ミュージカル『ファントム』 2010.12.09大千穐楽

大阪の梅田芸術劇場で大沢たかおさん主演のミュージカル『ファントム』がついに大千穐楽を迎えました。2年前は東京の青山劇場で大千秋楽を迎えていましたが、今回は大阪。でもたとえそれが九州・沖縄・北海道方面だったとしても私は駆けつけたと思う(笑)。

と、いうことで早い段階からチケットを確保してこの日が来るのを心待ちにしていたのですが…いざ来てしまうと本当に寂しくて哀しくて(涙)。未だに終わってしまったこと、大沢さんのファントムにもう会えないことを受け止めきれないでいます…。最終章でしたからね…(涙)。正直、この感想を書くのも涙涙になってしまってなかなか進めずにいたりしました…。

大楽の公演は…それはそれはもう、言葉では言い表せないほど素晴らしいものでした。チケット代金がかなり高額ではありましたが(汗)私はそれ相当の…もっと言えばそれ以上のものをもらえたと思っています。東京公演を3回、大阪公演を3回、合計6回…初演の3回を合わせると全部で9回、大沢さん主演の『ファントム』を観てきました。私個人の観劇回数としては決して多いほうではないのですが(←それでもかなり行ってるけど 爆)、間違いなく今までとこれからの舞台観劇暦の中で3本の指に入る特別な作品です。

そんなことを思い描きながら座席について、オーバーチュアが鳴るのを待っている時間帯…なんともいえないような胸いっぱいの心境になってしまった。

今回の公演で思ったことの一つにオーケストラの音楽の素晴らしさが挙げられます。再演は6回行きましたが、全ての公演で演奏にほとんどブレがなかった。安心して聞いていられたし『ファントム』という世界にドップリと浸ることができました。そういった意味ではとてもレベルが高い演奏だったと思います。梅芸は特に劇場音響も非常にいい状態だったのでまるでクラシック音楽を聴きに来ていたような気分でした。

オケの皆さん、ありがとうございました。

そしてモーリー・イェストンの素晴らしい楽曲の数々

私はこの人の創り出す音楽が心底好きです。その中でも『ファントム』は別格。心の琴線にこれでもかというほど触れてくる。劇中でエリックが涙ながらに「クリスティーンを聞けた」と語るシーンがありますが、私にとってこのミュージカルがまさにそれです。

今、この瞬間に、大沢たかおさん率いるカンパニーの創り出した『ファントム』に出会えたこと・・・それは「奇蹟」だったとすら思う。本当にありがとう、と心から伝えたいです。

※大阪公演1回目感想↓

※大阪公演2回目感想↓

 

千秋楽の主なキャスト
ファントム(エリック):大沢たかお、クリスティーン・ダエー:、フィリップ・シャンドン伯爵:古川雄大、カルロッタ:樹里咲穂、ゲラール・キャリエール:篠井英介、アラン・ショレー:石橋祐、ルドゥ警部:中村まこと、ジャン・クロード:永島克 ほか

以下、ネタバレ感想になります。恐らく、相当暑苦しい内容になっているし長いのでご注意を!

 

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大楽なのでシーンごとの感想になります。ホントに恐ろしく長く暑苦しくなると思いますがよろしければお付き合いください。

Overture

最初の音楽が始まったところでは客電がついたままなので会場もちょっとざわついた雰囲気なのですが、今回の座席は皆さん非常に落ち着いて静かだったのでいつもとは違った気持ちで『ファントム』の世界に入ることができました。それにしても、やっぱり最初から音楽が素晴らしいよなぁ。クラシック音楽聴いているような感覚

緊迫した音調になって客電が消えるとなんだか自分の中でいつも以上の緊張感が…。あぁ、最後の『ファントム』が始まるんだ…と思ったらもうこの時点から目がウルウル状態になってしまいました(涙)。

Melody De Paris

杏クリスティーンの登場ですが、東京公演初期の頃から比べるとかなり動きに余裕が出てきたのが分かります。赤ん坊を抱いている女性にとても優しい笑顔を見せていたり、表情がすごくよくなった

そして歌ですが最初の頃よりも微妙にキーを下げて歌ってるからか杏ちゃん自身も歌いやすそうだったし観ていて聞き苦しいと感じることもなくなりました。決して上手い歌になったというわけではないんですけど(汗)全体的には最初の頃に比べるとずいぶん安定したと思います。そんな杏ちゃんを見て…せめて東京でこれに近い状態になっていたら…とついつい考えてしまった。それだけが本当に心残り。

