに、倫也くんが陰陽師役って…それ絶対面白くなるやつじゃないのという確信めいたものもありました。

今回は1回のみということもあり(チケット代が高い 汗)、迷いましたが観劇前にあらすじをチェックして物語の流れをある程度掴んでから行きました。新作の場合でも内容を全く知らないで行くことが多いのですが、1度きりの観劇の時はなんとなくでも流れは知っておいた方が楽しめるかもしれない…と最近思うように。
が、今回は下調べをしていかなくても十分楽しめたんじゃないかなと感じたほどストーリー全体はとてもシンプルで分かりやすかったです。誰が見ても肩の力を抜いて楽しめるような構成になっていたと思います。

シーンごとの繋ぎの演出もスピーディーで、グイグイ物語の中に惹きこまれていくのを感じました。新感線の舞台は暗転してストーリーをいったん止めることがない作品が多い。『狐晴明~』も場面の転換は宮中の外壁や洛中の動く壁を巧く稼働させていて、その間も途切れることなくドラマが進んでいく。観劇する側の集中力も高まります。
映像演出は舞台正面奥の大型スクリーンのみの使用でシーンを補足するに留めた感じでしたが(これまで見た作品は複数のスクリーンを使う派手なものが多かった)、逆にドラマの内容がストレートに伝わってきてよかったと思いました。

テーマが”陰陽師”ということで、呪文を唱える時の光の使い方もドラマチックで見応えがありました。今回けっこう上の方からの観劇だったこともあり、晴明や利風の周りに渦巻く照明もよく見えて作品全体の世界観を立体的に感じることができました。座席運は微妙でしたが(苦笑)、こういった照明効果を楽しめたことだけは良かったですw。

衣装はどれも華やか。特に高田聖子さん演じる元方院の着物はめちゃめちゃ豪華でビックリ!!カツラも含めて総重量かなりあったのではないでしょうか(汗)。晴明や利風の涼やかながらも艶やかさが感じられる陰陽師衣装もとっても素敵。倫也くんも向井くんも見事な着こなしっぷりでまさに目の保養でした。また、吉岡里帆ちゃんと早乙女友貴くんが演じた狐もかなり派手な扮装になってて、言われなければ誰だか分からないレベル。二人ともめちゃめちゃキュートで可愛らしかった。

劇中に使われた曲「約束の未来」もロックで躍動感があってカッコよかったです!

それから、1幕ラストのスクリーンの仕掛けも面白かったです。私はオペラグラスで向井くんの表情に注目していたんですが、そこから目を離してふと全体を観たらスクリーンの文字が動いていてびっくりw。向井くん演じる利風の芝居とリンクしていたんですよね。もっと早く気づけばよかったとちょっと後悔してしまいましたw。

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物語は、平安時代の都に九つの尾を持つ凶星が流れるのを安倍晴明が目撃してしまうという、けっこうダイナミックな場面から始まります。戯曲本ではその前の都での他愛のないやり取りのシーンからスタートしているのですが、今回の舞台化にあたっては時間の都合上(コロナ禍も大きく影響してるらしい)ごっそりカットすることになったという裏事情があったらしい。
突然本題に入るような形だったのでしょっぱなからドキドキさせられますがw、こういうスリリングな導入も新感線らしく面白くていいんじゃないかなと思いました。

晴明は急いで宮廷に駆け込み、凶星の正体は日ノ本を混乱に陥れるであろう九尾の妖狐であると進言して自分にそれを鎮める役目を与えてほしいと懇願しますが、帝の母・元方院は”狐”と噂されている晴明を嫌っていたこともあり既に賀茂利風という陰陽師にすべてを任せる手配をしてしまっていた。
利風は晴明の幼いころからの親友だったことから自分は身を引くことを快く受け入れてしまうわけですが、もうすでにこの時点で悲劇は始まってしまっているという流れ。陰陽師修行のため大陸に渡っていた利風が帰ってきてくれたことを最初はとても喜び”親友”として接していた晴明でしたが、少し言葉を交わした直後、彼が”利風本人”ではないことを見抜いてしまうんですよね…。この人間離れした霊感的な能力、晴明ならありそうだと納得できてしまう。

この作品の中でけっこうな重要事項が冒頭の方で明かされていくのですが、それを知ったうえでどう晴明たちがこの運命に立ち向かっていくか、利風とどう対峙していくのか、という答え合わせ的な展開のストーリーが実に魅力的に描かれていきました。犯人が最初に分かったうえで謎解きしていく刑事ドラマ、的な面白さがあったと思います。

特に晴明と留学先で体を乗っ取られてしまった利風(という名の狐の妖・パイフーシェン)の謎解き合戦は逆転に次ぐ逆転の連続で、彼らはいったいどのくらい先まで読んでいるのかとハラハラドキドキしながら見入ってしまう。なんか、将棋の世界で快進撃を続ける藤井聡太くんの頭脳の中を垣間見ているような気持にもさせられてしまった。
この”化かし合い”のような展開に、”狐”の血が入っていると噂される晴明と実際”狐”に乗っ取られた利風が絡むっていうのは巧い設定だなと思ったかも。

物語の中には様々な個性的キャラが登場。

狐の妖でありながらもパイに一族を喰われてしまったタオとラン姉弟は最初は協力し合うんだけど、戦いの中ではぐれてしまったことによって考え方が分かれてしまう。姉は晴明たち「人間」サイドに心を寄せ、弟はパイの口車に乗って「狐の野望」に手を貸す形へ。弟のタオがパイの誘惑に負けてしまった背景には、かつて狐が人間から疎外された存在であるというバックグラウンドも感じられて、姉と進む道を違える決断をしたのはやむを得なかったかもなぁと思いました。
かくいう姉のタオも、一族の恨みを晴らすと意気込んでいながらも実はある”心の迷い”を抱えているわけで…。それが明らかになった時の「狐の妖」として生きる彼女の切なさみたいなものも垣間見えた気がしたなぁ。

