2幕
2幕冒頭のデスイーターたちのダンスはこの作品の中でも大きな見せ場のひとつだと思います。アンサンブルキャストさんたちの迫力の動きがとにかくカッコいい。そして「暗闇」をうまく使った演出もすごいです。”黒”の背景を存分に生かしたからこそできる見せ方。海外のクリエーターは本当に凄い発想力持ってるなと毎回感動してしまう。
そして榊原アンブリッジ校長がまた最高にコワ可愛い!凛としたマクゴナガル先生とは真逆の、悪に染まり切った雰囲気が最高に素敵です。表向きは可愛らしい言い回しをしてるけど、目は笑ってないし言葉には鋭い棘がたくさん詰まってる。さらにスコピを追い詰める時の杖の攻撃がめちゃめちゃ怖い!!
スコーピウスがスネイプ先生と対面する場面。篠原スネイプと門田スコピの鬩ぎ合いがこの日は特に凄くて痺れました。元の世界に戻りたい門田スコピが最後は涙ながらに懇願してて…もうその姿だけで泣ける(涙)。
後日、あるキャストさんがこのシーンの二次創作(スピンオフ的な作品)を作ってくれたのを見たのですが、ものすごく腑に落ちるものがあって。次回はそれを頭に入れてから観てみようかなと思いました。めっちゃ力作だったからもう見れなくなっちゃったのすごく残念。
中別府ハーマイオニーと竪山ロンが愛を確認し合う場面も何度見てもウルウルっとくるんだけど、今回は”もうこの二人で見るの最後だなぁ”という感情があったからか思わず落涙してしまった(泣)。これでもかってくらい”愛”が伝わってきたよ…!
それから、榊原マクゴナガル校長がハーマイオニーを叱り飛ばすシーンも忘れがたい。愛情があるからこそ厳しく接する榊原さんのお芝居に今まで以上に心打たれました。
無事に戻ってきたアルバスと関係がうまく保てずに声を荒げてしまう石丸ハリー。昨年見た時よりも石丸さんのこのシーンでのセリフの熱量が本当に凄くて、まるで自分が責められてるような気持にさせられてしまうほどだった。楽ということもあり、さらに台詞への想いが強まっていたような感じがしたかもしれない。
そして藤田アルバス、彼がこのシーンであんなにエグエグ泣いてるの見たの初めて。もう嗚咽状態で「分ってる…」って父親の強い言葉を遮っていた姿がとても印象深かった。藤田アル、石丸ハリーとの時間が過ぎていくことに寂しさをこらえきれないような、そんな雰囲気もあったんですよね。私も一緒に目が潤んじゃったよ(涙)。
後半大きな見せ場となってくるのがデルフィーの場面。宝意デルフィーは本当にゾクゾクするくらい妖しくて、そして迫力満点です。ネタバレ深くなるからあまり書けないんだけど、あの芝居はめちゃめちゃ圧倒されますよ。
それゆえに、アルバスとスコーピウスの運命が大きく変わっていくシーンがすごくドラマチックに見える。二人の友情があの危機を経験していくことでさらに深まる感じ。この日は特にそのきずなの強さを実感したかもしれない。お互いがお互いを守ろうと必死になる姿に胸打たれます。
そして後半に差し掛かる場面での「動く迷路」のシーン。セドリックとついに二人が対面する場面は何度見ても涙無しには見れません、本当に。彼が登場しただけで号泣(涙)。先の運命が見えているだけに、ここはホントに切なくてたまらない…。どんな想いでアルバスが必死に言葉をかけたのかとか、それに同意するようにセドリックを見つめて頷いてるスコピとか・・・思い出すだけでも涙がこみ上げてしまう。
その後出てくる車掌さんとのやり取りはめちゃめちゃ癒しw。川辺さん演じる駅長さんが今回はリアクション付きでアルバスとスコピに説明しようとしてて思わず吹き出しちゃったよ(笑)。今まで見た中で一番「伝えたい」って気持ちが前面に出てた楽しいお芝居でした。
息子の行方が分からず混乱するハリーがダンブルドアの肖像画と会話する場面はめちゃめちゃ泣けるのですが、今回の石丸ハリーの熱量がこれまたすごくて…聞いていて胸が張り裂けそうだった(涙)。特にダーズリー家に預けられたことへの憤りと哀しみをぶつけるセリフ…「何年も!!!」っていう叫び声があまりにも痛々しくて哀しくて一緒に泣いたよ…。溜め込んできた想いのすべてをぶつけてたって感じ。