それにしてもこの歌、本当に素敵なんですよねぇ。頭に残るし舞台上のキャラクター達の表情もすごくいい。個人的には楽しそうにスキップしてる角川さんの警官が可愛くて好きでした(笑)。それから初演とちょっと違うなと思っていたのがファントムを髣髴とさせる人物がこの中に混じっていること。片目に包帯を巻いていて乞食のような格好をして木箱を引っ張ってる。その中に仮面があって、警官に指摘されると慌てて立ち去るんです。とても印象的だった。

Phantom’s Entrance

温かい日差しが降り注ぐようなシーンから一転して暗くジメジメした空間に場面転換し、ボロの布をまとったファントムが登場するんですが…階段のところで落ち着きなく体を小刻みに震わせている大沢ファントムが非常に印象的でした。毎回この登場シーンから心奪われてしまう。顔は客席にはほとんど見えない演出になっているにもかかわらずどうしようもなく惹きつけられる。

そこにいるのは大沢たかおではなくてファントム=エリックなんですよね。「パリは墓場」と歌いだす声も哀しみと絶望が込められていて…聞いているだけでも涙が溢れてしまった(涙)。

そしてブケーを殺してしまうのですが…あの刺しかたは憎しみそのもので本当にゾクッとする。でも、一方でものすごく哀しいんです…。大楽では「哀しい」といった感情のほうがすごく大きくて気づいたらボロボロ涙がこぼれてた(涙)。

Dressing for the night

出てくるアンサンブルさんたちの煌びやかな衣装が素敵で毎回楽しみにしていたシーンです。それぞれのカップルの中での関係性も見えてくるし歌の内容も「オペラグラス覗いてもプリマだけ見てちゃダメ」とか言ってて面白い。さらには女性たちが男性に「新しい服を買ってね、流行遅れじゃ恥ずかしい」と歌うシーンもありファントムと住んでいる世界が全く違うんだと思い知らされるシビアな面もあります。

そんななか、あるカップルが階段中段あたりで歌いだした時にファントムがフッと上に現れる。そして「キスを交わす」というシーンになった時に思わず目を背けてしまう。これホント切なかったです(涙)。どんな想いでこの光景を見ているんだろうって…立ち姿から哀愁と羨望のオーラがものすごく感じられるんですよ、大沢ファントム(涙)。それだけに彼の歌う「パリ、闇の街」という歌詞が本当に胸が痛んでここでもまたボロ泣きでした…。

その後、ショレーさんとカルロッタがラブラブ状態で現れて自分たちがオペラ座の支配人になると宣言。それを聞いた客たちが口々に「それじゃあ私物化じゃないか!」とか解任されたキャリエールに「これからどうなるんですか」と詰め寄ったりものすごい緊迫感あるシーンになります。

大沢さんが全力でファントムを演じてることのオーラがキャスト全員に確実に染み渡ってるなと感じられる一シーンでもありました。アンサンブルさんたちの芝居も芝居に見えなかったから。そこに起こっている事件がものすごくリアルに見えた。

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Where in the World

キャリエールが一人になったのを見計らいファントムは自分の住処に彼を招き入れる。ここの演出も初演とは違い大沢ファントムが現れる前にダミーファントムが出てくるんです。そのあたりが面白いなと思いました。

で、この時の大沢ファントムはボロの布を頭からかぶり顔はほとんど見えないような照明になっているんですけど…伝わるんですよ、彼の不安と怒りと哀しみが…痛いほど

キャリエールのことを本当に頼りに思っていただけにファントムにとっては彼が解任されたということはまさに死活問題なんですよね。体全体で怯えと今後への不安を体現している大沢ファントムから目が離せないし涙が止まらない…。そんな彼を特に感情を表に出すでもなく見守り淡々と事実を伝えている篠井キャリエールとの対比も非常に印象的でした。

さらにはカルロッタの歌声に激しい拒絶反応を見せるときの仕草も胸に迫る…。「私には美しいものが必要なんだ、分かるだろう!?」とキャリエールに懇願している時の大沢ファントムが切なくてたまりません。表情がよく見えないんだけど不安と苦しみで自分自身が壊れそうになってしまっているのがものすごく伝わってきて涙がまた…(涙)。