でも、タオとランが違う道を進む展開は切なくもありましたが、ちょいちょいコメディ要素が絡んでくるのが新感線らしくて楽しかったです。

一番面白かったのは、晴明とタオが都から去ったあと立ち寄った場所で食事をとるシーン。式神たちが用意したのが「うどん」で(笑)。「そなた(タオ)の顔を見たら無性にうどんを作りたくなってしまって」というセリフには思わず吹き出してしまったwww(吉岡里帆さんは『どん兵衛』のCMで”どんぎつね”役で出演中ですからねw)。
それから、ランが利風(実はパイ)から洗脳されてるシーンの時に意外な事実を打ち明ける場面で急に昭和的な匂いのする演出が出てきたのも笑いましたww。あの事実は最初信じられなくて利風が嘘ついてるのかと思ったけど、本当だったと知った時はビックリした(笑)。

真面目過ぎる検非違使の渦雅や、ならず者ながらも晴明と親しく最後の最後にグッジョブ的な役割を果たす悪兵太率いる虹川党にもちゃんとしっかりとしたドラマが描かれていて、色んなキャラに感情移入してしまいます。
隠れ陰陽師で神出鬼没敵な存在の道満も独特な妖を引き連れていて面白い。後半になって晴明の大きな手助けをしてくれる存在となるのですが、実は「モフモフ大好き」という可愛い一面もあったりして面白かったな(タオがそんな彼のために用意するスペシャルなモフモフシーンはビックリしたけどww)。

あと、後半になってからキャラが変わる人物が出てくるのも面白かったし…、パイに喰われることになるのがあの二人っていうのもすごい印象的だった。人間の弱さの象徴のような存在だったからなぁ…。喰われた後の抜け殻は不気味ながらもちょっと面白かったけどw。

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そんな中でも一番印象深かったし心打たれるものがあったのは、やはり晴明と利風の関係

陰陽師修行で利風が大陸に留学する前まで、二人は良きライバルであると同時にかけがえのない親友同士でもあった。お互いへの信頼が芝居の中からもヒシヒシと伝わってきて、その先の展開が見えているが故になおさら切なくなってしまいます。
この当時の陰陽師としての能力は晴明のほうが高かったのですが、すぐに感情を露にしてしまう欠点があった。利風は自分よりも高いレベルを持つ晴明をうらやむ気持ちもありながら、それをちゃんと受け止めていて感情のコントロールが未熟な晴明に忠告してやったりしている。

お互いにすごくいいバランスを保ちながら関係を深めてきた晴明と利風。その当時を思い出した後我に返った晴明に式神が「泣いているのですか?」と指摘するシーンはグッとくるものがあったなぁ…。利風がいなくなってしまったことを自分の中で受け止めざるを得なかった晴明は、その指摘で初めて心の痛みを感じたことに気が付く。非常に美しく、儚い場面でウルッときた・・・。

その後、逆転に次ぐ逆転でお互いに先を読み主導権を握ろうとしていくわけですが、最後に対峙する場面はとてもスリリングで目が離せなかった。ここの顛末は超ネタバレに触れてしまうのでここでは割愛するけれど、晴明はそこまで読んでいたのかと驚かされましたね。悪兵太たちの銅山行きが最後に大きな役割を果たすのも面白い展開でした。

利風が晴明の策にハマり真実に一番近い姿へと変貌するクライマックス。この場面、一瞬、宝塚のスターが階段から下りてきたと思ってしまったww。衣装も演出も多少なりともそれを参考にしたのではないかな?しかし演じる向井くんとしては、あれは相当な重量で体力使ったと思う(汗)。

晴明とパイフーシェンの殺陣はとにかく切れ味鋭くシャープでカッコよかった。ハラハラドキドキするんだけど、画的に本当に美しい…。新感線の舞台は殺陣のスピード感や激しさもカッコよさも大きな魅力の一つなのですが、倫也くんと向井くんの戦う姿はまるで別世界のような華やかさがそこにありました。

ここまではグッとくることはあっても涙することはなかったんですけど、最後の最後にとてつもない切なく哀しいシーンが待っていまして…。
晴明がパイから「なぜ自分の考えが読めたのか」と問われた時にその理由を語るシーンがあります。そのセリフを聞いた時からもう…ウルウルしてしまって…。前半のところで晴明と利風がいかに信頼し合っていた大切な親友同士かというのを見ているゆえに、なおさらあの言葉は重みがあった。

そして別れの時…。あれはもう、涙無くしては見られない(泣)!!!!思い出すだけでもウルウルしてしまいます。一瞬でもあの頃に戻る時間が二人の間に流れたことだけは本当にせめてもの救い。でも、お互いに失ってしまったものも大きくて…。
ラストシーンの晴明のセリフがこれまたさらに泣けるわけです(涙)。きっとあの時彼は、自分の中に最後のひとかけらの感情が残っていたことを悟ったのではないかな…。もしかしたらそれは、利風が最後に彼に贈ったものだったかもしれないし…色んな解釈できるラストなんですが、とにかくそれが切なくてカテコでも涙が止まりませんでした。

他にも見所がめちゃめちゃたくさんあって感想書き切れないくらい。これ、本当は見切れのないもっと観劇環境のいい場所で観たかったなぁ(苦笑)。

キャスト別の感想と後述は次のページにて。