それに対して篠原ダンブルドア、石丸ハリーの言葉のひとつひとつをしっかりと受け止め浄化していくかのような雰囲気があってとても神々しく見えました。
ハリー
「行かないで」
ダンブルドア
「愛する人たちは永遠に自分と共にあるのだよ。死が分てないものもある。絵具と記憶と、そして、愛」
このやり取りの後に呟いたハリーの一言。石丸さん、ものすごく気持ちを込めて発してた。流れ落ちる涙とそれを拭う手…すべてが愛おしい時間でした(涙)。
さらにそのタイミングで現れる松田ドラコのハリーへの気遣いがまた泣けたんだよなぁ。「大丈夫か?」って言葉の中にすごく愛が沁みわたっていて…。不器用ながらも懸命にハリーを励まそうと雑談を始めるけど長く続かない。「本題に入っていいか?」と照れくさそうに告げる言葉。大人になったドラコって、口は悪いんだけど心根は人思いのとても優しいキャラなんですよね。今回の松田さんのお芝居からはそんな温かみが随所に感じられてものすごく感情移入させられました。だからこそ、ハリーも彼に心を開けたんじゃないかなと思った。
ハリーの運命の日に取り残されたアルバスとスコーピウス。彼らが愛する親と再会する場面もとても感動的です。馬渕ジニーは息子を泣きそうになりながらしっかりと抱き留め、松田ドラコは戸惑いながらも門田スコピを逞しい手でがっしりと受け止めてました。
デルフィーを待つ間に彼女の本当の思惑を皆が悟る場面。ここでアルバスが「僕が本当に得意なことは何か知ってる?」と問いかけた時の石丸ハリーの反応が可愛らしかった。ここのシーンはそれぞれのハリー役者によっていろいろ違うんだけど、息子との距離感がまだ掴めなくて恐る恐る「たくさんあるからな」って言葉をかけてる石丸さんのお芝居はとてもチャーミングでした。
デルフィーは闇に憑りつかれてしまった子なんだけど、親への想いは本物なのが泣けるんですよね…。この作品の中で一番孤独なのは彼女なんじゃないかと毎回思ってしまう。
このクライマックスでの対峙シーンは色んな印象深い言葉が出てくるんだけど、アルバスの反論に対する大人たちの”答え”の台詞は今の時代にもすごく通じるものがあるなと思います。その境地に至るのはとても難しいことだけど、すごく大切なこと…。きっとアルバスたちにも理解できる日が来ると信じたい。
そしてあの、この作品の中で最も胸張り裂けるほど哀しいシーン。石丸ハリーの感情の動きがもうリアルすぎて…涙腺大決壊(泣)。しばらく涙止まらなかったよ…。
ラスト、日常が戻ったあとのアルバスとスコーピウス。この二人の関係性の微妙な進化がとても微笑ましいのですが…藤田アルバスが後半からもう涙目でねぇ。最後の石丸ハリーとの場面では必死に涙堪えてたんだけど最後の最後は耐え切れなくなったからかボロボロ涙が溢れてて。あんなにボロ泣きしてる藤田くん見るの本当に初めてだったから、つられて私も最後まで涙止まらなかったよ。それだけ彼の中で石丸さんの存在って大きかったんだなってすごく実感しました。
後述(石丸幹二さん楽のカテコ)
カーテンコール、最初の挨拶の時から涙が堪えきれないアンサンブルさんたちの姿がチラホラ。さらにメインキャストの皆さんも抑えきれないといった様子で…。特に藤田くん、門田くん、馬渕さんは顔を上げるのも難しいというくらい嗚咽してて、あんな姿見たらもうこちらとしても涙腺が持ちこたえられない(泣泣)。
そんな中で中央に立っていた石丸さんは一人やり切ったという爽やかな満面の笑みを浮かべていたのがとても印象深かった。周りのキャストさん殆どが立ってられないくらい泣いてる人ばかりのなか、カンパニーを包み込むような温かい笑みを称えられてて…それが余計涙を誘いましたよ(泣)。
2回目のカテコでは総立ち状態になった客席でしたが、石丸さんの合図でいったん座ることに。ここでご自身の千穐楽の挨拶がありました。