さらに胸が痛むのが「時々忘れてしまうんだ、私に似合うのはこの陰気な空間だけだということを」というようなセリフ…。大沢ファントムの台詞回しがとにかく哀しくて哀しくてボロ泣き…。

そして♪Where in the World♪が来るものだから…ここからさっそく涙がMAX状態に(汗)。

私は大沢さんの歌うこのナンバーが『ファントム』の中でも特に好きだったんですよね。初演の時から好きだったけど再演ではさらに洗練されてて…大阪にきてからそこからもう一歩進んだ何かがあった。歌も安定していたしそこに上手く感情を乗せる余裕もあった。「どうして生まれた、こんなところに、せめて一筋の光さしてくれ、この闇にも」のくだりは涙なくしては聞けません(涙)。美しい音楽を聴きたいと切望する気持ちも痛いほどストレートに伝わってくる。耳に手を当てて必死にそれを捜し求める仕草もあり嫌と言うほど彼の孤独感を痛感させられるのです。

そして最後の「その人を」の時のあのしっかりとした声量と声の伸び。きれいな歌い方というのとは違いますが、非常にドラマチックで激しく心を揺さぶられました。初演ではなかなか声が伸びなくて苦労していた姿を見ていただけに本当に感無量でしたね(涙)。ナンバーが終わってしまった後は「もうこの歌を大沢さんで聞けないのか」と想い寂しくて号泣状態になってました…私。楽の大沢さんの歌い方もいつも以上に感情が高ぶっていて本当に素晴らしかったです。

その後ジャン・クロードにシャンドンの招待状を見せにやってくるクリスティーンですが…楽のこの日はちょっと杏ちゃんの芝居が東京公演のような元気少女に戻りかかったかなといった雰囲気でした。でも違和感なかったし可愛かった。やたら三枚目を強調していた東京公演のときよりずっとこちらのほうがいいと思う。

This Place is Mine

樹里カルロッタの一番の見せ場であるソロですが…本当に彼女は楽しそうにこのナンバー歌ってましたねぇ。表情もコロコロ変わるので見ていて本当に楽しめるし見応え十分でした。オペラ歌唱はちょっと弱かったかもしれませんが、それでもカルロッタというキャラクターをしっかりと客席に印象付ける表現力は素晴らしかったと思います。

歌の後半でショレーさんがやってくるんですが、彼のカルロッタを見つめるまなざしがホントにトロ~ンとしてて微笑ましいんですよね。石橋ショレーさんの見た目とは違うヘタレっぽい部分が最高に素敵でした。

夫婦の時間になろうとした瞬間にジャンとクリスティーンが尋ねてきますが、本当に杏ちゃんのクリスティーンが東京とは違うイメージになったなぁと改めて思ってしまった。ちょっと気弱な女の子って感じになっててこちらのほうがシックリ来る。このシーンはクリスティーンの紹介が大金持ちの貴族であるシャンドン伯爵からということで急に二人の態度が変わったり、カルロッタがクリスティーンに「歌は上手い人のそばにいれば上手くなるから」と意味深な(笑)言葉を投げかけたりでけっこう笑いが楽でも起こってましたね。

Home

『ファントム』という作品の中でもこのナンバーは個人的にかなりお気に入りなんですけど、これまでは杏ちゃんの歌唱力がどうも今ひとつ安定せず微妙な心境になることが多かったんです。が、前楽あたりからなんだかとても聞きやすくなってて…大楽ではさらに安定していた気がしました。恐らく今までの中で一番安心して聞けたかもしれない。彼女の歌唱力を気にせず音楽に浸ってウルウルきてましたから、私。最初の頃は本当にどうなることかと本気で心配しましたが、よくぞここまで到達してくれましたよ、本当に。

そして後半で大沢ファントムの歌も入ってくるんですが…その佇まいを見ただけでドキッとしてしまった。彼の中の負のオーラがどんどん浄化されていくのが分かるんですよ。とても穏やかで…「できるはずだ、この人なら」のくだりで歓喜の感情が彼の中を駆け巡っていく。もうこの一連の感情の流れがものすごくリアルに伝わってきて…それだけで彼に感情移入して胸がいっぱいの気持ちにさせられてしまう(涙)。二人の合わさった歌声もこれまでの中で一番きれいに響いて拍手も大きかったです。

歌のレッスンをしたいと申し出るファントムが「できればそう願いたいが」とちょっと自信なく俯くシーンがとても印象的でした。恐る恐るクリスティーンに接してるのが分かる。この時の大沢さんの芝居が胸に迫る。振り向こうとしてるけどできないみたいな杏クリスティーンの表情も可愛くてよかった。階段から飛び降りて立ち去る演出もよかったです。大沢さんってアクティブで身軽ですよね。

そして歌のレッスンシーン。この日の大沢ファントムは今まで以上にエキセントリックだった。ピアノを弾いてる時の動きがとても激しくて後半はかなり髪を振り乱してたなぁ。クリスティーンの歌声にどんどん引き寄せられてその魅力に飲み込まれていくっていうのがかなりリアルに伝わってきました。

で、その合間に出てくる舞台上手で行われるカルロッタのアイーダ失敗事件についてのやり取りですが…阿部よしつぐ君、前楽に続き再び見事な全裸でカツラに虱がいたと報告に現れました(笑)。前楽では布切れみたいなので大事なところを押さえてましたが(笑)今回は自分の警帽で大事なところ隠してた(笑)。最後に石橋ショレーさんから「早く何か着てこいっ」とツッコミ入れられてましたよ。いやぁ、二日連続してよしつぐくんの見事な全裸姿観ちゃったよ~。素晴らしい筋肉が印象的だったわ~。

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Phantom Fugue

ブケーの死体が現れてファントムがついに殺人事件を起こしてしまったことが発覚。この楽曲はとても緊張感に満ちていてスリリングで聴き応えがあります。耳にも残りやすいし途中からちょっとした交響曲を聞いているような気持ちにもさせられる。

さらにこのナンバー歌ってる時のアンサンブルさんたちと中村ルドゥさん、石橋ショレーさんの表情がものすごく鬼気迫っててゾクッとします。角川さんの目の見開き方もすごかったですよ。目でも耳でもゾクゾクさせられるシーンでした。

後半部分で下手上部のほうに大沢ファントムが現れ怒り狂う人々を見つめているんですが…その表情は最初は「無」って感じ。ほとんど感情が表に出ていない。それがだんだん目が鋭くなっていって徐々に怒りにも似た感情が表情に表れてくるんです。

そしてフッと哀しげな目も見せる…。登場している時間は短いのですが、その中に大沢ファントムの様々な感情が感じられました。これすごいことですよ、本当に。下から見上げた横顔がなんだかハッとするほどきれいだったし、マントの翻し方もすごくサマになってた。

You are Music

結局楽までよく分からなかった謎の5分休憩の後、ファントムとクリスティーンが現れる。最初に現れた大沢ファントムはどこか憂いを秘めていて自分の中に沸き起こった新たな感情に戸惑っている様子で…もう、観てるだけで切なくなってきてまたウルウルきてしまった(涙)。この感情が後に悲劇へと導いてしまうわけで…それを知ったうえでこの時の大沢ファントムを観てしまうと本当に泣けるんですよ。

そしてクリスティーンを外の世界で歌わせることを決意し二人で音楽を奏でていく。ここのナンバーもとっても美しくて印象的。初演ではイベントで大沢さんとこのナンバーを客席で一緒に歌ったなぁと懐かしい思い出も蘇ってきていろんな意味で胸が熱くなりました。あの頃から考えると本当にすごく進化したと思うよ。

ここで印象的なのは最初に出会ったときとは違うクリスティーン本人への想いが歌っているうちにどんどん溢れ出てしまったファントムが彼女にすがるような仕草で歌うシーンです。

ここだけ切り取って観るとかなり妖しいシーンに見えるんですが(汗)、一連の流れでこの彼の行動を見ると切なくてたまりません。初めて恋愛感情に支配され彼女にどう接すればいいのか、触れたいけど触れていいのか、様々な感情があの行動の中には秘められている。破裂しそうな彼の想いが観ていて切なくて泣けてくるのです(涙)。そしてクリスティーンの手に触れて握った時に彼女もそれに応えてくれた、その喜びと幸福感から思わず笑顔がこぼれる大沢ファントム…。泣けたよ…。