「気が付けばハリーポッターの舞台も2年が過ぎようとしてます。今一緒に舞台に立っている皆に助けられた月日だったと思っています。稽古中はコロナ禍でみんなマスクをしてて、本番始まるという時にようやく顔が分かるなんてことがありました。作品は今後もロングランしていくので、今度は客席から楽しませてもらおうと思っています。皆さん、本当にありがとうございました」
※覚えてるエピソード繋ぎ合わせたコメントです。
挨拶の最後に石丸さんがカンパニーに向かって「みんな本当にありがとうございました」って深々と頭を下げていた光景が本当に感動的だった。それを受けて、堪えていたものが一気にあふれ出し涙が止まらなくなるキャストさん多数で…。もうあそこに立っていたメンバーほぼ全員が泣いてたと思う。藤田くん、門田くん、馬渕さん、橋本さんは顔をくしゃくしゃにして大号泣してて…私も溺れるかと思うくらい泣いたよ(涙涙)。
それくらい、ハリポタカンパニーのみんなから愛されていた石丸幹二さん。石丸さんがどれほど皆さんの大きな支えであり陽だまりのような存在だったのか実感できる瞬間でもあった。それと同時に、こんなにも人間力の高い周りから愛される素敵な役者さんのファンになれて本当に良かったなと心から思いました。
最後のカテコで捌けていくとき、大勢のキャストの皆さんの涙のタックルを一人で受け止め嬉しそうな笑顔を浮かべながら去っていく石丸さんの姿が忘れられない…。ものすごく尊い光景だった。
本編後半からカテコにかけて大号泣してた藤田くんのSNSコメントも泣ける…!!
長旅お疲れ様でした🚂@team_kanji
幹二さんの息子になれて、幸せでした。
このカンパニーに入れて、幸せです。最後まで、よろしくお願いします。#ハリポタ舞台#呪いの子 pic.twitter.com/9UxzmLs9Cb
— 藤田悠(ふじたはる) (@haru_fujita943) April 18, 2024
短い言葉の中に石丸さんへの尊敬と愛がこれでもかというほど感じられて涙出たよ…。
さらに門田くんのSNSのコメントも泣ける…!!
幹二さんの千秋楽
手紙を書きながら涙が止まらない。父のような存在でした。優しくて逞しくて偉大な貴方の背中をずっと見ていました。また会う約束をした。
「宗大メイク空いたよ〜」「は〜い」
って毎日した会話、思い出す度に陽だまりの中へ包まれます。大好きです。永遠に#ハリポタ舞台 #呪いの子 pic.twitter.com/IhdqHt1tcX— 門田宗大 (@SoudaiKadota) April 20, 2024
石丸さんはまさにカンパニーにとっての大きくて温かいなくてはならない太陽のような存在だったんだなって思えるコメントだった。
他の共演者の皆さんのSNSでのコメントも全部目を通したけど、お一人お一人の石丸さんへのありったけの愛情が文章から伝わってきて…それを読んでサイドめちゃめちゃ涙していた私です。
『ハリー・ポッター』シリーズに関してはズブの素人同然だった私。おそらく石丸さんがこの舞台に出演することがなければ観に行く機会もなかったかもしれません。石丸さんのおかげで、こんなにも素敵な作品に出会えたといっても過言ではないのです。本当に感謝してます。
ハリー役 多分244回。無事に務めあげることができました。丸一日が過ぎてやっと興奮が鎮まってきてます。
17日の私の最終日
舞台中でこの台詞
『これまで一人で戦ったことはない。これからもだ。』… pic.twitter.com/PMQ2Na2Gt8— 石丸幹二 (@team_kanji) April 18, 2024
石丸幹二さん、約2年に渡るハリー役、本当にお疲れ様でした!!
次回のハリポタは5月。ずっとアンサンブルで頑張ってきた上野聖太くんのハリー・ポッターの回です。どんなハリーになるのかものすごく楽しみ!!期待しています!