いつもはこのシーンで静寂な時が流れていたのですが、楽ではちょっと遠慮がちではありましたが拍手が起こりました。ちょっとホッとした瞬間だった…。

The Bistro

本格的に登場してくる古川シャンドン伯爵。彼も東京公演で観た時よりもずっと進化しているなぁと改めて感じさせるほど優雅で気品溢れる芝居を見せてくれました。もう立ち姿からしてお金持ちの貴族って感じ。浮世離れしたような雰囲気があって根っからのお坊ちゃまみたいな伯爵(笑)。クリスティーンへの接し方もとてもスマートです。しかしながら古川君…本当にきれいな顔立ちだったわ~。

シャンドン伯爵に促されて歌うことになるクリスティーンですが、最初に戸惑って小さな声になってしまうときの杏ちゃんの表情がとても可愛くてよかったです。それを聞きながら小指立てて馬鹿にしたように笑ってた角川ウェイターも面白かった(笑)。

そこへオケピからスッと現れるシルクハット姿の大沢ファントム。後姿しか見えませんが、その表情はとても優しくて穏やかだというのが背中から感じ取れる。大沢ファントムの手の動きの柔らかさもきれいだったし、あの安心しきったような柔らかい笑顔を見せていた杏クリスティーンもとても印象的だった。

そこからクリスティーンの歌は進化していくんですが、以前よりもかなり聞きやすくなってました。高い音の出し方も聞き苦しいと感じた東京公演からすればだいぶ改善されたと思う。音程はちょっと微妙だったけど、個人的にはそんなに気になるといったレベルではなかった。「この胸のトキメキをあなたに」とファントムに向き直ったときにはその姿はなくちょっと寂しそうな表情をしてた杏クリスティーンの芝居もとても良かったと思います。

で、彼女の歌に感激した中村ルドゥ警部。女性アンサンブルさんと仲良くダンスするんですが、この日はなんだかエドはるみがやってたようなグーグーダンスを披露してて、それをみんなも顔をしかめながら真似してたのが面白くて笑えました(笑)。この時のルドゥさん、めっちゃ楽しそうだったし微笑ましかったわ~。全裸で出てきたよしつぐくんもさっきとは打って変わってのイケメンっぷりで美声を響かせてました。

みんなで大合唱した後にあの中村ルドゥのスローモーションな動きがあって、それに応える石橋ショレーさんのシーンが出てくるのですが…大楽のこの日は石橋ショレーさん、いつものように1回転したあとさらにジャンピングスピンまで披露してくれましたよ(笑)。でもだいぶ軸がブレてたので転びそうになってて客席から笑いが起こってました(笑)。

クリスティーンが「タイターニア」の主役をやることが決まった後みんなが舞台袖にはけていくんですが、その時誰かが「タイターニア行きたいな」みたいなことを言った後「ミュージカルのファントムもいいよ」みたいなアドリブを言ってたのがチラリと聞こえてしまった(笑)。もう少しよく聞きたかったわ、そこのところの会話。

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Who Could Ever Have Dreamed Up You

シャンドン伯爵がクリスティーンに熱烈ラブコールを送るシーン。古川シャンドンがクリスティーンに十字架のネックレスをあげるところがとても印象的です。「それは?」と尋ねられてちょっと考えた後に「お守り」って言ってかけてあげるんですよね。本当はもっと気の効いた愛の言葉を言いたかったんだろうなって思えて微笑ましかったです。

このナンバーはシャンドン伯爵の動きがけっこうあるんですけど、東京で観た時よりもずっと優雅に動けるようになりましたねぇ、古川君。それだけでなんか感動してしまった。以前は重々しくロボットみたいと感じられたところもゆったりと流れるようにステップを踏んでいて苦手意識を感じることはありませんでした。何よりも本当に貴族っぽい。あと「フゥ」っていうため息の歌い方が面白かった(笑)。

二人の距離が休息に近づいていく後半部分になると、上のほううに大沢ファントムが静かに現れます。少し歩いてきてから二人にハッと気がついて心の中で動揺が広がっていくのがあのちょっとした動き一つのなかにものすごく感じられて胸が締め付けられるように切なくなりました(涙)。

そして少しずつ中央付近まで進んでいく。オペラグラスでその表情を覗いてみたんですが…もう、なんともいえない哀しみと嫉妬心に必死に耐えてるような顔してましたよ…(涙)。そして二人が去った後にクリスティーンに渡そうと持ってきた花束を取り出す。もうそれだけで私は号泣モード突入です(涙)。欄干の上からその花束を落とすんですが…この日は哀しみと苦しさでフルフルと体を震わせながら落としてました…。その姿があまりにも哀し過ぎてもう涙が止まらなかった(涙)。

ちなみに前々楽に観た時は花束を取り出した後にフッと自嘲して「なんて自分はバカだったんだろう」と言わんばかりの表情で落としてました…。それもかえって哀しかったなぁ…。恐らくここは大沢さんのその時の感情に因って色々違っていたのかもしれない。

初日の開演前のアンサンブルさんたちの小芝居ですが、大楽バージョンもすごく面白かったですよ。

よしつぐくんと杵鞭さんのカップルがケンカみたいになるシーンは前2日間は色んなドラマがあったのですが、大楽はオーソドックスに「あなたその人と何かあったでしょう」と東京公演と同じような展開になっててアレッと思ったんですが、最後の最後によしつぐくんが彼女にキスをして突然指輪をはめて「結婚しよう」とプロポーズ。これには彼女もビックリで大喜び状態(笑)。後ろのカップルは「終わりよければ全て良しだな」と悟ったように語ってて笑いを誘っていました。

そして日替わりで楽しませてくれていた角川さんのチケットちょうだい観客。大楽は「チケットほしくてオバチャンおだてて飴ちゃんもろた♪」ともろ大阪を意識したアドリブ(笑)。ところが飴ちゃんもらってもチケットがなければ中に入れないわけで…「今日は初日なのになんだか千秋楽みたいな雰囲気だなぁ」と言いつつも(笑)この先どうしようかと悩んでる角川さん。そこへよしつぐくんが戻ってきて

「見切れ席でよければ招待できるからよかったらどうぞ」

と救いの手を差し伸べてくれた(笑)。これには大喜びでウキウキ退散していきましたよ(笑)。楽屋が同じだったという二人の見事な連係プレーでした。

楽屋では緊張するクリスティーンの前に意味深なドリンクを持ったカルロッタが現れてやたら彼女を不安にさせる。この持って行き方がなんとも憎らしくて笑っちゃうほど。樹里さんの悪巧み顔がとっても面白かったです(笑)。そして見事に計略に乗せられて喉を潰すドリンクとは知らずに飲まされてしまうクリスティーン。

その一連の様子を影からファントムがずっと見守っている。飲み干した彼女をジッと見据えてたのが印象的だったなぁ。誰もいなくなった楽屋でドリンクが入っていた器を持ち匂いをかぐ姿が実に美しくハッとしました。

Titania

そしてオペラが始まりますが…中西オーベロンの歌声にブラボーと大興奮の中村ルドゥ警部がなんとも滑稽で可愛いです。で、杏クリスティーンの歌ですが…おそらく、今までの中で一番きれいに歌えてたかも。あのまま続けてたらマズイとは思いましたけど(爆)それでも多少の揺れはあったものの持ちこたえて頑張って歌ってました。

途中で歌えなくなったクリスティーンにいの一番に駆けつけるシャンドンですが、その直後に上からロープを伝って大沢ファントムが降りてくる。いつもここの降り方が実に見応えがあってホレボレしていたのですが、この日はちょっとマントが翻り過ぎてちょっと残念だったかも(汗)。

でもそのあとの怒り狂って剣を振るう大沢ファントムの姿はものすごい迫力で目が離せません!動きがとてもダイナミックだし、キレがある。それに仮面の奥の瞳が怒りと嫉妬に燃えていてゾクっとするほど怖い…。あの鬼気迫る芝居は本当に息を呑みますよ…。

そしてそれと同時にこの彼の行動がとても哀しいのです(涙)。自分の感情でしか動けないファントムの姿が切なくて切なくて…彼女をさらってしまった後に躊躇いつつクロロホルムを口に当てさせる時のなんともいえない表情が胸に刺さりました(涙)。シャンドンに彼女を取られまいと哀しいほど必死になってた…。

そして眠ってしまった彼女を抱きかかえて「もう二度と放すもんか、誰にも触れさせない、この人を」と現れる大沢ファントム…その鬼気迫る悲壮なまでの雰囲気、その姿に圧倒されて涙が溢れて仕方なかったです(涙)。それに歌い方がとてもドラマチックで声の伸びが本当に素晴らしいですよ。ここまで持ってくるのにすごく頑張ったんだろうなというのがヒシヒシと伝わってきてそれだけでも感無量でした。

そしていよいよ2幕へ…。